「ど、どうしてアリスちゃんがここに!?反省部屋にいたはずなんじゃ…‥‥。」
「!さっきの通信障害は、まさかEMC攻撃!?電源が遮断された時に、反省部屋のロックも外れて‥‥‥!」
「でも、作戦ミスよ。せっかくアリスちゃんの警戒が薄くなったのに、わざわざ出て来たし、私たちはアリスちゃんを1度は行動不能にして、ライ君は先生やあの二人がいる時にアスナ先輩1人に抑えられていた。‥‥‥‥もう結果は見えてるわ。降参して。」
「何が見えたかはあえて聞かないけど‥‥‥‥流石に舐めてないか?それか計算ミスじゃないのか?こっちには世界を45回も救った勇者様がいるんだぜ?」
「アリスだけじゃありません。ライも高レベルのガンマンです!耐久力と筋力と防御力は微妙ですが、命中率と回避率、会心率は優秀です!」
「それは褒めているのでしょうか…‥‥?」
「さあ…‥‥?」
悪気はないと思うよ?とはいえ、キヴォトス人、特にアリスと比べたらオレの肉体なんて脆弱そのもので、防御力は防弾コートありきだから別に間違っては言ない。回避はどうだろ?いつも相殺か受け流しでどうにかしてから割と当たってるけども。
「‥‥‥こんな事をしている場合じゃなかったわね。ここであなた達を倒して、あの三人の所まで行かせてもらう!」
「させません!ここを通りたければアリスが相手に_____」
「意気込んでるところ悪いけど、今はオレが前衛ね。援護よろしく。」
「で、でも!ライのクソザコ体力と防御力では危険です!ここは光属性アタッカー兼タンクのアリスが‥…‥。」
「大丈夫。勝算はある。」
ユウカは決して弱くはないが、短機関銃一丁を落とせたので、直ぐには最大火力が出せない。恐らく、この中では戦闘経験、というか修羅場の経験は少ないと思う。
アカネは爆弾の扱いに長けているが、味方が二人もいるこの閉所では迂闊に爆発物は使えない為、拳銃メインの立ち回りになるはず。だが彼女はメイド部のエージェント。状況次第では躊躇なく使うだろうし、加害範囲の狭い物も持っている可能性が高い。
アスナは意味不明にあたる直感や勘で動いている上に、そもそもの身体能力、技術が高い。しかし、先程の”光の剣”の砲撃に巻き込まれてはいたが…‥‥笑ってるよ立っているよキヴォトス人怖‥‥‥。でも、あれだけの威力で無傷って事はない。それに、ダメージを負ったという事は、あの直感や勘は精度100%の未来予知ではないし、常時使えるものではないのだろう。
状況は決して良くないが…‥‥最悪じゃない。爆弾を除けば、瞬間火力ではこっちの”アーバレスト”や”光の剣”の方が上。アリスの常軌を逸したスペック、オレの技術と経験も彼女達にはない大きなアドバンテージのはずだ。
「‥‥………行くぞ、アリス。」
「はい!戦闘開始です!」
呼吸を整え、銃を抜きながら獣のように、倒れこむような低姿勢で床を蹴る。
真っすぐじゃダメだ。動きを読ませず、当てさせず、己の輪郭を捉えさせない様に、稲妻模様を描くように体を捻り、足を動かす。
銃声、そしてマズルフラッシュ。そして、背後から放たれる青い光。
殆どは当たらないし、与えさせない。掠るくらいなら
「なっ‥…!速______」
アカネの懐に入った。驚きながらも下がりながら拳銃をしっかり向けてくるのは、流石
「
至近距離で銃を使う時は、相応の身のこなしと早さ、正確さが必要となる。ましてやアカネの銃は自動拳銃。使い手が同速だとしてもリボルバーよりワンアクション遅い。それに、その構え方だと
予想通りの弾道で通過する拳銃弾を横目に、オレはアカネのハーネスとスカート越しの脚を掴みながら重心を崩す。
「きゃっ!?」
