Never Says「Good by…」   作:らんかん

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戦闘訓練

 カミツナギのところでどんちゃん騒ぎをしないにしろ、軽く戦勝会を挙げた。

 

 ブルアカグランプリの優勝は勿論、ブルートワルツの撃破に、レイジの衝撃的な帰還。そしてこれからの戦いに対するやる気上げ。

 

 ともかく未来への頑張りも今の楽しみで補強するのが人間で、必要を感じたレベルで大張り切りして楽しんだ。

 

 で、その次の日。

 

 エレクワールドの主は出来る協力は惜しまないといった結果、大きめかつめちゃくちゃ遊べるし休めるドーム見たいな場所を作ってくれた。トレーニングルームとも言うべきだが。

 

『芽衣先輩はあんな男に色々話をしてるのに、私にはちっとも話をしてくれない!』

『それを俺に言うなよ、大体あいつらはあいつらで何を話してるんだ。お互い接点ないだろ』

『あるよ!私が!……あったま来た、アレイ!私との戦闘に付き合ってくれるよね?』

『俺を殺す気か?』

 

「で、どのくらいの強さがいい。というか、どこまでやる?」

「一回目はしばらく戦ってなかったし……体を動かすついでに色々試したいな」

「いいぜ一個持ってこい」

「もう持ってるよ」

 

 キアナは手に、一つの刀を持っている。

 

 何か気に入ったものがあったのか、だが見た目は普通の刀だ。無論、彼女が何を持ち込んだのかは楽しみにしてるため口にもしないし確認もしないが、多分斬魄刀か?

 

「まあ、長引かせても仕方ないしな。俺は段階的に使うのを変えるぜ」

 

 手に持つはSPライセンス。

 

「変身するの?」

「ああ!」

 

 ピピ、と鳴らして構える!

 

「エマージェンシー!デカマスター!」

 

 コールを受けたデカベースから、形状記憶宇宙金属デカメタルが転送される。

 

「フェイスオン!」

 

 そして、超微粒子状に変換されたデカメタルが俺の全身を包み、変身完了するのだ!____と言っても、様々な作品が出てくる前提のOSGPでこんなカッコつけてたら即死するのがオチである。戦隊に変身?するのは舐めプ同然。

 

 しかしまあ、こういういろんな手を使って試す分には申し分はないはずだ。尤も、相手は経験が先にインプットしているキャラクター。すぐにやられないことだけ意識しよう。

 

「名乗りはなしだ、どうせすぐに切り替わるんだからな」

「いっくよー!」

「来い!」

 

 腰の刀を引き抜いて、そのまま応戦。

 

 刀身が触れ合い、火花を散らすが互いに折れはしない。どちらも硬いが、打ち合えばやはり霊圧のようなものを感じる。

 

「固っ!?ってかなんで私より力強いわけ!?」

「変身してる時はそれ相応に強化が入ってんだ!負けるかよ!」

 

 力押しで振り下ろし、それを力任せに弾かれたら同じようにして反撃してくるのをまた力任せに押し返す。

 

 逆手持ちにして切り返しとか、そんな小細工さえもしない。キアナがそれをしないで自分が出来るやり方でやって来てると言うことは俺はそこまでして狙える隙がないってことになるし、逆を言えば彼女は俺からすればそこまで致命打を負わせる隙を見せないプロってことだ。

 

 芽衣が習ってた北辰一刀流とやらを少し経験したのだろうか、少なくとも雑に振ってる感じはしない。ただ、問題なく受け続けられてるあたりには当然ながら"デカマスターのスペックを知らない"ことが俺と彼女の間にある実力差をうまいこと隠してくれている。

 

 特撮系の旨みを活かすのは得意だ!

