どの歴史にも残らぬ神話があった
内容は魔王が開いた仕合に二柱の神が降臨し人々はその力に魅了された
片方は森羅万象を操る武神 上泉伊勢守
もう片方はその身に鬼を宿しその身を最強の防具と最強の武器とする鬼神 日野長光
戦いは長くは続かず武神の寿命を持って鬼神の勝利となった
「千年無双の夢の続きはチミに託すよ」
武神 上泉伊勢守はそう言い残しその世を去った
(ああ、今度こそ終わりか……………………だが叶うならもう一度、もう一度あそこまで見えた武の頂を…………)
「んあ?」
気が付くと上泉伊勢守は輪廻転生にあっていた
(何だ?耳が長い?どうなっとる?儂は長光ちゃんとの戦いで死んだ筈……………………)
気が付くと上泉伊勢守は日ノ本とは異なる世界でハイエルフとなっていた
約150年後
「兄上!!兄上!!全く、こんな日に何処に行ったのだ」
1人の緑髪の少女が誰かを呼びながら周囲を走り回っていた
そんな少女が走る森のとある木の下で上泉伊勢守は瞑想していた
まるで自然と一体となったその姿に周囲に小動物達が集まり周囲には草木が生い茂っている
そんな状況で瞑想やめると動物達は途端に逃げ出し上泉伊勢守は立ち上がるとトントンと慣れた足取りで木を降りていく
地面に着くのと同じタイミングで少女が通り掛かり上泉伊勢守に詰め寄る
「兄上!!今日は兄上が旅に出る日ですよ。もう準備は整えてるんですか?」
「ああ、バッチリ準備は終わったよ。それじゃあ行ってくるよ」
そうして武神 上泉伊勢守だった男は旅に出た
「しかし、数百年は生きる種族に地の底深くに広がるダンジョン…………それに神か」
嘗ての世界で武神とまで言われた男は今一度神となる為動き出した
(この世界、この身体なら【千年無双】…………いや【万年無双】すらも実現出来る!!)
それから更に50年の時が流れた
場所はオラリオ、そこでは地獄の光景が繰り広げられていた
至る所で炎と悲鳴が上がり建物は破壊の限りを尽くされていた
後に言う【暗黒期】の到来である
そんな混沌を極めるオラリオの一角にある【ロキ・ファミリア】の本拠地【黄昏の館】
その部屋の一室でリヴェリアは手紙と睨み合っていた
「何やリヴェリア、えらい悩んどるな」
「ロキ……………………兄上がオラリオに来るそうだ」
「マジ!?リヴェリア兄貴なんておんのか!?」
「何だ?私に兄が居てはいけないのか?」
「いやそうやないけど…………何となくリヴェリアは一人っ子か居っても下におると思っとったわ……………………」
「…………そうか」
「それで?その兄貴は何時来るんや?」
「もう来とるよ…………」
「「っ!?」」
ロキが振り返るとそこにはリヴェリア同様美男のエルフが立っていた
「兄上!?」
「嘘マジで!?と言うかどっから入ってきた!?門番は何しとんの!?」
ロキは部屋の外を確認するとそこには無数の団員が無様に倒れ伏している姿だった
「な、何や自分らどうした!?誰にやられた!?」
「し」
「し?」
「知らない…………エルフに…………」
「ありゃりゃ、こりゃちっとやりすぎちまったかな?」
ロキが振り返るとそこには先程リヴェリアが兄と呼んだハイエルフがいた
「おっと、名乗って無かったね、ボスカ・リヨス・アールヴ、これから【武神】になる男だよ、宜しくね」
こうして上泉伊勢守改めボスカ・リヨス・アールヴの伝説が始まった