ゲームハンターのマクトアと情報交換をして、いろいろと有意義な情報をいくつも得たはずなのに、最後の最後で特大の情報をゲットしてしまった忠夫。もちろんマクトアにはそのつもりはなかったのだろうが。
(今のグリードアイランドには呪文カードが知られていない)
(これはかなり重大事項だ)
(呪文が無いとどうなるか考えてみよう)
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まずはマクトアもぼやいていたとおり、プレイヤー間の連絡手段がかなり限られてくる。
『交信』カードは3分間だが指定した相手と自由に会話することができるので、これが無いとプレイヤーが散らばってクエストをするようになればなるほど、連絡手段には不自由が出てくると思われる。
:::交信(コンタクト):::
遠距離 通常呪文 Fー200
他プレイヤー1名(ゲーム内で出会ったことのあるプレイヤーに限る)と『本』を通じて会話することができる。(最大3分間。途中で交信を切ることができるのは『交信』を使用したプレイヤーの側からのみ)
実際、先ほどマクトアは、「昼の12時は情報交換のためにみんな街の広場に集まっているから、僕以外と情報交換するときもその時間に広場に行けばいいよ」と言っていた。
つまり連絡手段がないために、情報交換をするためだけに各プレイヤーが待ち合わせをしているようなものなのだ。
(携帯電話が普及する前の時代みたいだな)
当時は駅に伝言掲示板があって、待ち合わせのために伝言を書きあっていた。
余談だが、1985年に連載開始した「シティーハンター」という作品で、主人公の冴羽遼に依頼をする方法は、新宿駅の掲示板に「XYZ」と書き込むことだった。
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次に、プレイヤーの警戒度が格段に下がるだろう。
『グリードアイランド』ではカードを得る方法は大きく分けて3つある。
1、自力探索
2、交換
3、奪う
呪文カードはこのうちの3番にあたる。
呪文カードが知られていないとなれば、プレイヤーたちは自分の探索に集中できて警戒心はかなり薄いと思われる。
その逆に原作の時代のように、攻撃呪文が存在する。それだけでレアカードを持っているプレイヤーは心が休まらないだろう。
なにしろ、攻撃呪文カードは半径20m以内であれば攻撃可能で、防ぐためには防御呪文カードしか選択肢がないのだ。寝ているとき、トイレのとき、買い物のとき、イベントが進んでいるとき。いずれも油断が発生しそうなシチュエーションだが、そういうときにもずっと警戒をしていなければいけない。
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また、呪文カードがないと、会ったプレイヤー同士のネームリストが確認できない。
出会ったプレイヤーの名前を確認する方法は、呪文カードを『本』の最後のページにはめると出てくるネームリストを見ることだが、呪文カードが無ければもちろん確認不可だ。
(あ!)
(そういえば『本』に備え付けの『交信』ボタンがあったな)
忠夫は急いで『本』を出して、コントロールパネルから『交信』を選択してみるが、マクトアの名前は追加されていなかった。
どうやらベータ用の『本』と正規プレイヤー用の『本』はシステムが連動していないようだ。
(あまりプレイヤーにかかわりあいたくはないが、連絡が全く取れないのも面倒だな。しかし、他プレイヤーのネームリストに自分の名前が載らないのは良い点だ。良し悪し両方あるな)
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最後に、ファストトラベルが出来ない。
実はこれが一番の問題かもしれない。なにしろ移動呪文カードが無ければ、すべての場所に歩いて、もしくは走って移動しなければならないからだ。
(つまり移動呪文カードとは、FFやドラクエでいう飛空艇なんだな)
物語の序盤で勇者たちは、歩いたり馬車などで地上を行くしかない。しかしある程度話が進むと飛空艇が手に入ってマップのどこへでも行けるようになる。
『グリードアイランド』も同じように、今現在はまだ地上を行かなければいけない序盤段階、ということだ。
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まとめると
・プレイヤー同士の連絡手段が限られる
・プレイヤーの警戒度が下がる
・プレイヤーがネームリストを確認できない
・移動手段が徒歩(走り)のみ
ということになる。
(もちろん細かく考えていけばもっとありそうだけど、影響が大きそうなのはこんなところかな)
いつ他のプレイヤーが【マサドラ】にたどり着いて呪文を購入できるようになるか不明だ。しかし呪文カードが無いこの状況は、『グリードアイランド』内にかなり平和な環境を作り出していると言える。
忠夫としては、この平和な状況のうちに修行や攻略を進めておきたいところであった。