HUNTER×HUNTERの世界に転移した話   作:安滝 信

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アナウンスはイータさんです。
辻褄を合わせるために長くなりました。


2 おじさん、呆然とする

「は・・・?浮いてる・・・?」

 

 煙から飛び出してきた『何か』は浮いていた。

そして忠夫の混乱も収まらないうちに、自動的に表紙らしき部分が開き始めた。

 

(何だ?)

(何が起きてる?)

(浮いてるけど、糸で吊ってるようにも見えないぞ)

 

 そんな忠夫の混乱をよそに、その何かから突然声が発せられた。

 

 

 

「ゲームマスターおよびキャラクター役のみなさまにお知らせです」

 

「先ほどゲームマスターによってゲームがスタンバイ状態になりました」

 

 

(うわ!びっくりした!)

(女性の声?)

 

 

「予定どおり1週間後の午前10時より順次プレイヤーがゲーム内にログインいたします」

 

「各エリアの担当ゲームマスターは、待機エリアに移動してキャラクター役の人数把握のあと、担当エリアに『GM専用アカンパニー』で担当エリアに飛んでください」

 

「ベータテスト時と異なる部分もありますので、ゲームマスターは再度内容を周知し、演技指導を確認してください」

 

「かならず1週間で完了させてイベントに配置をお願いいたします」

 

「キャラクター役の皆様は、担当のイベント内容とキャラクター演技を完璧にマスターしてください」

 

「みなさまの枷(かせ)はキャラクター役の練習時には外されますが、それ以外は再度枷がはめられます」

 

「リリース当日は9時までに順次ゲームマスターによって外され、代わりにギアスがつきます」

 

「詳しくは各エリアのゲームマスターに確認してください」

 

「枷が外れましたらすみやかに指定キャラクターの衣装に着替えてください」

 

「これらの作業はかならずプレイヤーがログインする前までに完了するようにしてください」

 

 

(カセ?カセってなんだ)

 

 

「キャラクター役の皆様は各担当エリアやイベント場所からの移動は禁止されております」

 

「またプレイヤーに対しての行動や言動は指定のロールプレイングに沿って対応してください」

 

「ロールプレイに沿わない内容の行動や発言があった場合や、担当イベント内容を覚えていない場合は厳罰に処されますのでご注意ねがいます」

 

 

(大規模な参加型のゲームイベントなのか?)

 

 

 忠夫は大量に情報を叩きつけられているような気分を味わった。だが大混乱しつつも何とか状況を把握するため、集中してアナウンスを聞こうとする。しかしそんな落ち着こうとする努力も、次の言葉で粉々に粉砕される。

 

「それではみなさま、正式リリースまで1週間を切りました」

 

「『グリードアイランド』のスムーズな運営へ協力をお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は・・・・?『グリードアイランド』・・・?」

 

 

 

 

「いやいやいやいや、まてまてまてまて!!」

 

 指にはまった『指輪』

 煙を出して出てきた宙に浮く何か

 なによりアナウンスが最後に言った言葉

 

「『グリードアイランド』って、ハンター×ハンターかよ!」

 

 呆然とする忠夫。

そんな忠夫にかまわず『何か』は煙と共に消え去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しばし頭が真っ白になっていた忠夫だったが、我に返り猛烈に考え始める。

 

(『グリードアイランド』!)

(しかも正式リリースまで1週間とか言ってたよな)

(もしかしてハンター×ハンターのコンセプトイベントか?)

(それにしては)

 

 左手の人差し指にはまっている『指輪』をじっと見る。

 

(『指輪』と、宙に浮いていた何か)

(たぶん『本』のクオリティが高すぎる)

 

 『本』は忠夫の目の前に突然現れた。普段スマホを見るのと大して変わらない距離だ。そんな近距離から見ても糸で吊っているようには見えなかった。

 

(これがもし手品だとしたら)

(かなり腕の良いマジシャンだぞ)

(もしかしたら・・・本当に・・・?)

 

 ちらりと頭の片隅によぎる考え。WEB小説界隈から流行りだし、今や一大ジャンルと化した物語のシチュエーション。

 

(いやこちとら40歳のおっさんだぞ)

(中二病なんてとっくに終わってる)

(そりゃハンター×ハンターは好きだったけど)

(あの漫画死亡フラグだらけじゃねーか)

(いやそんなわけない)

(ないったらない!)

 

 大いなる混乱、嫌な予感、胸を締め付けるような不安、そしてなぜか若干の期待。

そんな心理状態で忠夫は、いつのまにか指にはまっていた『指輪』を見た。

 

(とりあえず、まずはこれを確認しよう)




つまり1週間後にグリードアイランドが開始になるので、ゲームマスター達はキャラクター役の囚人をつれて担当地域にいって演技指導してね、ってことをアナウンスしてます。


※枷(かせ)・・・手錠のことです。刑務所から死刑囚を雇用しているのでリリースギリギリまで枷がついているのではないか、と。
ゲーム内では手錠がない代わりに念能力でギアス(縛り)があるという設定です。

※キャラクター役に演技指導・・・囚人たちにゲームのNPCとして演技を指導するのは時間かかりそう。それと1人で挑戦するプレイヤーと複数人で挑戦する場合、念能力でルールのスキを突こうとする場合はどこまでOKか。ゲーム難度を個々の囚人の能力によって調整するなど、教えることは多そうです。一週間でギリギリかも。
レイザーがソウフラビで14人の囚人を雇用してましたが、海賊役なら簡単そうですね。

※キャラクター役の囚人について・・・レイザーがソウフラビで14人、レイザー自身も死刑囚なので15人の囚人が一つの街にいるということになります。
グリードアイランドと同じ大きさの北海道には179の市町村がありますが、市の数なら35なので、囚人の数は35×15=525人くらいか?
10年以上外界と遮断された島で生活できているということは(そしてプレイヤーたちの食料も供給している)、食料生産の町があるか、囚人たちが交代で農業などをやっているのではないかと考えています。念能力で何とかしている可能性もありますが・・・。

※主人公の精神状態・・・もしハンター×ハンターの世界に今現在の状態で転移したとしたら、絶望のほうが大きいかなあ。でも念能力にはやっぱりワクワクしてしまうとも思う

グリードアイランドは北海道と同じぐらいの大きさ。
そこに散らばる街やイベント場所から100枚のカードをゲットするって、一つの街にせいぜい1~3枚の指定カードがあるぐらいじゃないと計算あわなそう。
しかもアントキバの月例大会に12枚あるし。あ、景品は指定ポケット以外の可能性あるのか。
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