これで二次創作と呼べるモノに近づいて来たんじゃないんでしょうか?
あのバトルから数週間、身の回りのことが立て込んでしまったが今日は久々に峠に出ることができた。
すでに上田は走り込んでいるようで山の上からスキール音が聞こえる。
程なくして赤いプレリュードが一台峠から降りてきた。
中からは馴染みの上田が出てきた。
「おう、学!しばらくだなぁ、最近忙しいらしいな」
「ちょっとな、そうゆうお前も家の仕事で忙しいんじゃないか?」
「まーネ、でも夜はフリーなことが多いからケッコーここには来れてるよ」
上田の実家はタバコ屋だ。
タバコ屋とは言いつつも他の生活品なども売っている言わば商店のようなものだ。
そして自分のいない時にどんなことがあったのかを聞いた。
この前の32のヤツのように上のドリフト族がたびたびここにきては上田とバトルをしたらしい。
もちろん全て上田が勝利していた。
「そういや最近聞いたことあるか?なんでも群馬から関東制覇をしようとしてるヤツがいるらしいぞ。」
「ほーん、そりゃ初耳だな。なんてヤツなんだ?その関東制覇しようとしてるヤツの名前は」
「確かー、[プロジェクトD]とかって言うらしいな。そうそう!そのチームを率いているんはあの髙橋涼介なんだと!」
「おいおい、マジかよ。髙橋涼介って言ったらあの赤城の白い彗星だろ?俺でも知ってるよ。確か髙橋涼介は[赤城レッドサンズ]ってチームのリーダーじゃなかったっけ?」
[赤城レッドサンズ]、群馬最強の走り屋チームであり、大将は関東最速の走り屋と知られる髙橋涼介、それが優秀な走り屋たちを集めたチームだ。
「そう。だけどこのプロジェクトD、ブログで挑戦チームを集めてるほどヤバそうなヤツらだぜ。」
「なるほど、、つまり頑張れば俺らでも挑戦できるってワケだ。ま、こんな辺鄙などこまでわざわざ来ねーだろーナ。」
そんな会話をしていると聞きなれないエンジン音が聞こえる。
そんな中、聞きなれない野太いエンジン音が遠くから聞こえる。
その音はこちらに近づいてくるようだった。
ようやく姿を現した車の正体は三菱のランサーエボリューションⅡと同じ三菱のFTOだった。
この異色の三菱車コンビに高木、上田両方の視線は食らいついていた。
案の定、自分たちの停車している橋の手前に二台は停車した。
エボⅡからは刈り上げの強面の男が、FTOからは若い真面目そうなヤツが出てきた。
まるでヤクザの兄貴分と舎弟といったところだ。
舎弟っぽい方が話しかける。
「あんたら、この辺走ってる人か?」
「おい、焦るんじゃねぇ松井」
兄貴分の方がピシャリと一旦話を止める。
「悪いな、俺は中禅寺湖あたりで走ってる[カイザー]の清水、こっちはメンバーの松井だ。」
「[カイザー]って言ったらあのいろは坂の[エンペラー]のライバルじゃなかったっけ?そんなのが俺らになんの用があるんだ?」
[カイザー]とは中禅寺湖の近くの峠をホームとする走り屋チームだ。いろは坂をホームとしている[エンペラー]とはライバルであることは栃木の走り屋で知らないヤツはいない。特徴は今目の前にいるエボⅡやFTOのように三菱車のみで構成されていることだ。ランエボのワンメークチームの[エンペラー]とは対照的なチームだ。
「お前ら、プロジェクトDは知っているか?」
「ああ、髙橋涼介が関東制覇しようとしているチームだろ」
「そうだ、そいつらが今度栃木に来るらしいんだ」
「それで俺たちに何をしろって言うんだ」
「俺ら[カイザー]とあともう一つのチームと一緒にバトルして欲しい。」
「なるほど、スカウトってワケか…」
「まぁ、そんなところだ。そこでだ、一週間後、俺らとバトルして欲しい。」
「見定めってことか…大体、俺らなんかでイーの?もっと早いヤツだっているでしょ?」
「正直、頼み込めそうで尚且つ実力のありそうなのがお前たちだったってとこだ。なんでも[東堂塾]出身で特に高木に関しては三本指に入る実力者だった、なんだってな」
「オイオイ、どこでそんな話を、、」
確かに自分と上田は[東堂塾]出身だ。
[東堂塾]、元ラリーストの東堂社長が塾長として峠をいかに速く走るのか理論的に学ぶ私塾だ。
そこで自分たちは速い走りとは何かを学び、それを今まで実践してきた。
「細かい話はいい、まず俺たちと共にプロジェクトDとバトルする、これの答えをまず聞きたい。」
一瞬上田と顔を合わせた。
少し考えた末に
「俺はいいぜ、洋平はどうする?」
上田も少し考え
「高木もやるってゆうなら俺もやるぜ」
上田も乗る気のようだ。
「分かった。じゃあ一週間後、ここでバトルさせてもらう。」
「それまでここで練習しておくんだな」
「もちろんそうさせてもらう。おい松井、やるぞ」
「はい!」
そう言って二人はそれぞれの車に乗り峠を登って行った。
「一週間後か…」
「ホント、変なヤツらだったな。大体なんだ?一緒に走るってなんかあっちに作戦でもあんのか?」
「さぁ?ま、俺たちもぼちぼち走って練習しよう。あんなヤツに負けてられってかよ」
一週間後
いつも二人で走った峠にはいつもの静けさはなく、多くのギャラリーと車がいた。
その多くは[カイザー]のメンバーで三菱車が多かった。
だがソイツらから聞いて来たであろう人も多くいた。
その中心にいたのは高木・上田と[カイザー]の清水・松井の四人だった。
「そっちは準備できてんだろーナ?」
「もちろんだ。」
「精々壁に刺さんないよーにしろよ!」
「あいつら…」
松井は若さゆえか経験の差が、上田の挑発に乗りかける。
「松井、挑発に乗るな。」
「すみません…だけどあいつら…」
「その分いい走りを見せてこい」
清水は松井を制して落ち着かせる。
ここで感情的になっても良い走りはできないと考えたからだ。
「で、どっちから走るんだ?」
「松井でヒルクライムに行かせる。そっちはどっちが相手するんだ?」
「なら、俺の出番だな」
上田はそう言って一歩前に出る。
どうやらあっちは上りの戦いはFTOで戦うらしい。
確かに自分のCR-Xより上田のプレリュードの方がエンジンパワーがあるので張り合えるかもしれない。
「じゃあ、早速始めるぞ。」
両者はFTOを前に、プレリュードを後ろに車をを並べた。
「洋平、いけるか?」
「なんだよ、心配してんのか?」
上田は相変わらずの陽気さだ。
「マ、勝って帰ってくるよ」
自信満々にそう言ってドアミラーを閉めて前を向く。
「ちょっと自信はないけどナ」
そう小さく呟き、ステアリングを強く握る。
外を覗くとカウントが始まる。
5、4、3、2、1、
「 G O ! 」
カウントの腕が振り下ろされると同時に前のFTOは発進する。
(さて、行くか!)
いつも通りベストを尽くすだけだ、と自分に言い聞かせてこちらも発進する。
(栃木最強の一角、見せてもらおうか!)
今度はエボⅡとFTOです
エボⅡはエボシリーズの中でも最軽量級で加速であればNSXに勝るところもありました
FTOはJGTC(現在のスーパーGT、ちなみに今日から最終戦のもてぎです。行きたかった…)での活躍が有名ですね
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