はがねタイプにでんきタイプはいまひとつ   作:ボクっ娘のでんきタイプ

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59.夢もうつつも紙一重/暗闇の中にまた落ちる

父親は容赦なく他の人を殴る典型的な古い親だった。

そして母親もそれと比例するように汚れきった目でふらふらとあちこちをさまようような親だった。

 

それでも─親は親。仮に望んだとしても─親という言葉はこの二人にしか当てはまらない。

 

だから、それよりも大切な人ができたとして。

 

親以外の言葉を使えと言われたら。

 

『家に来るか?温かい飯くらいなら用意してやるよ』

 

それはやっぱり、お兄ちゃんだった。

 

 

 

 

 

 

 

「なんで禁術なんて使っちゃったんだろ、にぃに」

 

そう愚痴りつつ、お兄ちゃんがいるであろうところへと向かう。メガシンカの仕方が少々狂っていたから不安だけれど、ポケモンと人の絆として辿っていけるので助かった。

 

(まあ、にぃにって変に暴走するところもあるからねぇ…)

 

懐かしい気持ちにはなるのは今ではないと切り替えるように刀を握る。昔は好んで握ることはなかったけれど、今はお兄ちゃんを助けるためには絶対に必要なものなのだ。

 

「もともと私が教えたからねぇ…にぃに、凄い上手になってた」

 

というよりヒトツキの娘がものすっごく合わせてるって言えばいいのかな。私の刀は大アゴの部分がこう…めきょって剥がれたものだし。

 

そんなことを呟いていると、少しだけ私よりも荒々しい斬った痕跡があった。こんな刀を使う珍しい人で今ここにいるのは一人しかいないのだ。

 

「…来ちゃった、お兄ちゃん」

 

困らせるように、少しだけ首を傾げて微笑みながら前を向く。

 

愛している人が目の前にいるけど、抱きついたりとか撫でてほしかったりとかキスしてほしいなんて甘い感情は浮かばなかった。

 

真っ先に浮かんだものは、恐怖。

 

兄から忘れられてしまっている─妹としての、ずっと一緒にいられなかったとして抱えている後悔。

 

私のことも覚えていないのではという恐怖は、こちらを見つめてくる優しい目が答えを教えてくれた。

 

頼むから、そのまま私のことを忘れていてほしい。

頼むから、そのまま私の名前を言ってほしい。

 

その結果は、お兄ちゃんがはっきりとさせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…ただいま、チトセ

 

 

名前を、呼んだ。

 

それだけのことに、反応が遅れた。

 

その一言だけで、涙が出てしまった。

 

「、、…」

 

言葉を出そうとしても先に出てくるのは安堵する気持ち。今満たしてはいけない欲望だとわかっているのに止まらない。

 

「…わかった。ずっと一人だったもんな」

 

ぽんぽんと慰めてくれるお兄ちゃんは、前とそんなに変わらない手つき。

 

ただただ、他の環境が変わっただけ。

 

それだけだから。何も変わらないから。

 

幸せ、だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…泣き止んだ?」

 

「…もちろん。ごめんね、迷惑かけちゃって」

 

まだ潤む視界を前へと向き、私が生き返った原因を─より正確には、兄だけを生き返らせようとした装置を見やる。

 

(あんなのが中央にあるなんて…)

 

悪い文明であることは理解できている。いつまた暴走するかわからないから壊したくて壊したくてたまらない。

 

「一緒に、壊そ?」

 

兄に頼り切りになるということは死んだときに嫌というほど理解しているのだ。

 

 

一人になったら、またどこか別のところに消えてしまう。

 

どこか別のところにいかせないためにも、私は引き止めなきゃいけない。

 

「…チトセ、合わせて」

 

呼吸を合わせ、胸を逸らし、刀を合わせ、血を飲み、敵を見る。

 

どこまでも丁寧な剣閃を、二人で一つになるように合わせて。

 

 

 

私の過去への決着は、ついたのだ。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

私がお兄ちゃんと一緒に過ごしているときに決めていたことは一つだけだった。

 

《お兄ちゃんとずっといる》

 

子供が欲しいとかそういうのはなくて、二人だけで寄り添って生活すること。

 

それだけしか望めない。兄を好いてくれた他の女性に失礼なのだから。

 

…お兄ちゃんと一緒にいること。

 

それ以外に望むことは、なかった。

 

 




なんなんだろうね(困惑)

1日くらいは休んでもいいんじゃねぇかなと思う今日この頃です。なんかエンディング似てるしチトセちゃんなんかマイルドだし速くМ次元ラッシュ終わらせたいし()

さて、そんな悲しいことを言いつつ他エンドよりも圧倒的な少なさを誇るチトセエンドについて語っていきます。というかぶっちゃけノーマルエンドと対して変わりません。

変更された点は「チトセのことを妹と認識しているキジャ」と「ノーマルエンドより記憶を失っていない」ってところですね。妹を名乗る不審者ではないけれど、自分に妹はいないと思ってるキジャくんからしてみれば変な存在。

チトセは自分のことを刀とかそういう「キジャの付属品」としての部分にフォーカスが当たっています。いわゆる追加で生き返ってしまった罪悪感と女の子としての傍にいたいという欲望を満たすには妹は一番都合がよかった、ということです。

それと記憶の失った量なんですけど「女の子に関すること」のみです。普通にカラスバさんとかのことを考えたりしますし、ニダンギルと拳を突き合わせてふざけたりもできます。

さて、明日は明らかにヤバいエンドです。М次元ラッシュやる前に終わらせます(血涙)

個別エンドはどれからがいいかな?

  • GAMEOVER
  • 吹き散らされた炎
  • 踊り明かして夜に溶け
  • いつでもどこでもあなたの傍に
  • 夢もうつつも紙一重
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