知らない天井は独房だった。   作:鋼蛙

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道を聞いたらトラウマ蘇ったり色々やばくなった

先生から遭難報告を受けてから丁度一日。出来る限りの用意をして電車に乗って来たのはいいが、本当に誰もいない。外郭部にはそれなりに店もあったし水族館もあるらしいが、校舎があるという中央に行けば行くほど人は減り、終着駅についてからは誰とも会っていない。

 

先生に連絡を取るも、砂まみれの市街地以外の情報がまるでない。しらみつぶしに歩いては見たが広いし、分かりづらいし、あっという間に夜になるし。仕方ないだろ、ミイラ取りがミイラになる訳にもいかないから、うかつに動けないんだよクソッタレ。

 

 

「誰かいませんかー!先生ー!‥‥‥‥‥はあ、暑い‥‥‥」

 

先生はシッテムの箱のリソースさえあればバリアで身を守れるが、オレにはそんな便利グッズはないので、冷え込む夜はともかく、昼間も真っ黒な防弾コートを着ているしかない。キヴォトスの女子高生達、思った以上に引き金軽いみたいだから外にいる限りは流れ弾の心配をしなくちゃならない。眼も肌も痛くなってきた。フード被ってマスク付けよ・‥‥

 

「…‥‥‥‥‥‥流れ弾じゃなくて、暑さで死んでるかもな。」

 

人間は食べずに一週間、飲まずに三日たつと死ぬ。ましてや先生は身一つであり、こういった事に慣れていない事を考えると、より体力を奪われているだろう。夜は寒かっただろうな‥‥‥‥。

 

 

第一、アビドスに行ったってことは、少なくとも場所は調べようとしてどんな所なのか少しは分かったはずだよな?そういうのはアロナが秘書としてしっかりやるべきだよな?そもそも、なんでオレ詳しく聞いておかなかったんだろ?

 

‥‥‥‥ああ、ムカついてきた。今背負ってるリュックとか水とか食料とかエトセトラ結構したぞ?経費で落ちなかったら出させるからな?死んでたら生命保険から引かせてもらうし、そうでなくても何かしらやらせるからな?

 

腹が立ってきたが、周囲への警戒と先生探しは怠らない。素人じゃないんでね、キッチリやってやりますよ。‥‥‥‥‥?

 

「…‥‥足跡?」

 

それもできたばかり、それなりの集団が歩っていったものだと推定できる。そして、人影のない砂まみれのゴーストタウンで集団が行きそうなところ。人がいるところには居られない犯罪組織の拠点、隔離されている何らかの施設といったものが思い浮かぶが、ここが何処なのかを考えると、

 

「…‥‥‥‥‥‥‥学校。だとしたら、」

 

先生がいるかも知れない。いないとしても、生徒の方が土地勘もあるし、手伝ってくれるなら、1人で探し回るよりも効率的だろう。学校でなくても、何かしらの情報が得られる可能性は十分にある。

 

「…‥‥行こう。」

 

砂が跡を消してしまう前にたどり着くべく、小走りで足跡の主たちを追いかける。色々と時間がない。自分の分の水がなくなってしまっては本末転倒だし、郊外で補給していくにしても時間ロスが惜しい。生きてるうちに探し出して、一発殴って連れ帰らねば。

 

 

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数分後。足跡の主達と思われる集団を発見した。

 

なあにこれ?みんなヘルメットとかガスマスク付けてて怖いんですけど‥‥‥。もしかしてアビドスの生徒ってこれ?だとしたら非常にショックだ。こういう類はもう沢山なんだが。中身が女子高生だとしても何か嫌だな…‥‥。

 

「‥‥‥‥話してみるか。」

 

ホルスターから銃を抜いてコッキング。シングルアクションで撃てるようにしておいてヘルメットの集団に接近する。

 

「すみません、そこのヘルメットの方g…‥‥」

 

視線が痛い。キヴォトスって人間の男性少ないんだっけ?銃持ってるし、そんなにたくさんのヘルメットがこっち向いてきたら流石に怖いんですけど。

 

「あ?なんだテメェ?」

「私達急がしいんですけどー?」

「あれ?こいつ男じゃね?」

「マジじゃん、珍しー」

 

‥‥‥‥…なんだか懐かしい圧も感じるな。男子ならわかる苦手な空気感も。一刻もこの場から去りたい。簡潔に、迅速に、聞くだけ聞いて離れよう。うん、かんぺきー♪

 

「アビドスの校舎に行きたいんですけど?道を教えてもらっても?」

 

 

…‥‥‥‥なんか空気変わったな。好転したわけじゃなくて、嫌な感じがベクトル変わった感じする。ねえ、コソコソ目の前でしゃべらないで。アレか?目の前でアレコレちくちく言葉言って精神攻撃仕掛けるやつ?

 

 

 

 

 

 

 

「私ら以外でアビドスに用があるのって、あそこの生徒だけだよな?」

「でも初めて見る人だよ?」

「もしかして、”カイザー”の人?」

「は!?なんで!?」

「ワンチャン、私らが攻めきれてないから様子見に来たとか…‥」

「それやばくない?」

「でもさ、アイツらもう弾なくなると思うんだよね。今度こそうまくいけば‥‥」

「報酬増えるかも!」

「それなー」

「それに、媚打っておけばー…‥‥‥」

「言い方ー!!」

 

 

 

 

 

 

「…‥‥すみません、いきなりの事で驚いてしまって。」

 

「あ、はい。」

 

「丁度、今からアビドスの校舎に行くところなんですよ。よろしければご一緒しますか?」

 

「あ、はい‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥え?」

 

ラッキーだけど嫌だおうち帰りたい先生のバカアホマヌケ水分無駄に使いそうだよ色々今度高いご飯とか新しい銃とか買ってもらうからなもう‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 

 

 

 

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「よし、お前らああああああ!!今日こそアビドスの校舎を手に入れるぞお!!!!!!」

 

「おー!!!」

「やあってやるぜえ!!」

「ヤロウぶっ殺してやらあっ!!!」

「新しいコスメ買うぞおお!!!」

 

 

 

 

「…‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

…‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 

「‥‥‥‥どうかしました?」

 

「‥‥‥‥‥‥‥…どうしよ」

 

何故、こうなった…‥‥‥!

 

 

 

 




〈連邦捜査部 情報アーカイブ:先生〉
・身長:173cm ・性別:女性  ・年齢:20代前半から後半   ・誕生日:2月4日
・所属:連邦捜査部シャーレ  ・趣味:ホビーの大人買い、課金(程々にしてください)
・武器:”シッテムの箱”と”カード”
・外見的特徴:ベージュのポニーテール、薄茶色の眼、両耳にピアス穴あり、白い背広(リン行政官とそっくり)のパンツスーツ、ネームプレート。それなりにある.
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