知らない天井は独房だった。   作:鋼蛙

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アクアリウム

「…‥‥それでは、アビドス対策委員会の定例会議をはじめます。」

 

ホシノ救出から暫くがたった。

 

あれから、シャーレによる対策委員会の公認化とアビドス生徒会としての機能の受託、紫関ラーメンの屋台としての再開、カイザーローンの不法な金融取引の発覚による連邦生徒会からの調査、カイザー理事の解雇に指名手配、利子の大幅な利下げ等、様々な事を経て、アビドス高校は再び慌ただしい日常を取り戻していた。

 

アビドス生徒会長の空席、相変わらずの約9億円の借金、カイザーのものになったままの土地、黒服の正体等、未だ多くの問題は残ってはいるが、アビドスの復興に向けて少しづつ、確実に近づこうとしている。

 

「ここしばらく色々な事がありましたが、最終的に借金が減ったわけではありません。」

 

「でも、毎月支払う利子はかなり減った。」

 

「そうだね~せっかく負担が減ったことだし、ちょっとゆっくり昼寝でもしない?」

 

「うんうん!このところすっごく忙しかったですし、のんびり過ごすのは大賛成です!」

 

2,3年生は折角できた余裕を、安息の為に使いたいらしい。しかし、

 

「何を言ってるの!!少しは余裕ができたかもしれないけど、そんな事をしてる暇なんて無いんだから!」

 

「セリカちゃん‥‥‥。」

 

「対策委員会の会計担当として言わせてもらうけど、今もまだ私たちは危機の真っただ中にいるの!余裕なんて全然無いの!」

 

「う、うん‥‥‥‥。」

 

セリカはそんな余裕はないと言う。正論だ。借金を返済し、アビドスを復興するその時まで、対策委員会は決して暇だとは言えない。()()()()()彼女の意見は現実的だった。

 

「と言う訳で、最新のトレンド情報を調査してきたわ!これ、何なのか分かる人いる?」

 

そう言ってセリカが笑顔でカバンから取り出して見せたのは、

 

「えっと…‥‥パソコンの部品?」

 

「これはグラフィックボードって言うんだけど、これでスキャンコインっていう仮想通貨を採掘するの!仮想通貨って言うのは…‥‥‥」

 

「「「「 …‥‥‥‥‥‥。 」」」」

 

「な、何!?何でみんなしてそんな、生暖かい目線で見てくるの!?」

 

「セリカの詐欺話はさておき、もっといい方法がある。これを見て。この経路で建物に侵入すると____」

 

シロコが地図や見取り図を出しながら堂々と犯罪計画の説明をしようとする。もちろん、そのまま言わせる事すら許されるわけもなく、

 

「どっちも却下~。」

 

ホシノがセリカとシロコ、両方の案を取り下げさせる。

 

「な、何でよ!?」

 

「ん…‥‥‥‥。」

 

「二人とも、そんな顔してもダメだと思います…‥‥‥。」

 

「また先生とライさんを困らせてしまいますよ?」

 

「「 …‥‥‥‥。 」」

 

「でも、そうですね‥‥‥‥‥。少しくらいはゆっくりしたいかも……‥‥。」

 

「あ、アヤネちゃん!?」

 

「でもどうしましょう?お昼寝も良いですけど、どうせなら楽しい事がしたいですね。」

 

「そういえば、前に先輩が水族館に行きたいって言ってた気が…‥‥。」

 

「あ、それ私も覚えてる!なんかお魚‥‥‥うへーって感じで。」

 

「二人ともよく覚えてるねー。水族館かー…‥‥お魚さんがいっぱいだぁ~・‥‥。」

 

「だからそんな歳離れてないでしょって‥‥‥‥。」

 

「でも、いいかもしれませんね。」

 

「ん、異議なし。」

 

「じゃあ、今度の休みは、みんなで水族館に行きましょう!」

 

「し、仕方ないわね‥‥‥‥。」

 

「うへぇー、みんなが行きたいって言うんなら仕方ないな~。」

 

「ふふふ♪」

 

「何よ意味深に…‥‥‥‥あ、そうだ。折角なら______」

 

