サイキョー転生! 〜『異世界の神になる』をガチでやる〜 作:堕落と強欲の権化
みんなは歩行者優先だから車が止まろうね!
__アメリカ__
「Don't move! Police!(動くな!警察だ!)」
「You think you can stop me!? I've got magic!
(うるせぇ!こっちには魔法があるんだぞ!)」
警察数名と、強盗が叫び合っている。
しかし厄介なのは、その強盗が「異世神ユーザー」であることだ。
「Damn it! If only we had an Isekami user here…!(くっ!「異世神ユーザー」さえこっちにいれば……!)」
ふくよかな警察がそう嘆いた、その時。
「No matter the circumstances, heroes are born.
(どんな時も、英雄は生まれるものだ)」
「What!?(何だ!?)」
「W-Who the hell are you!?(だ、誰なんだお前は!?)」
その男は、強盗の方へ歩いていく。
「I am __」
「__A Strange Magician.」
__日本、鷹羽宅__
『昨日、アメリカで「Strange Magician」、直訳で「奇妙な魔術師」と名乗る男による、強盗犯との戦闘が発生し__』
「ほぉん」
呑気な声を出す充。
「はぁ〜?なんだその変な事件は!」
「異世神ユーザー同士の戦いってさ」
「なぁにそれ」
姉の茜が呆れる。
『__なお、NYPD ニューヨーク市警によると、「異世界の神になる GOD Simulation」のユーザー同士が魔法のようなものを撃ち合っていたとのことです』
「「!?!?」」
「へぇー、現実でも魔法って撃てるんだねー」
「「なわけあるか」」
父さんがキッチンから出てきて、特に驚くこともなくそう言う。アンタは呑気だなおい。
__翌日、月曜日。__
『テレビ局の取材に対し、Strange Magician氏は、
「守るべき力を手にしたから、好きなヒーローを真似ただけに過ぎない。魔法を現実でも使えることを示してくれたのは強盗の方だ」と話しており__』
「あ、まだあのニュースやってた」
「あ、おはよう充くん」
「おはようございます」
……もう7月か。早いな、時が経つのは。
なかなか撮影技術が身につかない。そろそろ新しい職探すべきか?
「よし、ちょっと駅前で「暑い」撮りに行くよ」
「あっ!はいすぐ行きます!」
駅前で、「今日も暑いですね〜」って映像を撮りに行く。できるならインタビューもしたい。
しかしまぁ、カメラに映りたくない人もいる。そう簡単に撮れるわけじゃあない。分かってはいるが、暑い中、外にずっといたくない。
「よし、じゃあ帰ろうか」
「はいっす」
インタビューも無事に終わり、あとは帰って編集するだけ。その編集を、何故か俺が任された。……え?
「……ど、どうでしょう」
「原稿と合うかな〜……あ、ここ、これは違うかもね」
「あっ確かに」
杉森記者が、原稿を読みながら付きっきりで教えてくれた。確かにここはこれじゃないと、今気づいた。
「そーそー、この映像を使うんだよ」
「なるほど〜」
この人教え方丁寧だな。さすが元国語の先生。
__17:02__
定時になり、荷物を纏めて帰る。
「お疲れ様でしたー、お先に失礼しまーす」
「はーいおつかれー」
「お疲れ様〜」
「うーす」
会社を出て、のんびり歩く。
トキハ本店1階のスタバに寄る。あ〜、冷房気持ちぃ〜。
「いらっしゃいませ、ご注文お伺いします」
「え〜ッと、抹茶ティーラテ ホット、パウダー多め、全部ミルクで」
「サイズはどうしますかー?」
「えーっと、トールで」
「かしこまりました〜」
持ち帰りだから、540円だったぜ。
「〜♪」
そのまま家方面へと向かう。
「たたいまー」
「おがえりー」
「あ、充。おかえり」
「うぃす」
あれ?なんか父さん、支度してる。
「夜の仕事が入ったんだって」
「そっかー……松屋行こうぜ」
「いいね、賛成」
「じゃあ僕、ちょっと行ってくるからお留守番よろしくね」
「俺達のこと何歳だと思ってんだ」
父さんを見送り、歩いて松屋へ向かうのだが……その時不思議な事が起こった!
「……え?」
「……え?」
なんと、横断歩道を渡ろうとしたら、車が曲がって来て、止まる気配がない!
そのまま赤信号になったので、怒りが溜まったまま、別の方の横断歩道から渡って行った。許さんぜ。
その日の味噌カツ丼は、普通に美味かった。
今日もお疲れ様、俺。