PokéDun LEGENDS 風来のイーブイ   作:ゲーマーN

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【推奨BGM1:ボスバトル!】ポケモン不思議のダンジョン 救助隊DXより
【推奨BGM2:戦い:オヤブン】Pokémon LEGENDS アルセウスより


13F 戦闘!オヤブンエアームド

オヤブンエアームド Lv.40

                                            

 

 オヤブン――ポケモンたちの中でも、一際屈強で凶暴な個体の総称。通常個体を大きく上回る体躯を持ち、大半がそのポケモンの平均サイズの倍以上。また、目が爛々と赤く光っており、他の生物を容易に近付けさせない威圧感を放っている。

 おそらく、自分より5以上Lvが低いポケモンに圧をかける特性”するどいめ”と、オヤブン特有の強大な気配の合わせ技で、辺り一帯のポケモンたちを退けているのだろう。

 

”野性の力”

 

 ――オヤブンの エアームドは 野性の力に 満ちあふれている!

 

 周辺にいるポケモンより頭一つ抜けて高いLvも脅威だが、真に厄介なのは”野性の力”と呼ばれるオヤブン専用の状態変化だ。状態異常と状態変化によるダメージを半減するうえ、HP以外の全ステータスを1.5倍に引き上げるという極悪ぶり。野生のオヤブンは常にこの恩恵を受けているため、同Lv帯はもちろん、多少のLv差があっても対策なしでは戦いの土俵にすら立てない。

 しかし――オヤブンエアームドと対峙するハルトの目に諦めの色はなかった。すっと短く息を整え、コッパ、コズエへ視線を巡らせる。二匹もまた静かに、けれど確かな頷きを返した。

 

「二人とも、”スピードスター”!!」

 

「ブイィィッ!」

 

「チルッ!!」

 

 コッパとコズエが息を合わせて”スピードスター”を連射する。無数に降り注ぐ星屑たちは、一発一発の威力こそ小さいものの、一点に集中させれば並大抵の防御力では捌ききれない。格上の強敵にも通じる有効打になる――はずだった。

 

「エアッ!!」

 

”エアカッター”

 

 烈風一閃、羽撃く鋼の翼より放たれた風の刃が”スピードスター”を斬り散らす。”エアカッター”と”スピードスター”の基本威力は同じ60――にもかかわらず、僅か一手で星屑の尽くを掻き消すその実威力の差が、彼此の格の違いを如実に表していた。

 寸毫の陰りもなく空を裂く刃は、次なる獲物を求めて真っ直ぐに突き進む。左へ飛び退き、奈落山峡には珍しい岩壁を背にしたハルトは、巾着袋に手をかけながら新たな指示を飛ばす。

 

「――”こおりのつぶて”!! コズエは”スピードスター”を維持して!」

 

『応ッ!』

 

「チルッ!」

 

 放たれた二つの技を、またしても”エアカッター”で一蹴するオヤブンエアームド。星と氷の欠片が宙を舞い、眩い陽光を反射して煌めく。余裕を湛えつつも油断のない目付きでハルトらを見下ろす威厳の猛禽は、翼を開け広げ――

 

「――エアッ!?」

 

 後頭部を撃ち抜く衝撃に、僅かだが体をよろめかせた。それでもすぐに持ち直し、振り向きざまに”はがねのつばさ”を放ったのは流石と言うべきか。無慈悲に、かつ正確に叩きつけられた翼が下手人を粉々に打ち砕く。

 

 ――バキィンッ!!

 

 狼藉者の正体は氷の槍。砕かれた氷をコッパが”ねんりき”で槍状に収束させ、完全な死角から打ち込んだのだ。

 

『当たりィ! へへっ、後ろががら空きだぜ!』

 

「⋯⋯喜ぶのはまだ早いよ。多分、体力の一割も削れてない。⋯⋯それに、今ので向こうも本気になるだろうしね」

 

 こんな基本的な応用技、人と共に在るポケモンにはまず通用しない。ポケモン自身には見えずとも、指示を出す人間の側には丸見えだからだ。ポケモンの後ろにも目を付けるのが、トレーナーの役割の一つ。常に視野を広く保ち、相棒のポケモンを支えるための情報を余さず掻き集める。