 

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____

 

「‥‥‥‥水族館、か。」

 

電車の中で揺られながら外をみて、無意識に言葉が漏れ出る。水族館…‥‥というかレジャー施設の類が久しぶりだ。

 

「楽しみだね。」

 

そう笑顔で話しかけてくるのはシャーレの同僚であり、事実上の上司である女性、”先生”。

 

「…‥‥‥そうですね。結構久しぶりだし。」

 

「それにしても、まさかアビドスの皆から誘ってくれるなんてね。」

 

相変わらずバカみたいな高さの書類の山を先生と片づける最中に、いきなりお誘いの連絡が来て、それを先生が二つ返事で返したもんだから、死ぬ気でデスクワークに励まなければならなかった。その甲斐あって今日この日を迎えることが出来たのだが。

 

 

電車を降りて少しばかり歩いていると、クジラの尻尾を模した大きな建造物が見えてくる。思った以上に大きな施設の様だ。

 

「‥‥‥あ!先生~、ライさ~ん!!」

 

入り口の前でノノミがこちらに手を振っているのが見えたので、片手を上げながら小走りで合流する。他の面々もいるようだ。

 

「みんな、久しぶりだね!」

 

「ごめん、遅れた。」

 

 

「いえ、私たちも着いたばかりだったので☆」

 

「おはようございます。先日の件は本当にお世話になりました。」

 

「気にしないで。それが私の仕事だから。」

 

「揃ったなら早く行きましょ!ほら早く!」

 

「あ、セリカちゃん!」

 

セリカが見るからにワクワクした様子で真っ先に駆け出していき、他のみんなもそれを追いかけていく。

 

「‥‥‥‥‥。」

 

「ライ君どうしたの?ぼーっとしてたら置いてかれちゃうよ?」

 

「‥‥‥‥‥‥ああ。オレ達も行こうか。」

 

 

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「「「「「「 わあぁ…‥‥‥!! 」」」」」」

 

「凄いな…‥‥‥‥‥。」

 

感嘆の声を上げる彼女達やオレがいるのは、無数の魚が泳ぐ水槽を突き抜けるように通路が設けられた水中トンネル。頭上の水槽の上から日の明かりが照らされ、まるで海中を散歩しているような体験が出来るのが売りの、大きな水族館には結構あるイメージの設備?スポット?だ。

 

「海の中にいるみたい…‥‥‥‥。」

 

「うへぇー!!お魚さんだぁ……!」

 

「あ!ねえねえ、あそこにサメもいるよ!」

 

「え?どこ…‥‥‥うわぁっ!?」

 

セリカがアヤネの手を引きながらサメの所まで走っていく。

 

「あんまり騒いで他の人に迷惑かけないでねー。」

 

 

 

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___

 

 

 

「あはっ、なんかパクパクしてる。」

 

 

セリカとアヤネが水槽越しに魚を興味深そうにじーっと観察している。普段から二人とも真面目な文、純粋に水族館を楽しめているのだろう。

 

「呼吸してるのかな?」

 

「たぶん‥‥‥‥。」

 

「お魚さんはねー、水を取り込んでエラから酸素を取り込んで呼吸してるんだよー。だから水から出ちゃうと呼吸が出来ないんだよー。」

 

「「 へえー‥‥‥。 」」

 

「…‥‥‥‥あ、この魚長いひげが生えてる。」

 

先生が指さしていた赤い魚。確か…‥‥‥‥

 

「…‥‥‥‥‥オジサン?」

 

「え?おじさん?」

 

「いや、ホシノは呼んでない…‥‥‥‥この魚がオジサンって言うんだ。美味いぞ。」

 

「いやぁーおじさんが美味しいなんて、照れちゃうなー…‥‥‥‥。」

 

「いや、だから魚の話しだからな?」

 

 

___________

 

________

 

_____

 

先程の明るいトンネルや展示室とは打って変わって、暗い部屋に入る。

 

暗い部屋を照らしているのは、電灯の類ではなく、水槽の中を悠々と泳いでいるクラゲが放つ独特の光によるものだ。

 

「すごいね。生き物がこんな風に光るなんて…‥‥‥。」

 

