鬼人のギンって知ってっか?   作:目の隈が凄いギン

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本日二度目の投稿。


第二話「みかん畑は最高です!」

 サンジ達と一ヶ月ぐらい一緒にいて、無事商船が来てくれたおかげで二人とはそこで別れた。

 勿論彼らとは絶対に料理を食うことを固く約束したことは言うまでもない。

 

 そうしてまた俺は海を泳いで移動していた訳なんだが。

 

「おーい。ギンさん! ベルメールさんが呼んでるよ!」

 

「おぉ今日も元気だなぁナミは」

 

「あったりまえじゃん。毎日美味しいみかんとベルメールさんの手料理食べてるんだから」

 

 そう、ココヤシ村に俺は泳ぎ着いていたんだよね。

 なんか原作キャラ達と連続で会っている気がする。不思議な巡り合わせだよなぁ。

 

「なにぼ~っとしてるの? ほら早く行くよ!」

 

 呆れたナミに腕を引っ張られて連れて来られたのはみかん畑で綺麗な景色を一望出来る一件の家。

 その家の玄関から赤毛の美女が手を振って歩いて来る。

 

「お、ギン! 漸く来たのかい」

 

「いやぁのんびりしてまして」

 

「仕方ないから私が連れてきたのよ!」

 

「ありがとう。ナミ。今日も元気で可愛いわよ?」

 

 わしゃわしゃとナミの頭を撫でるベルメールさんに、ナミはきゃー! っと声を出しながら笑顔ではしゃぐ。

 んー尊い。

 

「ナミ、ノジコと一緒にゲンさんの手伝いをしてきてくれないか?」

 

「わかった! じゃあねベルメールさん、ギンさん!」

 

 笑顔で手を振るナミに癒やされながらも、俺は意識を切り替えてベルメールさんと向き合う。

 

「前に話していた事、村の人達にも伝えて了解を得たよ」

 

「ありがとうございます。こんなぽっと出の男の話を真剣に聞いてくれて」

 

「構わないよ。この数日共にしてアンタが悪い奴とは思わないし」

 

 苦笑するベルメールさんに頭を下げる。

 実はつい数日前に海賊が最近増えていて、もしかしたらココヤシ村に来るかも知れないから避難する場所を決めて、海賊が来た時はそこに避難するように伝えていたんだ。

 

 なぜそんな事をするのか。それはココヤシ村がアーロンによって悲劇を辿る事を知っているからだ。

 

 原作とかそういうの考えたらもしかしたら良くないことなんじゃないかって、思った事もあったが。

 だがそれならサンジとの出会いだってきっと良くなかった筈だ。

 

 原作が崩壊した結果どうなるかなんてわからない。だけど俺は眼の前で救える命を見捨ててまで原作通りにしようなんて考えられねぇ。

 そもそも俺自体の存在が一つのキャラ崩壊だしな。ギンというキャラクターのな。

 

 ココヤシ村に来れたのは偶然でしかなかったが、この素敵な場所や人を守れるなら守りたいと思うのが人情じゃねぇかな。

 

「海賊相手ならあたしも役に立てると思うけど? これでも昔は支部とはいえ将校でもあったし」

 

「いや、万が一俺が勝てない場合はベルメールさんに頼みたい。後ろが安心出来るから戦いにも集中できるんで」

 

 ま、その万が一は絶対に起こさせないけど。

 

「そうかい。確かにアンタなら問題なさそうだ……鬼人のギン」

 

「ありゃ、知ってましたかい?」

 

 俺が惚けたように言えばベルメールさんが「馬鹿だね」と言って懐からタバコを取ると火をつける。

 

「村の人たちは知らないだろうけどね。ニュース・クーの新聞をあたしは見ているから知っているのさ」

 

「俺も有名になったってことか」

 

「それで、アンタが狙う海賊がここに来るのか?」

 

「俺の予想が正しければってとこですかね」

 

 原作通りに話が進んでいたと仮定して考えれば今の時期に来る確率は高いはず。ナミやノジコの成長を見た限りだとね。

 問題はアーロン達の強さだ。

 

 新世界で戦っていた時代からまだそれほど経っていない時期とすればまず間違いなく強い。

 命を懸けた戦いになることは確実になるだろう。

 

 だとしても、俺は。

 

「なんだいなんだい。随分と顔が強張っているじゃないか。そんな顔はうりうり~♪」

 

「ちょ、やべてくらはいよ」

 

 ベルメールさんに頬を縦や横に引っ張ったりされて頬が赤く腫れ上がる。

 

「きっと大丈夫さ。短い付き合いだけどアンタの事、信用してる」

 

「これは……期待を裏切れねぇな」

 

 この笑顔が曇る姿なんて見たくねぇ。ましてや失うなんて。

 ベルメールさんだけじゃない。ナミやノジコ、ココヤシ村の皆だってそうだ。

 この平和で温かな村が滅茶苦茶になんてさせてたまるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シャハハハハ!! この島、見たところ良い所じゃねぇか。なぁハチ?」

 

「にゅ~アーロンさんの言う通りだ」

 

「アーロンさん。何か妙じゃないか? 人間がいないぜ?」

 

 特徴的なギザ鼻に笑い声を響かせて歩いてくるのはアーロン一味。

 俺はいつもの帽子を軽く上にずらし、トンファーを回しながらゆっくりと近づく。

 

「変な人間が一人だけいるみたい、ちゅ」

 

「ならその哀れで下等な種族に聞こうじゃねぇか。なぁてめェら」

 

 ぞろぞろと群れをなして近づくアーロン達に、俺は歩いていた足を止めて見つめる。

 

「一応聞いとく。海賊共、何をしにこの村に来た」

 

「おいおい、愚かな人間が馬鹿な質問をしているぞ。シャハ! ここで俺達がてめェら下等種族共を支配してやるのさ」

 

「嫌だと言えば?」

 

「……はぁ、これだから嫌なんだ。馬鹿な種族っつーのは。断ればどうなるのかもわからねェ。おい、クロオビ」

 

「おう、アーロンさん」

 

 アーロンが一人の魚人の名を出すと、クロオビと呼ばれた魚人が無防備に近づいてくる。

 俺はその魚人の懐に素早く潜り込み引き絞った右手のトンファーで脇腹に殴りつける。

 

「ごはっ!?」

 

 覇気もしっかりと込めたその一撃はクロオビの体を遠くの岩まで吹き飛ばした。

 

「や、野郎ッ!」

 

 驚愕と怒りでアーロンの瞳孔が小さくなる。残りの魚人達も漸く臨戦態勢に切り替わった。

 お前らをここで全員仕留める。

 誰一人として逃さん。

 

「人間の強さってのを教えてやる!」

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