 逆に言えば、野生ポケモンは自らの五感だけが頼り。エーフィなど特殊な感覚器官を有するごく一部の例外を除けば、不意を打つのはそう難しいことではない。

 

「エアァァァ――――ッ!!」

 

 ――尤も、それが有利に働くかどうかは別問題だ。格下に一矢報いられた怒りからか、ただでさえ禍々しい瞳の輝きが一段と強くなり、オヤブンエアームドは刺すような敵愾心を露わにする。

 何が起きたのか――そんなことはどうでもいい。大事なのは、単純な強さでは己に遠く及ばないはずの生意気な獣たちが、力以外の――己に届き得る牙を備えているという事実のみ。これ以上妙な真似をされる前に、全身全霊をもって獣たちを仕留める。

 

「――ムドオオッ!!」

 

 ポケモンの種類ごとに1種類から3種類の特性が存在しており、そのうちのいずれか1種類を各ポケモンは生まれながらに身に付けている。⋯⋯というのは、あくまで一般論。ポケモンたちの中には複数の特性を併せ持つ才ある個体も存在しており、このオヤブンエアームドも三つの特性を宿していた。

 第三特性”くだけるよろい”――物理技でダメージを受けるとぼうぎょが1段階下がり、すばやさが2段階上がる。エアームド最大の武器であるスピードを先の一撃がより高みへと押し上げる。

 

”くだけるよろい”

 

”はがねのつばさ”

 

”ドリルくちばし”

 

 鋼鉄の翼に光を宿し、くちばしを軸に体を回転させるオヤブンエアームド。岩壁ごと粉砕せんとばかりに、白銀の円錐が目にも止まらぬ超高速で肉薄する――

 

「二人とも、戻って!」

 

 ――ハルトの、狙い通りに。オヤブンエアームドが攻撃態勢に入った時点で、ハルトはコッパとコズエをボールへと戻し、回避行動に移っていた。その身を巨大なドリルと化したオヤブンエアームドは、数瞬前までハルトたちの立っていた地点を貫き、岩壁を抉り――

 

「眠れ!」

 

 巾着袋から取り出した一巻の巻物。そこに記されていた文字が輝き出し、オヤブンエアームドの双眸に焼き付けられる。バクスイの巻物は、読めば同じ部屋にいる野生ポケモンを眠らせる力を持つ。ねむり状態を無効にする能力を持たないエアームドでは、オヤブン個体であろうとも逆らえるはずがなく、深い眠りに落ちる。

 

「コッパ、コズエ、僕が”ばくれつのタネ”を使うのに合わせて最大火力で同時攻撃!!」

 

 ここが勝負の決めどころ――きっとこれが唯一にして最大の勝機。互いの能力差からして、コズエもコッパも一撃で瀕死に陥るだろう。もしオヤブンエアームドが遠距離から”エアカッター”を使い続けていたら、いずれは被弾し、敗北していたはずだ。

 ⋯⋯一応、空を飛んでいるオヤブンエアームドをバクスイの巻物で眠らせ、崖下に突き落とすという方法もなくはないが、ポケモンの命に関わる手段はできるだけ取りたくはなかった。

 

「チル……ッ、チルル……!」

 

 コズエは全身の力を振り絞る。技皆伝には至っていないものの、手本となる力業はこの短い冒険の間に何度も見てきた。力業と称するにはあまりにも歪、必中技の個性すらも捨てて、本来複数発射する星の光をたったひとつに収束させる。

 その技に名を与えるなら――”パワードスター”。”スピードスター”を改悪し、技の出も命中率も度外視で、ただ威力に特化させた失敗技。

 

「――行くよ!」

 

「チルル――ッ!!」

 

”ばくれつのタネ”

 

”パワードスター”

 

 ばくれつのタネを噛み砕き、抑え込んでいた息とともに爆風を吐き出すハルト。同時に、コズエも溜めに溜めた極大の星をオヤブンエアームドへと撃ち放つ。起きてさえいれば容易く避けられただろう攻撃も、すいみん状態のオヤブンエアームドには避けようがなく――

 

「ッ、エアァァァ――――ッ!?!」

 

 二つの火力は、確実にオヤブンエアームドのHPの半分近くを削り取った。だが、それでも足りない。もう一押しが必要だ。炎の進化形、ブースターへ進化したコッパが燃え盛る炎を纏う。

 

「――コッパ!!」

 

「ブゥゥゥゥスタァァァァ――――ッ!!」

 

 ――コッパの 必殺技!

