Never Says「Good by…」   作:らんかん

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The Stains of Time

《No chance of surviving》

 

 体裁は取り繕わず、殺意も隠さず、いや、殺意というよりは悪意か。

 

 これでダメなら本当にゲームオーバーになるだろうが、俺は負けない。強い意志は何にも勝る、時の運以外には。

 

「俺は引かない、誰からでもかかって来い」

 

 虚勢も張らない。威圧ではなく、威力でしか分からせない。

 

 他の生徒は恐らくそれでも自分が弱ってるだけだと攻撃を仕掛けようとはするものの、ベアトリーチェは止めた。

 

「手負いの狼は危険です。お前達は下がりなさい、ここは私が相手をしましょう」

「しかし」

「貴女達を失うわけにはいかない、ロイヤルブラッド関係なく。これは命令です」

「え、ええ。では」

 

 他の奴らが下がっていく。追う余裕もないが、追う必要もない。

 

「貴方一人なら、私で十分です」

「手負いの狼がどうたらとか」

「下手に手を出して死んでしまう方が迷惑なので」

「そうかよ」

 

 相手の頭部の白いパーツが頭部を覆うように変形する。

 

「それに彼女達は私になれない。貴方にもなれない。

 プレイヤー同士の殺し合いなど永遠に出来はしない!」

「この世から叩き落としてやらァ!」

「かかってきなさい!」

 

 引き金を引く。

 

 銃弾は基本見えないものだが、相手はすでにどこ狙っているかを分かっているのか体を分離して回避。そのまま別れていたパーツで殴りかかってくる。

 

 だが、別れたパーツそのものはまた分裂するみたいなことはないらしい。もう一度狙いを定めてみると、二の腕の細かいパーツと腿のパーツは撃ち落とすことに成功。あとは前腕と膝下からのパーツのみだ。

 

「いい狙いですね」

「慣れってからな」

「ですが遅い」

 

 言い返そうとした瞬間、顔面をとんでもない速度で殴られる。

 

 流石に電磁力で強く反発した勢いのもので殴られるとえずきながら吹っ飛ぶしかない。そのまま庭の芝生を転がった。

 

「あだっ……やりやがったな!」

 

 急いで立ち上がると釵みたいなのが飛んでくる。追撃に余念がない。

 

 ただ、無様に転がったおかげで距離が取れた。片方は撃ち落としてからもう片方を腕の追加走行で叩き落として元の位置へと前進。

 

 恐らくあの動きなら、頭に制御装置か何かあるのだろう。急いで探すが、戦火の拡大で視界が悪化。なかなか見つけるのに苦労する。

 

「見当たんねえ」

「そこです」

「うおわっ!?」

 

 急いで飛び退くと、すでに組み立て上がっているベアトリーチェが急接近。反射で避けれたことで相手は動きの慣性で上手いこと動かない状態になっているためショットライザーの銃弾を浴びせる。

 

「く」

 

 流石に隙をついた攻撃は分離するよりも前に届くようだ。それは安心しているが、まだ足りない。

 

 ある程度動き終わった後に分離して、今度は街灯の上に立った。

 

「このカードには電磁力というものがありましたね?」

 

 彼女が手を動かすと、建物の向こうから今回の事件で炎上した車両が沢山浮かび上がってくる。

 

 今更ながら思い出す、相手のカードを。

 

「お前のそれもしかしてモンスーンか!」

 

 メタルギアライジングか何か、そのボスの一人だ。電磁力を操るミーム野郎。厄介なものを持っているな。

 

 ただ自分は雷電じゃない、と銃弾を遠慮なくぶち込もうとするが磁場が強いのか弾かれた。

 

「気付いたところでもう遅い!」

 

 浮かび上がった爆炎の車両が突っ込んでくる。

 

 だが、こっちにも手はあるもの。

 

「ありったけくれてやる!」

 

 腕を突き出し、引き金を引く。

 

 アサルトウルフの両腕にはAWガントレットなる短機関銃が搭載されている。両腕についていて二つ、そこにショットライザーの銃撃を足して飛んでくる端から銃弾でバラバラに。中には正義実現委員会が使った装甲車も紛れてた。

 

 流石にこの攻撃では倒せないと悟ったのか、軽やかなジャンプで降りてくる。

 

「いくらでも遠距離対決してくれても良かったんだぜ!」

「無駄なことはしません」

 

 そう言いながら、また釵を投げてくるベアトリーチェ。

 

 電磁力が強く発生している紫のプラズマの向こうで分離しながら攻撃してくるのは見えたため真っ当に受けずに避けるが、何かにあたって転んだ。

 

「いだ」

 

