HUNTER×HUNTERの世界に転移した話   作:安滝 信

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説明回です


27 おじさん、特大情報を得る

 忠夫がマクトアから得られた情報は4つ。

 最初期のプレイヤーの動向、現在のプレイヤー数の予測、『警察』の存在、そしてシソの木周辺のモンスターについてだ。

 

***

 

 『グリードアイランド』が開始された当初、プレイヤーたちは少し混乱した。というのは、やはりゲームソフトを買ったハンターたちの中に、ゲームというものをあまりやったことが無い者たちが結構いたからだ。

 

 そうした者たちは、ほとんどが【シソの木】の周辺にとどまり、ゲームというものに造詣が深い人間から、ゲームについて情報を得ようとしていた。要するにインベーダーゲームぐらいしかやったことない人間が、MMORPGをすぐに理解できなかった、ということだろう。

 

 また、新規プレイヤーがゲームにログインしてくるのも、バラバラと断続的に入ってきていたので、開始から3日間くらいは【シソの木】の周囲はキャンプ地のようだったとのことだ。

 

 三日ぐらいすると【シソの木】の近くの二つの街、つまり北方向約10kmに位置する【懸賞都市アントキバ】と、南方向約10kmに位置する【はじまりの街ルビキュータ】が知れ渡った。

 そんな中でゲームをよく知る者たちが、「最初に行くなら始まりの街でしょ」と言ったことで、まずは【はじまりの街ルビキュータ】に足を運ぶのが定番のルートになっているらしい。

 

***

 

 ゲーム開始1週間の現在、『グリードアイランド』にログインしているプレイヤー数は、60~70人程度ではないか、とマクトアは推測していた。

 ゲームソフト限定100本で、マルチタップを使用すれば、ソフト一本で最大8名までプレイヤーを増やせるとはいえ、今はまだゲームソフトを安全なところに運んでいる最中の者たちもいるし、そもそもゲームソフト自体を警戒して様子見している者もいるだろうとのことだった。

 

***

 

 『警察』は、プレイヤーがNPCに対して違反行為をした場合に出現する”無敵”型NPC。違反の程度によって、数時間~3日もの間、”絶”状態で『牢屋』生活をさせられるとのことだ。

 そういえば原作で、ゴンとキルアが猫のコックさんのお店でお金を払えなくて、『警察』を呼ばれそうになっていた。

 

 なお、3日間拘留されたプレイヤーが何をやったかというと、NPCもカードにできると思って攻撃を加えたとのことだ。強制的に”絶”をくらう警棒で抑えられながら、『牢屋』に連れていかれる姿はかなり情けなかったので、今ではゲームをあまりやってこなかった者たちも気を付けるようになったらしい。もちろんイベントなどでNPCと戦うときは『警察』は出てこない。

 

***

 

モンスターについてはまだまだ情報が出そろっていないが、よく【シソの木】の周辺とまわりを囲む山でエンカウントするのは主に4種類。

 

 街を発見できていなかったハンターたちの胃袋を支えた『シソラビ』。

 『モンスター』のカード化が解除されて一定時間たち、なおかつ料理などに使用せずにプレイヤーが見張っていないときにあらわれる『臆病ハイエナ』と『臆病ハゲタカ』。

 島のいたるところで見られるという『リモコンラット』。

 

 なおモンスターの情報を得るときに、マクトアが『本』を出してカードのイラストで説明してくれたのだが、『本』の形状は原作のゴンたちが持っていたものと同じだった。やはり忠夫が持っている『指輪』と『本』はベータ仕様で特殊なものなのだろうということがわかってしまった。

 今後も他のプレイヤーとカード交換をするのは難しいかもしれない。

 

***

 

「だいたいこんなところかな、対価として大丈夫だった?」

 

「いやーとても参考になりました、ありがとうございます」

 

(『ゲームセンター』の情報だけで、こんなに色々教えてもらえてしまった)

 

「じゃあ僕はまた『ゲームセンター』に行ってくるよ、一週間もビデオゲームをやれなかったからまだまだ全然プレイしたりないんだ」

 

「わかりました、お互いに良い情報を交換できたようで良かったです」

 

「そうだね、また何かあったら声かけてね。昼の12時は情報交換のためにみんな街の広場に集まっているから、僕以外と情報交換するときもその時間に広場に行けばいいよ」

 

 情報交換も無事に終わり、さてこのまま別れておしまいかと忠夫が思った、そのとき。

 今日一番の重大な情報が得られてしまった。

 

 

 

 「いやーしかし、この『グリードアイランド』はケータイもポケベルもつながらないから、()()()()()()()()本当に不便だね。じゃあタダオ氏またねー」

 

 そういってマクトアは挨拶をして去っていったが、忠夫はそれどころではなかった。

 

(連絡手段が無い・・・?)

(『交信』カードは?)

(・・・)

(そうか!!)

(呪文カードを購入できるのは【マサドラ】だけ!)

 

 

 

(つまり誰かが【マサドラ】に到着するまで)

(プレイヤーたちは呪文カードの存在を知らない!!)




呪文カードが存在しなくて、ボマーみたいなプレイヤー狩りもいない。なんて平和な世界。
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