なので連載状況を完結から連載に変えます。
更新速度はばかみたいに遅くなるけど許してくれ…
グッドモーニング皆さん、おまわりさんです。
お元気にしてましたか? 私は元気です。
最近はサオリと朝ごはんを共に摂ることが多くて、その日は朝から元気いっぱいです。
今日はどうだったか? 一人だったよクソ。
私が今いるのはゲヘナ学園地区。
弾丸やロケット弾やモーニングスターが飛び交う地獄のような母校でございます。
今日ここに来た用事は、ヒナちゃんからの頼み事を聞くためです。マイハニーヒナチャンの為なら銃弾一発で死ぬ身体でここに来るのも吝かではないというもの。
ヒナちゃんはお前のハニーじゃない? うるせぇなヒナちゃんは私のだぞ!!!
エデン条約の件から早くも二か月と半月。
歳を取るたびに時間の進みがどんどん早くなっていくので、ついこの間のように感じる。
サオリが大泣きしてからも二週間くらい経っていて、時間の流れが恐ろしい。四方八方から飛んでくる弾丸より恐ろしい。
さて本題に入ろう。
ヒナちゃんの頼み事というのは「凶悪犯を捕まえて欲しい」という依頼。
先日からキヴォトス全土で指名手配された「悪い大人」が、どうやらゲヘナ地区内に逃げ込んだらしく、その逮捕を手伝ってほしいとのこと。
元々私もその件は追っていたということもあって、喜んでヒナちゃんの依頼を請けたというのが事の経緯。
風紀委員の総力を挙げて事に当たると言っていたヒナちゃんのことだし、きっと一緒に犯人を捜そうって言ってくれると私は思っていた。
現実は非情。そんなことは言ってくれなかった。
その代わりに言ってくれたのは「頼りになる人物をツーマンセルの相方にしたから」という言葉。
風紀委員の中で戦力的に頼りになるのはイオリちゃんだから、その辺りだと思ってたんだ。
イオリちゃんが来てくれたら嬉しいし、おふざけすると的確にツッコんでくれるからお話してて楽しいし、ぶっちゃけ期待していたんだ。
「あ、ようやく来たー! ひさしぶりだね、おまわりさん!」
元気いっぱいに手を振って存在を教えてくれる、ピンク色のショートヘアの女の子。見覚えのある顔に、びっくりするほどラフな格好。
それがあの子だってすぐにわかった。でも、その変化に頭がついてこなかった。
その相方との待ち合わせ場所に来て、開口一番の言葉。もうこれしか思いつかなかった。
「びっくらポンだぜ……」
ヒナちゃんの言っていた頼りになる相方。
それは、ミカちゃんだった。
「なるほど、それでココに来たんだね」
「そゆこと。それより驚いたよ。まさかミカちゃんがお手伝いしてくれるだなんて」
「風紀委員は気前がいいからね~。アルバイトとしてはもってこいだよ」
「おまわりさん的にはもっと普通のアルバイトして欲しいかな……」
私たちの担当は廃校舎のある場所。元から広大な地区であるゲヘナ。廃校舎のある場所と言ってもとてつもなく広く、その全てを隈なく見るのはほぼ不可能。
探す場所をあらかじめ絞っておいて、今はそこへ向かっておまわりさんと一緒に歩いている最中だ。
「それにしても……ミカちゃん、随分変わったね?」
「そう? そういう自覚は無いけど……」
「いやいや、見た目凄く変わったよ」
「あー……それは、そうかも?」
おまわりさんに言われた通り、私の今の格好は到底トリニティ生とは思えないものだ。
上はスウェット、下はスキニーパンツ。スニーカーを履いていて、完全にオフモードのラフな格好。これから悪者退治する人間の服とは言えない。
髪も短く切って、今はショートヘア。首周りは少し寒いかもしれないけど、それももう慣れたこと。
銃はいつものマシンガンではなく振り回しやすい拳銃一つだし、前の私を知っているおまわりさんからしたら「この子変わりすぎ……」って思われるのも無理はないかな。
「風紀委員のアルバイトさ、建物壊すと後がめんどくさくてね?」
「……もしかして、威力調整のため?」
「そういうこと! 弱い鉄砲なら周辺被害抑えられるし、足りなければ……これでね?」
ウエストポーチを開けて中身を見せる。おまわりさんが「うわ」と言ったのは聞き逃して無いよ?
