3度見くらいして
エ????ランキング!!?
ってなりました!!!
お気に入り数がめちゃ伸びてて歓喜!!!
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これか〜ら〜もどうぞよろしくね〜〜〜♪♪♪
私は……夢を見ていた。
画面に映る、競馬場。
スタンドには、何万人もの観客。
そして……
一頭の鹿毛の馬が、颯爽と走っている。
『…………さぁその後ろを通って、今ウオッカ上がってきたッ!黒い帽子がすーっとウオッカ上がってきたッ!』
実況の声が、響く。
私は、スマホを握りしめながら画面に見入っていた。
前世の、私。
人間だった頃の、私だ。
画面の中で、ウオッカが走っている。
牝馬。牡馬たちを相手に、堂々と走っている。
私は、画面に釘付けだった。
……すごい。
牝馬なのに、こんなに強いんだ。
『しかし先頭はウオッカだ!ウオッカ先頭だ!』
ウオッカが、先頭の馬を抜いた。
『……なんと、なんと!64年振りの夢叶う!ウオッカ先頭!牝馬が見事に決めましたー!』
スタンドが、爆発した。
画面越しでも伝わる、その熱狂。
私は……
涙を流していた。かっこいい。
牝馬でも、牡馬に勝てるんだ。
その時、私は思った。
ウオッカみたいに、何かを成し遂げられるようになりたい、って。
また画面が、ブレた。
景色が……変わる。
暗い、夜道。
アスファルトの冷たさ。
遠ざかる、足音。
誰か助けて。
口を開こうとするけど……声が、出ない。
血が、流れていく。
温かいはずの血が、冷たく感じる。
意識が、遠のく。
……ああ、これが。
これが、死ぬってことなんだ。
視界が、暗くなる。
音が、遠ざかる。
もう……
何も……
「ヒヒーンッ!!(うあーーっ!!!)」
私は、飛び起きた。
息が、荒い。
心臓が、激しく打っている。
……夢、だ。
前世の、夢だ。また見たのか。
私は、大きく息を吸った。
落ち着け。
もう、あの時の私じゃない。
今の私はサクラノヒメ。
白毛の、競走馬だ。
窓の外を見ると、まだ夜明け前だった。
空が、少しずつ明るくなり始めている。
……そうだ。
私、生まれ変わったんだ。
あの時、死んで。
そして馬として、生まれ変わった。
ウオッカみたいに、何かを成し遂げたいと思った。
そして今……私は、皐月賞を勝った。
牝馬で、牡馬クラシックを制した。
次はダービーだ。
ウオッカが勝った、あのレース。
私も……勝てるのかな?ウオッカみたいに。
…………いや……
勝つんだ、絶対に。
それが……
前世の私への、答えになる。
今の私の、証明。最強だということの、証明になる。
私は、深く息を吐いた。
体の震えが、だんだんと収まっていく。
……大丈夫。
もう、あの時の無力な私じゃない。
今の私は……強い。
走れる。勝てる。
そして……生きている。
窓の外が、オレンジ色に染まり始めた。
朝焼けだ。
もうすぐ、田中さんが来る。
いつものように、挨拶をして。
いつものように、世話をしてくれる。
そして今日も調教がある。
ダービーに向けて。
私は、立ち上がった。
もう、大丈夫。
今は……
前を向いて、走るだけ。
午前5時。
厩舎に、人の気配がした。
「おはよう、ヒメ」
田中さんの声。
私は、小さく嘶いた。
「お、起きてたのか。早いな」
田中さんが、馬房に入ってくる。
「……ん?どうした、何か変だぞ」
田中さんが、私の顔を覗き込んだ。
「めちゃくちゃ汗かいてるな。悪い夢でも見たか?」
……バレてる。
私は、田中さんの手に顔を寄せた。
「お前、大丈夫か?」
田中さんが、優しく私の首を撫でてくれる。
「まぁ、馬だって夢見るもんな」
その温かさが……
心に、染みた。
「よし、じゃあ汗拭いてやるから。少し待ってろ」
田中さんが、タオルを持ってきてくれた。
丁寧に、私の体を拭いてくれる。
「……ヒメ」
田中さんが、静かに言った。
「お前、たまに……人間みたいな目をするよな。何て言うか……ただの馬じゃない、みたいな」
田中さんが、私の目を見つめた。
「まるで、何か考えてるみたいな。理解してるみたいな」
私は、静かに田中さんを見つめ返した。
……気づいてるんだ、田中さん。
私が、ただの馬じゃないって。
「まぁ、それがお前の魅力なんだろうけどな」
田中さんが、笑った。
