74層攻略後
75階層
「ふぅ、今日も一日中何もなかった!僕の身の回りは平和だーっと」
「けどこの前のクエストの進展がないんだロ?それそれで心配じゃねぇカ?」
74層のとある宿
未だに二人っきりで密室にいるのは慣れないリリル。
今日もフツーに情報を交換しては雑談をする。
出会った時とは違い、同じ情報屋としてはそれ以上の目線で話してくれる。
やっぱりアルゴとお話するときが一番楽しい。
「じゃぁまた明日。」
「おう。またナ」
アルゴが部屋から出ていった数分後
「よし、レベル上げするか。。」
現在は夜中。
狩場は空いているのでできるだけこういった時間帯にレベルをたくさん上げる。
最初は精神的な疲労を感じていたが今はもう感じなくなった。
「いつものいいところ行くか…」
フィールド。
すっかり使い慣れた刀、「ソメイヨシノ」逆に合わせてくれていると思わせるようなほど馴染んだ。
「まぁ兄貴(クライン)のおかげでもあるな」
60層過ぎたあたりからクラインのことを「兄貴」と呼ぶようにした。
その時一緒にいたアルゴが嫉妬しなかったのがちょっとがっかりだが。
「よっとこれで例の血盟騎士団とやらに入れるレベルにはなったな。」
血盟騎士団。リリルは血盟騎士団が怪しいと見ている。
特にヒースクリフ。
「あーもう!あんなイケオジがユニークスキル持ちで血盟騎士団団長とか、怪しくてたまらない」
見た目から見て怪しいと感じていた。
「はぁ、僕もユニークスキル欲しかったなぁ。抜刀術みたいなユニークスキルないかなぁ」
抜刀術は今のところリリルの知ってる範囲では、目撃情報がない。あったとしてもとても難しいかユニークスキルだろう。これまではps(プレイヤースキル)で抜刀をしていた。綺麗、そしてかっこよく見える。以外にいい点がない。ましてやデメリットのほうが多い。「ソメイヨシノ」を取得してから抜刀はしやすくなったがやはりスキルでほしい限りである。
そんな時、一件のクエストフラグがたつ。そのフラグは「ソメイヨシノ」から立っていた。
「急に過ぎるな…」
「
桜散る速さそれは時と同じく。
」
「…」
思考停止している。
多分クエストタイトルの意味は桜の散る速さは時が過ぎるのと同じくらいはやいみたいなものだと考える。
「クエスト詳細はーっと」
「
」
空白だった。
リリルは倒れた。
連続で空白から始まるクエスト
しかも
「強制なのかよこれ」
拒否ボタンがない。視界を覆うように「受理」と書かれている。
大きすぎる受理ボタン。押すしかなかった。
空白の意味がわからないクエストにまた束縛されるのであった。
「あれ、君って」
空白クエストに心で発狂しているとき。後ろから声をかけられた。
振り返った時、全身真っ黒の二本の剣を装備した男、キリトがいた
「貴方は…キリトさんじゃないですか。この間は申し訳ございません。」
時すでに遅しだろうができる限りの敬語で会話を試みる。
「こちらこそ、噂だったのに…すまなかった。」
なんかキリトがキリトじゃない…と思いながらリリルは
「せっかくだし、一緒にレベ上げする?」
キリトはコクっと頷き一緒にレベル上げをすることにした。
(やっぱり今日のキリト、キリトじゃない。)
夜中。キリトと一緒にレベル上げをしている。
74層ボスで噂になった二刀流。
堂々と目の前で使っている。
とても綺麗だった。
「すごいですね。”僕”も抜刀みたいなスキル欲しいなぁ」
「もう少ししたら多分出てきますよ。リリルさんってエクストラスキルはどれも獲得済みなんですよね?」
「これでも姉さん、、アルゴに教わって獲得したからね。あと、リリルでいいよ。僕はキリトとでも呼ぶから」
「わかった」
そういえば十字の丘時、一撃勝負みたいなものだったがキリトに勝った。
となると今の僕ではキリトに勝てるのでは?