 変な声をあげたが、それは足の勢いのおかげで蹴飛ばされ、手元にやってきたようだ。

 

 手榴弾のようなものだが、そのままでは確認できない。しかも脚もやってきている。

 

「邪魔だ!」

 

 足を射撃で黙らせてからセンサーで確認。

 

EMP(電磁パルス)グレネード!」

 

 車両から恐らく転がってきたものか、いいもの拾った。

 

 ただ下半身を無効化したところで上半身が追ってきている。

 

「まだ終わっていませんよ」

「どけっ!」

 

 AWガントレットを壊す勢いで相手の腕に両腕を叩きつけて弾き飛ばす。

 

 その勢いのままパーツを回収したベアトリーチェは自分の疲労度を見透かしたように、単純な接近戦を仕掛けてくる。

 

 丁度いい!

 

「これはどうです!?」

「くそっ!」

 

 EMPグレネードのピンを引き抜いて投げると、電磁パルスが発生。

 

 相手はコントロールが喪失したのかフラフラしている、急いで修正かけて立て直そうとするかと思い追撃に頭を殴ると一瞬でバラバラになった。

 

 これはチャンスだ、と思いショットライザーを撃ちながら進むと頭はノックバックで転がりながら遠くへ進んでいく。当然それを追おうとするが、長くは続かない。

 

 後ろから制御を取り戻した手足がすっ飛んできた。

 

「チッ!」

 

 仕方ないのですれ違う形でスライディングして避けて、初期位置に戻る。

 

 すでに相手はダメージが溜まっているのか、割と大きめの技を仕掛けたいらしい。大聖堂の入り口、扉より上の装飾に立ち、電磁力を操って複数の車両が合体した塊を持ってきた。

 

「やばいな」

 

 正直12台くらいのものが固まっているため短機関銃や50口径の武器ではあまり対応できない。

 

「私のローレンツ力は自由自在!故にどこまでも追いかける!この街の全てを破壊しても!」

 

 自分を殺すまで転がすらしい脅迫を受けた。

 

 実際風車の直径レベルの大きさの鉄塊なんて素早く回され続けたらスタミナの方が切れる。

 

 どうしようか悩む。

 

 避け続けるにしろそれだけでは助からない。ガントレットで削り続けなければいけないが、相手は他の行動が取れないとも限らない。

 

 いよいよ窮地に立たされた。

 

「アレイシア!」

 

 そんな声がする。

 

 振り向くと、近くの建物の屋根に見覚えのあるライダーが。

 

 それは仮面ライダーゼロワン、シャイニングホッパー________

 

 忘れるはずもない、自分の信頼している今回の味方の一人。

 

「アイアン!」

「受け取れ!」

 

 何かがこっちに投げ渡された。

 

 手に持つとそれは大きめの銃、だがブレードも付いたもの。

 

「プログライズバスターか!」

 

 新たな銃器も手に入ったことで、一気に火力が補填。

 

「終わりなさい!ヒーローを演じる者よ!」

 

 これならいける!

 

 鉄塊に可能な限り銃口を向けて、アサルトウルフにあったウェポンベイを展開。

 

「いけえッ!」

 

 向かってくる円の鉄塊にミサイルも銃弾も撃ち尽くさんとばかりに発射。

 

 当然操ってる方は高速で動かすものの、その刺激がもっと爆破を呼び寄せて銃弾の刺激と共に砕け散る。

 

「まだ終わりはしないッ!」

 

 轟音が響く。

 

「なんだ!?」

 

 左右を向いて警戒すると、彼女はとんでもない事をしだした。

 

 こういった教会や大聖堂にはマリア像と呼ばれるものが置いてあることが多い。慈愛の象徴だし、女性文化の社会である以上なんとなく理解はできるものだが、それを浮かせて回転させてこっちへ投げようとするとは中々ぶっ飛んだ事をする。

 

 だがもう逃げない。そんな事をする奴は、大体は追い詰められている事を意味するのだから。

 

《Axe rise!》

 

 プログライズバスターを変形させてアックスモードにしてから構える。

 

「さあ、どうする!?」

 

 マリア像はこっちへ向かってくる。

 

「俺が先に始めたプレイヤーとして、キッチリぶちのめしてやるよ!」

 

《Power!》

 

《Progrise key confirmed. Ready for buster》

 

 プログライズバスターにキーを入れてから飛んで、マリア像の上を駆けながら相手へ迫る。

 

 ある程度の高さになったら飛ぶと、目の前には車が。

 

「邪魔だッ!」

 

 雑に持っている斧を振り回して真っ二つ。

 

 顔は隠れているが、興奮状態のベアトリーチェがこっちへの奇襲のために全速力で飛んできていた。

 

