HUNTER×HUNTERの世界に転移した話   作:安滝 信

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記憶力・・・


12 おじさん、憂鬱になる

 『マッド博士の筋肉増強剤』という望外の幸運に恵まれた忠夫。

強くなった自分を妄想してしばらく浮かれていたがやっともどってくる。

 

(よしこのアイテムを使うことを前提に方針を決めよう)

 

・今日から1週間『マッド博士の筋肉増強剤』を飲む

・並行して【アントキバ】の街をくまなく調べる

・食料確保のためや情報を交換ショップから仕入れるためにお金を稼ぐ

・そのために効率の良い懸賞クエストを探し出す。

 

(たぶん300戸ぐらいは建物があるぞ)

(パッと見ただけでも数十人のNPC住人が広場にいるし)

(街の探索と金策をしていたらあっという間に一週間たちそう)

 

 【アントキバ】は見たところヨーロッパの田舎の街といったかんじで、2階建て以上の建物も結構ある。月例大会の行事表が掲示してある建物などは6階建てはありそうだ。かなりの数の住人が居そうなので、すべての住人に話を聞くだけでも相当な時間がかかるだろう。

 『マッド博士の筋肉増強剤』は1週間飲み続けないといけない、と解説されているのでちょうどいいかもしれない。

 

(それと、忘れてはいけないのが囚人だ)

 

 アナウンスによると、ゲーム開始の少し前にキャラクター役の囚人が着替えて配置されるはずだ。ということは、逆に言えば現在はNPC住人しか存在しないことになる。

 

(1週間のうちにNPC住人の顔を覚える)

(そしてゲームが開始されたときに、見慣れない住人がいるかどうか)

(それを探しださないと)

 

 正直いってかなり厳しい。

 40歳の忠夫。記憶力の低下はまだ感じられないが、学生時代の頭脳には全く届かないだろう。だが頑張るしかない。

 

 記憶力という思わぬ強敵があらわれ、憂鬱な気分に襲われるのであった。

 

(ただ、囚人が配置されるとしたらかなり重要なクエストだろう)

 

 レイザーや海賊役の囚人が配置されていたのはSSーランク『一坪の海岸線』。しょぼいランクのカードには囚人は配置されないだろう。

 

(いや切実にそう願いたいな!)

 

 予想というより願望である。

 

(ゲーム開始前まではそれでいいだろうけど)

(問題はゲーム開始からだな)

(プレイヤーがいつこのアントキバに到着するかわからないけど)

(呪文カードをつかわれたり、襲われたりするとか怖すぎるぞ)

(なるべく関わり合いにならないようにしよう)

 

少なくとも多少強くなるまではこっそりしていたほうが良さそうだ。

 

(それと『本』の形状が原作と違う問題もある)

(ほかのプレイヤーも同じ形なら問題ないが)

 

 『グリードアイランド』が開始された当初は、忠夫が今持っている『本』が主流の形状だった、なら問題は無い。どこかで原作の形にアップデートでもされるのだろう。しかし

 

(自分以外のプレイヤーが)

(原作と同じ『本』だったとしたらかなりまずいぞ)

(他のプレイヤーの前で『本』を出すことができなくなる)

 

 呪文カードの攻撃は、呪文カードの防御でしか防げない。ゲームに慣れたものなら例え1枚もカードを持っていなくても『本』を出す。それにカードの交換を行う際には『本』を出さなければならない。『本』の形状が違うとなれば相当警戒されてしまうだろう。

 

(どこかのタイミングで)

(他のプレイヤーの『本』を見るチャンスが欲しい)

(少し危険かもしれないが)

(『本』を早めに確認しないと厄介なりそうだ)

 

 そして『マッド博士の筋肉増強剤』が効果を発揮した後だが、

 

(肉体がどのように変化するかによるな)

 

 念が使えるようになるかどうか。それによってその後の行動は全く違ってくる。

 

(祈るしかないな)

 

 念能力は願いや感情で効果が全く変わる。

 自分の思いの強さを信じるしかないかもしれない。




※グリードアイランド内で使用したアイテムの効果について
グリードアイランドは表向きはゲーム内に入り込んでいるということになっています。
なので「ゲームを始めるときにジョイステーションに向かって発をした状態」を記録セーブしているのではないか、島から離脱するときは基本的には体の状態をセーブ時点に戻すのではないかと考えました。

ただグリードアイランドが普通のゲームと違うのは
・現実から物質を持ち込める(幻影旅団のシャルナークが石を持ち込んでいる)
・(たぶん)自分が持ち込んだもの以外は持ち出せない
・ゲーム内アイテムや特殊効果は念能力で作られている
・自分の念能力をゲームで使用する(普通のRPGはキャラの技がプログラムされている)
・ゲーム内で修行すると、その効果は現実世界に持ち越せる(ゴンとキルアの念修行)
・ゲーム内で死んだら現実世界でも死ぬ(という説明をしている)
・現実世界と時間の流れが同じ(現実なので当たり前ですが)
・ゲームをクリアしたらゲーム内のアイテムを持ち帰ることができる

つまりグリードアイランドの「アイテム効果による筋肉増加」は現実世界に持ち越せないが、「ゲーム内で自分で修行した成果の念能力の向上や普通の筋トレ効果」は現実世界に持ち越せることになります。

この話の中で忠夫が『マッド博士の筋肉増強剤』を使用して肉体変化を起こしますが、今すぐにゲームをどうにかして脱出していたとしたら『マッド博士の筋肉増強剤』の効果は消失するでしょう。

「ゲーム内で自分で修行した成果の念能力の向上や普通の筋トレ効果は現実世界に持ち越せる」。これを重視してお話を展開していければと思っています。


※余談ですがもともと着ている服が破れたとしてゲーム内で服を購入して着ていたら、現実世界にもどったら裸になるんだろうか、気になります
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