「だから、お前は特別なんだ」
その言葉が……ただただ嬉しかった。
特別。そう、私は特別なんだ。
元人間で、今は馬。
だから……誰にも負けたくない。
誰よりも、強くなりたい。
「よし、綺麗になったぞ」
田中さんが、タオルをしまう。
「じゃあ、朝飯だ」
飼い葉桶に、飼料を入れてくれる。
私は、ゆっくりと食べ始めた。
「今日も調教あるからな。しっかり食えよ」
田中さんが、私の背中を撫でながら言う。
「ダービーまで、あと10日か」
……もう、10日。あっという間だな。
飼葉をムシャムシャしながらその言葉に耳を傾ける。
田中さんが、優しく笑った。
「お前が勝ったら……牝馬で皐月・ダービーの牡馬二冠。史上初だ」
そうだね。
史上初。前人未到の、領域。
「でも、お前なら出来る。いつでもそう信じてる」
田中さんが、私の額を撫でた。
「一緒に、歴史を作ろうな」
私は、小さく鼻を鳴らした。
……うん。一緒に歴史を作ろうね。
それが私に出来る、私を育ててくれた田中さん達への恩返しにもなるんだね。
調教の時間。
今日は、最終調整の一環として坂路調教がある。
「ヒメ、行くぞ」
たけしが、私の背中に跨る。
「今日は、4ハロン一杯だ」
私は、軽く首を振った。
オッケー、全力で行くよ。
坂路へ向かう。朝の空気が、冷たい。
でも……
気持ちいい。
「よし、行くぞ!」
たけしの合図。
全力で、坂を駆け上がる。
蹄が、地面を蹴る。風が、顔を叩く。息が切れる。心臓が、激しく打つ。
でも……
止まらない。
前へ。ただ、前へ。ひたすら、前へ。
ダービーで見る景色を、想像しながら。
あの大歓声を、想像しながら。
ゴールした瞬間を、想像しながら。
もっと……もっと速く!
「いいぞ、ヒメ!凄ぇぞ!」
たけしの声が、背中を押してくれる。
そして……頂上に、到達した。
「……また伸びてる」
水野さんの声が、響いた。
「……完璧だ。この状態なら、ダービーも間違いないだろう」
たけしが、私の首を何度も叩いた。
「だってよ、ヒメ!」
その声が、喜びで震えている。
「このまま行けば、絶対勝てる!」
……うん、勝つよ。
絶対に勝って、ダービーのトロフィー持って帰ってあげるからね。待っててね。
調教を終えて、馬房に戻る。
はぁ〜疲れた疲れた。
でも、今日も、いい調教だった。
あと10日か。ダービーまで、あと10日なんだ。
私は、窓の外を見つめた。
青い空。白い雲。先頭に立って、誰もいない景色を見る。
ウオッカが駆け抜けた、あの舞台。
もうすぐ、私もあそこに立つんだ。
ホープフルステークスだけじゃなく、皐月賞だけじゃなく、日本ダービーで。
そして……たけしを背に乗せて勝つんだ。
たけしを、ダービージョッキーにしてあげるんだ。
牝馬として。白毛として。サクラノヒメとして。
歴史に、名を刻むんだ。
目を閉じる。
無力で、何もできなかった私。
でも今は……違う。今の私は、強い。
走って、勝って、そして生きている。
そして……みんなの夢を、叶えられる。
……ありがとう、神様。生まれ変わらせてくれて。
馬として、生きるチャンスをくれて。走るチャンスをくれて。
今もどこかで見ているんなら、そのままでいて。
私は、ダービーで勝ってみせるから。
その日の午後。
田中さんが、スマホを見ながら笑っていた。
「ヒメ、みんなお前のこと応援してるぞ」
@keiba_fan_123
サクラノヒメの最終調整、完璧らしい
ダービー本命だわ
#ダービー #サクラノヒメ
RT:15,678 いいね:67,890
@uma_love_45
サクラノヒメ、坂路タイムすげーな
速すぎだろ
これはいったわ
#ダービー
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@keiba_veteran
ダービー予想
◎サクラノヒメ
○エフフォーリア
▲サトノレイナス
牝馬ワンツー、もう一度ダービーで見たい
#ダービー
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「みんな、お前に期待してるんだな」
田中さんが、嬉しそうに言う。
「…………それで、あのさヒメ」
田中さんが、少し真剣な顔になった。
「ダービーに、もう1頭牝馬が出るんだ」
……牝馬?
