知らない天井は独房だった。   作:鋼蛙

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知らない間に、知らないところで、知らない人に

「洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い……」

 

「‥‥‥えーと、ライ、大丈夫?」

 

「‥‥‥先生、この方が例の?」

 

「うん…‥‥」

 

 

 

「これは・‥‥やりすぎじゃない?」

 

「そうでしょうか?いつもと同じなのですが・‥‥まさかこうなるとは…‥」

 

「‥‥‥‥‥美食研究会や温泉開発部にも効果はあるのでしょうか?」

 

「やめておいた方がいいかと思いますよ。いくらゲヘナにもお勧めできません。」

 

 

 

「ライ?おーい、もしもーし」

 

「洋楽怖い洋楽怖い洋楽怖い‥‥‥もう洋楽は嫌なんです、お願い勘弁してお願いしますお願いします‥‥」

 

「分かったから!洋楽はないから、リンちゃんが私たちにお話があるんだって、ね?」

 

「誰がリンちゃんですか‥‥はじめましてライさん。連邦生徒会行政官の七神リンです。お話があるので来ていただけますか?」

 

「あ、ハイ。初めましてライです。」

 

「唐突に正気に戻った…‥‥」

 

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移動中に先生と行政官から一応の説明を受けた。

 

トップである連邦生徒会長の失踪、行政権の喪失と治安の悪化、それを解決すべく選ばれて外から来た先生、シッテムの箱という凄い端末、ワカモが七囚人と呼ばれる中々いない凶悪犯罪者であること。

 

「…‥‥‥色々と不味くない、ここ?」

 

「だからこそ、会長は先生と・‥‥ライさん、おそらく貴方もお呼びしたのでしょう。」

 

「呼ばれた?オレが?覚えがないんですけど‥‥‥」

 

「実はさ、私もよく知らないんだよね…‥‥」

 

廊下を暫く歩いた後、エレベーターに乗る。暗い密室が無言だったのは時間にして数秒だっただろう。

 

行政官がこちらを向く。その表情は先程よりも柔らかいものに見えた。それ以上に、

 

 

「すみません、言い忘れていました。」

 

 

ガラス越しの小箱から見える、その景色が、

 

 

「キヴォトスにようこそ、ライさん。」

 

 

 

壮観で、ひどく懐かしくて、目が離せなくなった。

 

飛行機から見下ろすのとはまた違う視点。しかし、それがどうした。もう見ることが無いと思っていた街並みが、この目に映っていることがたまらなく、嬉しい。

 

透き通るような青空にヘイローとやらに似たものが見えるが、まあ、そういう場所なのだろう。

 

 

「綺麗な街だよね。私も今日が初めてだけど、本当にキレイだ。」

 

「…‥‥‥‥‥‥ああ。」

 

 

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先生とオレが行政官に案内されたのは、上階にある誰もいないオフィス。

 

連邦捜査部”シャーレ”。行政官の説明によると、キヴォトスのどんな学園の自治区にも自由に出入りでき、所属に関係なく、希望する生徒を部員として加入させることが出来るといった、とんでもない権限があるが、目標がなく、基本的には顧問である先生の裁量でやりたい事をやっていいという、ツッコミどころ万歳の組織らしい。

 

連邦生徒会長の失踪により、キヴォトスの行政を担う連邦生徒会は余裕がなく、支援物資の要請、環境改善、落第生への特別授業、部への支援要請などなどを、時間が有り余っているシャーレに解決してほしいとのことで、連邦生徒会の余裕のなさか、先生への信頼か、キヴォトスの治安や問題の深刻さか。それを示すように、机の上には結構な量の書類がおいてある。

 

 

「…‥‥これ、一人でやる量じゃないだろ。」

 

「シャーレが活躍すれば、部員が増えて楽になるかもしれませんよ?」

 

「その分仕事も増えるものだと思いますがね‥‥‥」

 

横を見やると、先生が苦笑いして「大丈夫、私は大人、私は先生」とかブツブツ言っている。

すんごく面倒くさそう‥‥‥‥まあ、オレが手伝うわけにもいかないしね。

 

