「─無駄が多いよ」
研究室の一角に設置された机。スペースを贅沢に使い、様々な物品が横に倒して掛けられている。
斜めに設置されているので立体感……言うなれば、厚みをより深くスケッチすることができたり、図面に起こす時にも使えるように製図装置もついている。その隣にはカレンダーやら何やらが壁に掛けられていて、いろいろ多機能性を持たせようとした結果が伺える。
弟子が提出してきた、40を超えるような大量の銃。全て試作品だが、明らかにひときわ異彩を放つ物があった。
「このガス圧作動方式はいいけれどさ、マガジンの弾数が多いよ。この後方ストロークピストンでバレルをより長くしたのは良いけどさ?」
「これだけマガジンが重いとちょっと構えるのが難しくなるんじゃないの?ストックパッドの設計も人体工学に寄り添ってはいるけどこんなの連射したら反動で肩が壊れるし、抑えても跳ね上がりを抑制できないよね?」
とある技術者が、提出してきた弟子を叱る。
この弟子は、銃器技師でもあるがメインは航空機開発。地下トンネルや塹壕に潜む敵を歩兵が一掃するという構想自体はとても素晴らしい。
だが如何せん少し……いや、大幅に火力が強すぎた。狂気的設計と言うべき設計。とてもじゃないがまともに使えないと思考した。
装填は銃本体のフィードカバーを前方へ押し上げて弾帯の第1弾を給弾口に差し入れた後、フィードカバーを閉じ、機関部側面にあるコッキングレバーを後方へ引く必要がある。
カバーを開けずに装填することも可能であるが、この場合は第1弾を給弾口に差し込んだ後にコッキングレバーを二度引かないと薬室に初弾が入らない。
これのせいでリロードするのに時間が掛かりまくる。
そして、給弾方向(弾帯の挿入方向)は簡単な部品の変更と組み換えで左右どちら側にも任意に変更することが可能で、コッキングレバーも簡単な作業で左右任意の位置に変更することができる。
これは機関銃を流用した設計ゆえだろうが、弾帯に対応している。
発砲後の排莢は機関部の下方に行われ、弾帯の金属製分離式リンクは給弾口の反対側に排出される。銃身は銃の前方からねじ込まれており、ボルトを手動で約16分の1インチ後退させると手で回せる状態になり、抜き取り・装着、さらに頭部間隙調整を行える。
折りたたみストックはハンドルカバーの上に乗り、ハンドストックを左右に2つ付けることによりバイポッドの役割を果たしつつ両利き対応だ。
バレルもショート・ミドル・ヘビーの3段階を用意し、ストックもプラスチック製・セラミック製・木製の3つがある。
使用弾薬は1発で敵を仕留めることが出来る12.7×99mm。敵の生産している弾薬なのは腹立たしいが弾薬自体には罪はない。
自国生産もしているからまあ良いが、それはそれとして弾薬の長さは薬莢と弾頭を合計して138mmという馬鹿げた数値。これを発射するのがセミオート・バースト・フルオートの3段階……
スナイパーライフルにもできるように12倍スコープを付け、さらに近距離での取り回しも想定して敵のSKSから大量に鹵獲した銃剣を再利用。
「 まあ……万能志向は良いが煩雑だ。ここまで機能を盛り込んで、部品点数も510個と抑えてはいるが使用しているネジが遊星ローラーネジのせいで高価。」
「 量産性が最悪だ。」
「 さらに弾帯を採用したのはいいがこんなのを200発も歩兵が携行できるわけが無い。重量もヤバいし反動もヤバい。こんな銃は歩兵が打てないだろうし車載したほうが良い」
