最近人口が本当に右肩上がりで驚きが隠せない。
いや本当に人口が爆発どころの話じゃない。
1.1億くらいいるし、もうなんか人口の増え方が尋常ではない。
なーにがどうなってんのかと思ってTIPSに聞いたらこれだよ! どうなってんだよマジでさ!
スクリーンは、1度知覚したことのある範囲なら何時でも何処でも僕の監視下になる。
それはいいんだけど……
「住民の子孫繁栄への生命力がデカすぎるだろ」
正直、人口爆発の急激な増加ラインを見ていたけどさ、まさかこうなってるとは思わないじゃん……?
目の前にいるのは大量のエルフたち。
そう、エルフたちだ。
なぜエルフが人口爆発になるのか。それは、エルフが大量に難民としてこの国に流れてきたからだ。
ツァウスト帝国はサザンクロス帝国と貿易摩擦の激化でとてつもなく大赤字、メインの貿易国のパノプリヌンとは黄金の流出でそもそも貴金属類の流出が危惧、
鉛と銅で作られた硬貨、リネンで作られた紙幣。
これがツァウストの新貨幣になったのだが価値が全然ない。前の3分の1くらいの価値しか無くなってとんでもないインフレが発生してただでさえ借款漬けのツァウスト帝国は鉱山の利権を受け渡したり……
まあ地獄みたいな状況。そんなところで賠償金をむりやり回収したら大量に金属資源が入ってきた。
いやはや最高だね。
なにせ採掘する手間がなく硬貨に大量にあるんだからね!
まあそれのせいでエルフが流入してきた。いやまあ、ここまでは予想圏内だったんだけど……
「戦争とエロスは技術を進化させるって本当なんだなあ」
いや本当に三大欲求というものの強さを舐めていた。
ジャンクフード需要が爆増して牧畜市場が600%オーバーとかいうとんでもない拡大の仕方が発生したり、繁華街が出来た。
いやまあこの世界にエイズは存在しないんだけどさ、流石に気になるというか。
「防音性能が必須だねこれ」
「賃貸住宅とかの要求値を120dBまでに上げようか」
いや本当に酷い。
いや本当に風紀は乱れてると言っても過言じゃないんだけど
むしろ規律は正しくなってるから規制を入れることは出来ないね。
性産業で働く人々にも職があり、税を納め、社会の規律を乱していないのなら、国家元首としても国家立法長官としても、介入する正当な理由はない。というか理由がほとんど無い。
騒音以外には……
というかエルフの種族特性を舐めていた。
普通に双子とか3つ子とか大量発生するし、多死多産な戦争が終わったらなんか新世代たちはどんどん子供を産むようになった。
いや本当にやばいでしょコレ。
「人口爆発のほとんどがエルフなんだが……!?」
戦慄した。いやほんとうに慄いた。
1世帯は、1年に平均して2〜3名を増やす。
つまりまあ、爆増するわけで。
そして男女差の出生率を考慮していなかった。
そういえばエルフは男子がなんか生まれる確率が低い、ヒューマンは女子が生まれにくいで合致してしまった。
いやまさかこうなるとは予想外だよ。
あなたはスクリーンの画面を視界の一番端に追いやった。
いや本当に酷いねこれ。
麻薬とかが流行らないのは良かったけどさあ……麻薬増加じゃなくて人口増加が問題になるとは思わなんだ。
あなたは真剣に考えた。この世界には『避妊魔法』とか存在するけどさ、だーれも使わん。
いや、まあ子供が減ったら将来の労働者の総合的な生産性が下がるからしょうがないか。
いや有難いことなんだけどなあ……
あなたは繁華街の方をチラチラと見ると普通にめちゃくちゃハウスが建てられている。
うーん、性産業がまさか最大の国になるとは思わなんだ。
あなたは不思議に思った。なぜここまで拡大するのだろうか、と。
かつてあなたがいた地球では、大昔にサーキュラー・エコノミーが達成された。それは資源のリサイクルを前提とした社会だったからで、この異世界の社会でサーキュラーエコノミーを達成するのは難しいと考えた。
だが……一種のサーキュラーエコノミーをあなたは見た。
確かに、地球にはかつて多くの病原体が存在した。
だがその多くは根絶され、最後に残った伝染病はエイズとなった。