「貰った!」

「Fooooooooooooo!」

 

 これが生身であれば回避も出来ただろうが、身体能力強化全体の仮面ライダーでは相手の反応よりも先に突っ込める。

 

 腹に蹴りを入れながら大聖堂の深い彫刻の壁に突っ込んでから何度も足蹴にして壁に埋め込む。

 

「ウオアアアアアアアアーッ!」

 

 埋め込まれたらそもそも分離が出来ないのかもがく事もしない。

 

 その相手をプログライズバスターで何度も何度も滅多斬りにする。引き金は引いていないので必殺技が出ない分、相手の体はバラバラになっていく。

 

 パーツが効力を失うくらいバラバラになったら、トドメの一撃。

 

「これで終わりだアアアァァァァァーッ!」

 

《BUSTER BOMBER!》

 

 ゴリラの腕のようなものが出てきて、それで殴りつけるような思い斧の一撃が相手の頭を砕きながら吹き飛ばす。

 

 流石に支えもない場所で高いところに止まれないので、この一撃を持って離脱。

 

 大聖堂の入り口の方に立つと同時にベアトリーチェの体は爆発四散。恐らく滅多斬りした影響で、電磁力を引き起こすための回路が衝撃と合わせてショートしまくって爆発するにまで至ったのだろう。

 

 入口は爆ぜ、その中にモンスーンの力を宿したベアトリーチェのボディも含めて周囲に散乱した。ぶっ壊した頭部のうち、バイザーだけは俺の足の先に転がってきた。

 

 ________爆発が収まり、炎上は続く。

 

 もうすでに周りに兵士の気配はない、彼女は優秀な指揮官なのだろう。逆らったらどうなるかという不安はあるにしろ、人は自分の生に執着してそれに真っ向から歯向かうものを排除する思考を持っている。彼女の考えは、ある側面から見れば兵士的には信頼できるようだ。

 

 ぱちぱち、そういう音に重なるように耳にある声が聞こえた。




《余談》
どうも、らんかんです!

この余談を書いてる時には朝の7:17!急いで書かないと間に合わない!などと言いながら、今回は余談があるよ。

『ベアトリーチェがモンスーンだった理由』です。

これにはおおよそ三つほどの理由があります。

1:色合いが大体似てるから。

簡単な話です、彼らは赤いし白い髪してる。その上黒っぽいのもまあイメージ的に合っています。そう思っているので、最初はそう採用したんですね。あとベアトリーチェが生身で戦ってるところが見たかったのはあります。あとどっちもセクシー。

2:発言が似てるから。

ベアトリーチェは本編「生徒たちは大人に搾取されるべき」と言っていますが、モンスーンも「搾取は社会の本質だ」と言っていますね。そういう思想、発言的な部分でも境遇は違えど似てる部分もあるので似合うかなーと思い採用しました。ちなみにその違い、の部分もまた採用理由です。

3:少女兵を採用しているのも含めベアトリーチェをポル・ポトっぽく見せてみたかった。

モンスーンはブノンペンでの大虐殺を生き延びており、その境遇から自由意志ではなくミームが人生の動機になるみたいな事を言ってました。そういった政治的、戦争に関わるような境遇というのはアリウス生徒も一緒ですが、ベアトリーチェはミームを”作る側”なんですよね。

かのポル・ポトも原始時代の農業による共産主義の達成のために知性を排する方向で動いており、その結果"知識人"と呼ばれる勉強できる人間を排除して、まだ何も知らない子供を洗脳してから社会インフラに据えていました。結果カンボジアは現在もその名残が大きく残っています。

子供がインフラになる点ではブルアカ共通なのですが、そこにベアトリーチェが加わるともっと知識より社会のための犠牲感が強くなる。そういう支配者層の部分でベアトリーチェとモンスーンは決定的な境遇の違いがある。

しかもこの作品はそもそも"中二病達が仮の命で幾つもの妄想を実現しぶつけるゲーム"でもあるので、神の如き力を持っているプレイヤーと同等の力を得た脅威としての表現や、逆にプレイヤー達が如何に不純物で物語のことを考えてないか分かる遊び方の表現に加え、ベアトリーチェがそういう支配者のような悪役の特徴を全面に押し出すために敢えて"思想や見た目がちょっと似てるけど境遇が"モンスーンのキャラカードを使わせるに至りました。


以上が採用理由です。

真面目に語りすぎましたが、この作品はまだお気に入り1のカス作品。

作ってる本人は「もしも」を全力で出せて幸せですが、批判でもなんでも、もし見たら感想とかいいねください。☆10とかあったら、この作品がランキングに載っちゃいます。

欲望も漏らしながら、次の話もお待ちください!

以上、らんかんでした!
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