宮間太郎の幻想入り物語 作:宮間太郎(ITARIA-DOITU)
紅魔館での葵の研究者としての生活は順調だった。パチュリーは葵の持つ外の世界の知識、特に電気工学と情報科学の断片に異常な関心を示し、彼女の指導のもと、図書館の地下で密かに**「外来技術の再現実験」**を進めていた。
ある冬の明け方、紅魔館全体を揺るがすような大爆発が地下から轟いた。
新たな異変の発生
「パチュリー様! 何が起こったんですか!?」
葵は急いで地下の研究室へ駆けつけた。そこは、半壊した実験装置と、全身煤だらけになったパチュリーが横たわっていた。咲夜がすぐさま駆けつけ、パチュリーを安全な場所へ運び出す。
「くっ…失敗ね。外の世界の『電力』を、魔法で再現しようとしたのが間違いだったわ…」パチュリーは咳き込みながら言った。
その日の正午、幻想郷全体に奇妙な異変が起こっていることが明らかになった。
人里での異変: 人間の里の住民たちが、夜になると誰もいない空間から、奇妙な**『ノイズ』や『機械音』**が聞こえると訴え始めた。
妖怪の山での異変: 山に住む天狗たちが、通信網に謎の**『電波障害』**が発生していると報告。
博麗神社での異変: 霊夢の周りに、常に微弱な電気のスパークが発生するようになり、お祓い棒が異常に帯電するようになった。
霊夢は怒り心頭で紅魔館へ飛来した。
「パチュリー! またあんたたちの悪戯ね! 幻想郷全体が電気ノイズまみれじゃない!」
「悪戯ではないわ、博麗の巫女。これは、外の世界の『電気』を幻想郷のルールに強制的に組み込もうとした結果起きた、新しい種類の異変よ」パチュリーは冷静に答えた。
異変の元凶と葵の役割
異変の原因は、パチュリーと葵が試みた「電力の魔法再現」の失敗だった。実験装置が暴走し、一時的に博麗大結界の一部を歪ませ、外の世界の「電気エネルギー」や「電磁波」といった**『科学的常識』**が、ノイズやスパークとなって幻想郷に漏れ出してしまったのだ。
「この異変を解決するには、外の世界の知識が必要よ。霊夢、貴方がやるべきことは一つ。この異変の元凶である、宮間…いいえ、葵を連れて行くことよ」
霊夢は驚き、葵を見た。
「あたしが? なんで?」
「彼女こそが、この実験を主導した『科学』の持ち主。漏れ出した外の世界の常識を、元の形に戻す『アンチテーゼ』となれるのは、彼女だけよ」
葵は、自分の知識が幻想郷に混乱をもたらしたことを知り、責任を感じた。
「私がやります。私が、この異変を終わらせます!」
巫女と元居候の異変解決
霊夢は、不機嫌そうにしながらも、葵を連れて異変解決に乗り出すことになった。
「いい? 葵。あんたは私の**『派遣』の身。この異変を解決できないなら、派遣料の代わりに命で償ってもらう**わよ!」
「はい!」
こうして、メイド服の「葵」は、霊夢の横で空を飛ぶことになった。彼女の知識と、霊夢の巫女の力が合わさることで、異変の核を突き止める。
「霊夢さん! このノイズは、特定の周波数を持っています! おそらく、紅魔館の実験装置の残骸が、里や山に散らばっているはずです!」
「周波数? 知るか! とにかく、一番ノイズが強い場所に、お祓い棒を突き刺せばいいのね!」
巫女の直感と、元中学生の科学的分析。
二人は、幻想郷全土に漏れ出した「文明の音」を沈めるため、これまでになく奇妙な異変解決コンビとして、飛び立つのだった。