GalacXER 銀河の執行者   作:ฺBoom_Blaze6174

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第二章17 "マリアの星々が灯す最初の光の祭り"

 

--- **数日後、惑星マリアの首都中央広場にて** ---

 

 

 

戦いの傷跡は未だ残るものの、街には人々の笑顔と活気が戻り始めていた。連合の兵士とマリアンの市民が協力し、街を復興させていた。

 

 

 

回復したライトが王宮の周りを視察していると、見慣れた顔ぶれがカフェで談笑しているのを見つけた。エララの一団、そして驚くべきことに、ステラ王女も、彼女たちと共に座っていたのだ!今日の彼女は、堅苦しいドレスではなく、上品で親しみやすい白いコートを纏い、その美しい白い髪を、可愛らしい二つのおさげに編んでいた。

 

 

 

「おお!キャプテン!」ガーが彼を大声で呼んだ。「こっちだ!何をうろついてるんだ!」

 

 

 

「今夜の『最初の光の祭り』について話していたんです!」エララが興奮気味に言った。「今年は、解放を祝って、特別盛大に開かれるんですって!」

 

 

 

「キャプテンも、ぜひご一緒に」ステラが微笑んで誘った。「民が、彼らの『英雄』が共に祝う姿を見ることが、何よりの平和の証となるのです」

 

 

 

その希望に満ちた皆の顔を見て、ライトは断ることができなかった。「わかった。行こう」

 

 

 

その夜、ライトは窮屈な正装に身を包み、仲間たちと共に祭りへと向かった。広場は、氷晶のランタンの光と、陽気な音楽、そして屋台の食べ物の香りで満ちていた。それは、誰もが戦い守り抜いた、平和そのものの光景だった。

 

 

 

ステラは、氷の花の蜜から作られた「水晶飴」を二本買い、その一本をライトに差し出した。「今日は王女ではありません。ただのステラです。そして貴方は、ライト」彼女は、同じ青い色の自分の水晶飴を掲げた。「まるで、お揃いのようですわね」

 

 

 

その光景に、隣にいたエララの頬が、ぷくりと膨れた!彼女は、むっとしたように顔をそむけたが、すぐに振り返り、ライトの腕をぐいと引いた!「ライト!こっちに『氷ダコのグリル』があるわよ!ザムの名物なの!絶対に試さなきゃ!」

 

 

 

「お待ちになって、エララ」ステラの穏やかな声が、ライトのもう一方の腕を掴んだ。「ライトは、私と『氷の的当てゲーム』へ行くと、約束してくださいましたわ」

 

 

 

今や、ライトは、二人の少女に両腕を引かれる状態に陥っていた!「おいおい、落ち着けよお嬢さんたち!」ガーが、楽しそうに野次を飛ばした。

 

 

 

「さあ、俺たちは別の楽しみを探しに行こうぜ」サトウは、悪戯っぽく笑い、ガーとボルクを連れてその場を離れた。「楽しめよ、キャプテン。花火が始まる頃に、氷の時計塔で合流だ」

 

 

 

---

 

 

 

ライトの波乱に満ちた夜が始まった。二人乗りのスワンボートでは、真ん中に押し込められ、スケートリンクでは、滑れないエララを支える彼の反対側から、ステラが優雅に彼女のもう一方の手を取った。コンサート会場では、彼の両肩に、二人の少女の頭が「偶然」もたれかかった。

 

 

 

ついに、約束の時間が来た。彼らが時計塔の前で待っていると、マリアの花火が打ち上げられた。それは炎ではなく、「水晶花火」。打ち上げられたエネルギーの塊が、空で無数の光る氷の結晶となって砕け、ゆっくりと舞い落ちてくる。その幻想的な光景に、誰もが言葉を失った。

 

 

 

ライトは、隣に立つ二人の少女の横顔を見た。結晶の光に照らされ、心からの幸福な笑みを浮かべていた。初めて、彼は彼女たちを「王女」や「戦士」としてではなく、祭りを純粋に楽しむ、ただの「女性」として見ていた。(これか…)彼は心の中で思った。(ステラが言っていた、俺たちが戦うべきもの。平和というものは)

 

 

 

その瞬間、ライトは、何年もの間忘れていた、素朴で真摯な幸福を感じていた。

 

 

 

---

 

 

 

祭りが終わり、ライトは自室へと戻った。しかし、ベッドの脇のテーブルに見慣れない小さな贈り物の箱が置かれていることに、彼は気づいた。箱には、ただ一言、「Maki」とだけ記されていた。

 

 

 

ライトが箱を開けると、中には二つの白く濁った水晶が入っていた。彼がその一つを手に取ると、それは彼の心臓の鼓動に合わせるように、ゆっくりと淡い青色の光を放ち始めた。

 

 

 