 

「随分と打ち込む力が減りやしない!どんだけ馬鹿力込めてるんだ!」

「乙女に向かって馬鹿力ってあんた失礼だと思わないの!?」

「失礼だと思うようなやつだったらこんなゲームやってねえよ!」

 

 無理やり押し込む形で弾き返して、一回構え直す。

 

 どっちの刃も欠けはしてないが火花散らしまくったせいで少し焦げている。

 

「流石に一筋縄じゃ行かないか……あんた、ちょっと強いね」

「誰がレイジの次に優勝してると思ってんだ」

「少しばかり強く行くよっ!」

 

「蹴散らせ!群狼(ロス・ロボス)!」

 

 畜生ふざけやがって!突然飛んできた虚閃(セロ)をディーソードベガなる刀で真っ二つにして避けるが、このままでは普通に負ける。

 

「相当無茶なお題をしてくれるじゃないか!」

「知ってた?フルスペックカードも、機能を限定して取れるって!」

「ああ知ってたさ!だがな、いきなりそれはないぜお前!」

 

 流石にこれで抵抗するのは限界を感じた。

 

「こっちも少し本気で行くぜ!」

 

 変身解除しないでそのままベルトを巻き付ける。

 

《SET》

《SET FEVER!》

 

「変身!」

 

《HIT FEVER MUGNAM》

 

 すぐにパッと思い浮かんだのがこれだ。OSGPだと持ち込めるカードこれくらいだし練習も兼ねて、暴れるか!

 

《RIFLE》

 

 流石にスタークではないからか、虚閃をただ無造作に、無数にぶっ放す。無限装弾虚閃(セロ・メトラジェッタ)ではないのは、純粋にキャラクターが持ってる特殊なエネルギーを上乗せでぶっ放してるはず。

 

 だが俺だって戦える!ライフルモードとハンドガンモードの両方で相手の攻撃を弾で貫き、その勢いで他の虚閃を破壊。強く放たれたビームをライフルで貫いてその隙間にハンドガンモードの弾を忍ばせて攻撃を狙うが流石に自分の攻撃を裂いて突っ込んでくる銃弾の餌食になるつもりはないらしい。

 

「攻撃が届かない!」

「お互い様だ!」

 

 俺がさっきと違って至近距離戦をしないという判断をしたのは、さっきの刀の打ち合いでかなりの体力と体幹があることを知らされてしまったからだ。無論、ビビる理由にはならないがもしライダーとはいえ至近距離戦闘を仕掛け続けた場合、おそらく疲労蓄積スピードだけは俺が勝ってしまう。

 

 無論、それがいい訳でもない。むしろ今回の様な場合は接近戦を仕掛けるまでがいい、最大の武器を奪えるなら近距離戦闘を行える方が都合がいい。

 

 なら、なぜ撃ち合いをする方法を取ったのか。

 

「いけっ!無限装弾虚閃(セロ・メトラジェッタ)!」

 

 来た!

 

 左に装填していたマグナムレイズバックルをライフルモードの方に付け、そのままマシンガンを持った手でフィーバースロットレイズバックルを起動。

 

《MAGNUM TACTICAL BLAST》

《GOLDEN FEVER VICTORY》

 

 群狼は確かに強い、あまりに強烈な一撃でまず倒すことは叶わない。

 

 ならば搦手だ。

 

 強い虚閃を手足4門のアーマードガンなる備え付けの固定銃とマグナムシューターを用いた全身からの乱射。バク転と側転を繰り返して銃弾をばら撒き続け、虚閃に銃弾の回転でバリアのようにばら撒き続け、そこに余った銃弾をぶち込んで正面からの攻撃にする。

 

「甘いよ!」

「じゃあな!」

 

 捨て台詞を吐きながら、銃弾を撒き散らし、その銃弾が弾けては防御壁を作る。

 

「あ……!」

 

 ただ、それじゃ終わらない。銃弾はドームを反射して一点に集まっていく。

 

 楕円形もしくはそれに類する場所では、角度こそ違えど中心というものがある。それを見極めつて撃つ、というのは初心者やエネルギー系の銃では無理だが実弾で経験があればできるという事だ。

 

 俺には経験がある。

 

「極道技巧(スキル)

 

狂弾舞踏会(ピストルディスコ)!」

 

 俺はお前たちの冒険をなぞった時に、最初からずっとヤクキメて戦ってたんだ!デュランダルと死ぬ寸前の相打ちをするまで、ずっと!

