時は進みキリトが「月夜の黒猫団」と接触しているころのお話である。
いつも通り自称アルゴの弟子としてアルゴと毎日お話(情報交換)しているリリル。
「えー!キリトが中層の小規模ギルドに」
「そうなんだヨ。キー坊がそのギルドを救ってナ…」
アルゴと情報交換という名のお話をするのはとても楽しい。コルはかかるが、アルゴにつぎ込むためといっても過言じゃないだろう
「今日もありがとう姉さん。とりあえずこれコル…」
いつも提示されている金額より何倍かを支払おうとする。
「なあリリル。最近リリルも情報収集上手くなってきてると思うから、コルはこれから払わなくてもいい「いえこれは投げ銭みたいなものなので」…」
ゴリ押しでコルを受け取らせようと攻めるリリル。別に損するわけではないが値を見てちょっとびっくりするアルゴ。
「こんな額毎回だして、生活とかできてるのカ?」
心配するアルゴだが、全く平気な表情でリリルは答える
「別に食事も宿も"最低限"できてるから大丈夫だよ」
(リリルの最低限がとてつもなくギリギリに聞こえてしまうナ…)
まるで推しに全財産をつぎ込むオタクのように見える。
(もしかしてリアルが富豪で金銭感覚狂っているとかじゃないよナ…)
改めてリリルのことを調べてみようと思ったアルゴであった。
後日
あらかた今日調べる予定だった物を調べ終えたアルゴはリリルのことを少しだけ観察してみることにした。
リリルは主街区の路地裏で一人のプレイヤーと情報交換をしていた。
「うーん、その情報だとするとこのぐらいかかりますね。」
「こちらにしてはいいぐらいだが、安すぎないか?」
「私はまだ見習い情報屋です。情報が不確かな上アルゴさんよりは細かくありません。なのでこれくらい安くなきゃ」
考え込むプレイヤー。しかし直ぐに承諾し取引は成立リリルはそのプレイヤーに情報を伝える。
「ありがとよ!お姉さんの情報的にもっと値を上げてもいい気がするぞ」
プレイヤーは路地裏から出ていくリリルはそのプレイヤーが見えなくなるまでお辞儀をしていた。
(案外ちゃんとしているナ…てかリリル女だと思わせてないカ?)
リリルが女性と偽っているところを除き、ちゃんと情報屋として仕事をしていた。最初は心配だったアルゴだが、あんな性格を出すのはアルゴの前だけだとわかり安心しながらも仕事を再開するアルゴであった。
ー視点はリリルに戻る。
取引が終了したあと、屋根上を見に行くリリル。取引中にアルゴのような気配を感じたからだ。しかし屋根上に行ったころにはもう彼女の姿は見当たらなかった。とてもがっかりしながらもアルゴに認められる情報屋を目指して仕事を再開する。
屋根上から降りて、路地裏から出てきたころ、人ごみに紛れて一人のフード男がリリルの方を見る。
「あれがボスの言ってた暗殺対象か…ホントに男とは思えない姿だぜ。」
小言を口ずさみながらもリリルを尾行する。
尾行しているのち人気のない通路でリリルは足を止めた。
「私を尾行しているのは誰でしょうか。」
リリルは後ろを振り向きフードの男を見つめる。黒髪赤目の厨二病心をくすぐるような見た目。
「っち、ずっとバレてたか。」
戦闘体制を整えようとするがここは圏内である。たとえ攻撃しても軽いノックバックが生じるだけ。意味がない。しかも彼は無名だが情報屋でありあのアルゴと関係を持つ。となるとたとえグリーンカーソルだとしてもプレイヤーに警戒される。フードの男はすぐさまその場を去っていった。がしかし、彼の目的はここから。すぐさま尾行を開始する。
(口と指の動きから…12階層か。)
すぐさま転移門から12階層へ移動する。
ー第12階層
長々な尾行の末、圏外にある小さな仮設拠点のようなところを見つける。リリルは障害物に身をひそめ、録音石を用意し録音する。
「アグネスさん、例の件尾行失敗しました。」
「まー相手が相手だしゃーなし」
(まじか、、綾乃、いや。アグネス…)