「だよねー先生。この子たち自分で光ってるんだよ。」

 

「でも、どうやって光ってるんだろう?」

 

「まあ、難しい理屈は置いておくと、敵から身を守ったり、追い払ったりする為なんだってー。」

 

「でも、綺麗なもんだな…‥‥‥‥。」

 

”私、クラゲになりたい!”って言ってた奴を思い出す。今思えばフワフワしてて妙に目立ってたし、クラゲっぽかったかも……‥‥‥‥。

 

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_______

 

_____

 

 

「見てみてー!すっごいカラフル!」

 

熱帯魚が展示されているエリアに来た。現地でもなければ、滅多にお目にかかれないカラフルな彩の魚たちは中々面白いものだ。

 

遭難して無人島生活をした時を思い出すなぁ‥‥‥‥‥。

 

懐かしい思い出を振り返っていると、セリカとホシノがオレンジ色の魚の群れを見ている。

 

確か‥‥‥‥‥‥クマノミって名前だったか?

 

「この子たち、」

 

「すっごくかわいい!」

「おいしそう~。」

 

「「 ‥‥‥‥‥‥ん? 」」

 

「ホシノ先輩!?何を言ってるの!?」

 

「え?でも美味しそうじゃない?」

 

「…‥‥‥‥でも、これだけの量を持ち帰れたら、いや、アビドスでも育てられたら、食費が浮く!」

 

「たっ、確かに!」

 

シロコがまたとんでもない事を言っているかと思えば、アヤネもか…‥‥‥。

 

「本気で言ってるの…‥‥‥‥‥‥。そうだ。」

 

セリカがジト目になったかと思えば、先生の方にやけに真剣な顔で向く。

 

「先生は、この子たち美味しいと思わないよね!?」

 

「いやいや、美味しそうに見えるよねー?」

 

「えっ、わ、私は…‥‥‥‥どっちの考えもあっていいと思うなー‥‥‥ははは…‥‥‥‥。」

 

いきなり矛先を向けられた先生は、やはり生徒の考えをどちらも否定したくないからか、何とも言えない事を言いながら顔が引きつっている。

 

「もう‥‥‥‥ライはどうなの!?美味しそうなの?美味しくなさそうなの?どっちなの!?」

 

「え、オレ?強いて言うなら美味しそうには見えない…‥‥‥‥でも食えない事はなかったぞ。」

 

「「「「「 …‥‥‥‥‥‥え? 」」」」」

 

「え?」

 

「ライさん、食べたことがあるんですか!?」

 

「うん、あるけど‥‥‥‥‥。」

 

「本当に何してたのよアンタ‥‥‥。」

 

「あ、あの黄色い魚はうまいぞ。あの赤いのも結構いけたな…‥‥‥‥。」

 

「ライ、もっと詳しく。」

 

「食べようとしてんじゃないわよ!」

 

 

______________

 

________

 

_____

 

広い館内を色々と楽しみながら歩きまわった。

 

イルカショーやアザラシ、ペンギンの散歩、餌やり体験など、水族館を思う存分に楽しんでいると、一番大きくて深い水槽の部屋に入る。

 

「すごい‥‥‥‥‥‥‥‥。」

 

「わあ、おっきいですね…‥‥‥‥‥‥。」

 

一際目立つのは、大きなクジラ。他の魚も同じ水槽にいるのだが、その存在感に思わずクジラに目がいってしまう。

 

「うわぁ‥‥‥‥‥!!」

 

先生や後輩たちと同じくらい、いや、それ以上に目を輝かせているホシノを見ていると、カイザーと戦った意味も甲斐も十分にあったと思う。もし、ホシノを救出できなかったら、彼女は今頃どうなっていたのだろうか?

