Never Says「Good by…」   作:らんかん

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尋問

「んん、アタシ……んえ……」

「起きたか」

 

 三人で囲んでいる。

 

「……あ!?」

「遅いぞ、もう昼になっちまってるじゃないか」

「お前!あのゴジュウウルフだな!」

「お前がフレスティ使って弱いのが悪いだろ」

「いいやアタシ悪くないもん!それになんでプレイヤーでもないナギサも一緒にいるの!?」

「それは協力を仰いだからです。尤も結んだ直後ですが」

「だってあんたは今人を信じれるような……!」

「はいはいケンカはそこまで」

 

 ヤマトが割って入った。

 

 手にはカードが4枚。

 

「君の名前はアシェイラ・ハーバスって言うんだ。なかなか面白い名前だね」

「そんなアタシ変な名前してたあ?」

「いや可愛いとは思ったよ、醜態が面白い」

「おまえっ!」

「まあまあ落ち着いてくれ。色々聞きたいこともある」

「ふん!なんでも聞くがいいさ!アタシは逃げも隠れもしないよ!」

 

 潔さはいいな。

 

 とは言えこの銀髪わんぱくガールに何から聞けばいいか。

 

「うーん、まずは目的かな」

「目的?そりゃあ上層部の抹殺っしょ。だってわざわざあんな強いカードで突撃するんだったらそれくらいしなきゃ」

「あのアリウス生徒達はお前と絡んでいたのか?」

「んいや全く。だって暗殺しに行こうと思ったら、もう勝手におっぱじまってたしあいつはミカも死んだって話だったからさ。ならプレイヤーを減らしにって」

「その検討が外れたわけか」

「あんた達だとは思わなかったんだもん!」

 

 なんでOSGPの優勝者と準優勝者がタッグを組んでしかもNPCがカード使ってんの!と言う怒りをぶつけられたが、その場のノリとしか答え用がないのでそう返す。

 

「あんた卑怯だよ!そのゴジュウウルフで余計にプライド折って!」

「いやあ、お前のプライドまでへし折る気はなかったんだ。」

「ん?今ゴジュウジャーって言った?」

 

 今度は隣が反応してくる。

 

「まさかとは思うけど持ってきたの?戦隊ものを?」

「いやベイト目的で一枚持ってきただけだから許してもらえるかなーって」

「なんてやつだ……!そんな動きを取れる自信があって実際に結果出すやつ初めて見たぞ!しかもフレスティ相手で!」

「正直相談もせずに持ってきたのは申し訳なくは思うが、並列フォーム使い放題だしそう言う意味では無理でもないもんだと思ってさ。アイアンには言わないでくれ」

 

 チーム戦が浅すぎる故の迷惑のかけ具合がどれだけのものだったかは分からないのだが、ともかくとして謝らなければならないのでそれは謝る。

 

「私は怒ってないよ。ただまあ、ほんとに驚いた。何がどうしてカスライナの力にゴジュウウルフ喧嘩を売って買ってるのが本当に信じられないだけで……ただ、それはそれ。逆を言えば"普段舐められてる"戦隊モノのカードでフルスペック相手に勝てるくらいのやつがトリニティにいるって言うのは少なくともプレイヤー視点では相当なプレッシャーになる。手だれがリスクマッチ仕掛けに行けるのは大きいよ」

「くっそ〜まんまとはまった!」

「仲間でさえ予測出来ないものを君が予測できる訳ない。これに関してはほんとに残念だったね」

 

 大和も流石に同情が隠せない。

 

 話をまとめると、このアシェイラと言う少女は単独で動いてトリニティの要人を殺そうとしたらしい。ただ、道中で既に死んだと錯覚し、その上でアリウスと敵対していた俺たちに乗じてプレイヤーキルを達成して有利をつけてから戻ろうと考えていたようだ。

 

 ただしその読みは外れて即席チームに倒された挙句、仮に本気で殺せていたとしてもその混乱で俺らの狙いは達成できた。

 

 つまり徒労に終わる。

 