(マキからの、贈り物?)その行動は、あまりに非合理的で、予測不能で、そして、驚くほど「人間的」だった。それは、彼女からのキス以上に、彼の心を混乱させた。

 

 

 

--- **翌朝** ---

 

 

 

ライトは、任務や会議を離れ、復興が進む首都の市街地へと足を運んだ。彼は、瓦礫を撤去する兵士たちや、配給を手伝うエララたちの輪に、黙って加わった。彼が、瓦礫運搬車の交通整理をしていると、ステラ王女が、作業員たちのために冷たい水を差し入れに現れた。

 

 

 

「こここそが、本当の『勝利』の光景ですわね」彼女は、埃まみれだが、生き生きとした表情のライトを見て、心から微笑んだ。

 

 

 

その夜、ライトは一人、「暖かい氷河」という名のバーを訪れた。そこで彼は、傭兵部隊「ウォー・ハウンド」のレックス中尉と偶然再会し、酒を酌み交わした。「あんたは、考えすぎるんだ、キャプテン」レックスは言った。「時々、兵士に必要なのは、うまい酒と、いい戦いだけだ。それを忘れちゃいけねえ」

 

 

 

その言葉は、彼の心に不思議と響いた。彼は、一人、酒を飲み続けた。

 

 

 

どれほどの時間が経っただろうか。ライトは、テーブルに突っ伏して意識を失っていた。バーのドアが開き、黒いコートを着たマキが入ってきた。彼女は、酔いつぶれたライトの腕を肩に担ぎ、まるで荷物のように軽々と彼を抱え上げ、バーを出て行った。彼女は、眠る彼の顔を見下ろし、誰にも聞こえない声で、平坦に呟いた。

 

 

 

「…この、下戸め」

 

 

 

翌朝、ライトは、人生最悪の二日酔いと、昨夜の記憶が蘇ることによる、最大級の羞恥心の中で目覚めた。彼がドアを開けると、そこには、冷たい水と痛み止めを持ったエララたちが、心配そうに、そしてニヤニヤしながら立っていた。

 

 

 

「いやあ、キャプテン!」ガーが、こらえきれずに爆笑した。「あんたが下戸なのは知ってたが、まさか『恋人』に担いで帰ってもらうタイプだったとはな!ぎゃははは!」

 

 

 

ライトの顔が真っ赤になった、その時。彼らの背後に、マキが音もなく現れた。「キャプテン。その水を飲むのに5分やる。その後、訓練室で会おう。昨夜の貴様の戦闘能力はゼロだった。再調整が必要だ」

 

 

 

---

 

 

 

訓練室で、ライトは、彼の人生で最も屈辱的な模擬戦を経験させられた。二日酔いの彼の動きは、彼女の前では赤子同然だった。彼は、何度も、何度も、容赦なく床に叩きつけられた。

 

 

 

「これが、貴様が私的な感情や、偽りの『平和』に溺れた時の、貴様の姿だ」床に倒れる彼の胸を軽く踏みつけながら、マキは冷たく言い放った。「私が貴様をバーから引きずり出したのは、気遣いなどではない。機能不全に陥った『資産』を回収しに行っただけだ。貴様の命は、任務が終わるまで、この任務のものだ。弱くなる権利など、貴様にはない」

 

 

 

彼女は、彼の耳元で囁いた。「王女は、穏やかな未来を約束できるだろう。エララは、仲間の温もりを与えられるだろう。だが、奴らは、貴様と共に地獄へは行かない。戦場で、貴様の命を守れるのは、私だけだ。あの姫君の甘い夢が、その事実を忘れさせるようなことがあれば、この私が、お前を殺してやる。他の誰かに殺される前に」

 

 

 

それは、最も残酷な言葉であり、同時に、彼女なりの、最も深い忠誠の誓いだった。彼女は、手を差し伸べた。ライトは、その手を取って立ち上がった。屈辱は消え、ただ、決意だけが残った。

 

 

 

その日の午後、ジャック司令官による緊急の戦争評議会が招集された。「諸君、キメラファイルの最後の情報が解読された。そして、それは全てを変えた」

 

 

 

ホログラムに映し出されたのは、砂漠の惑星、インワンだった。「我々が奪取したエレクター=カイは、ただの『移動式制御装置』に過ぎなかった。このセクターの全ての機械の群れを制御する『主司令部』は、我々の故郷、インワンに隠されていたのだ」

 

 

 

ジャックは、ベアトリス提督とウィリアム王子に向き直った。「主司令部が存在する限り、惑星マリアへの攻撃は自殺行為だ。奴らは、いつでも無数の機械の群れを呼び出せる。したがって、『冬の烈風作戦』は延期する。我々の新たな最優先任務は、『作戦名:ホームカミング』。惑星インワンの解放だ!」

 

 

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