HUNTER×HUNTERの世界に転移した話   作:安滝 信

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47 おじさん、修行二日目2

(紅白バブル鬼ごっこ、難易度上がりすぎぃ)

 

 『バブルホース』のシャボン玉を利用した鬼ごっこで手も足も出なかった忠夫。リーダーと話し合った結果、当分は7歳の子と一対一で鬼ごっこを行うことになった。

 なにしろ、複数の子供たちがフィールドにいると一人の子供を追い詰めても、他の子供たちがわざとシャボン玉を破裂させて忠夫の気を散らせたりするのだ。

 手加減される悔しさはあるが、まずは一人ずつ捕まえられるように鍛えていき、どんどん年齢の高い子供たちを捕まえられるようになってから、改めて複数の子供たちと対戦していくことにしたのだった。

 

 

 紅白バブル鬼ごっこを終えた後は、昨日に引き続き村の周囲などを散策しつつ、山での生活に必要な知恵や食料の確保、毒のある動植物の見分け方などを教えてもらう時間だ。

 

「タダオ様は外つ国(とつくに)からいらっしゃったと伺っております。

 外つ国の生業で”はんたあ”と呼ばれるものがあると聞きますが、彼らは各々の好きなものを追い求めて秘境や過酷な環境に足を運び、何日もその場に留まりながら自分の求める物が手に入るまでじっと待つとか。

 もしタダオ様がその過酷な環境で長い間生き延びてじっと待つ、という技術についても学ばれたいということでしたら、我々の暮らしの知恵程度ではございますがお教えいたしましょう」

 

 そんな言葉と共に開始されたフィールドワークでは、『グリードアイランド』固有の植物の食べられる食べられないだけではなく、『グリードアイランド』の外に出たとしても食べることができる植物などを探す方法を教えてもらうことになった。

 

「まず大前提として、危険な場所に長期間行かれる場合は、できるかぎりその期間を食べつなげる量の保存食を用意しておくことが望ましいです」

 

 忍びのリーダーは話し始めた。そして忠夫の前に穀物やよくわからない丸い塊やかっぴかぴの米の塊(おにぎりというのもはばかられる)、果ては単に草の茎を乾燥させただけにしか見えないものなどを並べる。

 

「われわれ山影の者は、遠征の際はこのような保存食を携帯しております」

 

::玄米::

 精米しない玄米状態だと長持ちする。現地で水の確保と煮炊きが必要。

 

::餅::

 とても腹持ちが良い。カチカチになりカビが生えてくるが、食べるときにカビを削って焼いたり煮たりして食べる。

 

::(ほしいい)::

 炊いたご飯を天日干しで乾燥させて完全に水分を飛ばしたもの。カチカチなのでお湯などでじっくり戻してから食べる。

 

::味噌玉::

 干すか焼いた味噌を竹皮に包んだもの。現地で野草を入れることで、味噌鍋やみそ汁を簡単に作れる。塩分補給としても優秀。

 

::芋茎縄::

 里芋の茎を縄状に編んだ後に味噌で煮込んで乾燥させたもの。通常時は普通に縄として利用して、食料が無くなってくると千切ってみそ汁にして食べる。

 

::灰汁巻::

 糠米を竹の皮で包み灰汁で炊いたちまきのようなもの。灰汁で炊くことでミネラル分などの栄養価も高まり、強いアルカリ成分が雑菌繁殖を抑えて保存性を高めている。

 

::梅干し::

 食べるためではなく、見るだけで唾が出てくるので一時的なノドの渇きを忘れるために持つ。

 

::焼塩::

 焼き固めて黒っぽくなった塩の塊。戦時には通貨の代わりとして使われるほどの重要物資。

 

::兵糧丸::

 そば粉、大豆粉、黒ゴマ、鰹節、煮干し粉、松の実、クチナシ、ハジカミ、ニッキなどを酒やハチミツで練り、蒸して天日に干す作業を繰り返して丸薬にしたもの。即効性があり一日5~7粒で体の回復や疲れた脳の回復に効果がある。

 

::飢渇丸::

 朝鮮人参、長芋、甘草、ヨクイニン、そば粉、小麦粉、糠米粉などを粉末にして酒に浸して乾燥させたもの。疲労回復、ストレス緩和、鎮静、血行促進の効果がある。一日三粒程度で飢えをしのぐことができる。

 

「あらかじめこういったものを作っておいて必要な数を持っていくのですが、長期の遠征や荷物を放棄しなくてはいけない場合、現地で食料を確保しなくてはいけない事態となります。そうしたときのための技です」

 

 そうして教えてくれた技が、オーラ判別法だ。

 

::オーラ判別法 ”毒纏解明(どってんかいめい)” ::

 体内から発生するオーラが毒によって変質したり、出にくくなったりすることを利用して毒を判別する方法。

 調べたい植物などを手の上に置き、静止したオーラでその植物を囲むと人体にとって有毒なものなら、周りを囲むオーラを削ったり変質させたりするなど特有な状態になるので、毒の有無がわかる。ただしとても微弱な反応なので、完全にオーラの流れを静止させていないと変化がわかりづらい。

 植物に限らず人体にとって害があるものなら、人体から発生するオーラを侵すために毒の有無を判別することができるが、かなり集中してオーラをコントロールしないといけないので、落ち着いた状況でしか判別することが出来ない(戦闘中などは不可)。

 

 

「これを利用することで、敵地や全く知らない土地でもある程度の食料を確保することができます。

 私はまだできませんが、” 毒纏解明(どってんかいめい)”を極めるとオーラの動き方や変化の仕方で、痺れ薬の材料や睡眠薬の材料なども判別できるようになるそうです。

 オーラを完全に静止するのは難しい技術ですが、がんばりましょう!」

 

 こうして忠夫は戦闘力だけでなくて、ハンターとしての基礎知識なども学んでいくのだった。




※今って「すいきんちかもくどってんかいめい」じゃないんですよね、むかし覚えたのに。

※保存食について
 史実の戦国時代などの携帯食を参考にしています。
『グリードアイランド』内ならば『食料』カードでなんとかなると思うのですが、ジンがハンター育成としてこのゲームを創ったとすると、駆け出しハンターのサバイバル術としてこういったことを教えることもあるのではないか、と思いました。
 なお本文に書いてある材料は、すべて『グリードアイランド』内で採取できる植物の中で似たような効果があるものに置き換えて作られている、と思ってください。

 ちなみに海外の中世の保存食といえば乾燥パン(ビスケット)、塩漬け肉、チーズ、乾燥豆、雑穀、干し魚、根菜、酒などです。なんかオーラが使えるのなら、保存食も長持ちするような能力がありそうな気がしてきました。こういうのを考えだすと面白い。
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