「リンクスタート!」
ーーーーー
設定画面にたどりつく。
見た目はイケメン。ゲームではとりあえずイケメンか美女だ。うん。
「βテストの設定移行完了っと。名前もバッチリ!」
昔からずっと「リリル」という名前でゲームをプレイしている。初めてゲームをした時にふと頭に出てきた言葉である。何かしらの意味はあるだろうが覚えてはいない。お花の名前だったかな。
設定が完了し吸い込まれるような感覚がしばらく続いた後。
視界にはたくさんのプレイヤーとシンボルっぽそうな鐘が見えた。
ここが始まりの街である。
「さて、、姉さんはどこかなぁ、、」
当たりを見渡す、すると花紗音ことミルの姿があった。
「え?」
そう。リアルと同じ姿だった。
「何やってるんだ姉さん」
早速話しかける。
「お、リリルちゃんじゃーんなーにイケメンスキンにしてー」
この調子では今日中ずっとスキンでいじってくるだろう。まぁフレンド登録したらすぐ逃げる。そうしよう。
「ミルは武器決めた?」
「うーん、私はどでかい大剣を使いたいんだよねー。まぁとりあえず斧かな。」
「そっか。僕は毎度おなじみ短剣だね」
「よくそんなリーチ短いので戦えるよね。この前のあのゲームだってどでかい相手に短剣一本でノーダメージ攻略成功してたし驚きだよ。」
「コツさえつかめば簡単さ。ところで普通のベータテスターならもうRTAしてそうだけど、ミルはやらないの?」
「私は初見ノーデス攻略したくてねぇ。」
「あはは、、とりあえず僕は行くよ。動作確認したいから」
「わかった。じゃぁまた後で」
別れを告げフィールドへ出ていく。
そういやなんでリアルと同じなのか聞き忘れた…
フィールド。
まぁただの草原みたいなところである。チュートリアルにふさわしいって言っていいのかわからないがたぶんそうだろう。
「まずは準備運動!」
そう言い屈伸や立ち幅跳びなどして動作確認をする。
そして短剣を装備して軽く素振り。
βテストをやったからある程度わかりはするが、やはり再確認は必要である。
スキルを確認し試しに発動する。
久々だったので思いっきりすっころぶ。転ぶことなんてあるのだろうか。
それは置いておこう。
今さらだが短剣を選んだのはちゃんと理由がある。それは素早い、そしてスーパープレイがおおい印象があるから。
素早く動き敵を倒す爽快感ってやつと敵の股をくぐったりし死角に入ったりするスーパープレイみたいなやつ。そんなことがしたくてずっと短剣を使っている。
「さて、、お出ましか。」
出てきたのはイノシシ。名前は覚えるの大変なのであきらめている。書かれてるの読むのも諦めている。別に英語が大っ嫌いってわけではない。何回か敵の名前を読み取っているうちにやらられたことがあるからである。
初戦は完全勝利。
モンスターはやはり動きが単純なのですぐわかる。行動できるかはまた別の話だ。
短剣は集中力と判断力はもちろん。近距離の戦闘になるので体術も重要となってくる。
ベータテスト終わったあとはひたすら柔道をみた。ドン引きされるほどに。いい思い出である。
さて、、どんどんモンスターを倒していく。
「もうほかのベータテスターは次の村いってたりするのかなぁ。」
そういいながら討伐を進める。やりすぎてほぼ作業になってしまった。
気がつけば二時間ノンストップで同じモブばかり倒していた。
夕日が見えリリルは作業と化した狩りを終わりにし休憩がてら景色を眺める。
「みんなこの夕日を見ているのか…」
夕日は心を落ち着かせてくれる。落ち着きの始まりみたいなものだろうか。
時間を確認し、そろそろログアウトしようと思ったリリルはメニュー画面を開く。
「あら大変、メニュー画面にログアウトボタンがなくなっているではありませんか……」
周辺が静まる。というか周辺にはリリルしかいない。
「は?」
冗談は良しとして改めてログアウトボタンを探す。
ない。
原因を探るがふとナーヴギアの説明書を見た時を思い出す
「そういや、なんで緊急ログアウト機能が搭載されていないんだ?」