 

力業

 

”めらめらバーン”

 

 灼熱の体当たり――”ニトロチャージ”を発展させたブースターとしての必殺技。ほのおタイプの物理技で最高クラスの威力を誇る”フレアドライブ”には劣るものの、反動ダメージがなく、命中した相手を必ずやけど状態にするという優れた点もある。単純な威力では”ブイブイブレイク”の方が上だが、タイプ相性にタイプ一致、確定やけどなど複数の理由からこの技を選択した。

 残り半分のHPを削り切るには十分すぎる威力。爆炎が炸裂し、オヤブンエアームドを瀕死寸前まで追い込む。

 

『今だ、ハルトぉ!』

 

「行けっ、モンスターボール――!!」

 

 弧を描いて投げられたモンスターボールがオヤブンエアームドの胴体に命中する。パカッと開いた蓋から青い光が迸り、オヤブンの巨体は抗う間もなくボールの中へと引きずり込まれた。

 

 ――コロン。

 

 一度、静かに揺れ。

 

 ――コロン。

 

 二度目の揺れに、ハルトの喉が小さく鳴った。捕獲成功かと思われた、その瞬間――

 

 ポンッ!

 

「⋯⋯!」

 

 戒めを破り、オヤブンエアームドが飛び出してきた。体はふらつき、立つのもやっとという有様で、まさに満身創痍――しかしなおも、獰猛な狩人は二本の足で大地を踏みしめている。コズエ、コッパ、ハルトを、”するどいめ”で睨め回し、一歩、二歩、三歩と足を曳き……。

 

「――エ、エアァ……ッ!!」

 

 ドサッ!

 

 ついに、力尽き倒れ伏した。もう一度モンスターボールを投げ当てると、今度こそ三度揺れ、カチッと動きを止める。荒波のような緊張が去り、ふうぅ……と、誰からともなく息を吐いた。

 

「オヤブンエアームド⋯⋯」

 

『ゲットだぜ!』

 

「チル……チルルッ!」




名前 :???
性別 :オス
種族 :オヤブンエアームド Lv40
タイプ:はがね/ひこう
特性 :するどいめ/がんじょう/くだけるよろい
元ネタ:???
備考 :ボス戦時のHPは239。種族値65、個体値31、努力値252、ボス補正100



ハルトの手持ち
・コッパ  (イーブイ)  Lv29 → 30
・コズエ  (チルット)  Lv18 → 20
・メタモン         Lv20
・オヤブンエアームド    Lv40 NEW!!

持ち物
・大きなリンゴ
・しゅんそくのタネ
・ばくれつのタネ
・オレンの実
・オボンの実
・分身の巻物
・土
・木
・ほぞんの壺[5]:A
・ほぞんの壺[5]:B
・ほぞんの壺[6]:A
・モンスターボール×47 → モンスターボール×45

ほぞんの壺[5]:A
・リンゴの芯
・モモンの実
・モモンの実
・クラボの実
・ちゃぼんぐり×16

ほぞんの壺[5]:B
・くろいろたまいし ×6
・空き
・空き
・空き
・空き

ほぞんの壺[6]:A
・大きなリンゴ
・しゅんそくのタネ
・ワープのタネ
・バクスイの巻物
・空き
・たまいし×9

シュテン山道初級9~10F 奈落山峡
・ピジョン
・サンドパン
・ゴーリキー
・ドードリオ
・メタモン
・グライガー
・リングマ
・ヘルガー
・ハリテヤマ
・マネネ
・ガントル
・ワシボン
・ヒノヤコマ
・ゴーゴート
・オンバット
エアームド
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