何もない少女は本を求める   作:エアロスミス

2 / 13
<前回までのあらすじ>
魔理沙が見ず知らずの少女を拾った。


序章 輝く本
第1話 あなたは誰ぇ?


闇。辺り一面に広がる闇。手を伸ばしても、何も掴むことができない。声を上げようとしても、上げられない。全てが闇に遮られる。

そのうち、伸ばしていた手も闇に包まれ、消失する。自分の全てが闇に飲み込まれようとしていた。

意識すらも飲み込まれる...その瞬間。闇が広がっていた空間に光が差した。星のように輝く光に、思わず目をくらました。

 

そして、闇が晴れた。最初の光景は、温かみのある木の天井だった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

「どうしよう」

「いや、あなたが運び込んだんじゃない」

 

行き倒れの少女を自分の家に運んだあと、ちょうどきた魔理沙の友人であるアリス・マーガトロイド*1を巻き込んでいた。

 

「いつもこんなことしないじゃない。まあ、拾ってきたんだから大切にしなさいよ」

「おいおい、ペット扱いはマズイって。しょーがないだろ。なんかほっとけなかったんだよ」

 

彼女は常識人ではある。しかし、見ず知らずの少女を助けるかというと、進んではしない。まあ、倒れていたところを踏んづけてしまったというのもあるが。

 

「いいじゃないか。私もたまには無益の善行って奴を行うのさ」

「無益の善行がやりたければ、借りた本を返せばいいのに」

 

アリスの正論を無視し、再び少女に目を向ける。白髪で褐色肌。顔は結構整ってるが、ここら辺では見ないような顔だ。たまに来る外来人の可能性も高いが、どうにも気にかかるというのが、魔理沙の所感である。

 

「なあ、アリス。コイツの事どう思う?」

「そんなこと言われても。少し変わってるけど、普通の人間じゃない?」

「...本当にそうなのかな?」

「何?気になるなら調べてみたら?」

「よし、任した」

 

突然の丸投げ!!アリスは意表を突かれる!!

 

「いや、あなたも魔法使いでしょうに。自分でやりなさいよ」

「私は借りてきた本を読むのに忙しくなるから。頼んだ!」

 

そんなことをする義理はアリスにはなかった。というか、魔理沙が少女のアレコレを調べるべきであるが、押し切られる形で請け負ってしまう。自分のこういうところは直すべきだなと思いながら、少女の閉じられていた瞼を開こうと手を伸ばす。

その時、少女の瞼がパチりと開き、ムクリと体を起こした。

 

「...ッッ!?」

 

アリス・マーガトロイド二回目の意表!!思わず、手を戻し後ろに下がってしまう。

 

「......」

 

体を起こした少女は辺りを一瞥すると、手を握ったり、腕を伸ばしたりする。まるで、体の調子を確かめるような動作だ。

 

「魔理沙、彼女が起きたわ」

「マジ?アイツ起きたの?」

 

魔理沙も読んでいた本を閉じ、少女の元にやってくる。少女は二人から見つめられ、少し困惑しているようだ。

 

「おお...おはよう?ハロー?グーテンモルゲン?」

「...お、お、はよ、う?」

「たどたどしいわね」

 

これが、二人の魔法使いと謎の少女が霧雨魔法店にて、最初の会話である。

そのあとも、魔理沙が少女に色々話しかけるものの、少女の発音がかすれたりして、会話が難しいかったため、水とか飲ませて休ませることになった。

*1
魔理沙と同じく魔法使い。人形を操る魔法が専門であり、能力である。魔理沙との関係は腐れ縁...だろうか?




テンポよくいきましょう!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。