「頑張ってくださいね、先生。」

 

「何を他人事みたいに言っているんですか?」

 

「他人事もなにも、オレは先生どころか大人ってわけでもないし、生徒でもないから…‥‥‥」

 

第一、一回捕まっているので戻らないといけない気がする。

 

 

 

 

 

 

「ライさんは、連邦生徒会長の推薦によりシャーレの”特別捜査部員”として推薦されております。」

 

「…‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥…‥‥‥‥‥‥はい?」

 

「業務としては、部員としての活動の他、先生の護衛や代理としての業務になります。」

 

「待て待て待て、勝手に話を進めないでくれ。」

 

「…‥‥‥連邦生徒会長からの封筒が渡されているはずですが?先生にも同様の物が渡されています。」

 

「もしかして、ヴァルキューレに拘束されたときに没収されたんじゃないかな?」

 

「…‥‥何故、先生と一緒に来なかっただけでなく、捕まっているんですか…‥‥‥‥‥

 とりあえず、ヴァルキューレの方に確認するよう連絡します。少々お待ちください。」

 

 

 

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「先生!サンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会が取り戻したことを確認しました。」

 

先生と建物を出ると、ユウカ、スズミ、ハスミ、チナツ、だったか?先生の指揮下に入っていた4人がいた。おそらく先生を待っていたのだろう。

 

 

「ワカモは自治区に逃げたようですが、じきに捕まるでしょう。後は、担当者に任せます。」

 

「後は、ライさんの事ですね。」

 

「先生、その人はどうなるのでしょうか?やはり、ヴァルキューレに引き渡しでしょうか?」

 

「いやー、それがですね…‥‥」

 

「彼も、連邦生徒会長が連れてきた人だったみたいだよ。手違いがあったみたい。」

 

「という事は、この人も大人…‥なのでしょうか?」

 

「大人ではない、と思う。同い年くらいの扱いでいいよ。」

 

まあ、成長してる気はしないし、嘘でもない。

 

「てことで、私も彼もキヴォトスで色々とお世話になるだろうから、よろしくね。」

 

「そういう事なら、分かりました。」

 

「シャーレの活躍はキヴォトス全域に広がるでしょう。すぐにSNSで話題になってしまうかもしれませんね?」

 

「みんなお疲れ様。」

 

「これでお別れですが、近いうちに是非、トリニティ総合学園に立ち寄ってください。先生。」

 

オレにはないの?冷たいな‥‥‥

 

「ライさんもよろしければどうぞ。歓迎いたします。」

 

スズミは会釈しながらオレにも声をかけてくれた。君も同じ学園なんだ‥‥‥‥所属で制服が違うのか?あと、洋楽の事はまだ許さないからな。

 

「私も、風紀委員長に今日の事を報告しに戻ります。ゲヘナ学園にいらっしゃった時は、ぜひお尋ねください。お二人とも、怪我には気を付けてくださいね。」

 

「ミレニアムサイエンススクールに来てくだされば、またお会いできるかも?先生、ではまた!ライ君も元気でね!」

 

 

 

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4人を見送った後、先生とオレはキヴォトスでのや口座などの手続きやしょうもない雑談で時間を費やした。本格的な業務は研修も兼ねて明日からという事になり、今日のところはシャーレで寝ることになった。先生は気にしないと言っていたが、流石に初対面の男女が同じ部屋で寝るのは色々と不味いので、こっそりと移動させてもらう。オフィスのソファで十分だろう。

 

「‥‥‥‥‥‥大丈夫、だな。」

 

こっそりと様子を見ると、流石に疲れたのだろう。よだれを垂らしてぐっすりと寝ている。警戒心や緊張は感じられないし、この手の訓練を受けた動きもない。

 

「本当に、普通の人、なんだな。」

 

なにせ今日だけでも銃をぶっ放し撃たれても死なない女子高生ばかりだったから、余計にそう感じるし一抹の安心感も、不安感も覚える。

 

…‥‥‥‥先生、か。

 

「おやすみ、先生。‥‥‥‥当分、よろしく。」

 

 

 




次回から対策委員会編入ります。
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