「はぁあああああああああああ!!」
「ほれ♪」
「ギャフッ!?」
ボスカに立ち向かうベルに【ロキ・ファミリア】の冒険者達は素直に感心していた
「すげぇな」
「ああ、かれこれ二時間はああやって転がされ続けてるのに…………」
「何でアイツまだ立ってられるんだ?」
その理由はボスカが暗黒期に救った1人の女が関係しているのだが彼らは知る由もない
「それまで…………」
「ハァ……ハァ……ハァ……あ、ありがとうございました」
ベルはナイフを仕舞いボスカに礼をする
「うんうん、よくなっとる良くなっとる。たった数日で良くもまぁこんなに…………そんな君にコレを上げよう」
ボスカがそう言って渡したのは一本の刀
「これは」
「儂の弟子の証みたいな物さ、免許皆伝とまでは行かんがそれもそう遠くは無い、これからも励みなさい」
ボスカのその言葉にベルは嬉しそうに返事をし帰って行く、ベルを見送った後アイズがボスカの隣に立つ
「あの子、嬉しそうだった」
「そうだねぇ〜、チミも頑張りなさい」
「……………………うん」
それからアイズが手に入れた情報を元に【ヘファイストス・ファミリア】との59階層への合同遠征が決まり遠征当日を迎えた
それぞれが準備を終えダンジョンに入ると前方から逃げて来る冒険者の一団と出会った
「ミノタウロスだ!!白髪のガキを襲ってた」
その言葉を聞いた瞬間、アイズは駆け出しその後をベートが追う
「ちょっ!?あんたら団長の指示を!!」
「まぁまぁ、行ってみようじゃないの」
ティオネが2人に注意を叫ぼうとするがそれをボスカが制し二人の後に続いてボスカ達も後を追うとそこには確かにミノタウロスに襲われているベルがいた、しかし
「嘘…………」
「ベートの話だと彼は冒険者になって一ヶ月程の新人だと聞いていたんだけど」
「互角…………」
「いや、ミノタウロスの方が若干有利だ」
「……………………」
「……………………」
口々にベルの戦いを評価する中、アイズとボスカは何も言わない。それを不思議に思ったフィンが2人の側に寄り話し掛ける
「2人は彼の戦いについてどう思う?」
「フィン…………今は話し掛けないで」
「ん?」
「あの子の何かが目覚め掛けてる」
ベル・クラネルは目の前のミノタウロスとの戦いの中何かを感じていた
(違う……違う……違う……)
何かが違うと言う違和感、相手に不足はない、動きにも淀みはないが何かが足りない
(………………ああ、そうか)
ベルはミノタウロスから距離を取る、ミノタウロスは突進の為屈み力を溜め突進する
「ヤバい!!」
「避けろ!!」
【ロキ・ファミリア】のメンバーの何人かがベルの致命的な失敗に叫び介入しようとするがアイズとボスカがそれを止め同時に同じ確信に至った
「「目覚める」」
迫り来るミノタウロスを前にベルはボスカから貰った刀を抜きミノタウロスと同じ様に屈む
「あの野郎まさか!!止めろ!!テメェが殺されるだけだぞ!!」
ベートはそこでベルがしようとしている事に気付き叫ぶがベルはそのまま走り出す
ミノタウロスに比べ小さいベルの体は屈んだ事で更に小さくなっておりやすやすとミノタウロスの股の間を抜け体を捻り反転すると漆黒のナイフと刀を突き刺す
「ファイアボルトオオオオオオオオオオオ!!」
2刀から放たれる炎がミノタウロスの全身を焼き尽くしベルは立ったまま意識を失った