「ブルパップ方式の利点の、銃身を短くしつつバレルの長さを確保するという室内戦での利点が長い銃身のせいで無意味になっている」
と、酷評されその弟子は反論する。
研究室内部には多数の弟子が居たが、銃器技師たちも大量にいた。元々、この弟子は航空技師だったのだが銃器開発にも手を出した。
「一方向に弾を飛ばし、ドアなどの障害物を破壊して敵の潜伏している歩兵を倒すんです!これを使えばどんな環境でも歩兵は破壊力を発揮できますよ!」
「撃針を師匠の開発した魔法式で素早く自動で打ち、弾薬が発射される……この仕組みを使うことで現代の銃がほとんど成り立っているのです!」
「だからこそ惜しい、私はこの魔法を改良した!」
そう言った瞬間、目付きが変わった。どこを変えたのかと。
「それは……どこを変えたんだい?発射レートの部分かね?もしそうならあれは回転機構の摩耗速度が─」
遮り、食い気味に言う。
「回転機構を2つにして、アルミニウムの芯材を用いた鋼材の鎖で繋ぎ、逆回転をしないようにしたんです。これを使うことでプライマーピストンを効率化しました!」
師匠は感動した。なんとすばらしい仕組みかと。
鎖を使って回転機構を連鎖させるという仕組みは考えたことがなかった。
だが実際に、イメージ図を見ると実現可能であることがわかった。だが機関部イメージ図は机の周りに画鋲で刺されていたが、明らかに異彩を放つイメージ図があった。これが本当にできるのか非常に怪んだ師匠は尋ねた。
伏せ撃ちし、反動をストックによって壁と床に流す……グリップ付近のトリガーを引かなくとも発射できるソレノイド設計によって車載も考慮しているのだろうが、それだったらもう歩兵が使わなくてもいいだろう。
市街地などでは何とか、携行できるかもしれないが、想定していると言っている塹壕では無理というか無茶。
クローズドボルトだから泥は入り込まないし公差は精密だけども量産性という1点が惜しい。整備性が従来より改善されていてコンパクトで理路整然に纏まっているだけに、非常に惜しい。
「サイドスコープとアイアンサイトと光学ドットサイト、光学サーマルサイト、光学レーザーサイトは盛りすぎだ。1人の兵士がここまで一度に覗くことはないし、スナイパー運用をするには良いかもしれないが銃剣をつけるなら衝撃で壊れないようなスコープをつけた方が良いだろう。」
(この銃はブルパップ、ガス圧など複数の作動方式、ベルト給弾、左右両利き対応、3段階セレクター、5つの照準器マウントという超多機能を盛り込みながら510個に抑えている。これは本来 凄いことなのだが……無駄では無いか?)
(車載用の物を歩兵が携行できるようにするなら弾薬を変えれば良いが……)
そう思考し、弟子を問い詰める。
「開発中の航空機にこれを載せ、歩兵が持つという構想は辞めておいた方が良くないか?元の重機関銃の利点が微妙に噛み合っていないし可哀想だ。設計自体はとても良いのだが、現在としてそれを持ち上げて長時間の戦闘ができるわけがない」
「海上補給艦などに付けても良いだろう。とにかく、これは歩兵が持つようなものではなく乗り物が必須になる。」
一区切りし、構想をノンストップで話し始める。
研究室の中で最初の設立者……『銃の賢者』を自称する彼だからこそ、多様な構想が頭に浮かんだ。
「拠点防衛用の重機関銃としてもし私が再設計するのなら、銃弾の口径はそのままにレーザーサイトなどのスコープを止め、バレルを大幅に延長する。
1,343 mmを3,200mmほどまで上げてみせよう。元のバレルをちょっと長くする程度では火力が足りない。倍だ倍!