ジャラジャラと音を立ててポーチから落ちるもう一つの武器。捕縛とかにも使える便利な道具だけど、相手は涙目で逃げていくヤツ。
重石を付けた、長い鎖。
「ミカちゃん、それはちょっと絵面が……」
「酷いでしょ~? でも、もう気にしてないんだ」
「前までは気にしてたの?」
「女の子だよ? こんな物、似合わないって。その考えは今でも変わんない」
セーフティを掛けた拳銃をクルクル回して遊びながら、でもね、と言葉を繋ぐ。
「変えてみないと、わかんないことだってあるもん」
エデン条約のあと。ティーパーティとしての資格を剥奪されて、私はただの一般生徒になった。
もうナギちゃんにもセイアちゃんにも簡単に会えなくなるって思った時、内心ですごく悲しくなったのは今でも覚えてる。
私が座っていたあの席に、私の代わりの誰かがナギちゃんたちの隣に座るのが、たまらなく嫌だった。
だから「私も責任を果たすよ!」なんて大言壮語を吐いて、椅子を壊したんだ。
私の居た跡に、誰もいて欲しくなかったから。
そして、一般生徒になってからのこと。
トリニティにいる間、私への視線が白い物に変わったことは肌で感じていた。
居心地の悪さを笑顔で誤魔化していたけど、あっという間に限界を迎えた。ふと、何かが折れた気がしたんだ。
それがプライドなのか、はたまたナギちゃんたちとすぐに会える距離にいたいと思う気持ちなのかは、わからない。
そして私は何を思ったのか、ゲヘナに行ってみたいと思った。
私が理由もなく「嫌い」と評した場所に。
ぼうっとしながら乗ってしまった電車に揺られて辿り着いたゲヘナ。
到着して思ったのは、思ったより居心地が悪くないということ。
想像していたような無秩序さは無く、人々は普通に過ごしていた。
トリニティのように裏でコソコソしない人たちばかりで、私がトリニティから来たのを面白がって絡んでくる輩もいたけど、最後には仲良くなれた。
言葉に乗っている感情に裏が無い。それが、どれだけストレスにならないかを知った。
確かに事件や事故はトリニティよりも多い。だけど、それが一概にゲヘナ嫌いと一蹴できる理由にはならないと理解した時、私の中から「ゲヘナ嫌い」は鳴りを潜めたんだ。
「……ミカちゃんも、変わったね」
「さっきも聞いたよ?」
「ううん、中身もちゃんと成長したんだなって。二人の成長した姿が見れて、私は嬉しいよ」
ホロリ、なんて言いながら目を拭うフリをするおまわりさん。わざとらしいったらありゃしない。
そして、引っ掛かる。二人の成長した姿……もう一人は誰ってことに。
私の視線に気が付いたのか、おまわりさんは笑いながら答えてくれた。
「サオリのことだよ。二人とも、ちゃんと良い意味で成長してる」
「……サオリかぁ」
久しく聞いていなかったその名前。トリニティを飛び出して以来、一度も会っていない。
アリウスがトリニティの保護対象になって、アリウスの生徒の一部がトリニティに編入した。サオリも例外ではない。
そして逆に、私はトリニティから去った。退学したわけじゃないけど。
「サオリはどう? 元気してる?」
「今は元気にしてるよ」
「今は? 前までは違ったの?」
「スクワッドの皆と会えなくて寂しがってた」
「うっそ、あのサオリが!?」
「学生らしいというか……子供らしさが見れて、嬉しかったなぁ」
思い出すように目を瞑って天を仰ぐおまわりさん。その姿を見て、思い出す。私が聞いた、おまわりさんの噂。
おまわりさんとサオリが、仲が良すぎるという噂だ。
その手の噂はあっという間に広がって、あっという間に消えていくまでが典型なのに、今回はやたら尾を引いている。だからこそ、気になった。
「おまわりさんって、サオリと仲いいんだね」
「まぁね。慕ってもらってるよ」
「そういう意味で?」
「まさか。私とサオリはそういう間柄じゃないよ」
「噂、知ってるんじゃない?」
「早く無くなってほしいよねー。そういう根も葉もないデマはさ」
手をヒラヒラさせながら歩いて行くおまわりさん。まるで気にしていない様子のそれに、少し薄情なんじゃないかって思った。
これをサオリが聞いてたら多分、すごい長い間を置いた後に「そうだな」なんて言いそうな気がする。
そんな私の表情の意図を汲み取ってか、おまわりさんは言葉を続けた。
「確かに私とサオリは仲良しだけど、所詮は女同士。そういう関係にはならないよ」
「多様性の時代にそれは前時代的じゃない?」
「線引きってやつ。サオリがどう思ってるかはわかんないけど」
私の年齢もあるけどねーと指を回しながら笑う彼女に、ふと気になる。
先生より歳上というのは周知の事実。だけど、実年齢を聞いたことは一度もない。隠している……というわけではないだろう。
大人のレディに年齢を聞くのはタブーだって知ってるけど、自制心より先に好奇心が口を動かした。
「ねぇおまわりさん。あなたって」
「──待ったミカちゃん」
私の声を遮って待ったをかける彼女。
何事かと思って前を見れば、十数メートル離れた場所に今回のターゲットである凶悪犯。
どうやら自ら姿を現したようだ。それは何故か。
「よく来たな、警察官」
「自ら出てきてくれるとはね。探す手間が省けて嬉しいよ」
「逃げ隠れするのは性に合わないのでな」
「じゃあ、とりあえず逮捕させてもらうけど?」
「フッ……それはできるかな?」
凶悪犯が指を鳴らす。同時に、旧校舎が吹き飛んだ。
一体何が起きたのかと振り返ると、校舎のあった場所から改造された巨大な工業用ロボット。そして、その音を合図にするかのように、旧体育館から何人ものロボット兵士が雪崩込んでくる。
前には無数の兵隊。後ろにはロボット。どうやらこの展開に誘導されてしまったみたい。
彼女が周囲の様子に小さくため息を吐いて、警棒を伸ばす。あの時とは違う形状の折りたたみ式の盾をも展開し、臨戦態勢へ移行した。
「貴様らはもう袋の鼠というわけだ」
「ミカちゃん、逃げれる?」
「逃げる? なんで?」
「危ないからだよ。時間かければ倒せるから、ミカちゃんは……」
嘲笑う凶悪犯など全く意に介さず、私を真っ先に心配する彼女。
あの時……地下回廊の入口でバルバラと戦っていて諦めかけた時に、先生と一緒に私を助けに来てくれた時の彼女の姿が重なる。
やっぱり、ちょっとカッコいいかも?
