女神「輪廻転生しろ」 ワイ「はい……」   作:まっすァき

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成長曲線が直角の産業革命期ってなんだよ……?

熱心なシンパは、彼らの愛する指導者について詳しく書かれた功績本を、その分厚さに少々気圧されながらも読んでいた。

皆、図書館の中で本を写本していた。

写本と言えどそれは、カメラで写真を撮影することだ。

フラッシュは本来、本に悪影響を及ぼすためよろしくないのだが……

彼らは経済学者から社会学者などが大半であり、なぜここを利用しているのかというと国営図書館の中の本は写本OKかつ撮影OKのの著作権フリーな物しかないためだ。

容易に量産可能な活版印刷や郵便局制度などが整った為である。

 

内容を一切違えずに写し取ることのできる写真は革命的な発明だ。この原型自体は、サザンクロス帝国のZhāng Fāngという発明家が考えた物であり……現像をしなければいけないのだが、指導者が作ったカメラは新型だ。

 

経済学と社会学は、教養なれども何かしらの労働をしなければ役に立たない分野である。

メイプル宗教国において、大半の労働者が賃金を得るための動機は消耗品や嗜好品が欲しいからである為であり、より良い生活の改善を必要とするためだ。

 

彼らにとってカメラとは生命線だった。

閃光が伴うとはいえ明るく、長時間露光する必要もないカメラはなんと簡便なことか。

 

お金とは価値の基準であり、貨幣と商品を交換することで富が循環する。逆に言えば、物々交換では価値の基準がないので、商品と商品を直接交換する時に基準がない。

 

なぜお金が必要とされるのかについてはこれで説明ができただろう。メイプル宗教国においては、それが特に顕著だ。

 

人々は何らかの生産手段を平等に持ち、労働という行為を賃金に変換しているのは他国と変わりがないが……ここから先は、他国と極めて差がある。それには、とある機構の存在が関係するのだ。

 

それが、『基金』である。

指導者はこの基金から資金を捻出し、基金とは資金の集積が行われている国力の総体である。

基金の総量を国家成長や財政により上昇させ、飛躍的かつ躍進的な経済成長を遂げたメイプル宗教国はこの機構の優越性を証明した。

 

この機構は、市場の『見えざる手』による調整を待つ必要がない。物価は常に安定し、操作が容易となる。

 

指導者は、国家全体という『巨大な装置』の最適化に資する部門へ、成長する税収と基金を、一瞬で一切の遅延なく注入できる。これこそが指導者の築いた機構であり他国との差である。

 

聡明かつ賢明な指導者は常に国民の声を聞き、政策を発布する際には是非を聞く国民投票を開く。

これはすなわち、国民を盟友にすることであり、国民を名目的有権者ではなく実質的有権者にする行為である。

 

これにより我が国は統治の平等が実現した。

指導者の政策を国民自身の『総意』として認定し、国民は政策について批判し、議論することや

国民による国民のための投票により、権利として政策を撤回させることができると、憲法に記載されている。

 

事実、国民投票により指導者は2ヶ月前に民主化移行を撤回したので憲法を指導者という最も地位の高い人物が遵守するということで、遵法精神を国民に与えた。

 

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「さて、私は学問院に帰る。君も来るかい?私が招待しよう。これでも学問院では博士号を取得していてね。」

「君は、学問院にいたのだから何処にでも働き手となれるはずだ。図書館にいるということは、研究をしたいということじゃないか?」

 

博士はそう問いかけ、勧誘した。

 

「良いのですか?私はあまり理学に優れてはおりませぬが それに、学問院の敷地を跨ぐのは敷居が高い」

 

博士と、その手伝いをしていた使人(手伝う人という役職。何でも屋に近い)は図書館の中でカメラを堂々と使っていた。

堂々と使うも何も、使ってダメな規則が国営図書館には存在しないのだから悪い点は存在しないのだが。

 

「おや、何をやったのだね?道すがら聞こう。私も学問院で手痛い失敗を経験したことはある。」

 

博士がそういうと、使人はこう言った。

 

「ある実験をしていて、兎にィエタルの蜜を由来とする希釈液を飲ませたんですよ」

 

(ィエタルの実の蜜は……まあ少しばかり入手が難しいが、それ以外に違法性がない植物の一部分だ。

この者は、それを使って何をしたんだろうか)

(爆発効果でも引き起こしたのかな?)