フルダイブ初となるRPGで興奮して忘れていた。
なぜこのナーヴギアに緊急ログアウトボタンもどきがないのか。
そもそも何かしらのものにはほぼ緊急時におけるシャットダウンや脱出ポットなどあるはずだ。
でもこのナーヴギアにはない。
「外からの助け、、うーん僕一人暮らしだった…例え外の人間が外した場合、どうなるのだろう、」
もうー半分あきらめ状態になっていた。
鐘の音が鳴り響く
「あー鐘の音が聴こえるなー。」
現実逃避していると強い光に飲み込まれた。
「ふぁ?」
驚く暇もなかった。
ーーーーー
始まりの街の転移門広場に強制的にテレポートされたリリル。そこのはたくさんのプレイヤー。もしかすると一万人全員がここに強制送還された。
「そうか!これ開幕セレモニーかー!アハハ!」
みんなが心配や不安でざわざわしている中、リリルは完全に逃避している
しかし逃避できたのは短い間だけだった。空は六角形の真っ赤なパネルで埋め尽くされ今すぐ「Run」とかどうとか書かれそうな雰囲気だった。いつからソードアートオンラインはホラーゲームになったのだろうか。
上空にはゲームマスターの姿があった。
多分茅場だなと思ったリリル。答えはすぐに分かった。
『プレイヤー諸君。私の世界へようこそ。』
私の世界とか言っちゃって、、遅い厨二病かなぁ?
『私の名前は茅場昌彦。今やこの世界をコントロール出来る唯一の人間だ。』
ここまで来てなんとなく予想をするリリル。その予想はどれも僕らを絶望させるようなことしかなかった。これもすぐに答えが分かった。
『プレイヤー諸君は、すでにメインメニューからログアウトボタンが消滅していることに気づいていると思う。しかしゲームの不具合ではない。繰り返す。これは不具合ではなく、《ソードアート・オンライン》本来の仕様である』
もう笑うしかない。みんながざわつく中、ただリリルだけは笑っていた。笑うしかなかったのである。
そして茅場は、外部からのログアウトも不可能。やってもう二百十三人が退場しているということ。百層まで登りラスボスを倒すということ。そして、
『しかし、充分に留意してもらいたい。諸君にとって《ソードアート・オンライン》は、すでにただのゲームではない。もう一つの現実と言うべき存在だ。......今後、ゲームにおいて、あらゆる蘇生手段は機能しない。ヒットポイントがゼロになった瞬間、諸君のアバターは永久に消滅し、同時に』
ー諸君らの脳は、ナーヴギアによって破壊されるー
もう、何も言えない。
笑うこと以外何もできない。
アハハ、デスゲームになってしまったか。
『それでは、最後に、諸君にとってこの世界が唯一の現実であるという証拠を見せよう。諸君のアイテムストレージに、私からのプレゼントが用意してある。確認してくれ給え』
リリルはインベントリを確認する。そこには「手鏡」と書かれたアイテムがあった。
それをのぞき込むとイケメンスキンが見える。
「ふっw」と笑っていると突如青い光に飲み込まれる。周りも同じ目にあっているようで、悲鳴が聞こえる。
騒ぎが収まると特に何もなかったかのように感じた。けれど、改めて手鏡を確認するとそこにはリアルの自分の姿が映っていた。
「は?」
なぜリアルの自分の姿が再現されてるのかはわからない。
考えるのはすぐやめた。そののち茅場は僕らの疑問について答えてくれた。けれどよくわからなかった。
『最後に忠告しておこう。これはゲームであっても遊びではない』
最悪のチュートリアルだった。
そしてしばらく絶望の空気が漂ったのである。
リリル自身も苦笑していた。
その時後ろからゲンコツを食らった。
「リリル!早く次の村いくよ」
そう言い僕を広場から連れ出したのはミルであった。
「なんで?」
「はぁ、、よく考えてみぃなぁ」
そう言われて僕はミルにお姫様抱っこされながら広場を出ていくのであった。
伊藤 花紗音は身長206cmの高身長美女なのである。
スタイル抜群の設定