 

生きていたか?死んでいたか?それとも…‥‥‥‥‥。

 

「…‥‥‥‥‥。」

 

自然と足が止まり、みんなに置いて行かれてしまうが、そのまま物思いにふけていく。

 

キヴォトス最高の神秘、神秘の裏側、恐怖、ミメシス、カイザーの探していた宝物。

 

分からないことだらけ、問題だらけの現状についため息が出る。

 

「今までとは違って、知らない間に就職してるしな‥‥‥‥‥。」

 

コートの左袖に通されたシャーレの青い腕章に手を伸ばす。気づいたら知らないところにいたのならまだしも、独房にいたし、何時の間に立派な仕事を手に付けているし‥‥‥‥‥‥。

まだまだ苦労は多そう_______。

 

 

「__________イ君、ライ君。」

 

「えっ…‥‥ああ、ホシノか。」

 

いつの間にかホシノがコートの袖を握りながらオレの顔を下から覗き込んでいる。オレがいないことに気が付いて、呼びに来たのだろうか?

 

「どうしたの?もしかして体調悪い?」

 

「大丈夫だよ。少し考え込んじゃっただけだ。さて、急がないと‥‥‥‥。」

 

「ねえライ君。」

 

「ん?どうした?」

 

「‥‥‥‥私、こんなに楽しんでていいのかな?」

 

「え?何で…‥‥‥。」

 

「ライ君も先生も必死に言ってくれたのに、私が勝手なことしたからアビドスが大変な事になって、皆に迷惑かけた……‥‥。なのにさ、こんなに楽しいことしてていいのかなーって。」

 

水槽に手を当てながら静かに言葉を紡ぐホシノ。

 

「…‥‥‥‥慰めるつもりはないけど、遅かれ早かれ、カイザーはアビドスに侵攻していただろうし、オレが君の立場でも同じ選択をしたかもしれない。結果的に、アビドスは復興に向けて確実に一歩踏み出したんだ。それは、皆が頑張ったからなんだ。だから、ホシノだって楽しんでいい。だって学生なんだから。」

 

「…‥‥‥‥そっか。そう、かな。」

 

「ああ。学生らしい事をしていいんだよ。オレが保証する。」

 

「ふふっ。いいの、そんな事言っちゃって?ライは大人じゃないでしょー?」

 

「それでもだ。二言はないよ。」

 

「‥‥‥‥‥‥っ。もうー、そんな事言っちゃってさー。おじさんじゃなかったらどうなってたことやら~。」

 

「‥‥‥‥‥どうなってたんだ?」

 

「うへぇ!?そ、それは‥‥‥‥‥ほら、その…‥‥‥‥。」

 

 

「ホシノ先輩!ライ!何してるの?」

 

「セリカ。どうし___」

 

「どうしたじゃないわよ!!ほら!ホシノ先輩も!イルカショーが始まっちゃう!」

 

走って来たセリカホシノとオレは腕を掴まれて引っ張られる。

 

「もう…‥‥いつの間にどこかに行ったかと思えば…‥‥‥‥二人で何話してたのよ‥‥‥‥。」

 

「そ、それは‥‥‥‥‥‥。」

 

「これからも、シャーレに頼っていいんだよって話だ。」

 

「何それ…‥‥‥‥?」

 

 

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_________

 

______

 

 

「イルカショー凄かったですね!」

 

「ん。凄い水しぶきだった。」

 

「そうですね‥‥‥あ、ライさん、大丈夫ですか?」

 

 

「‥‥‥‥‥ああ。大丈夫だよ。」

 

「まさかライだけかかるなんてね…‥‥‥‥‥。」

 

あの席は水しぶきがかからないはずだったのに…‥‥‥‥‥。

 

コートはともかく、髪とシャツがずぶ濡れだ。

 

 

「え、えーと、これでこの水族館は全部回ったみたいですね。」

 

「あとは、グッズショップだけ。」

 

「でも、何を買いましょうか…‥‥‥‥。」

 

「今日は、私が買ってあげるから好きなのを選んでいいよ。」

 

「え!本当に!?」

 

「本当だよ。」

 

「先生!?」

 

先生の近くにいき、こっそりと確認する。

 

「アンタ、新作のフィギュア買ったって言ってなかったか?あとユウカに言ってないだろ!?」

 

「大丈夫大丈夫。ユウカにはちゃんと言っておくし…‥‥‥ね?」

 

「そこまで言うなら‥‥‥‥‥‥。」

 

 

___________

 

_______

 

____

 

「これ可愛い…‥‥!」

 

「この缶クッキー、お茶菓子にいいかも…‥‥‥。」

 

「うへぇー!このくじら、抱き枕にいいかも~‥‥‥。」

 

ぬいぐるみ、キーホルダー、お菓子など、各々が気になる物を見ている。にしても結構品ぞろえがあるんだな…‥‥。折角だし、オレも何か買おうかな?