そもそも世代を経る事に増え、完全に根絶するのがとてつもなく難しいのだ。
この世界には凶悪な伝染病も多い。
たとえば、現代社会で若者が恐れるものの1位は性伝染病であり、それは5世紀以上変わっていないように。
中央コンピューターが、完全な統治をした世界でさえ病は脅威だった。
僕はコンピューターみたいに正確な統治は出来ないし、普通にミスもする。
伝染病が1つしかない世界がいかに恵まれていたか分かる。
本当にこの世界の伝染病は致死的な物が多い。
めちゃくちゃ人力で検疫スクリーニングしてるんだけどなんかエルフは病気に罹っているやつがほっとんどいない。
というかエルフとヒューマンで病が伝染しないからそもそも意味が無かった……
この世界はエイズがない。だけどそれ以外の病があり、死が身近。
現代社会には、全ての病は根絶された。ただし、エイズ以外は。
ベオグラードの失明症候群も、腸チフスも、病気の皇帝インフルエンザも旧時代にのみあるもの。
まあこいつらも現在、観測できていないし……この世界には無いのかもしれない。
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「50、100、150……」
紙幣を数えるのは、エルフの女。
この者は、ハウスを広めたハウスの王である。
「1日で150万、儲けた……」
彼女の大規模経営はどうやったか。それは表通りに面した道路に、コンテナハウスを作るのだ。
そして1日に客は1000人以上来る。
そうすると、お金は大量の顧客によってどんどん支払われていくのだ。
そしてそれはいつしか繁華街の爆心地となり、性サービスで栄える街になった。
彼女は最初、大量の男をかき集めて、めちゃくちゃ大きな豪邸で酒池肉林をすることが夢だった。
それがいつしか、お金が稼ぐことができる方法を思いついた。
「えーと、みかじめ料はいくつかな」
みかじめ料と言っているがこれは決して違法なものでは無い。むしろ民衆が結束した組織間の相互補助であるので違法では無いのだ。
「500……600……700……」
どっさりと積み重なるのは紙幣の山、紙幣の山……
「あれ? 私なんでこんな事してるんだろう」
女主人はいつの間にか繁華街の長になっていた。
いつの間にか、駆け上がっていた。
国の酒造所と協力して酒を安く買って高く客に売る。
利ざやで幸せ、客は相場を知らないから幸せ。
「うーん?」
首を傾げるその顔は、頭上に疑問符が浮いていただろう。
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「最近なんか治安が悪くない?」
近隣の住民に話を聞かれないように小声にし、
ベンチに2人のヒューマンが座りながら議論を交わしている。
「工場で働いても皆と同じ給金だし……俺は仕事を辞めたくなってきたな。それに、土地を売買して富裕層がいっぱい土地を持ってるしさ」
「国は豊かなはずなのに何でだろう……」
明らかに、国は豊かになっている。
建物は立ち並び、再開発が進んで街はどんどん広がって行っている。
「だけどさ、基金がいくら増えたって俺たちは給料が少し上がるだけで豊かになった気がしないよな」
基金に還元され、それは平等に還元されると指導者は説明した。平等に還元するため、どれだけ利益が出たところで1人1人に労働賃金が急激に上がることは少ない。
「いや国は豊かになってるけど今は土地の売買だよ」
最近、土地の価値はなぜかどんどん上がっている。
土地に家を建てたりする計画がどんどん進み、周辺の建設予定地の土地がかなり高額で国に売れる。
「「やっぱり土地だよな」」
2人は意気投合した。今価格が上がり始めている土地は、時価でどんどん膨れ上がる。
2人は、土地を買いに遠くの街に行った。
泡は、膨らみ初めてから弾けると大変だ
ダメージが必ず経済に襲いかかる。
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