はがねタイプにでんきタイプはいまひとつ   作:ボクっ娘のでんきタイプ

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9.たとえそれが嘘だとしたら。

「とりあえず新しいことをやっておかなきゃいけないかもね」

 

休日に家でカナリィとだらけているとそんなことを言われた。

 

「藪から棒になんだそれ」

 

「んーとね、ちょっと最近伸び悩んでるからそこらへんをどうしようかなって。ほら、この前から少しずつ伸び率が下がってきてるし」

 

なるほど、改善したい理由はわかる。確かに今のストリーマー戦国時代、パズルゲームの配信とじいさんのホロだけじゃ厳しいだろう。

 

「だからキジャに色々聞こうかなーって。ボクの一番のファンなら詳しい相談に乗ってくれるでしょ?」

 

上目遣いでこっちを見たら断りきれないのをわかっててお願いしてきた。なんかこれだけやたらとかわいく感じるせいで逆らえなくなるんだよ。

 

「一番はじいさんだろ。…まぁ、調べて分かる範囲とかでいいならな」

 

何がいいかを調べてカナリィができるできないを調べるくらいならそこまで不可能ではない。

 

「まあ最初に上がるのはコラボか。ちょうどナンジャモさんあたりなら同じでんきタイプの配信者だからいいんじゃないか?」

 

最近パルデア地方での結婚騒動のほうもだいぶ収まってきてたし。なんであんなに男のほうが恋愛に理解が及ばないのかわかんないけどな。

 

「まあそうなんだけど…ナンジャモのとこまで行くのもちょっと面倒だし…」

 

黄色の髪の毛を指先で遊んでいるカナリィは視線をそっと逸らす。なんか後ろめたいことがあるのだろうから質問してみるか。

 

「なんか言葉的にコラボそのものは決まってるのか?」

 

「………………うん。キジャと一緒に…

 

「そういうことかい…」

 

つまりパルデア地方に好きな子と二人で旅行しに行けと。控えめにいって嬉しすぎるけど困る。

 

(じいさんも連れて行ったほうがまだいいか…?)

 

「あ、おじいちゃんは『若いもんだけで楽しむんじゃよ』って」

 

「………わかった。準備が必要になったら言えよ」

 

ことごとくモココが首にまきつくような違和感を感じているけれどまあ問題はない。

ぜったい観光気分でいけるか怪しすぎる。緊張してなんにもできなくなりそうだな。

 

「で、他の方法って何があるの?」

 

「んー…新しいメインコンテンツを作る。でも雑談とかやると問題発言とかしそうで怖いんだよな」

 

そもそもカナリィって言葉がバカみたいに荒いからな。それも魅力の一つではあるんだけど…それはそれとして好き勝手喋らせるにしては余りにも怖い。

 

「そーだよね。となるとやっぱり新しいパズルゲーム探したほうがいいかな?」

 

「朝活とかそっち方面でもいいかもな。もう既にいるファンも喜びそうだし」

 

とはいえエナドリばっか飲んでるカナリィができるかと言えば微妙なところだけれど。寝起きについてはじいさんに任せたほうがいいかもしれん。

 

そこまで言うのも野暮なので黙っておくけど。

 

「まあこの見た目じゃあんまり変わらないもんね〜…いっそ着込んでみる?」

 

「やめとけ。あんなもん見せられて寝起きの声とかきつすぎる」

 

この前のデートのときでさえ可愛いんだもん。あんなもん唐突に見せられたら一撃必殺なのは間違いない。

 

「ダボダボのパーカーくらいにしとけ。それくらいならまだなんとかなる」

 

「それだとナンジャモさんと被るしヤダ。せめてボクっぽい変化とかない?」

 

「難しいことを言ってくれるなぁ…」

 

他の服装となるとそこまで詳しくない。ファッションなんて普段から気にすることがなかったからというのもある。

 

基本カナリィが選んでくれてるし。

 

「別にスーツとかじゃなくてパーカーをガッツリ被るだけでもだいぶ印象変わるし、そもそも変えなくても小物を少し加えるだけでいいと思う」

 

「ん〜…そっかぁ…ねぇキジャ、ボクの配信に出てもらえる?」

 

悩んだ末にとんでもないことを言い出した。迷走し過ぎじゃない…?

 

俺の答えは決まっている。

 

「ぜっっったいにやだ」

 

あくまでカナリィの追っかけなのになんでんなことしなきゃいけないんだろうか。それは他のカナリィを推しているファンに対して平等じゃないしダメだろう。

 

…幼馴染の立場という時点で明らかに特別になってる自覚はあるけど。

 

「いやさ、全然ラップ得意じゃないからやめたほうがいいかなって」

 

「ラップで出てもいいんだよ?どうせボクぐらいしか聞かないんだし」

 

「いや出られないって…んん?」

 

ラップで出てもいいということはもう片方の案があったのだろう。話すつもりがないのかね。

 

「話すつもりは全然あるよ」

 

「さらっと人の心読まないでもらえる?」

 

「なんでもおみとおしだよ、キジャ」

 

耳元で囁くような体勢まで押し倒されながらそう言われるとやばい。そんなことしてガチ恋勢を困らせるんじゃない。

 

「ボクが言ってるのは視聴者参加企画ー。ミアレシティのバトルロワイヤル形式ならトーナメントよりいいでしょ?」

 

「確かにそりゃそうか…」

 

配信とかで実況しやすいし、ミアレシティのバトルシステムに対してのよい宣伝にもなるから間違いなくカラスバさんあたりも手を貸してくれるだろう。

 

「そ。せっかくならここに来てくれる人が増えたほうがいいからね」

 

「あとで相談しに行くかぁ…」

 

まあなんとかなってるならいい…のかなぁ?

 

「ほらさっさとどけ。飯くらいなら作ってやるから」

 

その後なんとかしてカナリィを説き伏せて飯を食わせて帰らせた。

 

…カナリィが泊まるとランクマに潜りにくいからだからな。

 




女の子は普通好きでもない人の家に上がり込んで誘惑しないと思う()

個別エンドはどれからがいいかな?

  • GAMEOVER
  • 吹き散らされた炎
  • 踊り明かして夜に溶け
  • いつでもどこでもあなたの傍に
  • 夢もうつつも紙一重
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