「サトノレイナスっていう馬。桜花賞2着の、強い馬だ」
サトノレイナス?なんか聞いたことがある気がする。
「牝馬でダービーに挑戦するのは、珍しいんだ。お前と、サトノレイナスの2頭だけ」
そうなんだ。
「なんかさ、不思議だよな。お前もサトノレイナスも、牝馬で牡馬に挑むっていう」
田中さんが、優しく笑った。
「仲間みたいだな」
ありがとう、田中さん。
でも……サトノレイナス、か。
桜花賞2着。ソダシに敗れた馬だけど強いんだろうな。
もし私が出ていなければ、サトノレイナスはたった
いつかユーバーレーベンが言っていたとおり、普通は牡馬に囲まれたら怖いもの。
サトノレイナスも史実では孤独だったんだろうか。
「まぁ、レースになれば敵だけどな」
田中さんが、私の首を叩いた。
「お前は、お前のレースをすればいい。サトノレイナスのことは気にするな」
……うん、そうだね。
私は、私のレースをする。
全力で走る。そして、勝つ。それだけ。
でも……
サトノレイナス、か。
いつか、話してみたいな。同じ牝馬として。同じダービーに挑む、仲間として。
そして私は、小さく鼻を鳴らした。
田中さん、私頑張るよ。
みんなの期待に、応えるために。
私は、窓の外を見つめた。
もうすぐ、夕暮れ。空が、オレンジ色に染まっている。
……綺麗だな。
この景色を、見られて良かった。
生まれ変わって、良かった。
馬として、生きられて良かった。
そして、走れて良かった。
ダービーまであと10日。
私の挑戦は、まだ続いていくんだ。
そして、ダービーが1週間後に迫ったその日。
私は馬房で、いつものようにブラッシングを受けていた。
「よし、今日も毛並み完璧だな」
田中さんが、満足そうに頷く。
「そういえばヒメ、今日はオークスだぞ」
オークス……か。
「新馬戦と札幌で一緒になったユーバーレーベン、覚えてるか?あの子が出てたんだ」
……!
ユーバーレーベン。
放牧で会った、あの優しい子。
友達になれた、あの強い子。
「で、さっき見てきたんだけど……勝ったぞ、オークス」
……勝った!?
「1着だって。ユーバーレーベン」
私は、思わず大きく鼻を鳴らした。
やった……!ユーバーレーベン、やったんだ!
結果は分かっていたとはいえ、やっぱり結果として聞くと嬉しいものがある。
「すごいよな。お前と一緒に走った馬が、クラシック勝つなんて。お前もだけどさ」
田中さんが、笑いながら私の首を撫でてくれる。
「お前も皐月賞勝って、ユーバーレーベンもオークス勝って……なんか、すごい世代だよな」
……そうだね。私は、目を閉じた。
放牧での、あの日を思い出す。
 ̄ ̄一生懸命練習して、頑張って、いつか勝ってみせるよ。
……おめでとう。本当に、おめでとう。
心の中で、そっと祝福を送る。
次は……私の番だね、レーベンちゃん。
ダービー。あと1週間。
ユーバーレーベンがオークスを勝ったように……
私も、ダービーを勝つ。
「さ、ブラッシング終わり。綺麗になったぞ」
田中さんが、道具をしまう。
「来週は、お前の番だからな。ダービー、頑張ろうな」
私は、小さく鼻を鳴らした。
……うん、頑張るよ。ユーバーレーベンに、負けないように。
窓の外を見ると、初夏の空が広がっていた。
もうすぐ、5月が終わる。
そして……ダービーが、やってくる。
私の、最大の舞台が。
いよいよダービー!
どうなるのか!?
はたしてヒメちゃん勝てるのか!?
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