 

「ねえ、みんな。」

 

「どうしたの、シロコ?」

 

シロコが指を指していたのは銀色の置物。棒でつながったイルカと球がシーソーのよう釣り合っている、なんとも形容しがたいがおしゃれな感じのものだ。

 

「みんなで、これを買わない?」

 

キーホルダーとかじゃなくて、置物をお揃いで買うのか?女子高生って結構そんなものなのか?

 

「素敵ですね♪」

 

「いいんじゃない?」

 

「いいねぇ~。」

 

「これはこれでアリね。」

 

結構いい受けだな…‥‥‥‥女の子よく分からねえ……‥‥‥。

 

「先生とライもどう?」

 

「え?私たちも?」

 

「‥‥‥‥‥‥オレも出しますよ。」

 

「じゃあ…‥‥‥ライ、レジまで持ってくの手伝ってくれる?」

 

「了解。」

 

 

____________

 

_______

 

____

 

「いやー楽しかったねぇ~♪」

 

「先生、ライさん。今日はお付き合いいただいてありがとうございます。」

 

「気にしないで。お陰様でリフレッシュできたよ。」

 

「たまにはいいな。水族館。」

 

こういうレジャーも時には必要なのかもしれない。何より、彼女たちが心から楽しんでいるのを見て、シャーレで仕事してキヴォトスで生活するやりがいを感じることが出来た。

 

「では、このまま解散する前に、記念に写真を取りませんか?」

 

「ん、早速取ろう。」

 

「んじゃあ、えーと…‥‥‥‥‥そこの君!カメラを頼みたいんだけど‥‥‥‥‥。」

 

そこら辺を歩いていた生徒にカメラを頼んで、外のクジラのオブジェの前で写真を取る事に。右から順に、先生、シロコ、ノノミ、ホシノ、セリカ、アヤネ、オレで並ぶ。

 

「んー、黒コートの方もう少し内側に詰めてくださーい!」

 

「でしたら、ライさんはセリカちゃんとホシノ先輩の間あたりでいいんじゃないですか?顔もちゃんと見えると思いますし‥‥‥。」

 

「そうか?じゃあ…‥‥‥。」

 

「はい、良い感じです!じゃあ行きますよー!」

 

えーと、写真の時のポーズってピースと敬礼以外になんかあったっけ?みんなピースみたいだし、オレもピースで…‥‥‥‥‥。

 

ん?なんかホシノがセリカの方を怪しい眼で見ているし、重心が低い‥‥‥‥‥‥?

 

「うへへへ…‥‥‥‥‥」

 

「はい、チ___」

 

「とりゃああああ!」

 

「うわっ!?」

 

ホシノがセリカに抱き着こうと、瞬時に飛び掛かるが、それに驚いたセリカがバランスを崩す。

 

「危なっ___」

 

後頭部をぶつけるのを防ぐべく、セリカの後ろに踏み込みながら片腕で抱える。幸いにも倒れこむことは無かったが…‥‥‥オレとセリカの位置が変わったため、結果的にホシノが飛び掛かったのは…‥‥‥‥‥。

 

「‥‥‥‥‥‥‥うへ?」

 

 

「___ズ!!‥‥‥良いですよー。アツアツでいいですねー!!!」

 

「…‥‥‥えーと、ごめん。」

 

「わ‥‥‥わわわ…‥‥‥‥‥‥!」

 

「えーと‥‥‥‥‥‥‥これは、その‥‥‥‥‥‥‥。」

 

「‥‥‥‥‥‥‥もう一枚撮ってもらおうか。」

 

 

 

 

 

その後、彼女たちの自宅には、お揃いの置物と写真が飾られたが、1人だけ少し違う写真を飾っていたという。

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