右回りのライフリングは8つでは足りなくなるだろうし、それに合わせて調整して揚力などで弾道落下を抑制しつつ直進させ、バレルを延長することによって初速を大幅に上げる。」
「光学サイトを全面廃止した後のピカティニーレールの上のスペースが楽になるだろう」
「そして、バレルの2段階分割機能は廃止してこの脆弱性になりうる繋ぎ目の発生原因を無くせば整備は少し難しくなるが信頼性は上がるはず。」
少しためて、弟子に対してぐるぐる歩きながら説明する。
研究室の中に存在する研究者は、全員が後追い星である。
圧倒的な技術が当時にもあったが、発想が素晴らしかった。5発のボルトアクションライフルの常識をスプールという部品によって信頼性を上げつつ、重力落下マガジンによって7発も拡張した。
根本的な仕組みを変え、ストレートプル方式にチェンジしバレルもまるまる変更。
とてつもない差異を持つ改造の極みだが、これによって当時結ばれていたサザンクロス帝国と結んだ二方向軍事同盟が強化された。
単独で銃の歴史を書き換えた技術者。
天下を無双したスプール式の銃は、中央大陸での覇権をさらに強化し属国化していった。
その中には後に独立戦争を引き起こし世界を戦争に突き落とした、メイプル宗教国が含まれており……この銃が回り回って世界大戦を引き起こしたと噂になるほど。
「本来、魔導列車の回転砲塔に付ければ水平射撃の王者になれるはずだ。この銃は運用方法が90度ほど間違えている」
「魔導列車なら数百万発ほどの弾薬を渡せるし、既に存在する弾薬と共通しているから補給面も向上する」
「さらに、魔導列車は戦闘領域にもよるが真空に近い粘性を極端に下げた擬似真空の下なら時速900kmを出せる。後方に向かって撃てばそれが命中する時に、全て相対速度に合算されるだろう。それに、一般的な魔導列車に車載して行う側面射撃では慣性の法則によって弾道落下が遅くなる性質を利用すれば良い。」
「7.62mmでは横滑りによる軌道の乱れが発生するが充分に加速した12.7mmなら斜め横に直進する軌道を描くはずだ。」
人差し指の先端を真っ直ぐ立て、スライドさせながら軌道を変化させていく。
指の先は放物線軌道を描くことはなく、弾道落下がなくなる特性を正確に表していた。
「魔導列車の背部にピッタリとくっつきジェネレーターを爆発させるあの悪魔の兵器……確か名前は『自走爆弾』とやらだったか?あれに対して直進する速度は魔導列車の速度とほとんど変わらない相対速度になるはずだ。弱くはなれど、強いままだ。これほどの初速があれば弱まっても良い。
前方にそのまま打てば勿論、魔導列車と直接的に合算されて衝突時のエネルギーは跳ね上がるだろう。」
「対象が何であれ破壊することが出来るし、これならば万能的な車載兵器にすることが出来る。どうだ?具体的な設計を共に考えようではないか。
このままでは机上の空論だ。早速図面を書かなければならない。これを魔導列車に配備することが出来れば夜間に魔導列車へと忍び寄るあの悪魔の兵器を完全に粉砕し、妨害工作を無に帰すことが可能だ。」
「一応は停戦中だが、規制されたのは中間弾薬であって通常の弾薬ではない。7.62mm未満と5.56mm以上の弾は中間弾薬だから12.7mmなら確実に重機関銃用の弾だと国際社会に示せるし、条約に全く触れることはない。
ツァウスト帝国の平和的な武装化にポーズとして良い結果となるだろう。」
「自走爆弾は走行中にレールを破壊する上、どういうカラクリなのか分からないが識別上は魔導列車だと誤認されてレールが加速用のエネルギーを与え続ける。」
「識別暗号鍵は24億のパターンから切り替わる……それを解析しているとてつもない化け物が敵にいる以上、魔導列車の運行に対する不安が大きくなり続ける。」
「これで連合国の手先をぶっ壊してしまえば歩兵の戦果よりも遥かに大きい貢献ができるはずだ!」
「周波数ホッピングの切り替え間隔は定量で不変だが、武装の発展は比例的だ。困難が2倍3倍になるにつれそれを打ち破るための武装が2倍3倍になる。」
