ゴン
音が響いた。
どうやら落下している途中に意識を飛ばしたようだ
……?あれ?痛みが存在しない。
それに、体がある感覚がする。
ということは死んでないって事か、いやはや善様。
目を開けるとそこは、まるでホテルの客室だった。
まず手触りが違う。
寝ていたベットは絹のような手触りで、麻などとはまったく違う。それに目覚めた時から着ていた服も、貫頭衣のようなもの、同じような手触りの物に変わっていた。
「起きたかね」
初老ほどの人間、あるいはそれに似たような声だ。だが、声の先には姿が見えない。
「私は解説者だ」
「丁度今、先程起きた、ということか。君に出会ったころの話を話そうか。」
「まず君は、領空という概念を知っているかね」
丁寧な口調で話ているが、警戒しているのが声から見て取れる。
「君は突然、空の上から落ちてきた」
「君の落ちた空は、私の所有している土地の上部に位置していた」
「つまり、君は現在、空からの密入国者という立ち位置にある訳だが。」
「大事な話をしようか」
「何の目的があって空から落ちた?」
帳を隔てて尋ねるその声は、一定のトーンを保ってはいたが、厳格に尋ねていた。
TIPSよ。帳の向こうのこいつは人間か?
TIPS:いいえ。
成程、成程。人間ではないということは少なくともエスメープルクド王国ではないな。
人間至上主義者が多い国でも無い、ということは つまり……ここは亜人の国か。
TIPS:亜人の国を肯定
成程ねえ。ここでこの尋問にどう答えるか、それによって対応が異なるだろう。
土地の所有、領空の概念……こいつ、
「すまないね」
「まず私には敵対の意思はない」
「ほう?」
「その証明ができるか?」
「私は疑い深いのでね」
「その先の言葉も聞いておこうか」
「そして、私は一部始終を知っている」
「ふむ……一部始終と言うと?」
まずい、段々と疑いか深刻化してきている。
密入国者というレッテルを剥がすのは難しいなあ。
悪魔の証明じゃないか。背理法でも難しいぞこれ。
「まずひとつ、空に浮かぶ島を知っていますか?」
「私はあそこから落ちてきた」
「そして、今に繋がるという訳です。」
「ふむ、苦しい言い訳よの。」
「ならば、なぜ今生きている」
「落ちてきたと言うならば生きてはいまい。」
「浮遊魔法です。」
「浮遊魔法を使って、墜落死を防ぎました」
「確かに、筋は通っている。」
「だがおかしいな。」
「それほどの浮遊魔法が扱えると言うのに、なぜ落ちたのだ」
「鱗も翼も風切り羽根も無いのなら魔法でしか助からんというのは…まあ正しい。」
「落ちた理由は?」
「それは本当にたまたま、不運な事故に遭遇して、逃げている途中で島から落ちてしまい……」
「私は嘘を看破できるが」
「お前の言動の全てが正しい。」
「だがこの看破にも苦手なことがあるのだ」
「心理と行動が、一致しない者。」
「あるいは、狂人等には効かない。」
「お前は常に正気で、確実に嘘を付いていない正直者だと証明できるか?」
「いや、それは───
「ふふ、出来ないだろう。冗談だ。」
「歓迎しようか、ライカンスロープの正直者のお方。」
文章の1話辺りの量について(調整)
-
10000文字ほしい←現在の基準
-
3500以上ならいいよ
-
5000文字くらいほしい
-
6000以上ならいいよ