「キリト。」
「どうした?」
「PVPしない?」
「いいけど」
HPが黄色になったら終了のpvp、集中してキリトに挑む…がすぐに試合は終わった。キリトの圧勝だった。
(あの時はほんとに火事場の馬鹿力だったのか…)
「参った参った」
大笑いするリリルを見て何が面白いのか戸惑っているキリト。
これで仲直り出来たと、そう思った。
「さて、そろそろ僕は戻るよ、クラインの兄貴によろしく伝えといてくれ」
「分かったよ。じゃぁ」
宿へ戻り軽く仮眠をとるのであった。
ーーー
「さて、そろそろ動きますか。」
50層転移門そこには10人のフードをかぶった集団がいた。
すべてグリーンカーソル。しかし、その集団を見た周りのプレイヤーは怖くて逃げていく。
「10対2。これなら余裕で勝てる。」
狂気じみた笑顔を浮かべる男、アグネスである。
「彼は桜が好きだった。せっかくだし、俺がアインクラッド出たら遺族にこういうよ」
「
桜の下に埋めてやってください
」
「ってね!」
集団は盛り上がる。
「さぁ行こう、決戦だ」
ーーー
翌日
宿へやってきたアルゴ。どうやら昨日のキリトとの交流を見ていた。というかリリルとキリトをあわせた犯人がアルゴらしい。そのネタバラシにやってきたとのこと。ついでなので例の空白クエストについて話してみることに。
「また空白のクエストダ?」
「そうなんだよもぉ」
「そうか、、けど今はそんなことする暇はないヨ」
「なんで?」
アルゴは椅子から立ち上がりカーテンを閉め、ドアを開け、周囲を確認する。
完全に密閉された空間に二人。
突然の行動に変な妄想を膨らますリリル。
しかし、次の一言で妄想は消えた。
「アグネスってやつ中心の小規模PKギルドがオイラたちを殺しに今日この階層へきタ」
「マジで?」
「まぁ、圏内に籠っとけばいいけどナ」
リリル立ち上がり、インベントリから刀を取り出す。
「おい、まさかやる気カ?」
「やらなきゃダメでしょ、そうじゃなきゃ姉さんと安心してお食事できないもの」
「相手は攻略組に入っててもおかしくない輩だヨ。」
「それでもいくさ。76層が解放される前にこの騒動を終わらせる。」
「わかった、オイラもできる限り情報と仲間を集めるヨ。」
「けど今攻略組は誘えないナ。」
「ミルだけだな。」
「取り合えず。今夜改めて情報交換しようナ」
アルゴは注意深く宿を出ていく。見送った後、リリルは転移門で始まりの街へ向かいミルと合流しようとする。
「やっぱり倒さなきゃダメなのか。」
アルゴだけは絶対に生かせる。
早歩きでできるだけ人影のない道を通って転移門へ向かう
「やぁーやぁーリリル」
しかし遭遇してしまった。
「アグネス…マジで殺しに来るのか?」
「もちろんさ。ここはゲームだ、。特にお前に恨みはないが…いや、一応あるな」
「なんか僕悪いことしたか?」
「嫉妬だな。お前を殺したい理由」
「は?」
アグネスは後ろにいた仲間たちに声をかけ、どこかへ行かせる。
「俺が初めてゲームに誘ったとき、1戦目のゲームセット前にコツをつかんだとか言って大逆転勝利したじゃねぇか。学校でも学年上位でさ、女子と男子の間じゃぁ時々話題になるぜ?」
「だ、男子?」
「俺だって必死に勉強している。なのに全然うまくならない。そしてお前のかわいい笑顔が見える。それがイライラするんだよ」
「も、もしかしてゲームでよく真っ先に殺してきたのは?」
「それはもちろん、お前の泣き顔をみたいからだよ」
「は?」
ちょっと理解が追い付かず訳が分からないリリル。
それはそう。彼は理由なしでリリルとリリルと親しいアルゴを殺そうとしているから。
それを悟ったリリルはアグネスを挑発する。
「じゃぁさ、10人で僕にかかってきなよ。僕を殺してからアルゴを殺してくれ。けど僕もアルゴも、そんな簡単には死にやしないよ」
「いいだろう。リリル、お前を殺してからにしてやろう。その代わり10人総勢でお前に襲い掛かる」
すると、リリルはフィールドへ向かって走り出す。アグネス率いるギルドもリリルを追う。
開けたフィールド、昼間なので人が多い。しかし、それを気にせずにアグネスはリリルを攻撃する。
「…階層ボス方面は…いかないほうがいいか。」
今日、攻略組が75階層のボスに挑む。
ボス戦で緊張している攻略組のところへ行ったらいけないとリリルは感じた。
そして一件の通知が来る。アルゴからだ。
「
南西に100m
」
アルゴに示された場所はある建物。
飛びかかってきたアグネスの仲間の攻撃をよけ方向転換する。
「逃がすな!」
アルゴに指示された場所。
その場所で立ち止まるリリル。
チャンスと感じたアグネスたちは一斉にとびかかる。
「Hi×4!!!」
建物の物陰から現れたのは両手剣の中でもとても大きな剣を扱いし者
「よーアグネス元気にしていたかい?」
「ミル、テンションが違う」
両手剣スキルでアグネスの一部仲間が大ダメージを負った。
「一撃で6人が致命傷、、どんなポイント割したらそうなるんだよ…」
「ステータスポイント80%以上はストレングスに振ってるよ。後は、、生まれ持っての運だね」
戦場が静まる。
「とりあえずこれで10v2だ。だいぶ良くなった。」
「これでも5倍もの差があるんだぜ?リリル。」
「まぁ死んだらすまんねミル」
「死んじゃったら天国で生徒指導だなぁ」
「嫌だね」
リリルは鞘から刀を抜き、アグネスを指す。
「決戦だぜ」
アグネスも片手剣を手に取る。
緑と黒の剣。男心をくすぐられる
「殺してあげるぜ、リリル。」
うん、ネタがない