実家に帰省して成人式などで投稿が遅れた上に今年初っ端からカートで走るごとに事故(計2回)って調子が悪い筆者です。
今回は久々の投稿ということでリハビリ的なものとして温かく見守ってくれれば幸いです…。ちょっとずつペースを取り戻していこうと思うので応援の程よろしくお願いします。
スタートでGTOは良い駆け出しとなり、短い距離ながらもFDを引き剥がす雰囲気を見せる。
300馬力オーバーを絞り出す3L V6ツインターボエンジンのパワーを四つのタイヤが確実に地面を蹴り出す力へと変える。
(流石ハエーぜGTO、俺のFDでさえ離されそうだ)
この峠は高速区間が多く加速で優れるGTOが有利となり、FDのコーナリング性能を引き出しにくいコースだ。
ストレートに差し掛かり二台の距離は離れていく。
バックミラーに映る黄色のFDをチラリと見やりながら三浦は呟く。
「本当ならこのままブチ抜きたいがな、それだと芸がない」
「見せてもらおうか、ロータリー兄弟の実力ってヤツを!」
高速コーナーを曲がるとさらにストレートが現れる。
ここでも三浦はアクセル全開で踏み込みはしなかった。
一方のFDはアクセルベタ踏みで回転数を上げ必死に食らいつく。
ストレートが終わりコーナーに差し掛かった時には二台の差は5mほどになっていた。
(必死に食らいついてやるッ!勝負はこっからだ!)
この先のテクニカル区間で巻き返すべく啓介はステアリングを強く握るのだった。
「あぁ、そうか。分かった」
「GTOが相変わらず先行してるみたいだ」
史浩が涼介に冷静に伝える。
「そうか、、差はどれぐらいだ?」
「大体5mぐらいらしい」
「やはり一本目は少し手を緩めてきたな」
「そうなのか?あっちはかなりストレートの伸びは良いらしいが…」
「あのGTOがフルにパワーを出せば啓介のFDなんかストレートですぐに抜かれるさ。多分相手は一本目でこっちの出方を観察して、二本目でぶち抜いて来るはずだ」
「待ってくれ。相手はなんで先行の状態でこっちの観察をするんだ?普通出方を見るんだったら後追いになるだろ?」
「後追いになれば先行している車に合わせてブレーキングやコーナリングをして、走行ラインも自分のペースで走りにくい」
「先行して自分のラインで走りつつ、それに全力で追いかけて来る相手の実力を推し量りたいんだろう」
「だとしても一本目で引き剥がそうとしないってゆう確証はないだろう…」
「いや、相手は絶対に二本目まで持ち込んでくる筈だ」
「そして啓介にもそれに合わせた作戦は伝えてある」
涼介のその言葉には確かな自信とこのバトルの確信を含んだものだった。
その言葉ぶりに史浩は若干の不安を感じていた。
二台のバトルは依然GTOが先行したままタイトコーナーの連続する区間にもつれ込む。
だが先程とは異なり距離は一定に保たれている。
そしてGTOのヘッドライトがガードレールとその先の暗闇の虚空を照らす。
三浦はブレーキングを始め大回りなコーナーを曲がる。
啓介は前のGTOのブレーキングポイントよりもワンテンポ遅れた場所でブレーキングを始める。
軽いボディによりFDはGTOよりも高速コーナーを軽快に駆ける。
ここで差を詰めるが、コーナーを曲がり切ったところでトラクションの差で負ける。
ジリジリと再び差が広がるがその差はおよそ2、3mと縮まっていた。
そして二台の前に直角のブラインドコーナーが現れる。
またしてもFDはGTOのワンテンポ遅らせたブレーキングを始める。
「ここで攻めて来るのか」
小声で三浦はぼやく。
コーナーで差を詰めるFD、三浦は普段よりもアクセルを開けるタイミングを僅かに早くして逃げる。
なんとか上手い立ち上がりとなりGTOはこのコーナーで逃げ切るが確実にFDは攻めてきてる。
(ようやく4分の1まで来たか…このバトル、こっからが本番だ!)
啓介とFDは目の前のGTOを狩る獣のオーラを醸し出していた。
「なるほど、、分かった」
スタート地点で栃木側を指揮する黒川はこの先の戦略を張り巡らせていた。
(4分の1は消化したか…FDは結構精一杯みたいだな。なら予定通り二本目で追い抜いていく感じでいけるか…)
黒川と三浦の作戦はこうだ。
一本目は先行で三浦の知る理想的かつタイヤの負担の少ないラインで走行し、そして二本目に持ち込んで後追いでタイヤを酷使したFDを得意のストレートでぶち抜くというものだ。
追走でラインをブロックされながら無駄にタイヤを酷使するよりも先行し自分のペースで走りつつ、余裕を持ってFDの実力を分析できると踏んでの作戦だった。
しかしながら重量級の4WDであるGTOにとって持久戦は不利な戦いだが、そこは三浦の腕頼みとなってしまった。
聞いたところFDは三浦の駆るGTOに追いつくことで精一杯となっており、このままマージンを保ってくれれば勝機は見えている。
松井を始め[カイザー]のメンバーはそう思っていた。
しかし黒川、そして恐らく清水はそう簡単に勝機は訪れないと考えていた。
二人の見つめる先には髙橋涼介がいた。
[プロジェクトD]の頭脳とも呼べる彼がどのような戦略を立てたのか、そしてその戦略がどのように影響してくるのかは未知数だった。
(どう出て来る、[プロジェクトD]、髙橋涼介!)
黒川は目の前の勝機に期待するとともに、目の前の走りの天才がどのような奇策を繰り出すのかという一抹の不安を抱えるのだった。
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