何もない少女は本を求める   作:エアロスミス

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<前回のあらすじ>
紫が来た。


第5話 お腹に手を突っ込まれたことはあるかい?

幻想郷の賢者来訪!それだけで、二人の魔法使いは理解する。自分がめんどくさいことに首を突っ込んでいたことに。

 

「何しに来たの?」

「聞くまでもないでしょ?そこにいる少女に用があるのよ」

「分かっていたけど、理解したくないッ!」

 

この者に出会うことは異変の合図ッ!これが八雲紫なのだッ!

 

「なんか、すごく嫌な紹介をされた気がするわね...」

「自分がカイドウなんですけど...正直、何かやらかしたと言われましても尻拭いはできないと思うんです」

「てか、カイドウが何をやらかしたんだ?」

「普通に彼女がやらかした前提で話すのね。当たらずとも遠からずだけど」

 

そう言い、紫はカイドウに近づく。そして、そのまま彼女の腹部を自身の手の平で触る。

 

「ちょっと、驚くわよ」

 

そのまま、手をカイドウの胴体に入り込んだ!

 

「!?!?!?!?」

 

カイドウは驚いた!驚きすぎて体が硬直してしまったが、この状況では、それが最適解であった!

 

お、おい。いきなり...そんな公然で

「魔理沙、多分勘違いしているわ。彼女がいきなり臓物を引きずり出すことないと思うわよ」

「え!?あ、そう!そうだよな!あ~おどろいた*1

「あなたが驚いてどうするの」

 

紫はそのまま、何かを探すのように手を動かす。カイドウの顔がどんどん青ざめていく。

 

「紫、カイドウに危害を加えるつもりはないのは分かるわ。さっさと終わらせてあげて」

「も、もうしわけないわね。意外と見つからなくて...あった!」

「ゆっくり!ゆっくり引き上げてください!本当に怖いッ!」

「言わなくてもそうするから安心なさい...」

 

突っ込まれていた手が抜けていき、カイドウの腹部*2から一冊の本が出てきた。言わずもがな、さっきカイドウの中に入っていった本である。

 

「これよ。この本と彼女について話しがしたいのよ」

「わざわざ、能力を使って取り出すこともなかったのでは?*3

「説得力が増すじゃない。彼女...少女の見た目だから彼女と呼んでるけど、合ってるかしら?」

「本人も分かってないからカイドウって呼んだら?」

「そうするわ。それで、カイドウとこの本の関係なんだけどね。話が前後するから本の方から話すわ」

 

紫は取り出した本をパラパラとめくり、閉じる。そして、左手に本を持ったまま右手で指パッチンをする。

 

『ボッ!!』

 

紫の指先から火花が飛び散った。さっきのカイドウと同じ現象が発生したのだ。

 

「...このように、本を所持している者に新たな力を授ける。この本はほぼ何も書かれてないからか力と強制力が弱いけど。このような本が幻想郷に現れ始めたの」

「異変ってことか。じゃあ、カイドウが黒幕?」

「自分は身に覚えがないよ」

「でも...ねぇ」

「あ、だめだ。反論できない」

「大丈夫だ。問答無用で消滅はないって」

 

魔理沙は肩を叩き、カイドウは頭を抱えてウーンウーンと呻く。紫はあきれたように話す。

 

「あなた達、早とちりよ。私はカイドウが黒幕と言ったかしら?」

「ん?貴女のことだからそうかと」

「だったら、わざわざ出向かないわよ。幻想郷は全てを受け入れるのだから。ただ、このままだとカイドウを受け入れるわけにはいかなくてねぇ」

 

ようやく本題に入れそうと紫はカイドウを指差し、こう宣言する。

 

「カイドウ、存在すら幻となりゆく無色の人形よ。幻想郷に散らばった『輝く本』を集めなさい。その旅路は幻想郷に認められること同じく、あなた自身のために」

*1
ウブな奴である

*2
次から「お腹」って書くね

*3
もっと言えば、スキマをカイドウの体の中に繋げるだけでよかった。わざわざ、カイドウのお腹にスキマを置いて探していた。




もうちょいで第一章が終わります。長い旅が始まりそうです。
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