 

「ほう」

 

「そして、パァメイの実を齧らせたんです」

 

(パァメイの実……確か、野草としても生えているが何も効能は無かったはず。新しい効能でも発見したのか?)

 

「そしたら兎がめちゃくちゃ元気になって1時間ほど飛んだり走り回って死にました」

 

「うーむ、面白い実験をしたじゃないか。なぜ敷居が高いんだい?」

 

「兎の死体処理に困って廊下から下に向かって投げ捨てたら、どうやら他国の皇太子のセレモニーがちょうどその場所で開催されてたみたいで」

「そんな空間に兎の死体が乱入し、僕は学問院から追放されました」

 

(想像の1000倍くらいヤバい奴だった……どうしよう、撤回できないかな?)

(他国の皇太子のセレモニーへの死体乱入とか、外交的な調整とかで当時めちゃくちゃ大変だったんだろうな……)

 

博士は目の前の人物が淡々と、事なしげに話すその内容を聞いて驚愕した。

 

「まあ……実験結果は素晴らしいじゃないか」

「しかし……パァメイの実やィエタルの蜜、これらはよく取れる材料だ。その効能が発見されていないというのは本当かい?」

 

「あー、衝撃が強すぎてたぶん僕の書いた資料ごと紛失してるんじゃないですかね?」

「普通に皇太子が手を広げた瞬間に兎の頭が落下してきたら実験結果がどうであれ多分恐怖ですよねえ」

「当時の皇太子が今はツァウスト帝国の皇帝になってますけど、僕はその皇帝を1番ビビらせた男ですよ」

 

使人は自慢げに言った。

さも反省していたような口ぶりから一転したその態度はまるで風弥鳩のよう。

 

「とりあえず……そのアイデアを私が購入しよう。どのくらいの値段でよいか検討してほしい」

 

 

「ああ無料でいいっすよ無料で」

 

「本当に良いのか?ありがたい……」

 

 

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「へえ……小動物を対象とした薬物投与ねえ……」

 

指導者はスクリーンに表示されている貢献行為の欄に新しい枠ができているのを確認した。

 

「いいアイデアだ。ちょっとその学者を呼ぼうか」

 

「現在の繁殖工場においてまだ効率の低下が見られる。改良型にこれを組み込みたいな……いや、小動物とかじゃないと総量的に効かないか。暴れん坊になると書かれてはいるけれど過剰投与とかだろう。」

 

「兎で実験済とあるな……やはり小動物か。」

 

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「私は伝声管で応答する。聞こえているかね?」

 

 

鉛で作られた伝声管。それは遠くの位置に声を届けることが可能ということで無線登場の前では普及させようとしていたがコスト上限に引っかかったものだ。

 

(この建物を解体しないで良かった。無線通信技術はまだ民間には降ろせないし、まだまだ発展の余地がある。

まあこの手法自体はこの世界でも昔からあるかなりアナログな方式だし、これでもいいか。)

 

「は、はい。聞こえております。」

 

「確か君だったかな?この特別な薬剤の発見とやらは」

 

「恐れながら、私が雇った使人が40年ほど前にツァウスト帝国にて発見した薬剤にございます」

「希釈を行えば様々な用途に使用可能かと」

 

 

博士はそう言いながら伝声管の奥へと声を響かせる。

すると指導者は、すぐに返答を返した。

 

「我が国において、新しい革新的な発見には報奨金を出している、がこの制度は自国領で発見された物に限っていた……」

「発見した起源の場所はどこの地域にあったものなのか、私は考えている。」

 

