知らない天井は独房でした
歩く、人影の一つもない、彩り豊かな箱庭を
歩く、心地よい壮大な音楽を聴きながら、白い砂浜を
歩く、空を触れそうな、灰色の頂へ至る道を
歩く、穏やかな喧騒に包まれた、鉄の島を
歩く、白銀をかぶった、大樹の下を
歩く、一滴を求めて、数えきれない小粒の上を
歩く、光が流れる、終わりの最中を、
歩く、色あせてしまった、思い出を背にして
歩く、歩く、ただひたすら歩く
それに、根付くべき土はなく、
それが、残す祈りはなく、
それが、目指す
それが、背負う
それが、彩られる事はなく、
ただひたすらに、歩き続けてきた。
物事には終わりがある。世界はただ一つの不変も許さない、
壊れないものを作れない
そこに例外は、無い
映る景色は狭くなり、
抱く温もりは冷え切り、
紡ぐ声はノイズのようで、
世界が低くなる。90度に曲がる。
根付く土はなかったが、返る土はあったらしい。
世界が消える。
ゆっくりと、色を失い、熱を失い、形を失う。
ああ、これで、これ、で‥‥‥
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夢を見た。
ガタンゴトンと聞こえるたびに体に響く振動がどこか懐かしく、心地いい。
窓の外には、綺麗な空が見えた。おとぎ話の空は、こういう物かと思えるくらいに、現実離れした空。
女の子と話した。綺麗で、ボロボロで、笑ってたけど、どこか辛そうで、寂しげだった。
選択を誤ったこと、ある大人のほうが正しかったと悟り、後悔したこと、大事だったのは経験ではなく選択だったこと、責任を負うということ
言葉を交わした時間は決して長くはなかった。だけど、ひどく共感した。してしまった。
でもそれは、起きてしまったことだ
約束をした。オレから言いだしたから、厳密にはお節介だろう。
彼女はひどく驚いて、困惑していた。
なんで貴方がと。
オレは答えた。昔から決まり切っている、その答えを。
夢が覚める。ぼやけてきた。眠たい…‥
まだ、まだ
ああ、そうだ。
まだ、名前も、聞いてn・‥‥‥
意識が落ちる。浮遊感。景色が消える。
何かを感じた。似たようなものはたくさん知っているけど、根本的なものが、かけ離れている。
確かに感じるのは、それがおぞましく、恐ろしいということだけだ。
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「おい、起きろ。いつまで寝ているつもりだ。」
「明るくなるまで……。まだ夜‥‥‥」
寝れるうちは寝なければならない。頭は回らないし、疲れは取れない。何より、変な夢を見たせいか起きる気分じゃない。‥‥‥なんか約束した気がするけど、思い出せない。
ヨシ、日差しが差し込むまでは寝ていよう。もう一回同じ夢を見れるかもしれない。
ということで、グッドスリーピンg
「独房に日差しが入る訳ないだろう‥‥。今は昼だし。」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥はい?」
知らない天井の下りは教会だとか、病院だとか、青空の下で散々やってきたのに独房マ?!
妙に難いと思ったらコンクリの床だったのね。納得納得
飛び起きると、薄暗いコンクリと鉄格子、そして
・‥‥警察みたいな格好してる天使は初見だ。ケモ耳とかトンガリイヤーは知ってるけどこれは珍しい。羽はないけどファンタジーとモダンが融和していて案外違和感ないな…‥
「ジッと見るな!お前変態だな?裏路地で不審者を見つけたというから拘束したが、まさか‥‥」
警官少女の視線が鋭くなり、とんでもない罪状になろうとしている。コレはまずい。
「違うから!その輪っかとか女の子が看守してるとか珍しいなっておもっただけだし。‥‥‥‥というか、ここがどこだか知らないし」
「ヘイローのことか?それに、私はヴァルキューレだぞ?それに、お前、ヘイローがないだと…一体これは…‥」
どうやら、ここではヘイローなる輪っかがあるのは当たり前の様で、ヴァルキューレというのが警察的な組織らしい。
‥‥‥なんか黙り込んでしまった。そんなに浮いてるのかオレは。もしかして相当特殊な所に来てしまったのか?
「ねえ、オレの
手を合わせながら頭を下げてみるが無理みたいだ。おい、そんな目で人を見るんじゃありません。
そもそも持ってこれなかったとか、発見されたという裏路地に置きっぱなし、その前にとられたとかも十分に考えられる。
‥‥…まあ、速攻処分というのもあり得ないだろう。オレも直ぐに出ようとはせずに、取り調べとかで情報を得よう。当分の衣食住も保証されてるようなモンだろうし。
「はぁ。取り合えず事情徴収だな。お前のことを噓偽りなく話しt」
瞬間。ドカン、とすぐ近くの壁が吹き飛んだ。備える間もなかったため、飛んできた破片や音にやられる。耳鳴りはするが鼓膜は破れていない。破片も、コートが防いでくれたおかげで大したことはない。
「痛…‥おい君!大丈夫か?」
オレは鉄格子とコートのおかげで何ともないが、彼女はそうはいかない。しかし…‥
「?!?‥‥‥こんな至近距離で!?」
ほぼ無傷。出血すらなく、手足が少し赤くなっているが重症ではないと一目でわかる。異常だ。
今の爆発で鉄格子がゆがんだようだ。どうにか潜り抜けて少女の状態を確認するが痛むのか、眼をつぶり苦悶の表情を浮かべている。
「…‥!!!」
爆発で空いた穴から何かが飛び出す。砂煙でよく見えなかったが、あれが犯人だろう。
「ごめん。オレは犯人を追いかける。すぐ戻るから。オレの武器は?」
人の事は言えないだろうが、ああいうのを見ると首を突っ込みたくなってしまう。それに、こんなところを吹き飛ばすのはテロリストの類だと相場が決まっている。テロリストを野放しにしてよかったことは一度もない。
少女はほんの少し悩むように沈黙して、細く目を開けて小さな声で呟く。
「今、穴空いた部屋‥‥保管庫‥‥入口の近く‥‥」
「!!!‥‥‥‥‥ありがとう」
ライについての設定等も要望があれば後書きで書くつもりです。