「ううん、大丈夫だよおまわりさん」
「……ミカちゃん?」
あの時は助けてもらった。ならば、今度は私が彼女の一助になる番だ。
戦況は凶悪犯の方に大きく傾いているのは、火を見るよりも明らか。だけど、それは大した問題ではない。
だって、まだ結果が決まったわけじゃないから。
結果は、結末は、これから私たちが決めればいい。
彼女よりも前へ。一歩前へ。
「何をゴチャゴチャと。貴様らの敗因はおしゃべりが過ぎたことだ。まんまとここまで来てくれて感謝するよ」
「敗因?」
ポーチを開ける。重苦しい金属音が音を立てて地面に落ちる。重石尽きの長い鎖が、兵士たちの目に映った。
それを掴んで、全力で振り回す。残像を残して高速回転する鎖は空気を切って、その音は圧となって周囲に風を巻き起こす。
周辺の砂埃が、全て吹き飛んでいった。
「勝負はこれからじゃん?」
兵士たちが銃を構えるより早く。ロボットが動き出すより早く。
私の鎖が、音を置き去りにして放たれた。
おまわりさんはドン引きしていた。
ミカちゃんが怖い。
なんで白目剥いたまま鎖振り回して相手全滅させられるんだよ、出てくる作品間違えてるだろ。
どう考えてもアッチ側の人間じゃないか。ドブカス君が嫉妬しそうなパワー、立派やね。
透き通った世界どこいった? 元からそんなものはない? そうかもしれない。
「ふぅ。ヒナにも連絡したし、あとは任せちゃお」
「……ミカちゃん、作品間違えてない?」
「まぁ、あのアニメに影響はされてるね」
「やっぱり。アレ先生も好きだから今度お話してみたら? 原作全巻持ってるよ」
「ほんと!? 今度読みに行こっ!」
バラバラになったロボット。山積みになってるロボット兵士たち。そして鎖でグルグルに拘束された凶悪犯。
それを背景にキャッキャするミカちゃんを見ていると、未だにキヴォトスの風景に慣れていないのがよくわかる。
というか最近、物の考え方が外の世界が基準のものに戻ってきている気がする。大人ボディに思考引っ張られてる?
おいモブ子の頃の記憶どこいった。一応15年こっちで学生として暮らしとるんやぞ。
「そういえばおまわりさん。知ってる?」
頭を上下左右前後させながら現状に唸っている最中、ミカちゃんに声をかけられる。
また噂話とかそういう類いかな? なんて思いつつ視線を向けると、まっすぐな金色の瞳が私を見つめていた。
無言のままじっと見つめ合う。
「……えっと、顔に何か着いてる?」
「……まぁ、その様子じゃ知らないよね」
そりゃ当然か、教えるわけ無いもんね。そんななんの脈絡も読み取れない言葉を、視線を外してため息交じりに吐いたミカちゃん。
眉が無意識に寄った。その言葉の真意を聞こうと口を開こうとした時。
「アリウス、今どうなってるか知ってる?」
ミカちゃんが再び私に視線を向ける。
その瞳は、心底うんざりしたような目だった。
「噂なんだけどさ……アリウスの復興、進んでないらしいよ」
小説の書き方全然覚えてない問題が発生している。
お絵描きに傾倒しすぎたせいだね。
呪術ネタが多い?そりゃハマってたからだよ。
5/9のアリスクオンリーと5/23のブルアカみゅーじっく(昼公演)に参戦します。
リアイベとか同人イベは初参加だから楽しみでしょうがない。