頭文字D -無名の挑戦-   作:たっせ

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 初投稿です。

 普通に文章書くの下手かもしれませんが失踪だけはしないように頑張りたいと思います。

 


一章 -胎動-
一話 ある峠にて


 

 

198X年 栃木県N市

 

 峠道で一台の白色の車が走る。

 

 

 木の葉が木から落ちるようにひらりひらりと、だがコーナーを曲がる時はまるで日本刀が空を切り裂くように鋭く曲がってゆく。

 

 

 「お父さん」

 

 

 「なんだ、学?」

 

 

 「お父さんはなんでそんなにはやく走れるの?」

 

 

 「何で、かぁ…」

 

 

 子供の突拍子のない質問に一瞬言葉が詰まったものの、一呼吸おいて言葉を繋ぐ

 

 

 「ずっとこの車を運転しているからかな。学が生まれる前からずっとな…」

 

 

 子供は摑みようのないその回答に「ふーん」と相槌を打つことしかできなかった。

 

 

 だがその子供が興味を失ったわけではなかった。子供の目には運転席でクラッチを蹴ってシフトレバーを素早く動かす動きがとても格好良く写り、目の前のダッシュボード越しに聞こえるエンジン音はとても心地良い音だった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

199X年 栃木県N市

 

 人里離れた山奥、付近には温泉や複数の集落があるほどで都会の夜のネオンや賑わいとは無頓着な場所だ。

 

 だがその静寂を破るように真っ暗な森の中からスキール音が鳴り響く。

 

 程なくして暗い森の口から一台の白いCR-Xが姿を現し、手前の橋の上に停車する。

 

 中から一人の男が出てきて一息ついた後、胸ポケットにしまっておいたタバコの一本に火をつけた。

 

 少し吹かしていると一台の赤いプレリュードが男の車の前に停車し、中から男が出てきた。

 

 「ヨォ高木、もういたのか」

 

 「あぁ、さっき降りてきてもう2本は走り込んだかな」

 

 「相変わらず速いな…ここの峠ではお前がイチバン速いよなぁ」

 

 「下りならな…上りなら上田、お前の方がダンゼン速いよ」

 

 「うーむ…なんかフクザツだな…峠と言えば下り、下りで速いヤツが峠でイチバン速いヤツだろ」

 

 「そうでもねぇよ、走行会とかの競技に直結するのは上りだし、車のチューニングと走りの腕が直結しやすいのは上りの方だと思うぞ」

 

 「そうっちゃそうなんだがなぁ…ま、いいか。とりあえず走ろうぜ!ここに来るの楽しみにしてたんだ」

 

 「それもそうだな。そろそろ相手が欲しかったからな…せっかくだし上りから飛ばしてくか」

 

 「おう!受けて立つぜ!」

 

 

 

 二台のセルモーターが回る音がした刹那、勢いよくエンジンが吹け上がる。

 

 上田のプレリュードが高木のCR-Xの前に付き、お互いスタートの準備ができた。

 

 いつものように後ろの車が橋を渡ったらそれがスタートの合図だ。

 

 互いの車がゆっくり発進し高木のCR-Xが橋を渡り切った直後、前の上田のプレリュードは鋭く加速し目の前の坂を上っていく。

 

 高木も負けじとアクセルを踏み込む。それに呼応するかのようにB16Aはうなりをあげ、タコメーターの回転計の針は3000、4000とどんどん上昇し、5000rpm付近に達したときにはハイカムに入ったことでVTEC特有の「ンバアァァァ!!!」というエキゾースト音が響くとともにメーターの針もレッドゾーンの8000rpmまで鋭く跳ねた。下手したらレッドゾーンも超えて10000rpmまで簡単に吹け上がってしまうような回転レスポンスに高木は完全に虜になっていた。

 

 高木の口角が僅かに上がり微笑する。

 

 上り勾配の緩い高速の1コーナーを抜けると本格的なヒルクライムが始まる。

 

 1コーナーは後ろに食らいついていたCR-Xだったが徐々にプレリュードとの差が離れていく。

 

 上田のプレリュードの心臓であるH22A、高木のCR-Xの心臓のB16Aと比べ、馬力にして約40PS、トルクで約7kgf*mの差。やはりヒルクライムは車両そのものの性能がモロに出る。

 

 だがこれはコーナリングにおいても然り。コーナリング性能においては380kgも軽量なCR-Xの方に分がある。そのためストレートで離された差もコーナーで一気に縮まる。

 

 だが、再び直線に入られるとプレリュードに置いてかれてしまう。

 

 (勝負仕掛けるとしたらやっぱり中盤のあの4連ヘアピンか…)

 

 高木はそう考えた後、

 

 (それまでは頑張って追いつかないとな)

 

 と思い立ち、ステアリングを強く握りしめた。

 

 対する上田も十分な余裕があるわけではなかった。

 

 「予想以上にアイツ攻めてくんだけど、普通にアイツも上り上手いじゃん」

 

 ステアリングを回し、左手左足でシフト操作をしながらぼやく。

 

 (こうなったら少し情けないけど、ストレートでちぎらないとな)

 

 この峠の特徴として4連続ヘアピンがストレート区間の間にあることが挙げられる。上田は手前のストレートで高木CR-Xを抜き、4連ヘアピンとその奥のストレートで逃げ切る作戦だ。

 

 そう二人がそれぞれ作戦を考えているうちに今度は2連続ヘアピンが差し掛かる。

 

 ここはインを締めすぎると蓋のない側溝がポッカリと口をあけた落とし穴として待ち受ける。ここに落ちてしまえば車は大破、最悪命もないだろう。

 

 それに加えて落ち葉に足を取られる可能性もある。しかしこれに関しては両方の駆動方式がFFであることからその心配は無かった。FF駆動はエンジンとトランスミッションが両方フロントにマウントされることでフロントに全荷重が乗り、車体を引っ張る関係上FRといったリア駆動車よりも安定する。

 

 二台は2連続ヘアピンを抜けていった。いまだにプレリュードがCR-Xを抑えている状況だ。

 

 ヘアピンを抜けてすぐある橋を渡るとまた更にヘアピンがあるのだがその前のわずかなストレートでプレリュードに逃げられる。

 

 だが再びヘアピンで差を詰める。

 

 その先のコーナーでもここぞと高木は喰いついていく。

 

 その次のストレートでは上田の作戦に反して高木は喰らい付いていた。

 

 そして2台は勝負の4連ヘアピンに入った。

 




 小説書くのって結構大変ですね…
 「構想はある!それを文章化しよう!」この難しさを改めて実感しました、、、

 さて、この小説始まって早速CR-Xだのプレリュードだの結構マイナーな部類に入るであろうクルマが登場しましたがこっから先もイニD本編で登場しなかったクルマたちを登場させて活躍してもらおうと思います!

 

 
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