なお、早い遅いにかかわらずおそらく駄文になるでしょう。
作者予報でした。
「よう与一、どうだった?こってり絞られたか?」
「おう、お前か。……それは…言うな…」ガクガクブルブル
「何されたんだよお前…」
2-Sに入った瞬間に与一と話している真の姿を見た周りの生徒たちは驚いていた。全体的に総合すると「なぜこんなに仲が良いのか?」という疑問だ。理由としては、朝の全校集会時にたまたまとはいえ屋上でサボりあった仲なのだが、そのことを口にすると与一は弁慶に、真はクリスにギャーギャー言われそうなのでお互いに黙っていた。
「…っと、そっちは源義経さんか。昨日ぶりだな、こんちわ」
「改めて、源義経だ。わざわざありがとう」
「んで、そこの色気だしまくりの姉御肌の人が……」
「初めましてだね。一応、武蔵坊弁慶ってことらしいです」
「ほほう、『らしい』とな」
義経にはいつもどうりの顔で、弁慶には少しニヤッとして挨拶をした。弁慶も同じようにニヤッとする。それを見た真はクローンたちとは真逆の方向、つまり180°反対方向を向き、後ろに居た二人の仲間の肩を抱いて再びクローンたちの方を向いた。
「こいつらはお前らと同じ編入生で、こっちの白髪が天狗鳥頭目、こっちの緑髪が憚木蝶左」
「おー自己崩壊か」
「紹介な。つか俺たち何もしてないから『自己』じゃないワケ」
真と鳥頭目の顔には満面の笑みが、蝶左には半ばあきれが張り付いていた。
「ってことで、俺たちもう帰るな。いくぞ野郎ども(笑)」
「えっいやちょ、は早くない!?」
最初に自己紹介した三人組は踵を返しさっさと帰ろうとした。それを見て、あわてて一子は出入り口と三人組の間に割り込み、帰宅を何とか阻止した。
「なんだよ俺は早く帰りたいんだよ」
「わざわざ来たのに名を名乗っただけ?ここまで来たんなら何かしましょうよ」
「んじゃなにすんの?決闘以外で」
「そりゃあもちろんけっと……って先読みされた!?」
「一子の頭ン中って、『編入生→強い=決闘』になってるからな。読むっつーより暗記に近いな」
「何よそれ!それじゃあ私が単細胞みたいじゃない!」
「なんだ今頃気付いたのか。俺はお前と話した時から知ってた(つーかわかった)ぞ」
「何よそれ~~~」
二人の会話に周りの生徒たちは苦笑、あるいはこみ上げてくる笑いを抑えている。
「とりあえず俺は早く帰りたいんだよ……ってああもう、手遅れになっちまった」
「?、どうしたの真君」
「一子が足止めしてくれたせいでとんでもなく厄介な阿保な先輩が来たんだよ」
「へ?」
「よっしっつっねちゃん?たーたーかおっ☆」
阿保=百代だったようだ。
「お、天邪狐も……ってこの前戦ったアイツもいるじゃないか。よし、まずは天邪狐、私と戦ってくれ!」
「欲張りなこって。だが断る」
突然やってきた武神と編入生の知り合いが話している姿にまた周りの生徒たちは驚きの表情。(いままであまり)目立たなかった生徒が、世界の武神と仲良く(?)話しており、どころかある程度の実力者にしか発しない言葉『戦ってくれ』を言わせているのだ。実際には言われているだけで本人的にはタルイだけだ。
「あ、あの。ちょっといいか?義経も少し話したいのだが…」
「ん?戦ってくれるのかにゃん?義経ちゃん」
「高校三年生がにゃんて……おえっ」
最後のセリフを吐いたのは真で、百代は真の頭に軽く拳骨をした。イテッと真がうめき、百代にばれないように下を小さく出した。
「で、戦ってくれるんのか義経ちゃん?」
「それについては私から説明いたします」
突然執事服を着たメガネの白髪の老人が間に介入してきた。真はその執事を見てあっと思った。見たこともなく、話したこともなく、けれどどこかで会う……会いかけていたような感じがした。そして思い出した。この雰囲気はヒュームと紋白が訪ねてきたときに部屋の外すぐに待機していた誰かにそっくりなことに。
「お前、あんときいた奴か?」
「ええそうでございます。クラウディオ・ネエロでございます。ハジメマシテ……ですかね」
「ああそうだな。ハジメマシテ……だな」
二人の間で一秒間だけの沈黙。周りからしてみればあっという間、二人の間からならば長い一秒であった。
「…どうぞ、お話を続けて」
「どうも。それでですね……」