 

 当然暴走族神(ゾクガミ)の極道技巧(スキル)なんざ何回もやったんだ!このまま叩き落とす!

 

「舐めるなぁーっ!」

 

 キアナは叫び、行動を取る。

 

《HANDGUN》

 

 自分に向かっていながらも跳ね返った音で悟ったか、自分がいた位置を理解して大きく前に飛んで避けて飛んでいたのをいいことにそのまま高速落下で迫り来る。

 

 互いに技を構える暇なく、銃弾を連射し続けるが互いに相殺を続け、わずか二秒で至近距離に。

 

「こいつでマッチポイントだッ!」

「悪いけど、私の勝ちだよ」

 

 群狼が、一つの形に収束する。

 

「なっ……!?」

 

 そう、自由落下してくる彼女の手に握られていたのは。

 

 斬魄刀、と呼ばれるものだ。

 

「やろぉぉぉぉぉーっ!」

 

 銃を構えてるポーズで既に切り払う準備動作を完了していたようだ、刃がそのまま襲いくる。

 

 とりあえずできる限り身軽になるべくマグナムシューターを二つ手放し、後ろに倒れる様にして手足のアーマードガンを乱射。

 

 それで壊れるものでもないが、地面から離れるアーマードガンの反動と衝撃。当たらないにしろ距離感を掴ませない至近距離のマズルフラッシュと銃弾に当たって無造作に回るマグナムシューターを使って邪魔をできる限り入れて後ろへとバックジャンプ。

 

 そのまま軽微な衝撃で膝を突きながらも着地する。

 

「はぁ、はぁ……まじで死ぬかと思った、とんでもねえ真似をしやがって!」

 

 マグナムレイズバックルはつけたままで、時間消滅でベルトにないため変身解除。普通のマグナムフォームになった。

 

「アレイって死にかけからしぶといんだね、殺し損ねちゃった」

「そうじゃなかったら今の名声もないぞ。そもそも欲しくて手に入れたもんでもないけど……今殺し損ねたって言ったか?」

「言ってないよ」

「そうかよ」

 

 そろそろ第三ラウンドだ。

 

 相手も何を使いたいか選んでいる様だし、俺も選ぼう。流石に特撮ばっかでは飽きるからな。でも何にしようか、日輪刀で呼吸を使うのも面白そうだと思ったし、忍術も結構いいなとも思いつつある。だけど格ゲーみたいにコンボ差し込めたら楽しそうなのも捨てがたい。

 

 だが、少しばかり気分が乗って来た段階で客人が現れた。

 

「おーい!アレイシア!お前人の彼女連れ回して何やってんだー!」

「キアナちゃーん!カミツナギさんのところにもいないから結構探し回ったのよー!」

「それお前に言われる筋合いねえよ!こそこそ連れ回しやがって!」

「芽衣せんぱーい!こっちこっちー!」

 

 バックルを外し、デザイアドライバーも外して変身解除。そのままレイジに近寄る。

 

「オレだって連れ回したくて連れ回したんじゃねえさ、それにちょっとした事情聴取をされてただけだ」

「誰にだよ」

「そこの紺色に」

「……苦労が絶えねえな」

 

 頭を掻いてため息をつく俺に、レイジは肩を組んでくる。

 

「ま、お転婆の相手をしてくれたのには感謝してんぜ」

「じゃなんかお礼を示してもらわないとな」

「今から大事なところに連れて行く」

「お礼じゃなくて仕事じゃねえかふざけやがって!」

 

 文句を言ったら、組んできた力を強めて迫ってきた。

 

 黒い髪に鋭い瞳。

 

「少しばかり真面目にしないといけない。我慢してくれ、いい目は見れる」

「……仕方ない」

 

 とりあえず二人は置いて、俺を連れて行きたい彼についていく。

 

 訓練場から退出し、やって来たのはパブリックのネオン街。電気自動車と様々な光のラインが走る、最先端の街だ。

 

 そこで何をどうするのかは、分からないまま。

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