予想通り踏ん張れなかったアカネを押し倒すように崩しながらオレは体の位置を変え、ユウカの方に投げ飛ばす。
「ちょっ、待っ____」
咄嗟の出来事に驚きながら反射的に短機関銃を構えるユウカだが、向かってくるのは敵でも銃弾でもなく仲間。撃つことも避けることも出来ないまま飛んでくるアカネの身体を受け止めるまま、ユウカも一緒に倒れこむ。
「光よ!…‥‥か、回避率が高すぎます!」
アリスはアスナと撃ち合っているようだが、あのパワーをもってしても”光の剣”の取り回しの悪さは解決できていないようで、アスナの身のこなしに翻弄され当てられていない。
「‥‥‥‥‥っ!!」
「あはは!それ凄い威力だね!何てのやつなの?」
「”光の剣”です!選ばれしものにしか抜けない、勇者の武器です!」
「かっこいい~!ゲームに出てきそう!でも、それ私じゃ使えない気がする‥‥‥。使ってみたいけどなー…‥‥。」
「マジで勘がいい…‥‥なあッ!!」
銃を抜くついでにユウカとアカネに1発ずつ撃ち込みながら、アリスを援護すべくアスナの方へと足を踏み出す。
普通の相手ならアリスに合わせて十字砲火するのが良いのだろうが、どうせ避けられるだろう。
‥‥‥‥‥ならば、
オレに合わせたのかアスナが狙いをアリスから切り替えて、長い金髪を揺らしながら小銃をこちらに向けつつ足を踏み出した瞬間、
「…‥‥ぐうぅッ!?」
「痛っあ~!」
同時に、正確にはアスナが引き金に触れた瞬間に反射神経を頼りに4発を速射。オレの放った弾は予想通り
オレの身体を貫通してはいない、コートで受けれた。だが、脇腹の布は裂け、盾代わりにし続けていた為か左袖の衝撃は分散しきれない。体を捻って受け流しはしたが、決して無視できないダメージを負ってしまった。
だが、これでいい。
取り敢えず、弾を防ぎアスナが
アイコンタクトを取ろうとする時には、アリスが先程以上の出力・加害範囲の砲撃を行なおうとするが、戦闘経験の浅さゆえか、ギリギリまで
「それは、させないよ!」
エージェントとしての判断か、直感か。アスナはそれを撃たせまいとするように小銃を構え、引き金を引_____
「‥‥‥‥‥当たり。」
「え?」
突如として背後から、頭上から、下から、真横からアスナへと向かう銃弾。頭には当たらなかったが、腕、背中、腿の内側に直撃する。威力が落ちている為、仮に急所に当たっても決め切れないかもしれないが、隙を作るには十分だ。引き金は引かれず、決して小さくない隙を晒す。
「アリス!」
動きを鈍らせながらも咄嗟に跳び退こうとするアスナだが、一瞬ではあるが重心を傾け、貯めを作った足元に1発撃ち込む。オレの身体を起点に反撃されるのを防ぐべく、銃口をそらさない様にしながら、後方にロンダートの要領で跳んだ瞬間、
「光よっ!!」
「きゃあっ!!」
眩い閃光が容赦なくアスナの身体にぶつかり、凄まじい威力で壁に叩きつけられている。最大出力ではなかったはずだが、流石に心配になる。銃を構えながら砂埃が晴れるのを待つと___
「あははっ、今度は思いっきり当たっちゃった!やっぱりこれめっちゃ痛い、頭の先からてっぺんから爪先まで今1ミリも動かしたくない!」
「‥‥‥‥大丈夫だな。」
キヴォトス人って凄ェー‥‥。先生やオレだったら消し炭だろうな。
「そんな‥‥アスナ先輩がやられるなんて…‥‥。」
投げられた衝撃と追撃の銃弾のダメージからアカネとユウカが立ち直ったようだ。頭をさすっているのと今の今までアスナの援護に入らなかったのを考えると、ヘッドショットだったのかもしれない。流石オレ。
「…‥‥ふぅー。よくやった。レベルアップしたんじゃないか?」
「ほ、本当ですか!?パンパカパーン!アリスのレベルが上がりました!」