クラウディオは百代に何やら説明を始めた。聞き耳を立てていると、どうやら今すぐには戦うことが出来ないことや学園外からの挑戦者の選別の協力を頼みこんでいるようだ。もちろん百代は戦うことが増えることと、いつか必ず義経と戦うと約束したこと事もあり二つ返事で了承していた。
その光景を少し見た後真は義経の方に向き直した。
「んで、何用?さっきは百代よりも俺の方に話しかけようとしてたように見えたんだけど」
「あ、ああそうなんだ……」
義経は改めるように表情を変え、ゆっくり目を閉じてまたゆっくりとまぶたを上げた。
「実は義経は君と一戦交えたいと思っているんだ。東西交流戦で義経の斬撃を指の間で受け止められるなんて義経は初めての経験だった。そんな君と義経は一度でいいから正式に手合わせを昨日から願っていた。義経と決闘してくれないか」
「よし、けーるぞ二人とも」
踵を返して帰ろうとする三人。が、帰宅の道をふさいだのはまたしても一子だった。しかも、クリスまで(なぜか)加わっている。
「なんで帰るの!義経があなたと戦いたいって言ってくれているのよ。ここは戦うべきよ!」
「そうだ。歴史の偉人が戦って欲しいなんて言われることなんてとんでもないことだぞ」
「「武士のプライドはないの(か)?!」」
「いや俺武士じゃねーし。武士道精神なんて最初から持ち合わせていねーんだよ」
「……えっ?」
「ど、どういう意味だそれは」
真は二人の質問には一切答えず………正確には二人にだけ見えるように口角をあげにやりと笑っていたのだが………教室から出ていった。それに続き鳥頭目と蝶左も真の後を追うように出ていった。
「……何なんだアイツは」
クリスが呟いたそのセリフは、その場にいた者の共通の疑問であったことは言うまでもあるまい。
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「ねーちゃん、またせたな」
「あ、真さん。いえ、そんなに待っていませんわ」
2-Sから出た三人は校門前に行き、待ち合わせをしていた猫荘のメンバーと集合していた。
この学校に編入した猫荘のメンバーは一年生に閨、九十九。二年生に鳥頭目、蝶左。三年生には薬馬の、計五名だ。ちなみに閨は1-S、九十九は1-Cに編入した。
「んで、今日一日この学園で過ごしてみてどう思った?はいでは右から順に薬馬!」
「簡単にいうと楽しかった…だな。周りの人たちも気のいい奴らばっかだったし、なにより……」
「なにより?」
「これまでにないくらい身体能力の高い集団に合えた!一人の医者としてみんなのことを調べてみたいと思ったな!」
薬馬は急に目を輝かさせ、それはそれは楽しそうに今日一日観察した生徒や教師の特徴やしぐさから読み取ったことを嬉々として語り始めた。
「まずこの学園に居る人は生徒教師に関係なくなにかしらの武術もしくはそれに近い何かを習得していた。「おい薬馬」あとFクラスに居た矢場弓子って人は弓道をしているから、肩の筋肉の配列がきれいに整っていた。おそらくかなりの腕を持っているだろうな。「小姑黙れ」意外だったのは一緒に編入してきた葉桜清楚さんかな。文学少女って雰囲気なんだけど、筋肉の付き方と量がとんでもないんだ。さらに言えば、質で言ってもかなりの良質だったな。「聞いてんのかコラ」けど一番驚いたのあの和服を着ていた京極さんだな。真が言ってた通り九十九と同じ能力を持ってた。明日そのことを聞いてみようと思ってるんだけど……」
「長いんじゃ阿保!」
薬馬の頭にチョップを入れる真。そのチョップはどうやらクリティカルヒットしたようで、薬馬の頭の上に星が数個回っている。
「次、ねーちゃんは?」
「わたくしも楽しかったですわ。変わった方も多かったですけど薬馬さんが言ってた通り親切な人も多かったです」
「次、九十九」
「……俺もまあまあ楽しかった。あと、楽しいかは別にするとしたら俺と同じ能力を持っているという京極という人物が気になるな」
「鳥頭目と蝶左は俺と同じクラスだから俺への報告はいい。他の奴としゃべりたいのなら猫荘に帰ってからにしてくれ。以上、俺からの指示はこれで全部だ。解散!」
そのとき、Sクラスの窓から男子生徒がほうり投げられたとさ。
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