「ミラーリング技術が連合国とメイプルによって国内に広められた以上、全土に普及している魔導列車網はもうすぐ無力化されてしまう!だが、その前に無力化する自走爆弾を破壊してしまえばいい!」
「連結用フックが搭載されている古い型の魔導列車にしか自走爆弾は追従することができないのだから、連結用フックが着いている数千本の魔導列車を回収すれば良い、理論上は簡単だが実行するのは恐ろしく大変だ。」
「それを突き、妨害できるのなら何でもいいとレールのエネルギーを吸い取って本来の魔導列車に与えられるはずのエネルギーと同じ量を受け取る『あの仕組み』。」
「スパイによって判明したが、ミラーリングにより暗号生成アルゴリズムの解析をするまでもなく旧式の魔導列車は拿捕・破壊すると書かれている文書をサザンクロスに郵送していた。」
「まず間違いなく出所不明の技術はメイプルで、製造元は連合国だったが魔導列車を運んでいたのはサザンクロスだと判明した今、やるべきことは1つ。」
「いずれ来るもう一度の世界大戦に備え、さらに軍備を進めることだ。」
「だからこそこの設計と銃は惜しい。重機関銃としての利点が歩兵運用によって全て消えている上にブルパップやせっかくのガス圧駆動が活かされていない。」
「この銃をより効率的に改良したのなら、魔導列車の機関銃座の殿堂になるだろう。」
「加速減速を調整している自己調節の魔法式をぶっ壊し、レールからのエネルギー供給を辞めさせる。そうなれば自走爆弾はクラスター榴弾を後方にばら撒くだけになり、レールの破損も最小限に抑えられる。誘爆したとしても時速900kmなら逃げ切れるだろうし、直線の加速用レールではないカーブの時だったとしても魔導列車は500kmほどで逃げ切れる。」
「対自走爆弾に対する革新的兵器になりうる銃なのだ。機関砲が使えない今、魔導列車に取り付けられた回転砲塔は沈黙を続けている。だからこそ30mm以上の規制に引っかからない銃機関銃の重要性が増している。」
「そんな今だからこそ、この研究には意味がある。少し前に結ばれた、"非人道的兵器の国際禁止合意"─この合意に基づいて条約は作られ、"焼夷弾の民家投下禁止"などの広範囲な民間人への被害発生を防ぐ条約から"アサルトライフル禁止条約"、果ては"中間弾薬禁止条約"に繋がる。」
「国際法という国を跨いで成立する、多国家合意により成り立つことができるもの。これは邪魔だが、逆に考えた方がいい……」
「国際法に反しない範囲なら何をやっても国家の主権に基づいて裁かれることはない……観光客がその国の法律で裁かれることがあるのかどうかの議論のように答えは明白だ。」
「"双方向に国家は主権を侵害しない範囲において裁判を開くことができる"……新聞で君も聞いたことがあるだろう。国際裁判宣言によって国境線での犯罪が増加した。」
「物騒な世の中になってしまったが、こんな世界だからこそ武装は必要なんだ。君の研究はその点すばらしい。」
「さあ、共にこの銃を改良しようではないか!」
そう言った瞬間、弟子は言った。
広い研究室に轟くような音量で。
「思いついたぞ!」
「銃本体の部分を改造すれば、3段階バレルにも適合していた……でも、それは甘かった!」
「溝と突起を作って固定するんじゃなくて、そもそも3段階なんてしない方がいい!」
「おおおおおお!最高ですよ最高!インスピレーションがどんどん湧いてきます!」
研究室は日夜、止まらない。研究というのは資本を莫大に投下してくれる国家が後ろについていると、とてつもない速度で回るがこれが発生している。
師弟制度があるわけではなく この技術者が偉大なので弟子入りしたいと考えている人が多いだけで弟子と呼ばれているのは自称と他称が入り乱れた、しかし真実ではないものだ。同僚に近い。
「先生。よく考えたんですが、車載するならもう残弾容量は気にする必要もないですしスペースも大丈夫ですよね?」
「ああそうだ。この折り畳みストックも伸縮フォアグリップもいらないぞ。」
