女神「輪廻転生しろ」 ワイ「はい……」   作:まっすァき

30 / 76
話のタイトルを+10ではなく+9にしてしまっていたということに気が付きました 2025/11/09 21:35

あと本文が抜けてました。加筆修正しましたなう(2025/11/09 21:36


4回目の現世+10

遠くから何やら重低音が響いてきた。そして遠くの方に、街が見えた。

 

 どうやらこの街の名前はエイラスというものであり、エルフによって占領され、破壊された街を全体的に改変したものらしい。

 

 道の白線に従って左側を歩いて進んでいく。

 すると、門兵に出会った。

 

「旅人か? 闘技場を見に来たのか?」

 

 僕を呼び止めた彼女は耳が長く、ナイフを常に右手に持っている。ここは嘘をつこうか。

 

「ああ、この街の闘技場を観戦しに、あちらのハワイアの街から来たんだ。この街は最高と賭博師から聞いたことがあるからな」

 

 すると、やや自慢げに胸を張ってその門兵は答えた。

 

「なるほど! エイラスの闘技場の話は外にも聞こえるほどであったか! ははは、あれは楽しいぞ」

 

 そして、僕は考えていたよりずっと易易と検問を突破した。

 門兵はどうやら酒に酔っているようで酒気を帯びていた。

 それほど闘技場が流行っているのだろう。

 闘技場(コロシアム)とはエルフやヒューマンが行う興行であり、賭博を行って金と血が踊る場所。

 ガス抜きというためでもある、とTIPSがいっていたかな。

 

 というか検問として成り立ってないくらいの会話で終わったな。門兵がアレでいいのかめちゃくちゃ疑わしいけど…まあこの街最大の娯楽はコロシアムだ。

 

 エルフの歴史にコロシアムは切っても切り離せない。

 コロシアムの胴元は国なことが多く、国庫を潤わせ、さらに周辺の軽食屋の市場が育ちつつ不満が下がり治安が安定するメリット尽くしの施設であった…とはTIPS談である。

 

 エルフとは物凄い戦闘狂なのだ。

 熊のようにひとたび獲物に食らいつけば二度と離さぬその力は各地で振るわれ、征服者であり続けた。このメイプル執政国の国教…いや、ツァウスト国の国教はウスト教。

 

 戦争の神を信仰しているのだ。それはそうだろう。

 

 信者が全員、戦闘狂という訳では無いが、その宗教という性質から古代より権威付けによく使われ、聖職者とは良き戦闘者である者を示すことが多い。

 

 信仰の示し方が祈りではなく戦闘を神に捧げる事なのだから。

 

 

 まあ、そんな宗教を信じる者たちだからこそコロシアムの需要が大いにあるのだろう。

 

 あなたはコロシアムに向かって歩きながら、軽食屋でよく分からない何かの肉の串を食べた。とても美味い。軽食なのに塩とか、辛い香辛料を使えるのは恐ろしいな。

 

 あなたはコロシアムの入場料を払った後に入った。

 

 すでに闘いは始まっていたようで、ヒューマンの戦士3名と同じくヒューマンの戦士3名が戦わせられている。

 装備はロングソードが2名、それより短いバスターソードが1名で、もう片方が丸い盾ダブル持ちオンリーだ。

 これは攻撃力に差がデカすぎるのでは? 

 さすがに盾が不利だろう。

 

 だがコロシアムで、こうして命を懸けた闘いを見るのも神への信仰になるのだろうか? まあエルフの論理はまだよく分からないものだ。コロシアムは遊びが少ない時代の産物だろう。

 

 そしてあなたは視線を前に向けて観戦してみた。

 

 バスターソード持ちがダブル盾を1人倒した。

 あいつは剣の使い方が上手だなぁ。剣の刃の部分を引くように使って右足を切り飛ばした。

 

 お、ダウンしたダブル盾がロングソード持ち2人にボコられて、その間にバスターソード持ちが盾2名相手にめちゃくちゃ凌いでるな。

 

 あのバスターソード使いは剣士として非常に優秀だな。リーチ差を全く不利にしていない。

 

 そしてついにダブル盾が死んだ。

 

 周りのエルフ達は足を踏み鳴らしたり、叫んでいる…え? いや、これもしやマナーが悪いのではなく叫ばない方がマナー悪いのか? ノリ悪いなみたいな視線で隣のヤツから見られてるんだが。

 

 あなたはとりあえず混乱しつつも叫んだ。

 

 というか僕のサイドにいるヤツの熱意がやべえ。

 さっきから暴れ馬のような動きで倒せって叫んでるけどもしやこれが普通か? 

 

 あなたはさらに大きく叫んだ。

 

 隣のエルフは負けじと、腕を振り上げて勇猛な動きで歓声を上げている。

 まさか観戦中に決めポーズが一般的なのかと、ついに不安になりあなたは周りを見回した。さすがに決めポーズをやっているやつはいなかった。

 

 よかったコイツが異端だった。

 

 そう思ったあなたはコロシアム内部の熱狂の波を感じながら串を全て平らげた。20本買ったけどやはり興行文化があるからなのか、ホールドするために扇状にできるアタッチメントをつけていた。

 

 あの店主は素晴らしいサービス精神の持ち主と言えるだろう。

 素晴らしきかなコロシアム。

 

 

 するとロングソードのヒューマンたちがダブル盾に攻撃しだした。

 うん。やはり不利───ん? 