「おめでとう。‥‥でも、まだ戦闘中だから、な。」
「ええ。アスナ先輩を行動不能にされた以上、こちらも容赦できません。」
弾を込めなおしながらアカネとユウカの方に視線を向ける。一番手を倒せたとはいえ、二人の爆弾や両手短機関銃の弾幕は普通に危ない。まだまだ気を抜けないな。
「まさか殿方に押し倒され傷物にされる日が来るとは‥‥‥。」
「言い方他にない?アリスの教育に悪いと思うんだ。」
というか傷物って、戦ってるんだから当たり前では‥‥‥。そいうえば結構柔らかかっ____
「ん‘‘ん‘‘ん‘‘ん‘‘!…‥‥すぅー‥‥はぁー‥‥。」
「どうしたんですか?もしかして、さっきのダメージが‥‥‥」
「大丈夫。痛くないから。本当に大丈夫だから。」
本当は結構痛いんだけどね。内出血だか打撲にはなってるんじゃないかコレ‥‥‥
「‥‥‥‥。」
「ユウカ、頼むからそういう目で見ないでくれ。違う、違うから。」
「……‥そう、よね。ライ君男の子だし‥‥‥まさか、先生にも‥‥!」
「聴こえてるからな!?別にそういう仲じゃないしアリスの前で言うんじゃない!」
格闘戦しづらくなったんだが。なんてことを言ってくれるんだ。てか顔赤くない?
「これ以上誤解されてたまるか‥‥‥アリス、まだいけるか?」
「はい、HPは十分です。”光の剣”のバッテリーもまだあります。」
「よし、もうひと頑張りだ。」
「はい、二人を戦闘不能にします。」
短期決戦だ。妙な余罪を掛けれれる前にをされるより早く、全弾を急所に撃ち込み意識を刈り取るのだ。このままでは、ゲーム開発部を存続できても、オレのイメージが最悪になってしまう。同じシャーレの先生にも少なくない影響が‥‥‥‥!
「こんのぉぉ‥‥‥!!!」
「ライの顔が険しいです。冷や汗すごいです‥‥!すみません、アリスは回復魔法を習得していないので‥‥‥。」
「大丈夫!謝らせてごめんな!悪いのは、えーと‥‥‥‥アル!陸八魔アルってやつだから!」
すまないアル。咄嗟に思い浮かんだのが君の顔だった。後で仕事の紹介してやるからな。
「へくちっ!!‥‥うぅ‥‥‥‥。」
「あ、アル様、大丈夫ですか‥‥?」
「ええ、大丈夫‥‥‥よね‥‥?」
「最近テント暮らしでご飯も食べれてない割には、色々依頼受けてるからね。疲れてるんじゃない?」
「そ、そんなわけないじゃない!きっと、誰かが私のアウトローな噂話をしているのよ!」
「‥‥‥‥こんな時間に?アビドスの子かシャーレくらいじゃない?」
「そういえば、最近合ってないねー。‥‥‥今度シャーレに遊びに行こっか!」
______________
__________
______
「あっ、見つけた、”鏡”!」
ライとアリスにメイド部とユウカを任せて保管所へと向かった私とモモイ、ミドリは警備ロボット軍団を突破し、保管所に到着。戦闘の余波が届いていたようで跳弾や爆風により散らかっていたが、手分けして探す事数分。ミドリが”鏡”を発見することに成功した。
「これさえあれば‥‥‥‥!」
「アリスとライのおかげだね!」
「ハレ、ライとアリスは?」
『‥‥‥‥応答はない。でも、音と位置情報から推測すると無事みたい。コタマによると、保管所の方に向かうみたい。』
「そっか、良かった‥‥‥。」
『ところで”鏡”は見つかった?』
「見つかったよ。今から戻るから、途中で二人とも合流出来ると思う。」
『分かった。今そっちに脱出ルートを_____ちょっと待って。』
「ハレ先輩?」
通信機越しでも分かるる程に、不自然に変わった空気を感じる。何だろう、この嫌な予感は。
『え、嘘ッ!?だって、今は‥‥そんなっ‥‥…!』
「ハレ落ち着いて。一体何が‥‥‥」
「いつも冷静なのにどうしたの?ネズミでも_____」