「上にストックを畳んで空間を確保する機能どころかストックがいらないな。ピカティニーレールは一応付けておくとして、高倍率スコープもいらないしサーマルスコープも不必要だ」
「夜間交戦は軍事作戦になるから停戦協定から外れるし、サーマルサイトはいらんだろう」
人間の、命の接点はすべて削除された。マイナス150〜250点もの部品点数の削減はこれが大きい。かなり削ぎ落とせるからだ。
ストック関連の 折りたたみ機構、セラミックやプラスチックのパッド、チークピース。これらは列車のマウントにボルト止めするため丸ごと不要。
グリップとトリガーガード、人間が握るためのピストルグリップや更に手袋をしたまま引けるトリガーガードも一切いらない。
物理トリガー機構が2重にあるが、元から盛り込まれていたソレノイド(電磁式撃発)があるため、指で引くための引き金や複雑なシア(逆鉤)の連携は不要になり、単純な電気スイッチユニットに置き換えても何も問題は無い。歩兵がスイッチだけで打つのではなくトリガーを引くべきだという考えもここで削ぎ落とされ、戦争の命の実感が明確に消えた瞬間だった。
持ち運ぶためや固定するための工夫が全くもって要らなくなるため、フォアグリップ兼バイポッドに 左右2つのハンドストックやストックの延長展開機構もまるごと不要、
スリングスイベルのような肩に担ぐためのベルト通し穴も魔導列車に接続するなら全くいらない。
バレルの2分割・Jスロット機構も消え、これにより、複雑なロック機構や継ぎ目のシール部品が単なる太い鋼鉄の筒になり耐久性を上昇させる。
泥が入った時のガス圧の過剰な与圧による部品破壊……バレルの爆発が試射で問題点になっていたがこれで問題は無い。元から5万発の耐久実験に耐えていたので信頼性は抜群だったがこれでさらに上昇する。
"レシーバーが壊れるより先にライフリングが擦り切れる"と報告されるほどの耐久性をさらに上昇させることの意味合いは重い。
だが、バレルを延長したことにより逃げられていたガス圧がバレル内部に溜まって弾頭を飛ばすパワーだけになるため、ライフリングの損耗速度も上昇しているだろう。
だがそもそも魔導列車に車載されたのなら専門の整備兵が乗っていて修理ドックの役割も移動中に果たせるため問題は無い。
回転砲塔は魔導列車に載せるなら半天球の形だし、専用の銃架がある。後退しても回転砲塔自体は変わらず、内部のレールが後ろに行くことで衝撃を逃しつつリコイル制御をしやすくする。
通常の回転砲塔は円筒状になるが、魔導列車に搭載するなら球形になる。空力特性の都合上、先頭に行くにつれて楕円形に歪むことはあれどそれは全ての車載タレットで共通しているから問題は無い。
むしろ旋回砲塔のように、仰角できる砲というコンセプトを守るために内部を2重構造にして球の中に球を入れるようなことにならないからマシだ。
回転砲塔は仰角を捨てている設計だから飛距離は旋回砲塔に劣る。だがしかし裏を返せばそれは整備性と量産性において最強だと言うこと。
旋回砲塔のように全周回転+仰角45度のような無茶ぶりをされないので劣化速度も非常に緩やか。油圧調節で中心を3軸方向で押し付けるようなことをしなくていいので、半円の形をした棒(レール)を下から回転させれば銃座のガイド全体が動く。
この上に機関銃座を載せ、ガイドの上で水平移動すれば実際には回転をできるということだ。
まあ……実際は魔導戦艦に搭載されていた名残で、右舷と左舷側のレールが分かれていて、傾きがキツイ円弧を 2つ背中合わせにしたような形になる事が多いのだが、旧式の魔導列車は円形で全周回転ができたりする。なぜ廃止されたかは自明の理だが。
というか旋回砲塔はボールを転がして旋回するから理論上は90度の仰角が出来るはずだが、飛距離の都合に縛られて46度以上に仰角出来ないようになっている。ただでさえ空間識失調で誤射が発生する全周回転システムを採用しているから榴弾砲の都合上だろう。
機関銃座の方は長方形の箱の内部に反比例のグラフのようなレールを乗せて、水平移動をさせたりしつつ十字砲火も可能にしているから複雑だが……まあ曲線移動だから全周回転よりマシか。
