「あぁ、俺がやった」
「父さん!?」
サクラの父、綾乃ジロウが両手を上げる。
「小野君、これだけは聞いてもいいか?…君はどうやってその考察にたどり着いたかを」
ジロウは紬を見つめる
「まずは病院の記録を漁った、SAOサービスが開始した日から。そこからひとつ、事件に結び付けることが可能だったのが2022年11月9日の緊急点検。翌年2023年4月8月12月、そして2024年の…」
「あぁ確かに君が言った月に俺はその病院の点検をしていた。」
正直に話すジロウに、サクラの顔は青ざめていった
電話越しから菊岡の声が聞こえる。
『2022年11月9日の緊急点検では電力の安定供給のための細かな点検があった。何箇所かケーブル交換をしたと言っていたから、その時に小細工をしたものと取り換えたのだろう』
「サクラのお父さんの服装から電気工事をやっているかもしれないと思ったから調べたら病院の点検を担当している会社のサイトで写真を見つけた」
スマホからジロウの作業服を撮った写真を選択し菊岡さんに見せる。
『僕も綾乃家にお邪魔したときに確認したよ。』
証拠は出そろっただろう、パトカーのサイレンが聞こえてくる
サクラは黙り続けてが限界に達したのかアルゴのほうへと近づく
「これがいるからだ…」
「これ呼ばわりはひどいナ」
何かを察したのかアルゴは後ずさりをする。
その察し通りサクラはカッターナイフを取り出した、アルゴの心臓へめがけて刃を向ける
慌てるジロウと紬。
「アルゴ姉!」
しかしアルゴは軽々しくカッターナイフを振り落とした
ここは自分が犠牲になってー的な展開になると思ていた二人は唖然としている
「リアルでも意外と動くよナ。」
これに関しては菊岡さんも驚いていた
◇◇◇
のちにパトカーで連行されていったジロウとサクラ。
紬はそのパトカーをずっと見つめていた。
「んで、菊岡さん。結句なんですか?僕に女装させたかっただけですか?」
『ハッハハハ…面白い冗談をいうね。では僕はまだ仕事があるから失礼するよ』
菊岡さんは電話をきった。逃げたのである。
ただ女装させただけ、いやアルゴと合わせてくれた。大胆すぎるが感謝しよう。
「リリルの女装かわいいもんナ」
アルゴがスマホを紬へとみせる。
そこにた大量の紬の女装写真があった
「姉さん…」
「削除依頼するなら1000万コルだナ」
「そんな大金持ってませんっと」
暗い道の真ん中でじっと夜空を見る
曇っているため何も見えやしないが。
「あぁそうだ、僕の名前は小野 紬ーってもう知ってるか。」
「まぁナ…本当は大金を積みたいところだガ…
握手を交わす。
そして一つ紬はアルゴへと聞く
「姉さん、日系人?」
「おっとーこれ以上はお金がかかるナ」
「そうきたか…いくらだ?」
「そーだナ…10万ダ」
「よし!今から地下労働行ってくるわ!」
「冗談だヨ…まぁオイラは一応ハーフ…けど内緒だヨ?」
「神に誓って!」
「心配ダ…」
そこへ外見トラック(キャンピングカー)に乗った花紗音がやってくる。
口に小籠包を頬張って。
「小籠包美味いわ…紬、近くにいいホテル菊岡さんがポケットマネーで予約してくれたよ」
「よし!破産させに行くぞ!」
「ほどほどにナー」
「そうだアルゴ姉さん…れ、れ…連絡先をお伺いしてもよろしいでしょうか」
もじもじとスマホを取り出してはアルゴへ頭を下げる
「なぜ敬語っ」
「気づかなかったのカ?メールボックスにすでにメールを送っているヨ」
「あぁ、ごめん、メールボックスあまり見ない派で…」
◇◇◇
翌日、朝起きると菊岡さんが玄関で待ち伏せしていた。
前日の疲れで結構寝てしまっていた紬と花紗音はぐっすり眠っていて寝坊していた。
「こんにちは菊岡さん」
「おはようの時間帯だぞリリ…紬」
寝癖を整えず出てきた花紗音を紬が見てはポケットからブラシを取り出し髪を整える
その間もしっかりNPCのように菊岡さんは待ち続けている。
「んで、どうなったんですか?」
「綾乃サクラは現在保留、保護者の二人は逮捕されたよ」
「ほりゅーかー…ざわついてるだろうな…ネットニュース」
「まぁすぐ静まるさ」
東京へ帰る支度をする。
それを見送りにアルゴもやってきた
「神奈川移住して朋姉さんと毎日遊びたいな」
「正直オイラはもう燃え尽きてナ。」
「まぁじぃかぁ…じゃぁ!MMOトゥデイのお手伝いとか!」
「それはありがたいナ」
「紬君、君には僕との約束があるのを忘れないでもらいたいね。」
「あ」
紬はしっかり菊岡さんの「夢」を手伝うのを忘れていた。
「ま、毎日電話ぐらいならしてやってもいいかもナ」
「言ったね」
そこから毎日電話をしてくるようになることをアルゴは覚悟している。
そして休日はぶっ通しで通話しようとしている紬。
「じゃ、また明日」
「平気で来そうだナ…」
車に乗って東京へ帰る。
またアルゴと別れる。
「じゃぁまたね」
「またナ」
こんどはしっかりと挨拶をすることができた
「そういやリリル…ツムっち、GGOで「ノーツ」ってプレイヤーネームだロ?絶対アルゴノーツから取ったよナ…」
「気のせいだ!」
顔を赤らめながら窓を占める
「おい、わが従弟よ。ツムっちだってよ」
「悔いなし…」
感動とうれしさのあまり涙を流した
リリルも紬もキー坊とかアーちゃんとかみたいにできなさすぎて…