情報屋に憧れて   作:作猫

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暗号

 

「あーこれ昔流行ってたいたなー」

 

第一階層、ミルが経営している養護施設のような場所。

みんなかわいらしい姿をしている。

 

「さすが国語の先生」

「国語の先生で済ませるのカ…」

 

ミル、リリル、そしてアルゴの三人で一つの暗号を解読している。

机の真ん中に開いて置いてある本。ページいっぱいに書かれている棒人間。

 

「踊る人形。しってる?」

「確か、シャーロックホームズの短編に出てきたお話だったカ?」

「その通り!」

 

ミルは本をじっと見つめてはリリル宛メッセージに入力していく。

一字一字じっくりと。

しかし、三文字目辺りで手がとまった。

 

「あれ、おっかしいなー」

「どうした?」

「文字が意味を成していないっていうの?なんかー、おかしいんだよ」

「ミルの語彙力もおかしくなってるよ」

 

リリルとアルゴは途中経過の解読内容を見せてもらった。

 

NU NO SA MA

 

 

「旗を持った人形は次が空白だということを表しているんだけどね、それが二、三文字ペースで来てるんだよ」

「確かにナ…これってもしかして二重に暗号化されていたりするんじゃないのカ?」

「確かに!じゃあとりあえず直訳しちゃうよ」

 

アルゴのナイス予想で、ミルはとりあえずすべての踊る人形を解読した。

すると、二文字、稀に三文字ペースで空白が生まれていた。

 

「これは…ローマ字だな」

 

すぐ気づけたリリル。

変換されたアルファベットをひらがなに変換していく。

 

[ぬのさまをくひつらぬのさまをくひつかぬのいまをそひつうぬのそまをこひつにぬのぶまをきひつはぬのねまをむひつりぬのしま]

 

という文字列にあっという間に生まれ変わったのである。

謎の配列に三人全員が戸惑っている。

 

「七文字ごとに[ぬの]って言葉が出てるね。ってことはそれに関連しているか。それともしていないかの二種類に分かれるからー。まぁ簡単な取り除く方からやっていくか」

 

繰り返し出現している「ぬの」という文字を取り除く。

しかし、それだけでは文は出現しない。

 

「ここからどうするんダ?」

「SAOのクエスト内容上、頑張れば誰でも解けるようになっているものが多いはず…と言いながらもフツーにシャーロックホームズに出てきた踊る人形とかいう暗号が出てきている時点でこの暗号は知識がなきゃ解けないものか?」

「・・・リリル君、深く考えないの。こんな時は簡単に一文字抜かしとかで読んでいけば何とかなるもんよ」

 

独り言をつぶやき始めたリリルにアタックするミル。

日本語暗号という時点で数は絞られているのであとは時間をかければいいだけ。

 

「とりあえず、いろは歌を思い出してみよう」

「なんでダ?」

「よく使われてるんだよね。例えば、あ い う え お。ならこれをいろは歌で、い ろ は に ほ。ってね、何文字かずらす手段もある」

 

アルゴとミルは、いろは歌と照らし合わせては解読を試みる。

リリルはその後ろではブツブツ呟きながら一人で何かをやっている。

 

 

ー1時間後

 

「あれー、解けないな」

「いろは歌にとらわれすぎカ…」

 

「・・・解けた」

 

突如リリルが椅子から立ち上がった。

 

「本当カ?」

「うん!解けたよアルゴ姉さん!」

「答えは何?」

 

リリルはメモ書きをミルたちに見せる。

 

〈桜咲く階層、そこに武器は眠りし〉

 

「おぉーまさにクエストタイトル通りー。ちなみにどう解いたんだい?」

「ただ、三の倍数の文字だけを切り取っただけ。ダミーの文字に法則性ないかなぁって見てたらなんか見つけた」

「さすがだナ」

 

暗号が解き終えた時、踊る人形で書かれていた暗号がすべて翻訳された。

1ページびっしり書かれていたものが一行に完結されてしまった。

 

「あとは、どの階層に行くかだナ。単純に語呂合わせとかになってくるのカ?」

「39階層か。39階層って和風じゃないよね?」

「25階層ずつ設定崩壊してでも桜が生えてたんダ。目を瞑るしかないナ」

 

暗号が解けスッキリしたところで本をしまい今日は解散しようとしたところ、本の表紙、タイトルと思われるところがまだ踊る人形のままだった。

 

「こっちもちゃちゃっとやっちゃいますか。」

 

ミルがリリルから本を借りてはもう一度解読をする。

今回は旗上げがいなかったため、ローマ字でもなく英単語いっこだとわかった

そのため簡単に解けた。

 

「Fragmentsだって。どんな意味?」

「フラグメント。断片だったっけ?」

 

断片、欠片…つまり

 

「一つの階層だけじゃなくてってことかぁ」

 

あああとなるリリル。

複数の階層へ行き、断片を探さなければいけない。

その複数の階層がいくつあるのかもわからない。

 

「取り合えず、39階層に行ってくるよ。きっとそこにヒントはある…」

 

時刻は昼過ぎ。まだ時間に余裕があるのでさっさと行くことにしたリリル。

解き忘れや重大なヒントがないかともう一度しっかり確認しては転移門のほうへ向かう。

 

「じゃ、行ってくるね」

「そうダ。ラフィンコフィンっていう殺人ギルドに気をつけろよナ」

「あー最近結成を宣言してたやつね。まぁ別に問題は…」

 

リリルの言葉が止まる。

今から行くところはプレイヤーがあまりいなくなってしまった39階層。

人気がない。つまりギルドの拠点があるかもしれない…

 

「考えすぎか。過疎ってる階層なんざいくらでもある。じゃ、姉さん今度ご飯行こう」

「リリルの報告次第ではご一緒するヨ」

 

そしてリリルは39階層へと転移したのである。

 

 





ちなみに僕はアニメから入ってきた勢なので39階層がどんな場所なのか。分かりません。
暗号は自分で頑張って作りました!昔見てた物語で登場してて、気になったのでその記憶を辿って再開できたのが踊る人形。まさかシャーロックホームズのやつとは思えませんでした。
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