旋回砲塔の誤射がいちばん乗組員を殺しているから回転砲塔と機関銃座以外に絶対に載せないように要請しよう。こんなのを全周回転できる旋回砲塔で撃ったら機関砲と同等の火力だから味方が死ぬ。
旋回砲塔の設置場所に必ず高低差があるのはこれの為だ。少なくとも水平に撃つだけなら味方を誤射しないという設計。
戦車に水冷式機関銃を車載し、人間を省いたメイプルの自動機銃と違う。パイロットを載せ、銃座に座らせて撃っている。
当時は機銃掃射のような使い方をされていなかったが世界初の機関銃はツァウスト帝国の発明品。
マキシム機関銃とやらは帝国とは違う技術体系で発展した最初から車載を前提とした機関銃だったし、帝国のように大型なクランク式機関銃を小型化してフルオート銃が誕生したような経緯ではない。
当時の銃はそもそも火薬を用いていたとはいえ 効率よく飛ばそうとしていなかったので煙や煤もひどいものだったし、言葉の定義として発射するもの全てが銃だった。それがいくつも分岐したのは国外からのボルトアクションライフルという一滴の水が波紋を呼んだ。
急速に研究が進み、脱脂綿に混合した2つの酸をぶつけて火薬を大量生産できるようになった。
何故かは知らないがメイプルはこの工程をスキップしていきなり『無煙火薬』を投入してきた。
本当に驚いたが当時の技術では未熟も未熟、結局はクロスボウや刃物のゲリラ戦で独立戦争を終了させた。
この経験からツァウスト帝国は室内戦を重視するようになり、『AUG』という銃のブルパップ方式を採用した。
ごく少量しか生産されていなかったが帝国の産業スパイは優秀だ。どんな知識も持ち帰ってくれる。
錆びない合金、『SS』と呼ばれていた物の正式名称はStainless Steelと言うらしく、これは既に帝国が実用化している合金だった。新しい合金かと思って喜んだのにぬか喜びで非常に悲しい。
不錆合金=SS(Stainless Steel)という等式が出来上がり、帝国は悲しんだ。
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「はー!マジで賠償金が辛すぎる!」
あなたは賠償金の額を見た。やけくそじみた額で、なんと『自国通貨での支払い』を要求された。
他の通貨での支払いも認めるように交渉してもそこだけは譲って貰えず、カンマの数を数えては絶望した。
950,000,000,000円を分割払いするのは、まあいいとして絶対に支払いたくない。
面子が傷つくし何よりちょっと賠償金を取られたせいで民心が私から離れそうになる予兆になる。
9500億円の支払いは割とデカイし投機的価値が下がるかもしれない。ナイロン製品と家電製品を連合国とサザンクロス帝国に売りつけて無ければ、わりとピンチだったかもしれん。
貯蓄があって助かった。いやはや政府の支出をインフラと住宅街建設でめちゃくちゃ増やしたから税収がその分、増えるのなんの。人頭税や土地貸付税とかの植民地時代の税法を辞めて、住民税と住宅税と社会福祉税、消費税、まああとはその他の雑多な税金を掛ければ税収はうなぎ登り。
なにせ社会福祉税は、『社会福祉のための税』なので税率を上げても文句は言われない。むしろ上げれば上げるだけ豊かにしているから賛成意見が多くなる。
国民投票でも税率の上昇に賛成してくれたし、投票権を持つ人達の中でもこの税法への賛成票は84%以上。
企業は特別累進課税法を掛けているから段階的に苦しくなるがそれで倒産するような民間企業は要らない。政府支出をどんどん高めて企業を育てる。
そしてその企業にサザンクロス帝国からの資金を使ったりして資金援助をし、この変換を行うことで綺麗なお金になる。
あら不思議、サザンクロス帝国を経由した自国通貨が生まれてきた。
これを使うことで返済は余裕だ。
いやはや交渉は楽すぎる。いくら実権を握ってようが正式な皇帝は31世だし、重祚式を正当にするのを31世は認めないだろうからいくら30世とかが重祚したと認識していても実際には皇帝は31世のままである。
