終末秒読みのオーバーライト   作:蒸しパンナちゃん

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最善のパック選び

 

「……わかってはいたけど、現実のパックとは違うな……あ、でも封入されてるカードのピックアップ確率は見れるのか。ふーん、なるほど」

 

 ショップにあるカードパックは様々な種類がある。

 アニメのキャラクターが使っていたテーマが半分くらいで、残り半分は……なんだこれわからん。知らんカードが看板役やってるの多いな……ウラシマ効果を感じる。

 だいたいのパックはユニットの種族ごとにテーマを分けられているようで、多分一つのパックを重点的に買いまくればひとつの立派なデッキが組めると思う。いやどうかな。ウルトラレアが当たらなかったら弱いかもしれん。

 1パックが150ゴールドジェムだから、今の所持金だと50パック買えそうだ。店員さんの初回ボーナスと合わせると60パック。こんだけ剥けば欲しいカードは手に入ると思いたいが……パックには魔物が潜んでいる。欲しいレアが全く当たらないなんてこともあるあるだ。最高レアを容易く3枚確保できるなんて思わない方が良い。

 

「けど内容的にはストラクチャーデッキも良いんだよなぁ……」

 

 ストラクチャーデッキとは、40枚の構築済みデッキだ。すぐに使えるデッキを買えるので、運頼りにする必要がないのが嬉しい。デッキのバランスが良いし、何より安い。1つ1000ゴールドジェムで買えるようだ。ウルトラレアも何枚かあるし、超お得である。

 ……どんなデッキでも使えるような汎用カードも数枚あるし、いくつかストラクチャーを買っておくのは全然アリだな。

 しかし……。

 

「……『タイム』テーマのパックもあるな」

 

 種族『タイム』。俺は以前、この種族を持ったユニットでデッキを組んでブイブイいわせていた。いわばかつての相棒だ。

 パックのピックアップ一覧を見てみると、もちろん知らないカードもたくさんあったのだが、俺の相棒とも呼べるカードはちゃんといてくれた。

『時空兵長オーバークロック・ソウトス』。……紙の頃と同じで、変わらず最高レアでいてくれたようだ。また会えたな、相棒……。

 久々に始めたのだから、また『タイム』を握り直してみるか。そして立体化したかつての相棒たちと共にこの世界を旅するのも悪くない。余ったジェムでストラクチャーを1つ買えばバランスのいいデッキが……。

 

 んんっ!? 

 

 

 

 オーバーライトの歴史を飾った美少女ユニットが勢揃い……アイドルカードをピックアップした限定パック『オーバーライト・アイドルズ』……だと!? 

 

 あっ!! このパックサンクチュアリ・ガールいる! 

 サイリウム・プリンセスも! アウトメイジもおる!! 

 

 は、はわわ……なんちゅうこっちゃ……えらいことや……! 

 

 か、か、か、……買わなきゃ!! 

 

 

 

「ふう……パックを買えるだけ買っちまった……」

 

 結果。俺はアイドルカードばかりが封入されたパックに金を全ツッパし、『タイム』もストラクチャーも全く買うことができなくなってしまった。

 い、いや違うんだこれは……俺は絵違いの『サンクチュアリ・ガール』が欲しくてね……。

 ソウトスはまた今度な……うん。紙のころ死ぬほど使いまくったから、まだお休み期間だから……。

 

「……いやー、しかし……ものの見事にアイドル系のカードばかりだな……」

 

 開封しまくったパックの中身は、それは豪華なものだった。

 運良くウルトラレアの『サンクチュアリ・ガール』は二枚当たった。一枚は馴染み深い杖を構えているやつ。もう一枚は絵違いで、お尻がよく見えるやつ。おお……いかんなぁ……これはエッチすぎる……。

 白いフード付きのローブに黒いタイトなミニスカートがまたなんとも……。

 

 アッ! イラスト拡大できるよぉ!? 

 うそやんすげぇ……印刷された紙のカードより美麗やんけぇ……! 

 目つき鋭くてかわいいね……はぁ〜〜〜買ってよかった……。

 

 俺らのオーバーライトやってた古い世代は『サンクチュアリ・ガール』といえば最初期からずっと続くアイドルカードだからな……。

 思い入れが違いますよ思い入れが……。

 

 ……ふう。

 

 さて、衝動的に買い物したけど、問題がひとつ出てきたな。

 

「デッキどうすっか……」

 

 色々な女の子キャラを集めたアイドルパックを剥いた。それに後悔はない。

 問題は、このパックのカードたちの間にシナジーがないということだ。

 

『サンクチュアリ・ガール』はまぁそこそこ強い……っちゃ強い。

 一緒に当たった『サイリウム・プリンセス』も悪くはない。

 けどこれらのカードはそれぞれ別々の性格のデッキに使われるもので、一緒のデッキで活躍できるわけではないのだ。

 

 さて困った。強いデッキが組めないじゃないか……。

 

「……ひ、ひとまずクラリッサさんからもらった初期デッキから使えなくもない汎用カードを抜き出して……あとは美少女カードの中から使えそうなやつを選んででっちあげればいいか……」

 

 ないもんはしょうがないので、紙束と言われようがなんだろうが作ってみる。

 ……えっ!? このアンコモンのカードめっちゃ性能高くない? なにこれ新しいカード? すげぇ……俺の知らない間にカード性能もインフレしてやがる……。

 シナジーは微妙だけど不思議だ……個々の性能が高くてなんだかいいとこまで戦えそうな気がしてきちまう……。

 

 わぁ、『パートタイマーメイド・カッテージ』? 

 君かわいいね……ジト目のメイドは私の性癖に合ってますね……。

 しかも種族『タイム』じゃん! おお……お、俺がアイドルパックを剥いたのはこのためだった……? 

 

 ……よし! 

 

「デッキが仕上がったからには……対戦……するか!」

 

 準備は整った。あとは立体化して戦うこの子たちの……パンツを拝む! 

 

 

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