私のヒロイン!アカデミア!~私はヒロインを目指します!~ 作:wakawaka
ある日、人類に「個性」という一種超常の力が根付き始めた。
その個性は強大なものからとても役に立つとは思えないものまで、正に十人十色、千差万別、月とスッポンといったようにあまりにも多彩なものが存在している。
さて、人間にそんな力が与えられれば当然、悪用する者達も出てくる。その者達を人々はいつからか「ヴィラン」と言うようになった。悪化する治安、暴徒化する市民達。そして、それに対抗する社会。その後「ヴィジランテ」所謂市民達による個性を使用しての自警団が設立されたり、それに習って「ヒーロー」が出来たり、巨悪が誕生したり、それを倒す英雄が現れたりとそれはもう多くのゴタゴタがあった。
そして現在。
そしてそこからなんやかんやあり現在、公園にいる少年少女に「将来の夢は?」と聞けばほぼほぼその回答は決まっている。
「「「ヒーローになる!」」」
「ヒーロー」それは「ヴィラン」に対抗するために国から資格を正式に得た個性を持って個性による犯罪を取り締まる者達。少年少女はそんな存在を見て育つうちに志すようになるのだ。まるでそう、サッカー選手が劇的ゴールで歓声を浴びる姿を見た少年達のように。
そして、それを見ていた小学1年生、忘因天音はこう思った。
「私ヒロインになりたい!」
ゲームに出てくるお姫様であり、英雄達の介添人「ヒロイン」。
その存在は時にヒーローを助け励まし、物語の中心になる存在。
そして、何よりチヤホヤされる存在。
思い立ったが吉日。
「私はヒロインになる!」
少女は右斜め上の発想と共にヒロインへの道を志したのだった!
まず始めに始めたことは美容だ。ヒロインは皆美人でスタイルが良いのである。(偏見です)そのためには小さいうちからスタイルをよくするために運動も大切であり、そのための勉強もしなくてはならない。
そうして、忘因天音は美のカリスマへの道を小学生ながら走り出した。
ヒロインらしい仕草、ヒロインらしいしゃべり方を漫画、アニメといったサブカルチャーから学びに学び、他の事をそっちのけで走った。
そして、時間は流れ中学3年生、皆が将来の夢を思い描き己の進路を決めていた頃、彼女も己の進路のためにとある高校への入学を目指していた。
「ねえ!デク!私、雄英を受けるよ!」
「え!じゃ、じゃあ、天音ちゃんもヒーロー目指すの!?」
「違うよ!普通科!」
ただただ、ヒロイン街道をまっすぐに走り続けた忘因天音の腐れ縁であり幼馴染みともいえる緑谷出久は彼女にとっては己を理解する数少ない友人である。
「え、じゃあ、何で・・・。」
「デク!私はヒーローになりたいんじゃないの!ヒロイン!そう、英雄に助けられ、英雄を助ける、ヒロインになりたいの!」
「え、でも、やっぱりそれだったらヒーローになった方が良いんじゃ・・・。」
「ヒーローじゃヒロインになれないじゃない!」
「えー・・・。」
ヒーローを助けるのがヒロインであり、ヒロインはヒーローではないのだ。(偏見です)この信条は絶対に曲げられい!
「おい!いつまでイチャついていやがる!クソ雑魚共!」
「あれ、かっちゃん居たんだ?」
「んだと!?」
彼女のもう一人の幼馴染みであり腐れ縁、デクとは大違いの品性のかけらも無い男。だが、その個性は強力であり無個性であるデクをいじめていた時期があったが、天音がデクの味方をして喧嘩になり何とか天音が勝ったことで関係がより複雑化した。
「かっちゃんは何処受けるの?」
「ああん?無個性のてめえには縁がねえ所に決まってんだろ!」
「どうせ、雄英でしょ。」
「ああん!?」
「あなたがだーい好きなオールマイトの母校だし、国全体で見てもトップクラスのヒーロー科がある所だものあなたが目指すには十分な理由、でしょ?」
「っち。」
「ちなみに私はそこの普通科!」
「ああん?てめえふざけてんのか!?」
「大真面目に決まってるでしょ!私はヒーローになりたいんじゃないの!ヒロインを目指してるの!」
かっちゃんこと爆豪勝己も彼女のことをある程度理解している数少ない存在である。
「それにデクも一緒だよ!」
「ああん?この無個性が何言ってやがる。」
「あー!また、無個性呼び!デクはデクよ!幼馴染みなんだからせめて名前呼びにしなって何年も言ってるでしょ!この反抗期爆弾魔!」
「ああん!無個性は無個性だろうが!オオカミ女!」
「言ったわね!もういいわ!その喧嘩私が買ってあげる!」
「ちょ、ちょっと待って!二人とも!ここ学校だから!」
仲裁に入るデク。
かっちゃんが喧嘩を仕掛け、天音が買い、デクが止める。
腐れ縁の三人組はそんな感じの関係をいつ間にか築いていた。
かっちゃんとデクには本性を知られているので天音は一切縁起をしていません。素です。
ちなみに天音は狼になれちゃいます。(動物のオオカミです。比喩じゃないです。)