真剣で嘘つきを騙してみろ   作:棚上げ侍

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遅くなりました(;´・ω・)
ふと思いました。
これ、一応『連載中』なんだよなあ………と。

ではどうぞ


一歩分だけ

 

「………なんなんだこれは」

 

とある場所にあるカフェテリア。そこで依頼人の鳩羽木葉と待ち合わせをしていた真は、予定どおり時間ぴったりに到着することが出来た。だが、微かにリズミカルなジャズが流れる店内ではカフェとは言えない派手な人物が3人もいた。当然後からついてきたアノ3人だ。

 

「お。カツサンドがあるじゃねーか!すいませ~ん、コレくださ~い」

「オイこら黙れ風間、そこに呼び出し用のボタンがあんだろが、大声出すな変に目立つ」

 

困ったような呆れたような顔をしている葉に、真は流石に悪いと思ったのか軽く愛想笑いを送ると風間の注意に戻った。風間は一応は一般人なので普通にしていれば一応目立たなくなる事はなる。が、長髪黒髪巨乳美人でさらには『武神』ろして世界中に名をはせている川神百代と、遠くから見ればその金髪が目立ち近くから見ればその整った容姿が行きかう人の目を引き付けるクリスだけは、どうしても常人以上は人の目が集まってしまう。

おまけに、

 

「ねえねえ、今度一緒にお茶しない?」

「おいしい!とてもおいしいぞこのパフェは!」

 

百代は女性のくせに女性をナンパする女好き癖が働き、クリスは興味のあるものはズンズン聞いていく好奇心が、それぞれ見た目だけでも目立ちまくるのにそれのせいでさらに目立ってしまう。あれほど目立つなと言ったのに………と、真は深い深い溜息を吐いた。

 

「お前らいいから静かにしろ。時間がないから手短に話すからよく聞けってのと、一度しか言わねえ二度目はねえよく聞かねえとぶっ殺飛ばす。OK?」

「「「「は?……い」」」」

 

ぶっ殺飛ばすというわけのわからない単語に首を傾げる4人だったが、なんだかよくわからないがとてつもない気迫のようなものが真から発されたことに、とりあえずいうことを聞くことにした。真はそれを見ると4人の注目を依頼人の鳩羽木葉にかえるよう促し、本格的な紹介を始めた。

 

「この人が今回の依頼人の鳩羽木葉。このナリだが女性の方だからそこらへん気を付けるのと、年だけならこんな下で一番上だからそこんとこもよろしく」

「鳩羽木葉だ。今回はよろしく頼む」

 

3人(大和は事前に連絡を入れていました)を最初は何なんだこいつらは見たいな眼で見ていた葉だが、一応自分の依頼を手伝ってくれるようなので律義に姿勢をピンと立てて座ったまま深いお辞儀をした。実際のところ、真の紹介にカチンとくるものがあったが、ここで怒りを外に出るほど子どもではないようで、顔の表情に怒りが一切出ていないのがすごい。

次に、真は急に来た3人の紹介を始めた。

 

「金髪がクリス、バンダナが風間、黒ロングが川神だ」

「紹介が雑だぞ」

「俺らは依頼人と引受人。下手に親密な仲になるのは、何でも屋や万屋の中じゃ暗黙の了解みたいな感じで決まってんだよ」

 

まあ依頼人と引受人が依頼をきっかけにくっついちまうとか親友になったりするってことも、少ないながらも例がないわけでもないんだけどな。と心の中で付け足しをしてから、真は依頼の詳細の確認を始めた。その後、役割分担として2つのグループに分けた。

 

「大和と川神は鳩羽木葉と一緒に例の家に行って来い。別に特に何もしなくていい、家に招待されてちょっと雑談してきたって感じでいいから」

「本当にそれだけでいいのか?」

「ああ、いいんだ。風間とクリスは俺と行動、詳しくは後でまた話す」

 

現在時刻午前九時

 

「んじゃ(ちょっと大げさに言ってみる)健闘を祈る」

 

解散

 

「えちょとまて!?ホントにこれで解散でいいの、ねえホントに俺家言っておしゃべりするだけで十分なの?なんかすごい不安なんだけど!」

「大和うるせえ」

 

解散

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは外の真・クリス・風間組。この三人で町をとりあえずぶらぶらしながら、周りを見学していた。

しかし、遊んでいるわけではない。あくまで遊んでいるフリだ。

 

