真剣で嘘つきを騙してみろ   作:棚上げ侍

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今回はめちゃくちゃ駄文な気がするのでご注意ください!
ではどうぞ


精神と書いて「こころ」と読む

 

午後五時過ぎ

最初に集合していた店で紅茶を飲みながら、真と風間とクリスはそれぞれが選んだショートケーキを食べていた。風間はケーキをがつがつ食べて、自腹でおかわりを買おうとしているのだが、クリスの方は全く箸(正確にはフォークだが)が進んでいなかった。何やら落ち込んでいる様子だ。

 

「………ふう。ま、この短時間で集まった情報の量と質なら、こんなもんだろうな。むちゃくちゃ薄っぺらいけど」

 

細かく筆記されたメモ用紙には、ここ周辺から聞いた鳩羽木葉の家のうわさや考えなどの、さまざまな情報が敷き詰められていた。真はそのメモを机に軽く広げ、情報を頭の中でまとめていた。

主な情報とその比率はこうだ。

・最近葉以外の鳩羽木家の人間を見たことがない(もしくは妹の葛を見ない、父親の朧を見ないというもの)………………………46パーセント

・父親の朧が、実は仕事をクビになっているのではないかというもの………………………30パーセント

・妹の葛が、どこかの大病院に入院させられているのではないか。もしくは体調を大きく崩している………………………12パーセント

・あの屋敷には幽霊(もしくはそういう物の怪やオカルトの類)が住み着いている………………………7パーセント

・よくわからない………………………4パーセント

・あの屋敷自体がお化けだ………………………1パーセント

と言ったところだ。

風間が横から顔を出し、純粋な疑問を口にする。

 

「聞き込みした意味があんのかコレ? 絶対デマだ。って言いきれるのがかなりあるぜ? 幽霊とかめちゃくちゃ面白そうだけどな」

「収穫がないわけじゃねえよ。ただ、あるといえるほどの量や質でもねえってだけだ」

 

真はそういうとどこから出したかライターを右手でもっており、メモをまとめて左手に持った。

シュボッ!

という音を瞬間的に出して火をつけた。そのままぐしゃりと燃えているメモを握り潰し、ポケットにしまい込んでしまった。

 

「全部暗記済みだからな」

 

風間が疑問を口にする前に不意打ちで潰した真は、周りの風景を眺めた。流れる雲に待ちゆく人。人はそれぞれで、土曜日というのにスーツ姿で時間に追われている様子のサラリーマン、数人の男女とこれからカラオケかどこかに行こうとしている高校生らしき集団、二人で仲好くゆっくり歩道を歩いている老夫婦。誰もが退屈し、あるものが望む平和的日常に、心を落ち着かせていく。

真は昔を思い出していた。

誰も居ない暗がりに住んでいた時代、そのとき味わったってつもないほどの空腹、そこから救い出してくれた手をさしのべてくれた存在、それでも心のどこかで何かが吹っ切れなかったときに、自分のすべてを癒してくれた女性。辛いも苦しいもうれしいも恥ずかしいも、どれもこれもが記憶に鮮明に残っており、ほほえましい思い出だ。

ただし、

どうしても思い出したくない記憶というものはある。たった二つの記憶だが、その二つだけで真の心臓を握るように締め付けてくるようだ。

一つは、犯してしまった嘘という名の過ち記憶。

もう一つは、救うことが出来なかった女性の記憶

そんなことを考えているうちに、ふと目に留まったものがあった。それは、つい最近自分の身を深くえぐり、自分の意識と命を死の寸前まで削った凶器だった。種類こそ違えど、人を絶命させるには十分すぎる武器だ。黒く塗られた金属部分は、すぐにとある建物の中の影に消えた。

 

「………………おい二人とも」

「! な、なんだ?」

「どうしたんだ?」

「これから銀行に行って金おろしてくるから、ここで待っててくれ。とりあえず念の為今の代金はここにおいてくから、なんか言われたときはこれでどうにかしろ」

「ウィース」

「わ、わかった」

 

席を立つ真を見送るクリスは、相変わらず元気というものがない。真が銀行に入っていったのを確認した風間は、クリスに声をかけてみた。

 

「どうしたクリス、ぜんぜんケーキが減ってねえぞ。もしかしてお前、さっきまことに言われたことまだ引きずってんのか?」

「……………………なあキャップ。私たちはここに来てよかったのだろうか。単なる興味本心出来てしまったことに、今私は後悔している。これは依頼人の鳩羽木殿と請負人の真の純粋な取引だったのに、それを私は邪魔をしてしまっている。そう考えると……………少しな…………」

「今気にしたってどうにもなんねーよ。俺だってさっきまことにあんなふうに言われて、内心かなりダメージ受けたぜ? でも真は結局連れてきてくれた。付き合いだけなら全然ない俺たちをだ。ここまで来たなら俺は少しでもアイツの役に立ちたいし、迷惑かけっぱで帰るの嫌だからな。そもそもお前だって、人助けが目的でついてきたんだろ? それじゃあこの依頼を手伝うのだって真を助けることになるわけだし、それが結果的に依頼人の助けになるってことだろ」

「………………………」

「俺たちがゆるい気持ちで来ちゃったのは事実かもしんねえ。けどそれならさ、そのゆるさを締め直せばいいだけの事じゃねえか。クリスの親父さんもマルギッテも軍人だから線上に行くこともあるんだろうけど、銃弾が飛び交う戦場でへらへらするわけねえだろ? お前もここは戦場だと思って、気を引き締めろ」

「………そう………………だな…………」

 

そのまま二人は黙り込んだ(風間は再びケーキにがっつき始めた)が、クリスは先ほどとは違い、その眼にはこれまでどうりの強い意志とこれまで以上の覚悟が映っていた。

クリスはゆっくりと目を閉じ、イメージトレーニングを始めた。頭の中で架空の相手との対戦は、相手が必ず自分よりも格上に設定して自分をできるだけ過小評価して戦った。これから何をするかは知らされていなかったが、とにかく自分の向上をしたくてたまらなかったのだ。少しでも前に進まないといけない。今自分は真の遥か後ろにいることを、クリスは直感していた。事実、純粋な実力やこれまでしてきたことの経験に状況判断力、その他の知識や学力でも真はクリスに勝っていた。が、人間という生き物はそれを認めるものは極端に少なく、クリスは心のどこかでそれを認めることを拒んでいた。今回、真と風間の言葉により精神的に急激な向上をしたクリスは、そのことを受け止めて、真に追いついて追い越そうと心持を上げた。

 

「(私はまだまだ強くなれる。今はまだ弱くてもいいから、少しづつでも強くなればいいんだ)」

 

クリスが成長した瞬間だった。

 




文字数少なくてスミマセンしたm(_ _)m
精進し……………たいなあ………
カンソウ欲しいなあ………
誤字脱字もお願いします!
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