 

 ダブル盾のやつがシールドバッシュを決めた! ロングソードを落として…いいぞ! 拾った! 

 

 だがロングソードだからなあ。

 片手剣にするにはすこし無理があるが…

 

 無手になったヒューマンは逃げ惑っている。

 すると捨てた方の盾を持ったもう1人の盾持ちがトリプル盾になった。

 すると盾を思い切り投げたかと思えば…頭にぶち当てた──! 

 

 すげぇ! なんという勇気。盾を能動的な攻撃手段に変えた! 

 これには堪らずと言ったように相手はふらつきながら砂の闘技場に倒れた。

 

 観客が歓喜に湧いている。

 

 さあこれで2:2、どうなるか全く分からない。

 

 バスターソード持ちが盾を拾い上げて装備した。オーソドックス剣士スタイルへとなったようだが、こいつの剣技を阻害しないのか…? 

 

 まあ初めての1試合だから分からないが、コロシアムとはこんなにハイレベルな試合があるのか。

 

 すると、元バスターソード持ちは突撃した仲間をカバーするように走った。

 

 バランスは少し悪そうだが相手はトリプル盾。

 単純に面積が大きい。大きなカイトシールドの盾は背中に装備し、両腕の装備品に括り付けるようにしてすこし小さな円盾を装備している。

 

 この異様な装備で選んだのは…近接格闘! 

 

 まるで重低音がこっちにまで響くようだ。

 とてつもない猛攻を仕掛けている! 

 

 元バスターソード持ちこと剣士は、味方に加勢しようと味方のいる方向に距離を詰めながら戦っている。

 この剣士は間合い管理が巧みだな。

 

 だが…味方は撲殺された! 

 なんという事だろう。命懸けのタックルで押されて転倒、そのまま盾の側面でタコ殴りとは…

 さすがコロシアム、とんでもない戦術が見えるなあ。

 

 あなたは驚愕しつつも、楽しげに笑った。

 

 しかし見れば見るほどコロシアムというのは面白い。優勢だった剣士がジワジワと引いて、引いて、引いていってだんだん壁際に追い詰められている。

 

 あー、これは負けだな。

 

 あなたの予想通り、元バスターソード持ちこと現剣士は斬られ、殴られで壁際から逃げられずに死んだ。

 

 その時、銅鑼が鳴り響き、太鼓でリズムが刻まれた。

 勝った、という事なのだろうか? 生き残った方は武器を掲げた。そして、右側の鉄柵に戻っていった。

 

 あなたはリズムがまだコロシアムで刻まれているが、席を立ちコロシアムから去った。

 コロシアムは面白いけれど、長く居座ると耳が壊れそうだ。

 

 特に隣のヤツが叫びすぎて後半は声が枯れていたし、エルフにとって楽しいスポーツ枠なのだろうか? まあいいか。

 

 そんな事を思いつつ、コロシアムの入口まで戻ったあなたは帰った。いやはや、素晴らしいものであった。

 

 そしてあなたは先程の店主から串を5本ほど買った。

 コロシアムはどうやら衛生も完備されていて、ちゃんと飲食物を捨てる場所も完備されていて凄かった。

 

 あれが地方郡政庁の資本を注ぎ込んだコロシアムか。いやはや中々にすごい規模だ。

 あなたは振り返ってコロシアムの外見を見る。

 円形になるように外壁は湾曲し、内部はまるで円錐が空から降ってきたように均一に傾いて、中心の闘技場が見やすいようになっていた。

 興行として非常に優れた場である、とあなたは結論付けて歩いた。

 

 そして歩くにつれて、あることに気がついた。

 

「この街…コロシアムに特化しすぎてその他のものが無い?」

「あまりに違和感がある」

 

 あなたは周辺を見回した。

 コロシアムに近づくほど繁盛した軽食店。遠くなるほど安くなり価格競争をいしている寂れた軽食店。

 なるほど。なるほど。もしや…

 

 TIPS:この街の別名は『信仰の街』です。

 

 ああ、完全に納得がいった。

 この街は完全にコロシアム用に出来ているんだ。コロシアムが先にできて、その周りに街が出来たということか! 

 

 あなたは合点がいって口角が上がった。

 

宗教施設と娯楽施設を兼ねた施設。それがこのコロシアムの正体か。

 




はあ、クソ、仲間が死にやがった。
だが絶対に死なねぇ…観客のエルフ共は俺が切られる度に歓声を上げやがる。俺が死んで、エルフ共に歓声が上がる?
そんなの…御免だね…

砂の匂いと、微かに残る血の匂いが敗者の肺を満たした。
勝利の鉄柵へと戻っていく、盾使いの背中を、ヒューマンの剣士は、砂埃の中でただ見つめるしかなかった。

「くそが……」

唇から漏れるのは、乾いた一言。彼は、全身の痛みに抗いながら、ゆっくりと地面に身体を横たえた。

恨み節が最後の言葉となったが、その顔は苦痛にありながらもどこか受け入れたような顔であった。

文章の1話辺りの量について(調整)

  • 10000文字ほしい←現在の基準
  • 3500以上ならいいよ
  • 5000文字くらいほしい
  • 6000以上ならいいよ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。