(【アントキバ】か・・・)
忠夫はその名前にもちろん心あたりがあった。
『グリードアイランド』編でゴンとキルアが最初に訪れる街。
月に一度懸賞付きの大会が開催され、様々な競技で1位になるとアイテムがもらえる。この街とマサドラの街の間で行われた、ゴンとキルアそして師匠のビスケの修行シーンは『グリードアイランド』編でも特に印象に残っていて、とてもワクワクしたものだ。
「どうしたんだい!まったく、花を買わないならとっとと出てっておくれ」
またしてもおばあさんから催促が来る。
(本当にグリードアイランドのキャラクターだったとしたら・・・)
(決められた質問しか答えられないが)
(必要なことなら答えてくれるはずだ)
(そうだ)
「すいません、今は何年何月何日の何時何分ですか?」
「なんだいまったく。ハンター歴1986年12月25日11時5分だよ」
(・・・いやー、これはもう転移確定で行動した方がいいよな)
(さっきからこのおばあさん、ほぼ定型文しかしゃべらないし)
(カレンダーとか時計とか全く見ないで答えたし)
(なにより、ハンター歴!しかも1986年!)
忠夫は改めてグリードアイランドだと思って行動することを決意した。とりあえずせっかく日時が分かったので腕時計を合わせる。
(12月25日の一週間後・・・1月1日だ)
(つまりグリードアイランドは)
(1987年1月1日から開始されるということか)
(よし情報収集の続きだ)
(しかし・・・普通の人間にしか見えないな)
キャラクターだとしたら操作系か具現化系などの人形のはずだ。
改めておばあさんをじっくり観察するが全く違和感がない。服装はゆったりしたどこか不思議な雰囲気があるローブのようなもの。忠夫は海外旅行も趣味なのでいろいろな国にも行ったが、様々な民族衣装が混ざっているような印象を受けた。
そのあと忠夫はおばあさんに色々質問を投げかけてみたが、ほとんど
「わたしゃわからないよ。まったく、花を買わないならとっとと出てっておくれ」
と返ってきてしまった。
かろうじて町の外から花を摘んでくるクエストがあることを聞けたが・・・
(街の外に出るとか冗談じゃない)
(若いときでも喧嘩すらまともにしたことないんだぞ)
(ゴンたちが戦っていたモンスターなんか)
(ちょっとかすっただけで即死だ)
まったくクエストをやる気にならない忠夫だった。そして、ほかに気になること・・・
(やっぱりハンター文字なんだな)
商品ポスターや売り物のカードなど、店内のいたるところに書いてあるそれは、漫画で数えきれないほど目にしたあのハンター文字だった。
(これって実はひらがなの変形なんだよな)
(昔はジャンプで掲載されるたびに解読してたな)
基本的にひらがなの1音がハンター文字の1音に対応しているのだ。文章はいったん全部をひらがなにして、ハンター文字に変換したものなので結構に読めるようになる。
そして文字自体にも法則があり、例えば
あ段は、アルファベットを横にしたり逆さにしたりしている。
※例:「あ」はアルファベットのAを逆さにした「∀」
※例:「な」はアルファベットのNを横にした「Z」
い段は、文字のどこかに「●」がついている
※例:「に」はカタカナの「ニ」の上下の棒の間に●が入っている
う段は、文字のどこかに「U」がついている
※例:「く」はアルファベットの「K」と「U」が融合している
え段は、文字のどこかに「△」がついている
※例:「め」はカタカナの「メ」の右部分が「◁」と融合している
お段は、文字のどこかに「〇」がついている
※例:「そ」はアルファベットの「S」と「〇」と融合し「8」
数字とA~Zはそのまま
もちろん日本語ほどスラスラ読めるわけではないが、少し時間をかければ問題ない。
(当時はテストよりも必死に覚えたからな)
(意外と今でも読めるものなんだな)
(話し言葉は日本語と同じなのに)
しばし思い出に浸ってしまったが
「どうしたんだい!まったく、花を買わないならとっとと出てっておくれ」
おばあさんから催促で我に返る。
忠夫は探索を進めることにした。
※ハンター文字で検索すると色々出てきます。ひらがなを打ち込んだらハンター文字に変換してくれるサイトも。
※ちなみにハンター×ハンターの世界には200種類以上の民族言語があるとされている。
(ヨークシンシティでレオリオが持っていたケータイのビートル07型は、200種類の民族言語翻訳機能付き)
忍者のハンゾーや、俳句を書いて念を発動するバショウは書き文字にも日本語を使っていた。
世界地図にも逆さになった日本列島が描かれていたのでたぶんそこの文字だろう。
主人公がハンター文字を簡単に読めるのはご都合主義かもしれませんが、言語習得にまで時間をかけるとさすがに時間がかかりすぎるのでこのようにしました。