『コードネーム:ダブルオー‥‥‥
「‥‥‥え?」
「え‥‥ええっ!!」
「今はミレニアムにいないんじゃなかったの!?」
『ダブルSMGでメイド服の上から羽織った竜柄のスカジャン‥‥‥間違いない。というか
「!!…‥‥ライとアリスは!?」
『分からない‥‥‥とにかく逃げて、いや隠れて!何としてもそこ$#^&!@_____』
「ハレ?…ハレ!‥‥ダメだ繋がらない…‥‥。」
通信障害だろうかと思ったが、隠れてというくらいだし音で気づかれない為にあちらから切ったのだろう。
ネルがどれほどの実力かは分からないが、ライがいた時もアスナ一人に圧倒されていたモモイとミドリでは歯が立たない事は確かだろう。合流を待つ時間もない、迎え撃つ手立てもない。
「わあぁ足音がする!!」
「‥‥‥隠れるしかない!」
隠れられそうな所は、何処に‥‥‥
「先生、机の下!早くっっ!」
「ちょっ、いきなり‥‥痛たたたた!」
モモイがミドリを机の下に入らせると、ミドリに引っ張られモモイにお尻を押し込まれる形で私の身体は机の下に隠される。モモイとミドリもいるのであちこち押されて痛いが、大人としてここは耐えるしかないだろう。‥‥‥‥‥腰痛い、身体がミシミシする‥‥‥ライ程は動けないにしても少し運動しないとな‥‥‥。
「近い‥‥‥来たぁぁ…‥‥。」
足音が近づき、保管所に誰かが足を踏み入れる。
「‥‥‥ふーん、もう滅茶苦茶だな。」
声こそ気怠そうだが、同じ空間にいるだけで気圧されそうになるオーラを放っている。机の下から見える姿は、ハレの言っていた通りのメイド服に羽織ったスカジャン。両手のサブマシンガンは金色の鎖で繋がれており、小柄な体格と三つ編みという幼さを感じさせる要素があるにも関わらず、纏っている雰囲気は只者ではない。どちらかと言うと、
(アレが、美甘ネル。ミレニアム最強のエージェント、コールサイン:ダブルオー‥‥‥!)
「んん‥‥‥?何か、声が聞こえたような気が…‥‥‥」
チラッと見ると、モモイもミドリも涙目で必死に声を押し殺している。声なんて誰も‥‥…
「確かに気配が…‥‥机の下か?」
「!!」
気付かれた!?入念に確認した様子もないのに、どうして机の下にいると分かった!?
(そういえば、ライも気配を読むとか、殺気を感じるとか言ってたっけ‥‥‥。)
一定以上の実力者は皆そういう物なのだろうか。改めて自分の同僚の凄さを再認識することになったが、それは同時にそんな凄さ同僚と同じことをしてくる相手が迫っている
悪い状況であるという事を理解するという事である。今できることと言ったら、モモイとミドリの肩に手を置いてやりながら息を押し殺す事だけだ。
もしかしたら、気のせいだと思うかもしれない。もしかしたら通り過ぎてくれるかもしれない。そんな甘い希望を否定するように、ネルは確実に近づいてきている。そして、とうとう机の前で足を止め、膝を曲げて覗き込もうとしている。
…‥‥先生として、生徒を傷つけることは出来ないが、一瞬だけでも二人が逃げる隙を作ることは出来るはず。
(大丈夫大丈夫大丈夫‥‥‥怖くない怖くない‥‥‥私は大人、先生なんだから。ライだってコート一枚で撃ち合ってるし私にはアロナがいるし、出来るはず。出来るんだ。私は先生_____)
「あ、あの!」
「あん?」
(え‥‥?)
「ね、ネル先輩!大変です!」
(ユズ!?どうしてここに!?)
「あんたは‥‥?」
「せ、生徒会”セミナー”所属の、ユズキです。戦闘ロボットが暴走したせいで今、あちこちがめちゃくちゃなんです!アカネ先輩とカリン先輩が、制圧を試みていますが…‥‥。」
(ネルを誘導して、私たちから離れさせようとしてる‥‥‥?)
