厳として立つ峻厳な山があった。
その山は頭に雪を冠とし、嶺として連なる連峰を成している。
その名はゲダン山。
自然の要塞としても名高く、孤高に天を突き刺すひときわ大きな山のことである。
石材や木などを採る山であり、採石場や植林場があったとされる。
今は人間を働かす、エルフによって課せられたヒューマンの強制労働所である。
かつてはエスメープクド王国の侯爵家、辺境伯も兼ねていた
パリゲタン侯爵の領地であり、要塞が山の麓を覆っていた。
3000m級の高高度から新兵器、クロスボウの掃射を行ったが…
戦争で一番最初に地図から無くなった部分なので、行く末は分かるだろう。
今はエルフが闊歩し、ヒューマンの支配する山ではない。
ゲダン山という名前も、パリゲタン侯爵からくる名前のため改名させられようとしている。
地図から、もう名実共にヒューマンの痕跡が消えていく。
あなたがそんな山を目にして放った言葉は…
でかくね?
かなり凡夫の感想である。峻厳と言うべきだ。この山はとても大きいし、デカいという言葉で形容するのは力不足だろう。
「ヒントがオフできないのを後悔したよ」
あなたはTIPSから目を逸らした。
この山は、登山道が存在しない。
しないというより、防衛的な理由で作らないと言うべきか。
複数のチョークポイントがあり、岩壁の上から矢が放たれ一方的に死ぬ。このような優秀な戦術を使うためである。
最も、エルフはここの攻略にそこまで時間をかけなかったらしいが。
TIPS曰く、山を乗り越えたエルフたちに四方から包囲され飢え死に、集団自決で攻防戦は5年半で終わったとのこと。
いやはや、歴史とは
戦争なのだから仕方が無いのだが。
そうあなたは思案しながら、真夜中の新月の日に山を駆け上る。
岩壁の、突き出た岩を握り、片手だけで遥か上に跳躍していく。
ほとんど両腕のみを使うクライムだが、ライカンスロープの身体能力をもってすればこれを現実的に可能とする。
そしてあなたはやがて、山の中腹にたどり着いた。
ここからは山の側面を登るのではなく、発見した道を歩くようだ。
その道は、死屍累々だった。
エルフの死体がざっと500以上、この道の前後に広げられている。どれだけの規模の戦いがあったのか。
そして、この冷涼な環境と、乾ききった体からして、ミイラになっていると判断したあなたは死体の道を歩くことにした。
すると、細くなった道を見ると丸太がいくつも堆積していた。
まるで転がってきたような…いや、この先から転がっていたのだ。
あなたは視線を先に向けた。
すると映ったのは、極端に平坦になった道。
いや、あれは違う。人体が重なって潰されて平らになっているのだ。
それを理解したあなたは戦慄した。SAN値チェック成功:減少1すこし嫌な気分になったあなたは丸太8本ほどを一気に飛び越えた。
それにしても、なぜこんなにも丸太が転がされているのか。
足元はずっと死体の続く死屍累々だ。
エルフ兵士の装備品…金属部品が回収されたのか、金具が無理やり外された後がある。
エルフの
いや、誰だろうと関係ないか。
金属は装備品にとって需要が大きいし、回収していったのか。
丸太の通った道は平だが、所々に挽かれた肉のようなものが飛び散っていて、足裏の感触がダイレクトに伝わる。
あなたは歩くのをやめて、走った。
道は走るのに向いていないが、踏み締めるのは何かどことなく嫌だったから、地面を探した。
そしてあなたは気がついた。
この山の地面には死体しかない、ということに。
一体何があったんだ、とあなたは考えた。
目の前にある石造りの門は壊れているが、門の前が異常に堆積している。
それに、門のサイドは通路と比べて広くなっているがこのスペースに死体が積まれて、小さな山のようになっている。
あなたの背丈を優に超え、8mほどはあろうかという下が黒ずんだ門。それに迫るほど、死体が横に積まれていた。
腕単品で門の前に置かれているが異常だ。
右腕と左腕で分けられているが…大きさと横幅から推定するに4500本以上はある。
どんな戦いがあればこうなるんだ…
あなたは門のサイドの死体の山を駆け上り、門の上から、門を通過した。
門の中は地獄だった。SAN値減少:1
門を防衛していたと思しき人間の兵士は最早芸術的に、壁に並べられていた。ウィトルウィウス的人体図みたいだ、とあなたは考えた。
どうなってるかよく分からない、頭蓋骨になりかけの頭を腹に詰め込まれた四肢のない物がある。
何なのだこの空間は。
あなたは、空の髑髏から視線を感じて、気味悪いと断じながら先を急いだ。
そして、似たような光景が続いた。
どれを見ても死体、死体、死体の山。
生存者がいる気配はないがどこか視線を感じる。
肝試しにも使えないド直球のホラーだ。
そして貴方は急いで走った。走って、走って、時に登った。
するとあなたは見つけた。パリゲタンの要塞。総距離400 kmにも及ぶ長さの長城。
ぼんやりと呆けたように火が要塞を照らしていた。
鉄柵が門になっていて、見張りがいた。
ようやくたどり着いたが、人がいる。
ここは忍び込もう。
あなたは隠密行動というものが苦手だ。
パノプリヌンでも、試そうとしてワフルの彼氏を追跡している最中にバレかけたことがある。
普通にあの時はワフルにもバレていたから、自身の隠密行動について考えていた。
そしてたどり着いた。
あなたは、とてつもない速さで踏み抜き、要塞に張り付いた。
これである。
あなたは、自らの腰ほどの高さのある隙間なく積まれた石、50kg程だろうか?
それを少し動かした。
どうせ1番外の石は飾りなのだ。
そして足場とし、一気に跳躍した。
そしてあなたは上にたどり着いた。
さすがに今は夜。危険も無くなって、上の警邏は居ないだろうと判断してあなたは要塞の上を走る。ほぼ一直線だから、この夜の間に要塞の端にたどり着けばいい。
まだ朝までは時間がある。
あなたは走り続けた。走って、走って、走った。
途中で鉢合わせかけ、要塞の縁に捕まって横を移動したりもした。
だが、結局見つかることは無かった。
そして、結局、朝になるまで走って、走って、走った。
朝の間は縁を移動し、昼の照りつける時間帯はジッと蝉のように張り付いた。
そして、4日程が過ぎた時。
要塞の端にたどり着き、
山を下った。
エルフの一斉射撃だ──!伏せろ!
要塞の上に立つ人間は随分と少なくなった。だがしかし止められている。
「しっかりしろ!ここが落ちれば国が滅びるぞ!」
「エルフ共め…!どのような規模で押し寄せているのだ!」
憎悪の声を上げども、敵の数は減らなかった。
減らせどもそれより増え続け、ついに要塞までたどり着いたのだ。
弩の矢を喰らえど、士気か落ちぬ。ありえぬ、有り得──
ある要塞兵の命は、飛んできた矢によってここで終わった。
文章の1話辺りの量について(調整)
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10000文字ほしい←現在の基準
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3500以上ならいいよ
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5000文字くらいほしい
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6000以上ならいいよ