その言葉に少し眉を上げたものの、博士は真実を答えた。

 

「それはもちろん、ツァウスト帝国領に存在するマーリン学問都市の実験室にございます」

 

だがその声を、指導者は遮るように隙間なく返した。

 

「ツァウスト帝国領?おかしいな。今はメイプル宗教国の物になっているからマーリン学問都市は自国領である。」

「と、いうわけで報奨金を後に正式に渡そう。」

「それではまたいつか新しい発見を国に報告してくれることを願うよ。」

 

 

今はメイプル宗教国の物という、言葉に少し疑問を感じた。

博士はすぐに車に乗り、アーテルハ方面に車を飛ばした。

 

(もしや新聞で報じられていないだけで、ツァウスト帝国の領土をかなり奪っているのか?)

(そうだとしたら納得が行く。マーリン学問都市は最大の学問院がある場所であり複数の権威ある偉人を輩出した場所。そしてその位置は、帝都からそこまで離れていない。

まさか祖国が滅ぶ姿を見ることになるとは思わなかった。いや、滅びかけになる姿か。)

 

博士は車を数時間ほど飛ばし、大きな湖が特徴的な街、アーテルハ地域に到達した。

途中でガソリンを近くの薬局や国営需給品売店で何度も補充し、日が傾いた日没時にやっとたどり着いた時に見たのは『戦車』。それは後方から見た時に10台以上道に存在しており、まるで1本の糸のように連なっていた。

 

「すまない軍人さん、この先で何が起きているのですか?ツァウスト帝国に再侵攻するんですか?」

 

戦車の周りにいた兵士が車に近寄ってきたので、ドアを開けて率直に尋ねた。

 

よく見れば、その兵士の階級は高かった。メイプル宗教国において兵士の階級は、下士官から帽子の星の両隣に赤い線が足されていくのだが、線の最後が青色になっていて、それは准将の階級を表す物だった。

赤い線が将官になると、青い線になり、その青い線の数で階級を計算するのだ。

 

 

ちなみに指導者の帽子は紫色の線と金色の星が3つあり、これは軍司令官のみの帽子であるので勝戦の凱旋パレードを見た事がある人ならば簡単に見分けられるだろう。

 

「いえ、我々はツァウスト帝国から帰ってきたところなんです」

「今は市民用の道をお借りしていますが、通行解禁まであと1日ほど待ってもらえますか?」

 

 

緑の軍服を着た准将は銃を携行していた。いや、軍人だから当たり前なのだがその銃は博士といえど流石に一般市民のため、どのような銃なのかは分からなかった。

 

「ええ……わかりました。」

 

その車は大人しく引き返し、博士は道を戻っていく。

戦車と歩兵戦闘車の群れは一時停止しており、先導する准将が戦車たちを指揮していた。

 

再びキャタピラが動き出し、戦車と先導する兵員輸送車たちはまるで博士の車の後をついて行く様だ。

この道路は開けた道路で奇襲の予測が非常に簡単であり、一本道かつ傾斜が少ないため戦車の通行路として選ばれているのだ。

 

 

 

 

▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

 

(いやあ、ウィンウィンとはこういう事だ。元々侵攻していたし、丁度よく多額の報奨金も払える口実ができた。これで新しい分野の初期研究が進むといいな)

 

指導者はそんなことを考えていた。

 

そして、指導者の思考において、軍事行動は基金による投資と全く同じロジックで動いていた。

 

投資先:ツァウスト帝国の都会部に集積されていた知識(マーリン学問都市)と土地(アーテルハ北西平原)。

 

コスト:戦車と兵士の派遣という戦費(基金からの支出)。

 

リターン:領土拡大、賠償金、知識の回収、そして学者の発見を自国の成果と認定する『行政的な口実』。

あとこれが本当の狙いだが、軍を動かすことにより周辺諸国を牽制し、陸軍力の誇示ができる。

 

(アーテルハ地域はツァウスト帝国から強奪してきた平原地帯で、占領当初はちょっとした市街戦もあったけれどもすっかり今は住民の99%がメイプル宗教国の国民になった。)

