頭文字D -無名の挑戦-   作:たっせ

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投稿期間が少し開いてしまいました。

世の中はモビショーの6輪レクサスやGTコンセプト、センチュリークーペで賑わってますね。

自分も今週モビショーに行くのでワクワクが止まりません。

ホンダブースが楽しみだな〜

あとはついこの前スーパーGTもシーズンが終わりました。

来年度のプレリュードGTには期待ですね。

スバルの新型エンジンも気になります…


五話 東堂塾の底力

 戦いの火蓋は落とされた。

 

 駆動方式は同じFF、だがあっちはFF最速クラスの化け物だ。

 

 2.0L V6エンジンの強力なパワーはさっき走り始めた時からでも感じた。

 

 しかもVTECと同じ可変バルブ機構であるMIVECもついてる。

 

 通りで音もいいワケだ。

 

 だがVTEC乗りとしてそこは譲ることはできない、なんとしてでも勝負には勝つ。

 

 相手に関心しているともう2コーナーを過ぎてしまった。

 

 (やっぱりスピードは段違いみたいダナ。4連ヘアピン抜けたらもう抜けねーぞ)

 

 少しのストレートでもFTOのシルエットは小さくなっていく。

 

 かろうじてコーナリングで勝ってはいるものの、このまま4連ヘアピン終わりまで逃げ切られてしまえばもう追いつけない。

 

 上田にとっては前半区間で仕留めるか、2本目に持ち込むか、その二択だった。

 

 「逃げれてるよな」

 

 松井は若干安堵したかのように呟く。

 

 コーナリングでは極端なフロントヘビーからくるドアンダーステアを殺さなくてはならないので、4WSを搭載したプレリュードには負けてしまう。

 

 しかし直線でのマシンの性能差はどう頑張っても覆しようのないものだ。

 

 (このままこのテクニカル区間を逃げ切り、直線に出てしまえばこっちの勝ちだ。)

 

 バックミラーの小さくなっていくプレリュードを見て松井は勝ちを確信する。

 

 再び二台はブレーキングからスキール音を撒き散らしてコーナーに侵入する。

 

 ギャラリーはこの限界ギリギリのバトルに熱気で溢れていた。

 

 「流石松井だな!どんどんプレリュードを離してくぜ!」

 

 「いや、コーナーだとあのプレリュード速くないか?」

 

 「確かに、後ろに着かれては離すを繰り返してるな、、それにしてもここの峠はスゲぇな、舗装されてないからあの辺なんてガードレールがないし、路肩は整備もクソもねぇぞ」

 

 「こんな環境でやってたら、そりゃ練度も高くなるわな。こっちのチーム来りゃ、すぐに一軍にいっちまうんだろーな」

 

 「こっちはとんでもねーのに手出しちまったんじゃねーんか?」

 

 

 そんな会話が飛び交う中、4連ヘアピンで二台の通過を待つ二人がいた。

 

 片方はメガネを掛けた紳士のような男、もう一人は不良とは言わずとも少しガラの悪そうな男だ。

 

 だが、その雰囲気、オーラは他の走り屋とは異なるものだった。

 

 「まだこねーンか、あいつらは」

 

 「もう少しだ、今頃最初のテクニカル区間を攻略してる頃だろう」

 

 「にしても、ホントにここで勝負は決まるんか?俺はこの後のストレートで決まると思ってるんだが、、」

 

 「確かに、クルマの性能だけで見るのならストレートでどっちが頭を出すかの勝負だろう。だけど俺はこのヘアピンで勝負は決まると思っている。」

 

 「ほぅ、、」

 

 片方の男は感心したかのように口角を上げる。

 

 「まぁ見てろよ、絶対ここがこのバトルのポイントになるんだ」

 

 メガネを掛けた男は自信満々にそう話した。

 

 一方、二台のバトルは盛り上がりを見せていた。

 

 先行の松井は短い直線区間でもアクセル全開の加速を見せた。

 

 そしてコーナーの度にフルブレーキングで一気に速度を殺す。

 

 その度にシートベルトに体を押し付ける。

 

 (想定以上だ、こんなに付いてくるなんて…)

 

上田は松井の想定以上の走りをしていた。

 

 (流石は東堂塾出身、、走りの鋭さがまるで違う、、、)

 

 先ほどからジリジリと差を詰めていく上田に若干の恐ろしさを感じた。

 

 どこでそんな差を詰められるポイントがあった?