 彼女は潔いプレイヤーだ、とかく倒されるのを覚悟でゆっくりしていた。

 

「とまあ、とりあえず目的は聞き出せた。か」

「裏の話一切してないのに?背後の情報とか引き出せるだけ引き出さないと」

「こいつがそんなことするタイプに思うか?」

 

 アシェイラの方を見てみると、ちょっと不貞腐れてそっぽ向いてる。

 

「こう言うプレイヤーは往々にして自己中で協力的じゃないんだ。ただまあ、このまま優しくし続けるのも問題なのは理解しているが」

「どうするの?」

「まあとりあえず動けないなら物色が先だ。体は嘘をつけても通信は嘘をつけない」

 

 やることは決まった。

 

「とりあえずこいつの服とかに手を突っ込みまくる!二人とも手伝ってくれ!」

「良いでしょう」

「おっけー」

 

 縛り付けている美少女に、俺らはこぞって手を入れた。

 

 それはコミカルではあるのだが絵面的にはほぼレイプ寸前であり、アウトレイジカップでもこの先に行ったら流石に容認されない行為。

 

 しかし、それらを無法者が気にすることの方がおかしいまである。

 

「あ、カード落とした」

「こっちもカードを落としました」

「あっ俺も」

 

 なんだかんだで服の隙間からカードを5枚取り出した。

 

 あとはスマホだが、これはまあ流石にロックが掛かっている。だが通知を拡大すればセキュリティ突破しなくてもなんとかなる。プレイヤー間通信されて救援を呼ばれたら困りものだが。

 

「えーっと、カード全部が……ロックが掛かっていますね」

「ファイノンって書かれたカードは?」

「ゼロです」

「こっちも見当たらないかも」

「じゃあ普通にフレスティ運用か」

 

 しかしひどいな。

 

「全部ロックが掛かってて……ああ?全部フルスペックじゃねえか!」

「しかも他は全部黄金裔なんて……ええ、一体何をどうしたらそんなことできるわけ?」

「そりゃフレスティの効果でフルスペックの黄金裔使ってる相手から火種を強奪しまくってなんとかしたんだよ。それくらい予想つくでしょ?」

「予想はつくけどそんなプロがどうしてこんな愚行に」

 

 持っているカードはヒアンシー、キャストリス、モーディス、サフェル、そしてフレイムスティーラー(カスライナ)。

 

 全部フルスペックで持っているため何度でも回復できて雷も落とせる、触れるだけで命を奪える、何度でも生き返れる、飛翔の幣を使いまくれる。もはやフルスペックでさっさと攻略して、ハッピーエンドを目指せば良いだけ。

 

 それすらしないことは引っかかるものの、オルカブースターもリョウテガソードもないゴジュウウルフ相手での名誉に関わるリスクマッチの効果は絶大だったわけだ。

 

 俺らはこれを使えないが、逆を言えば奪って保管し逃走すれば彼女の戦力を奪える。仮に俺らを全員倒せないとアシェイラの能力を取り返せないが、その際はもう割り切ってキルしてしまうのが良いだろう。

 

「どうする」

「どうするって?」

「こいつの処遇だ。逃がすは論外にしろ、設置場所とかは移動させるべきだと思う。ここが狙われては本末転倒だし、仲間の情報を吐きたくはない。そうだろ?」

「あっかんべー!」

「だそうだ。どの道こいつがやられてもゲヘナ陣営が勝ち、同じチームのやつが高順位を取れば優勝京浜はこいつのものだ。それは癪だろ?」

「と言ってもねえ、こう言う女の子を屈服させる方法って、いや女の子に限らないんだけどね。ゆっくり拷問で削っていくしかないんだ。仲間が助けに来てくれる、って言うならそれをぶちのめして服従させるのが手っ取り早いし……助けに来なかったら時間差でちょっと拷問して精神を折るのが手っ取り早い」

「でもここに置いておくのか?ナギサ達が殺される可能性だってある」

 

 話は難航した。

 