こっそり顔を出しアグネスの姿を見る。その姿は綾乃 光瑠と完全一致していた。そして、緑の髪に片手剣、第一層でなぜ気づかなかったのか。
アグネス。
彼のライバル的存在である綾乃 光瑠がよく使うプレイヤーネーム。リリルからは「厨二病ダッセー」と言われているがいようしている模様。
「とりあえず、こっちの存在が知られる前に?早く二人を殺さなきゃ…鼠と猫ってか?w」
録音石が時間切れになった。リリルは気づかれ内容に最前線へ戻る。
鼠と猫、アグネスはリリルのことを「なーんでそんな猫みたいなすばしっこい動きできるん?」と言っていた。なので猫はリリルのことを表現しているのだろうと思われる。となると
「姉さんが危ない…」
なぜ殺すのかはわからない。しかしアルゴとリリルに危機が迫ってきているということはわかる。
深刻な表情をしたリリルはこのことをアルゴに伝えるべきか悩みながら転移門を使うのであった。
数年前ー。
「チックショーまた負けたー。」
「光瑠は真っ先に殺そうとしてくるから単純で簡単だよ」
ゲームセンター。そこに二人の少年がレトロゲームで遊んでいた。
「そういや紬は中学どうするん?」
「うーん、、AI形が学べるって評判のそこそこいい学校かなぁ」
「そんじゃ俺もそこへ行こうかなぁー」
光瑠の方から負けの効果音が聞こえる。
「あーまた負けたよ、、もう一戦!」
「おー光瑠君に紬ちゃんじゃなーい」
そこへ教師になる前の花紗音がやって来る。紬から「ちゃん付しないでくれ。僕は男だ!」という声が聞こえるがそれを無視して話を続ける
「私教師になるんだよねー…」
「おいマジか、俺と紬が行くつもりの学校じゃねぇか」
「嫌なラブコメかな、、」
喜ぶ光瑠と苦笑する紬。
「あ!それ私も混ぜてー」
レトロゲームで三人仲良く楽しんでいた。
リリルは宿のベッドに寝転びながらレトロゲームで遊んでいたことを思い出していたらいつの間にか涙が出てきていた。
「数年前のことなのに」
その時ミルから通知が届いた。
「
昼間君が誰かを追っていたけど、あれは何?単なる情報収集とは思えなかったんだけど。とりあえず始まりの街で待ってるよ。そうだ!途中バンダナ付けた攻略組の侍みたいな人と出会った!誘いは断ったけど面白そうだったからフレンドは繋いどいたよ
」
「先生怖…バンダナ付けた攻略組って例の風林火山?リーダーの、、クラインだっけなぁ、とりあえず行くか」
はじまりの街
攻略が進みたくさんの階層が解放されてもなお人が多い。あちらこちらで様々な人がいる。そんな中ひときわ目立つもはや大剣を装備しているミルの姿があった。二人は合流後、街を散歩しながら雑談をする。
「光瑠、、アグネスに会った」
「あー光瑠、アグネスって名前なんだ。お年頃だね。私もあったよ、アハハ私殺されちゃうかな」
リリルの足が止まる
「いやいや、アグネスのことリリルに伝えたら殺すって言ってたから」
「それはいつから?」
ミルはアグネスと出会ったときのことを話す。
「うーん、、大変なこった…」
「ま、私今この街で時々子供たちの教育とリズベットって女性プレイヤーに物資支援したりしてる。」
「すげぇな…」
ミルが相当頑張っていることにびっくりしたリリル。
「まー私も私なりに頑張ってるんですよ」
すっかり真夜中の時間帯になり、リリルはミルと転移門で別れる。ミルが言っていた「リズベット」というプレイヤーにも接触を図りたい。
「けど先に風林火山のほうへ行くか…」
リーダーである「クライン」という男はリリルと同じで刀を扱っている。何かしら教われることもあるだろう。
まだまだだが、ちょっとずつ情報屋らしいことができ始めていると感じたリリル。これでまた一歩アルゴに近づいただろうか。夜道をスキップしながら宿へ戻るリリルであった。
一話3,000前後が限界だな。これ以上は言語表現力が崩壊しかねぬ
見ていただきありがとうございました!また見てください!