(一石N鳥とはこういうことだなぁ……)

(領土を拡大する、賠償金請求を更にする、ついでに学問都市を襲撃して知識の集積を妨害する。)

(反乱してくる現地民は少しばかり蜜を塗って湖に浮いてもらったけども)

(いやはや電撃戦はメリットしかないな)

 

あなたはつい先程まで、ツァウスト帝国をどうこねくり回して破壊しようか考えていた。

 

「いやそれにしても……ちょっとやりすぎたかな?」

 

そしてその結果がこれである。

スクリーンに映るのは、戦車で轢いた神像の群れ。

住民もついでに巻き込まれているが、降伏勧告を1時間前に出したのだから公式的にはもうあの街に非戦闘員はおらず、いるのは脅威となる兵士だ。

 

「やっぱりウスト教はダメだなあ、力の差が明確なのに戦いを挑んでくる」

 

「破壊もしくは無力化された戦車は203両、残りは412両……無力化ペースがやけに早かったなあ」

 

「魔法ってやっぱズルだな、戦車くらい重い物だって簡単に持ち上げられるんだし」

「まあそのおかげでVTOR機能がなくとも航空機は垂直離陸できるんだけどね」

 

 

誰に言う訳でもないが、この国は本当に粉骨砕身して作ったものだ。僕が反乱を主導するより先に土地を支配していたのはツァウスト帝国だが、今は僕がこの国を支配した。

 

 

 

「だけとまだ航空機お披露目の日は遅らせた方がいい……次は改良型の焼夷弾と戦略爆撃機の開発だ。爆弾は魔法があるからわざわざTNTとか作らなくていいし、魔法と化学の組み合わせって強いんだなあ」

 

『発破魔法』──触れた時、物体を爆弾に変える魔法。爆発規模を対象のサイズと無関係に可変させられる上に、触れたものならなんでも爆弾になる。

 

例えば「羽毛」。これを爆弾に変えて、遠隔起爆すれば夜に爆死事件が大量発生する上に犯人特定が難航しやすくなる。

例えば「コルク栓」。これを爆弾に変えられた時は経済損失がかなり大きかった。高価なワインや酒に使ったからたった1回の起爆で中身が無駄になった。

狙った相手を爆死させられたけど費用対効果は地の底。

 

学問都市を率いているのが酒好きなやつで良かった。

 

例えば「折り畳んだ紙」。学問都市では、これを利用して戦車を破壊してきた猛者がいた。

 

まあ、あらゆるものを爆弾にできるならばこういう事も出来てしまう。

発破魔法の恐ろしいところは、こんな魔法が坑道で使うためのものとして生まれたことだ。

 

兵器転用も民間利用も表裏一体だが、魔法というのは使い手の発想力によるものが大きいだろう。

 

「T34は量産しやすいけど……下からの爆発に弱いなあ」

 

戦車は対戦車地雷を生き延びる想定を極力しているが、それでも真下という最も乗組員との装甲の厚さが薄い部位で……

 

爆発した時に乗組員が戦車の砲塔ごと上に打ち上げられることがある。

やはり上にマキシム機関銃とか、M249とかを取り付けたりしたせいで高重心になったのか。その影響だろうか?

 

「ぶっちゃけ戦車じゃなくて歩兵戦闘車が主だったな」

 

スクリーンに映るのは大量の歩兵戦闘車たち。焼け落ちた瓦礫の山を、車輪で乗り越えていく。

次々に、『敵兵士』を撃っていて非常に彼らは私に忠実だ。

軍と警察、そして市民は私の盟友で、とても大切にしているからだろう。

 

「次からはもうちょいスマートにやらないと資料が焼けちゃうなあ……反省反省。」

 

あなたは『次』を考えた。

本番の、ツァウスト領土割譲問題を巡る周辺国との折り合いだ。普通に蹂躙しても良いけれどそれでは品がない。

 