「(………当たり前だが、この街自体には別段おかしなところはなさそうだな。監視カメラが多いのは関連ごとに入るのか……?)」

 

顔は笑顔、足取りは軽く、あちこちをもの珍しそうに見る真。それでも好きという隙が全く無い。すれ違う人の動きやしゃべり声からさえも、なにかしらの情報はないかと聞き耳を立てている。事実、腕利きの探偵は時間短縮と余計な周りの一般人に不安を与えないために、聞き込みの捜査を省くと言われている。

が、それを妨害する声。

真の右手側を見ると、冒険好きなバンダナ小僧が今にもどこかに飛び出していきそうな顔をしていた。まるでエサに囲まれた犬を見ているようだ。

真の左手側を見ると、留学以外を除いたら遠くへ遠出や旅行したことがあまりないのか、目をキラキラさせながら金髪少女がこちらを見ていた。まるで遊園地に初めて遊びに来た少女が「あのジェットコースターに乗ってもいい?」と親にせがむような顔をしている。

ああ、そう言えばこいつらに何をするか言ってなかったな。と気づいた真は、そのまま歩みをとめずに小声気味の声で指示を出した。

 

「ざっくりいうと、お前らには演じてもらう」

「「演じる?」」

 

二人は若干首を傾げた。

 

「クリスは見たまんまだが旅行に来た外国人、俺たちはその案内人役だ。俺が何かを紹介する、そのときお前は近くの人に「あの立派なお屋敷は何なんですか?」と聞いてくれればそれでいい」

 

と言いながら真は、明後日の方向に右手の人差し指を向けた。二人はつられてそちらを見ると、そこにあるのはかなりの大きさと広さを持っている和屋敷だった。

さて、ここで二人の反応を見てみましょう。

クリス→眼をキラッキラに輝かせている。

風間 →眼をキ……(以下同文)

この時、真は思った。「(あ、これは演技とかの要求いらねえな)」と。

けれど、その後すぐにクリスの顔が曇った。

 

「しかし、私は旅行できたわけではないぞ。人助けだ。それなのに、こそこそと嘘をつきながら人に話を聞くなど、正義に反するのではないか?」

 

確かにクリスの言うことには一理ある。

いくら依頼人のためとはいえ、名も知らぬ人に嘘をつきながら情報を得てくなど、あまり人道的とはいえるはずではなく、この方法を好む人間は多いとは決して言えないだろう。

が、

 

「………『キレイゴト』言ってんじゃねえよ、この正義気取りの甘ちゃんが」

 

気迫は、全く持って感じられなかった。

そのはずなのに、

真の顔に浮かび上がっていたのは、まぎれもない憤怒の表情であり、そのあまりの形相からはあり得ないほど真からオーラと呼ばれる気の類が一切感じられなかったことに、むしろ更なる恐怖が寒感となりクリスと風間の背筋を襲った。

 

「じゃあお前聞けよ。『すいません、私たちあそこの屋敷の人に誘拐事件の捜査を頼まれてるものですが、あの屋敷について教えて下さい』ってよう」

「そ、それは………」

「流石に………そうは聞けねえよなあ」

 

真の言葉に反論することが一切できない二人は、同時に地面を向いてうつむいた。そのまま何も言えなくなってしまう。

二人の行動をどうとったのか、真は前に向き直した。

無情にも時間は過ぎている。その時間を無駄にしているほど余裕はなく、早歩きで真が先を歩いていく。

 

「邪魔すんなら帰れ。お前等が迷っている間に、人が一人死んでるかもしんねえぞ。一秒一秒を大切にしろ。こっちの世界はブラックホール並に深くて黒い。

ついてきたきゃ、一線を越える覚悟を持ってからこい」

 

重かった。

修羅場を越えた者にしか出すことのできない、言葉の重み。まるで釘をゆっくり打ち付けられているように、二人の心中に深く刺さっていった。

辛かった。

自分は正論を言っているはずなのに、いつの間にか自分が間違っていた。表面化でしか物事を見ず、たった一歩先のことを考えればすぐに分かったはずだったのに、それをしなかった自分がクリスはとてつもなく恥ずかしかった。

追えなかった。

いや、足は動いていた。ちゃんと後ろについて歩いていた。だが、ただそれだけだった。心が全くついていかなかった。そのたった一歩が、果てしなく遠い気がした。

 

 

 

 




誤字脱字その他いろいろお願いします。
つか部活きつい。創作時間と意欲がああぁぁぁ……………











































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