適当でもやっぱ創作たのしいねぇ。
チャイムが部屋に響く。
誰も休むことのできないほど忙殺されている中、お昼休みが幕を開けた。
ただえさえ喧しいゲヘナ学園に活気が満ち溢れ、お祭り騒ぎかと思うほどの喧騒が各所から聞こえてくる。
羨ましい……そんな感情は目の下の隈が定着し始めた頃に失われているわ。
というか、毎日こんな大騒ぎばかりしてるのは治安悪すぎではないかしら?
銃撃音や爆発音だって聞こえてきてるし。
口で言うのは憚られるけど、ゲヘナだし仕方ないと思うの。
だってゲヘナだし。
忙しなく委員が動き回る部屋の中、そのうちの1人が悠々と動き出した。
例の彼女だ。
長財布を脇に、帽子と腕章を机に置いて出口へ向かって歩き出した。
誰も彼女に目をくれない様子は、既に慣れているからか、はたまた目にすれば自分も休みたくなってしまうからか。
真相は明らかではない……むしろ明らかにすべきではないかもしれない。
ともあれ、私も行動するとするわ。
「あれ? イオリ、ヒナ委員長は?」
「さっき席を外すって言ってたけど」
「こんな忙しいのに一体……」
「アコ行政官、こんなメモが共有フォルダに……」
「見せてくださいチナツ。これは……この前の続き?」
「そのようです。委員長は彼女を追って外出したようですね」
「……え、じゃあしばらく帰ってこないんじゃ!?」
「少なくとも、お昼休み中は帰らないかと」
「あ、あの女ァ!」
「アコちゃん、品性!」
「……追いかけてみたはいいものの」
彼女を追いかけて10分ほど。
イヤホンを装着してのんびり歩く彼女をつけてたどり着いたのは学食。
学園屈指の苦労人とも言われているフウカとその後輩のジュリの二人が運営している場所だ。
ウン千人といる生徒全員分の学食を毎日作っていると聞いているが……仕事量は私よりも多そうだ。
と、そんなことを考えているうちに彼女は列に並び……
並び……
「……どこ行くの?」
列を素通りしてく。
そして学食の裏手に来たかと思えば、裏口から入っていったではでないか。
「……???」
休んでるんじゃないのか? 頭の中はそればかりだ。
確認しようにも私が裏口から入ってきたらフウカやジュリはどう思うだろうか。
まさか私の尾行に気づいたかと思ったが、逃げた先が学食の厨房側というのは納得いかない。
モノは試し、私は入り口から学食に足を踏み入れた。
「おいなんか冷たいんだけど!?」
「この味薄すぎない!? もっと濃くしろよ!」
「もっと量ふやせーッ!」
「デザートが無しってどういうことだよ! 舐めてんのか!」
「おい俺のおかず奪うんじゃねぇ!」
「アタシの天ぷら先に取ったのアンタでしょ撃つわよ!」
世紀末かここ。
一瞬で細くなる目を見開き、目的の人物を探す。
いるとしたら厨房の奥か、それともカウンターでジュリと一緒に配膳をしているか。
どちらだろう……背伸びしながらカウンターの向こうを覗こうとしていると、後ろから声を掛けられる。
「いいんちょ。早く食券買ってくんない?」
「え……?」
徐々に列が進んでいたようで、気づくと食券機の前に来てしまっていた。
尾行のつもりが、これでは普通に学食に来ただけになってしまうではないか。
それも悪くないけど。
「メニューはAとBだけ……」
「Aは天ぷら定食でBは天ぷらうどんっスね」
「……どうも」
後ろにいたスケバンが説明してくれたのに軽く会釈してすぐにBを押した。
うどんの方が早く摂取できるから。
「おいいつになったら出てくんだよ!」
「おせーんだよ早くしろよ!」
「人増やせ人をォ!」
「トリニティから拉致ってタダ働きさせろ!」
物騒すぎる。
耳栓が欲しくなる喧騒の中で回って来た私の順番。
私に配膳してくれたのは……ジュリだった。
彼女はどこへ行ったのだろうか。
「ヒナ委員長! 珍しいですね!」
「こんにちはジュリ。そうね、久しぶりだわ」
「相変わらず騒がしい場所ですが、ゆっくり食べて行ってください!」
「ええ……ところで、ちょっと聞きたいの」
「はい? 何でしょう?」
「さっき裏口から風紀委員の子が入ってこなかったかしら?」
私の言葉に首を傾げつつ厨房を見回すジュリ。
どうやら彼女のことを知ってはいるようだ。
「多分あの人だと思いますけど……フウカ先輩! あの人来ました?」
「さっき来てつまみ食いして帰ってったわ!!!」
「……だそうです。怒ってますねフウカ先輩」
「ごめんなさい、ウチの委員が」
「いえ、配膳しなくて済むようにってあの人から言い出したことなので」
「……なるほど、そういう理由だったの」
「優しいですよね……って、並んじゃってる! ごめんなさいヒナ委員長、また今度で!」
「ええ、ありがとうジュリ」
お盆に天ぷら定食を乗せて席へ着く。
……私が頼んだの天ぷらうどんじゃなかったかしら? まぁいいけど。
こうやってゆっくり食事するのは実に久しぶり。
味わいながら食べるのも悪くない……そう思っていた矢先、お盆が吹き飛んだ。
「アタシの天ぷら奪ったのテメェだろオイ!」
「好きな物最後まで取っておくお前が悪いだろ! 奪ってくれって言ってるようなもんだわ!」
「好物のエビ天奪いやがって……表出ろや!!! その悪趣味なサングラスを伊達メガネにしてやんよ!!」
「上等じゃねぇかコラ!! その可愛いストラップ蜂の巣にして……」
「ねぇ」
気付いたら背負っていた銃を前に回していた。
私の存在にようやく気が付いたのか、喧嘩していた二人の顔がブリキの人形のように鈍い動きでこちらを向いた。
足元に散らばる私の天ぷら定食に気が付いたのか、二人の顔色が一気に悪くなる。
「私の天ぷら定食、どうしてくれる?」
「「……」」
「もう時間無いんだけど?」
「あの……」
「その……」
「二人とも、残ってる天ぷら全部寄越しなさい」
「「ハイ……」」
エビ天を食べれたのは、不幸中の幸いだった。
なんか衣がシャバシャバしてたけど……不味くはなかった。
また今度来よう。
……目的見失ってない?
「あんなうるさい場所じゃゆっくりできないよ……やっぱ便所飯が一番ってね」
書きたいこと書いてるだけ。
最近のワイは基本お絵かきマンなのだ。