 結局キーパーソンを置いておきたい俺らは、下手に行動を重ねて不利状況を作り続けるわけにもいかない。だけれども、こいつも有効活用したい。

 

 二兎を追うものは一兎も得ず、と言うことだが、どっちが大きいかは考えないと。

 

「うーん、どうしようね」

「ではいっそ来させては如何でしょうか」

 

 そう発言したやつがいる。

 

 桐藤ナギサだ。

 

「あ?」

「もう一回言いましょう。"何人だろうがここに誘き寄せればいい"んです」

「ちょっとちょっと、それ本気?」

「何を言っているのですか。私とミカさんはここを拠点にする、つまりここで襲ってくれば勝てた場合トリニティの指揮系統の完全消失が狙えます。残っているのはほぼ体調不良のサンクトゥス、そして政治から離れていたシスターフッドや救護騎士団だけ。正義実現委員会は政治の都合上動けない。それは相手も理解しているはずです」

 

 つまりこっちは相当な貴重品を抱えている状態でフリーな奴らが襲いにくれば取れる動きの差で勝てる。なぜなら制約がない方が強いに決まっているから。

 

 この状態はむしろチャンスと言えた。プレイヤー反応を使い誘き寄せることで、迎え撃ち勝てたらそのまま相手陣営への警告に使える。仮に負けたとしてももう殆ど使い物にならないアシェイラだけが戻ってくる。

 

 一番最悪なパターンである全滅を引いたらそもそもゲーム的にどうしようもない。

 

 だが、ナギサ達が死んだところで少なくとも混乱が巻き起こるがトリニティは問題解決のために内部争いしかしていない上流階級を固めることが可能。

 

 つまり、おびき寄せて行動を共にするだけでも最悪なパターンさえ引かなければ今後の行動につながると言うことだ。

 

「あとは、そうですね。セイアさんもここに居れば完璧なのですが」

「無茶言うなよ、誰も接点を作れてないし」

「流石にそれは仕方ない、ですね」

 

 ともかく、彼女は"敵のプレイヤーが手元にあることが最高である"と捉えていた。

 

 人質なんて生ぬるい発想はしていない。ちょっと怖くある。

 

「じゃあ、しばらく彼女を拘束しておけばOKってことか。うーん、中々いいな」

「ちょっあたし良くないんだけど!?」

「流石に負けているやつにどうこう言われたくはないな」

 

 アシェイラには呆れ声で返す。

 

 ともかく次はこいつを元手に待つしかない、か。

 

 虫を餌にして釣ったら小魚だったから、今度はその小魚で普通の魚を釣ろうという感じだ。骨が折れる。

 

「とりあえず彼女を監視・監禁するための準備をしないとねえ。一応屋敷ではあるし、客室には水回りもあるから面倒じゃないはず」

「じゃ、昼飯食ったらその準備か」

「そうですね」

 

 ちょうど腹も減って来て、休憩したいところ。

 

 背伸びしたら、玄関の鍵が音を立てる。

 

 そろそろ腹を満たす時間だ。




《余談》
おはようございます!らんかんです!

今回は普通に余談です。

お題は『メタいお話』

最近は皆様のおかげでとりあえずUAが出た瞬間に40超えたりして、順調に多重クロスオーバーとしては軌道に乗って来ているんじゃないかと思っています。

しかし、私としてはこれで8万文字、もうそろそろで10万超えちゃうよ!

なのでそういったとんでもないことにとんでもないリソースを使っているこの哀れならんかんに、お気に入りと感想をお願いできたらなと思うわけですよ、大きく作品に影響しませんし。評価?ああ、それはできれば高評価欲しいけど読んだ感想でどうだったかによるのでお願いはしないです。

あとはそうですね、もうそろ10万いくのでもしよろしければ感想の方に好きなキャラとか書いておいてください。この作品にそれだけの魔力があるとは思いはしてないんですが、書いたらキャラもしくはキャラカードが出るかもしれません。読者の干渉もあった方がこう言う話は面白いですからね。

と言う感じです!感想くれると喜びます!あと他の作品読んで!

らんかんでした。
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