「航空機は基地をもうちょっと作ってからお披露目しないと補給が難しくなる。

空間拡大を用いて燃料タンク容量を増やしたり、あとは乗組員を入れるスペースを増やしたりができるから空中給油機が根本的にいらないのは、圧倒的に便利だけど慢心しちゃダメだ」

 

「まだ空の有利を得ても、それを対空砲でどうにかしてくる奴がいるかもしれない」

「まだ地の有利を得ても、それを質でどうにかしてくる奴がいるかもしれない」

「そして……大陸海から外洋に運河で繋がり、実質的に海に面しているサイアミーズ地域。サザンクロス帝国がいちばんの敵だ。通商こそ行っているものの、まだ海軍力が足りない」

「サザンクロス帝国もツァウスト帝国を陥落させた後に確実に潰しに行こうか。」

 

「だがサザンクロス帝国には……竜星軍とかいう精強な海軍がいる。艦隊を潰すのはまだ不可能。いずれサザンクロス帝国はツァウスト帝国と同じく、周辺諸国に力を削ぎ落とされてもらう。前回の扇動も上手くいったし、ツァウスト帝国との独立も支援して次々にツァウスト帝国は植民地たる執政国を失い続け、外患内憂の極みにした。」

 

「いずれサザンクロス帝国の東方植民地に革命思想を輸入してしまおうか」

「どうせサザンクロス帝国の傀儡政権、ぶっ壊しても元々無価値の極みだし……将来的に敵対するなら、その時は焼夷弾とか枯葉剤で森林も焼き払って、枯らしてしまおうか」

「いや、普通にガスでいいか。」

「空間拡大の魔法でガスを持たせてばらまけば、辺り1面の生命はバタバタ死ぬだろうし、反抗意識も削がれるだろう。」

「1番の仮想敵国はサザンクロス帝国だし、経済的にも邪魔だ。輸出先ではあるが別に貿易をしても関税が高めだし……うま味がほとんどない。」

「潰せる時にあの国はさっさと潰してしまおう」

 

「サザンクロス帝国陸軍の、虎星軍は確かに強いらしいが植民地に分散されているだろう。それよりも竜星軍を憂慮すべきだ。あの国には巨艦大砲主義のような思想があるが、ただの火砲とはいえ戦艦の主砲は強い。

湾岸砲でも作って運河封鎖の時に圧力をかけられるようにしようかな?」

 

 

あなたはスクリーンの前で思案を巡らせた。

あなたにとっては敵が明確で、味方が明確だった。

敵はサザンクロス帝国とツァウスト帝国であり、味方は自国民オンリーだ。と思考しているが……はたして、そう簡単に事が進むのだろうか?

 

だが戦車は前進し、既にマーリン学問都市の占領は完了した。今あなたがやるべき事は統治を確立し実効支配を完了させ、

あとは資料を読んで『事実に基づいた』より相応しい表現に書き換えたりすることや、『旧支配の賛美的内容』の削除だろう。

 

「北西部の平原、何を建設しようかな」

 

あなたは、内心何をしようかというウキウキな全く新しい気持ちで溢れていた。

全く『住人』のいない平原と言うのは真っ白なキャンバスであり、心躍るものだ。

 

「空軍基地予定地にするとして、国境線に壁を建てよう」

「あとは道路を建設するとして……幅は2車線じゃなくて8車線でいこう。信号機も、3色のLEDを作ったから問題ないし。」

 

軍事的行動が地形的障壁によって妨げられるのは不変の法則──よく言ったものよな」

 

「全ての地形的障壁を取り除けば軍事的行動は妨げられない、それは正しい。だけど、軍事的行動は地に縛られなくなった。」

 

「陸からやがて空に、そして海に出る」

「常識をいくつも覆してしまおう」

 

あなたは笑って、スクリーン上の地図を見た。それは世界地図であり、あなたの国は小さかったがそれでもツァウスト帝国は攻めいられてめちゃくちゃな形になっている。

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