はがねタイプにでんきタイプはいまひとつ   作:ボクっ娘のでんきタイプ

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27.メガクチート が あらわれた!

『にぃに遊んでくれるのー?』

 

「あぁ、やってやんよ」

 

クチート。小さく可愛らしい見た目のポケモン。髪に見える大きいアゴは油断した獲物を丸のみにするためだという。

 

…とはいえ、それは通常の─もっと言うのならばメガクチートのままでしかない。小さいならばやりにくいが、大きいのならばアゴの根元を狙いに行けばいい。事実として今回のもアゴ抜きで三メートルを超えるほど大きい。

 

ではなぜ今の俺が悩みきっているのか。答えは単純、こいつの動きがやばいからだ。

 

『えーい!』

 

「まさか暴走メガシンカだからってこんなことになるとは…思わねぇっての…!」

 

ツインテールだからとかマジカルシャインを避けれないとかそういう問題じゃない。そんなのは別に技量でなんとかなる。

 

ポケモンが─メガクチートがあからさまに幼女なら話は別だ。

 

『わたしのにぃに!』

 

明らかに言葉を発してこちらを攻撃してくるメガクチートはかんしゃくを起こした子供だ。なまじ火力は一線級を誇るからなおたちが悪い。

 

(こういうときにシローならなんとかしそうなんだけどな…!)

 

ジャスティスという力技でどうにかしてくれるのならそれに越したことはない。しかし実際の問題としてメガクチートに攻撃するのをためらってしまう。

 

(じゃれついてきたりとかかわいいように見えるけど全然攻撃が容赦ねえんだが…!?)

 

なんか子供をあやそうとしてたら思ってるよりも命の危険を伴っているようなそんな感じだ。

 

『いっしょ!ずっといっしょ!』

 

それに攻撃できないこと以外にも問題はある。避けきれたところで攻勢に転じてもあまり強く殴れないのだ。

 

『にぃに、きずつけるの…?』

 

「あぁもうやりにくいったらありゃしねぇ…!」

 

蹴りつけたとしても力が足りない。ついでに言えばクチートの言葉が俺のことをどんどん参らせてくる。

 

(ボールに捕まらないのも問題なんだよなぁ?)

 

一応かすかな期待を胸に持っていたハイパーボールをぶん投げて当てる。当然のように噛んで破壊された。

 

 

『やーだー!なんでにぃにといられないのー!』

 

ほのおのキバだのアイアンヘッドだのふいうちだのともかくとしてえげつなさすぎる攻撃を避けつつ打開の手を考える。

 

ぶっちゃけここで戦っても体がボロボロになって食べられるのがオチである。

 

(ん〜…カナリィ呼んでもタイプ相性はきついし、ここはムク姉に頼ろうかな)

 

ロトムフォンで雑にお願いし、俺は手も使って戦うことを決意する。体の軸すらも自由自在に動かすのは苦手だが、それで泣き言なんて言ってはいられない。

 

『すごい!どこでおぼえたの?』

 

「さぁね、っと!しばらく遊んでやるよ…!」

 

『わーい!』

 

迫ってくるツインテールの大口に飲み込まれないように屋上を駆け回り、クチートの周りをうろちょろするようにしておく。

 

(子供っぽいしこれなら攻撃を誘導できるんじゃ!!)

 

そんな浅はかな行動すらも読まれていたようで、後ろをマジカルシャインで塞がれてアイアンヘッドを出される。

 

(シャワーズが欲しいなぁ…)

 

あわのお陰で逃げやすくなってたはずなのに…まあ、安全を考えると正解は置いていくことなのだが。

 

戦闘に関係ないことを思いつつ、スライディングで頭を撫でながら通り抜ける。掠めただけで軽く血が出たし、直撃すれば重傷だろうな。

 

「鬼さんこちらだよ…ってな」

 

『まってにぃにー!つかまえたいのー!』

 

誘導しながらムク姉が安全に登れるような場所を作っておく。来た瞬間のヘイトまではこっちで管理しておけるようにしておかないといけない。

 

(万が一にもムク姉に傷でもついたら不味いしな…)

 

シローに殺される可能性がでかすぎる。無論そんなことにならないよう最悪は俺が体を張って守るのだが。

 

「…はぁ。あたし呼んだのってこういうこと?お姉ちゃんを頼り過ぎだよ」

 

「そうだよムク姉…助けてくれ!俺にはムク姉が必要なんだよぉ…」

 

明らかにジト目だけど手伝ってくれるだろうムク姉に助けの目を向けると、シャンデラを出してくれた。

 

『…にぃに?どうしたの?』

 

首を傾げるメガクチートに対してムク姉はこちらに顔を見せないように一歩前に踏み出しながら言った。

 

「あたしの弟をにぃにって呼ぶならまずムク姉って呼んで」

 

『むくねー?』

 

体をひねりながら攻撃してこないあたり、メガクチートを一時的に抑えてくれたのだろう。

 

(凄いわぁ…ジャスティスってこういうことかぁ…)

 

謎の自信を身にまとっているムク姉はそのまま話し続ける。

 

「まずにぃにと一緒にいたいならその大きさだとダメ。ちゃんと小さくなって?」

 

『はーい!』

 

メガクチートはそういうとしゅるしゅると光が抜けていき、あっという間に普段見ているサイズ…いや、それよりももっと小さいクチートになった。

 

「でもメガクチートのまんまやねぇ…」

 

そういうこともあるのかもしれないが、このクチートはメガで固定されてしまっているみたいだ。

 

「それは知らない。キジャが考えるのはやって…で、あなた」

 

『なぁに?』

 

「キジャにぃにのポケモンになりたいの?」

 

『うん!』

 

「じゃあそこのボールにコツンって頭を当てて?」

 

『はぁい!』

 

腰に下げていたラブラブボールに顎をちょこんと乗せると、一瞬で捕まった。

 

 

…こんな簡単だったのかよ。

 

拍子抜けはしたけれど、カラスバには報告しないといけないしシャワーズも回収しないといけない。

 

とりあえず、疲れていたのか屋上で意識を失っていく。ムク姉がいるしなんとかなるだろう。

 




この後めちゃくちゃ甘やかされ(ry

個別エンドはどれからがいいかな?

  • GAMEOVER
  • 吹き散らされた炎
  • 踊り明かして夜に溶け
  • いつでもどこでもあなたの傍に
  • 夢もうつつも紙一重
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