「なんだよ、暴走か?あれを差し押さえたのなんか随分前だろうに、まだ整備が終わってねぇのか?」
「じょ、状況的に、助けが必要かと思い‥‥‥それで、ここにいらっしゃると聞いたので‥‥‥。」
「はぁ、仕方ねぇな。」
「わ、わたしはここの整理をします。そ、その、戦闘は怖くて‥‥経験も、あまり無いですし‥‥‥。」
「んなこたどうでもいいけど、それよりあんた‥‥‥。」
(気づかれた!?)
生徒会メンバーという嘘がバレてしまったのだろうか。ありえなくはない。
「覚えときな。戦闘で一番大事なのは、武器でも経験でもねぇ。」
「は、はい‥‥‥?」
「度胸だ。その点で、あんたに素質が無いとは思わねぇ。」
ネルから発せられた予想外の言葉にユズ、そして机の下の私たちは一瞬フリーズした。
「自分がどう思われてるかくらい、あたしにも分かってる。それに、あんたが結構なビビりなこともまぁ分かる。それなのに、初対面でこのあたしに声をかけるなんてのは、それなりに度胸がいることないだろうからな。」
「は、は、はい!あ、ありがとうございます!?」
「じゃあな、またどっかで会おうぜ。」
唯の良い先輩としてユズを褒め、助言したネルは何処か満足げな様子で保管所を後にした。私たちは数秒程その様子を呆然と見た後、緊張の糸が切れたのか、ユズは力なくその場にへたり込んだ。
「ふぇぇ‥‥‥。」
「ユズうぅぅぅぅー!!」
「ユズちゃんすごい!おかげで命拾いしたよ!」
机の下から飛び出してユズに抱き着くモモイとミドリ。私も少し遅れた机の下から這い出る。
「ち、力になれて良かった‥‥‥。そ、それより、今ミドリちゃんが持ってるのが…‥‥。」
「うん。これが”鏡”。私たちを助けてくれる‥‥…!」
「や、やっと‥‥‥‥!」
「お祝いは後にしよう。まだ終わってない。」
感動的になっている所に水を差すようだが、悪い状況である事には変わりない。再びネルと遭遇すれば今度こそ一貫の終わり。早急にここから逃げなければならない。
「そうだね。まだ作戦は終わってない。」
「わたしたちの目的は”G.bible”だからね。早くヴェリタスの所に行かないとね。」
『…‥‥先生、みんな、無事!?』
「あ、ハレ先輩だ。」
「ユズのお陰でやり過ごせたよ。今から脱出する。…‥‥ライとアリスは?」
『今は‥‥‥戦闘ロボットと戦闘中みたい。』
「アリスちゃん………はまだ通信機手段ないもんね。ライに連絡できる?」
『彼、戦闘中に通信機を落しちゃったみたい。今は戦闘中でスマホも見れないだろうから、難しいね。』
…‥‥戦闘ロボットと戦闘中という事は、二人は少なくともアスナたちから離れていると見て良いはず。今最優先で戻るべきなのは、”鏡”を回収しゲーム制作技術を有しているここにいるゲーム開発部。
「取り敢えず、私たちだけでここを出よう。状況次第で合流できるように、ライにもルートを送ってもらえる?」
『分かった。まだロボットもネル先輩もいるから気を付けて。』
「先生…‥‥。」
「大丈夫。私の同僚と、勇者が一緒にいるんだから。‥‥‥急ごう。」
〈連邦捜査部 情報アーカイブ:跳弾〉
・発射された弾丸が固い物体に当たって跳ね返る現象。物体の硬度や形状、弾丸の威力や入射角、距離によっては甚大な被害が発生するが、極めて高度な技量と経験がある場合、これをある程度コントロールして戦術に組み込むことが可能。だが、跳弾した弾丸は普通に発射された弾丸より単純な運動エネルギーは低下や様々な不確定要素の存在により不可能。出来ても戦術的価値を持たない”芸”が関の山である。