これを利用してツァウスト帝国が有利になりつつ、将来的に全員が有利になるウィンウィンな賠償金額にした。
マネーロンダリングが犯罪?それは国際法にないので国外の民間企業から国内の民間企業への資金移動が発生してその直後に援助を国がやっただけ……という論理がまかり通る。
いやはや法律がザルだなあ。
意図的にそうなるように内政干渉をして調節したからこうなるのは当然だけどもね。
新聞というのはすごい力を持つものだ。
繰り返し情報を流せばいい。
私が演説するときもそうだ。
まず最初に意見を述べ、だんだんと感情的な意見を出しつつ客観的事実を混ぜ込んでいく。
そして最後には拍手喝采を誘うために民衆に直接的に目を向けたり、視線の先を常に太陽が沈む方向にすれば夕方の演説時間も相まってちょうど太陽に照らされるようになる。そして、仕込んだ観客を使って『指導者万歳』とか言わせれたり拍手を起こせば愛国心が育っていく。
国家への忠誠心というのは全体への帰属だし、演説手法というのは扇動と同じ。
いやはや、賠償金というのは
ま、予測済みだがね。
どうせ賠償金はこの程度ジャブだし、次の戦争が起こればその時に再起不能レベルの賠償金をかけてくるだろう。
31世が存命だったから良かったけどあんなに都合の良い無知な権力者は居ない。30世が重祚式を終える段階じゃなくて良かった〜!
いやはや無能な権力者ってのは大変だなあ!経済のこともよく理解して無さそうだし、心底同情する。
インフレ作戦を仕掛けようとしたんだろうが、ならなぜ分割払いなんてのにしたんだろう?ま、全部私の心理誘導だがなぁ〜!
あ〜楽しい。マジで楽しい。
大量の食料が流れてきた時は1次産業が死ぬかと思ったが逆に暴動が起きなかった。独立戦争後にめちゃくちゃ不仲だったはずなのに食料品を配るということは31世はバカだ。
30世みたく経済封鎖を仕掛けられるような頭脳もなく、29世みたいに各地を征服することもない。とにかく愚鈍で無知蒙昧。いやはや彼は良くやってくれた。
パラノイアにさせたかったが残念、粛清の雨がツァウスト帝国にやってくることは無かった。
そもそも即断即決できるようなやつなら、こうはなってないか。あ〜マジで面白い。
ガリスはデフレで価値が低いから要求できないから円で支払いを求めましょう、と送り込んだ文官に言われたことに何も疑問を抱かなかったのか?
皇帝に口出しするやつなんてスパイしかいねえよ、あっはっはっは。
あ〜マジで面白い。
マジで面白い。むしろこんな無能が皇帝になって耐えてるツァウスト帝国が、恐いのなんの。
30世が必死にガタガタの経済を直そうとしても多分無理だろう。独占禁止法を作った後に爆速で撤回したけどそんなのしたら信用が薄れる。
現に財閥も分割されてこっちに流れてきたんだし、技術者と労働者、臣民が流れてきたら、ツァウスト帝国は教育して育ててきた知的財産も臣民という税収の源も泣く泣く手放すことになる。
あー面白い。あ〜面白い。
突起……J字の重機関銃などに取り付けられるもの。作中のモデルはM2ブローニングとM2A1。
バレットM82なども混ぜた万能志向のモデルは実在しないオリジナルの銃。
さすがにM2ブローニングを携行して兵士が狙撃手も突撃兵もやれるようにすると言った思想は完全一致するものが検索した限りでは無かったので創作した。
文章の1話辺りの量について(調整)
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10000文字ほしい←現在の基準
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3500以上ならいいよ
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5000文字くらいほしい
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6000以上ならいいよ