(そもそもこの世界に来たいと思ってたわけじゃないからな・・・)
忠夫は気が付いたらこの『グリードアイランド』に転移していた。そして、ただのおじさんだった。
チートといえば、原作知識、特質系体質、初めから持っていた『マッド博士の筋肉増強剤』、『隠れ家不動産』という二枚のカードだろう。
始めは『グリードアイランド』という死の危険が多い場所から脱出をするために、ドーピングに頼ったり、がむしゃらに鍛えたりしていた。(まあ鍛えたのは楽しかったからもあるが)
だが、いざ鍛えて島を脱出できることに少し現実味が出てきた今。島を出たあとのことを考えないといけない。
すなわち、このハンターハンターの世界でどう生きるか、だ。
(たぶん元の世界には帰れないだろうし、せっかくなら楽しく生きたいな)
忠夫が考えた生き方は三つだ。それぞれメリットとデメリットがある。
1、原作に積極的に関わり戦いに明け暮れる
ハンターハンターは大好きだった漫画だ。原作にかかわればその世界を存分に楽しめるし、疑似的な神の視点に立って存分に戦えるだろう。だが死の危険性が相当高い。
2、原作には全く関わらずに一般人としてコソコソ暮らす
原作に関わらなければ、つまらない人生かもしれないが死の危険は低い。ただそこら中に死亡フラグが転がっているハンターハンターの世界で、常に突然の死におびえることになるだろう。
”発”は、お金を稼ぐことに特化したものや、危険を予知する能力が生き延びるために良いかもしれない。
3、原作にほどほどに関わり、その他は趣味に生きる
原作にはお気に入りのシーンをこっそり見るときだけ関わる。これなら大好きだったハンターハンターの世界に生きている実感が得られる。それ以外の時は好きなことをして生きる。
これはヒソカや幻影旅団など危険人物に認知される可能性が発生してしまうことを除けばいいかもしれない。
この中で何をモチベーションに生きていくのか、その結論によって欲しい能力は全く変わってくるだろう。
『心度計』を装着してるので、冷静に自分の性格やこれまでの人生で何が楽しかったか、何に興味が無かったのかを分析する。
そして忠夫が出した結論。それは日本にいるときと変わらない生き方に近いもの。
(原作シーンを近くで見学するためにちょっとだけ関わる、その他の時間は趣味にあてようかな)
もともと自らの意志でハンターハンターの世界に来ていない忠夫。そんなに積極的に戦いにはかかわりたくない。かといって原作と全く関係ないところで生きるのもつまらなそうだ。
(そうだ、ハンターハンター世界でやりたいことを書き出してみよう)
やりたいこと、その1
原作の場面を見たり、聖地巡礼をする
せっかくハンターハンターの世界に来たのだ。ゴンや原作キャラクターが動いて、しゃべって、物語を紡いでいくところや、重要な場面の場所を見て回りたい。
ただし、原作介入は基本的にあまりしたくない。残虐なシーンやグロテスクな過去も数多くある作品だが、それを変えてしまうとその後の展開が大きく変わってしまうという事柄が多すぎる。
忠夫はハンターハンターという作品そのものが好きだった。まあ、からまれたりしたら反撃ぐらいはするかもしれないが。
そして、そうした原作シーンを観るためには、気配を消す技だったりある程度の戦闘力が必要だろう。とするとこれから修行する忍者スタイルはちょうどよいと思われた。
やりたいこと、その2
ハンターハンター世界の絶景や不思議な物事を見る
もともと趣味が旅行だった忠夫。これは自分が知らないことや景色を見たいという好奇心から来ていた。残念ながら地球の絶景の全てを見る前に転移してしまったが、このハンターハンター世界には地球以上の絶景や不可思議なことが沢山あるだろう。それを満喫してみたい。
ただ危険も多いだろうそんな趣味を満喫するためには、戦闘力は絶対に必要だ。
この2つのやりたいことをやるために必要な”発”は、戦闘能力と隠密性、そして好きなことをするためにお金稼ぎができる能力。つまりかなり汎用性が高い”発”だ。
そして”発”を創り出すには、とても強い思い入れが必要だ。
忠夫にとって思い入れがあり、使いようによっては万能な汎用性を誇る能力。そんな都合のいい能力に心当たりは1つしかない。
子供時代にはまって見ていた、ゴーストスイーパー美神極楽大作戦のキャラクター、≪横島忠夫≫の能力だ。
(やっぱり”文珠”だな)
やっとタグの【GS美神極楽大作戦】を回収できた