 

 このFTOとのパワーの差を埋められるモノはどこにあるんだ?

 

 3コーナーを抜けた二台はタイトコーナーの連続する区間にFTOが先行して入る。

 

 両者最小限の、ほぼ直線でノーブレーキで突っ込む正確なライン取りで駆け抜ける。

 

 その直後に現れるほぼ直角に曲がるコーナー手前で両者の違いは現れる。

 

 FTOの松井はコーナー手前まで引きつけてのめいいっぱいのフルブレーキングによってコーナーに侵入し、アンダーを殺す。

 

 プレリュードの上田は4WSの恩恵を受けつつも左足ブレーキを効かせつつブレーキを一定にかけ、早いコーナリングを実現する。

 

 次にタイトなコーナーが連続する区間に突入する。

 

 FTOは大柄な車体ゆえか若干大回りな立ち回りになっている一方、プレリュードはスイスイと滑るように走り抜けていく。

 

 タイトコーナー区間を抜けて緩やかなS字カーブで速度が乗った状態からフルブレーキングで減速する。

 

 タイヤの悲鳴が如くスキール音が響く。

 

 この白熱した接戦にギャラリーのボルテージは最高潮に達してくる。

 

 二つ目のヘアピンに入る。

 

 ここで上田はアタックを仕掛けようと試みる。

 

 アウト・インでコーナーに侵入するFTOに対し、プレリュードはアウトから被せるように抜こうとする。

 

 プレリュードが路肩の土や落ち葉を巻き上げる。

 

 だがこの目論見は松井に気づかれてしまう。

 

 大きな車体が少し外側に出ることでブロックされてしまう。

 

 今まで小柄なホンダ車とのバトル慣れしていたことが災いした。

 

 上田は舌打ちし、アタックを諦め次のタイミングを狙う。

 

 (次だ、まだ次はある。こっちは苦しい時、あっちだって苦しいんだ。)

 

 上田の予想通りで上田以上に松井はこの接近戦に苦しんでいた。

 

 さっきはなんとかFTOの大柄な車体に助けられてブロックすることができた。

 

 だが先ほどの鬼気迫る攻めに松井は内心たじろいでいた。

 

 (ここの直線でチギってやる!)

 

 2連ヘアピンを抜けて松井はアクセルをベタ踏みし、短いストレートでもプレリュードから逃げようとする。

 

 V6エンジンの野太い音が唸る。

 

 再びコーナーに差し掛かるが、先ほどの全力加速のおかげである程度余裕を持って処理することができた。

 

 あとは得意の直前に入って抜くだけ。

 

 そうした楽観はすぐに崩れた。

 

 なんとコンマ5秒後ぐらいでバックミラーに明かりが照らされる。

 

 もう何かのマジックだと思いたかった。

 

 それほど上田のプレリュードはあり得ない動きをしているのだ。

 

 両者は長いストレート区間に入った。

 

 それは熱い接戦会場に入場するようであった。

 

 




FTO、あまり街中で見かけることもありませんし三菱スポーツの顔のランエボや兄貴分のGTOの影に隠れがちだと思います。

しかしこのFTO、インテグラ TypeRが登場するまでFF最速の座につき、また今のとこ唯一三菱車でスーパーGT(旧:JGTC)に参戦したマシンであります。

GT300クラスに出場し、エアロパーツはFTOの開発者自身が手掛けエンジンに関してはランエボでお馴染み4G63が搭載されました。

表彰台も獲得し、元々のポテンシャルの高さが伺えます。

絵の具が飛び立ったようなデザインがオシャレでカッコいいですね!


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