《Perfect Rise!》
《When the five horns cross,the golden soldier THOUSER is born》
二種の動物がぶつかり合って、変形して融合。
アルシノとコーカサスが混ざり、そうして生まれた装甲が俺を包んだ。
《Presented by ZAIA》
「槍はなしだ、お前と戦う時には足枷にしかならなさそうだしな」
「どうしてそう言い切れる?」
「銃口に怯まない相手が槍程度で怯まない。なら、重荷を外して出来る限りの全力でぶっ飛ばす!」
正直、彼女相手に勝てる自信は薄い。
メタルギアの世界で強い戦士はCQCと呼ばれる近接戦闘術を持っている、銃とナイフを持ちながらレンジを伸ばしつつ至近距離での戦闘を可能にするものだ。
そんないいとこ取りの格闘術を十全に扱えるようなやつに、本気の格闘術をさせるしかない。
怖いに決まってるじゃないか!
「行くぞ!」
「来い!」
相手に攻めさせて何かあるかは不明だから、自分ができる範囲で突っ込んでいく。
仮面ライダーにはスペックがあって、パンチもキックもジャンプもtで表せるほどのスペックを持っている。
彼女は格闘術の達人だ、受け流して自分を抑えるなんて普通に出来るだろう。というか、出来てなければそれはそれで別の問題が発生するかもしれない。
だが俺の腕や足をとって転ばせたとしよう、俺には仮面ライダーのスペックがある。
至近距離で暴れて撃破を狙う!
「はぁっ!」
俺の動きは正直に言って雑魚同然だ。
何かを殴る時、勢いをつけて腕を突き出して殴り飛ばすスタイル。動作が分かりやすく、確実にカウンターが取れる。なんと言っても胴体がガラ空き。
ただし、どれくらいの強度があるか分からない全身アーマーを使っている以上、腹部を殴ることでのダウンを相手は狙えない。カッコつければインフォメーション・アドバンテージ!
「甘いぞ」
腕を掴んでから彼女の方へ引っ張られた上で、そのまま首元にナイフの鋒が突きつけられる。
何か反撃しようと思ったが、その時には足元に広がる衝撃を認知して仰向けで転んだ。
「あちゃー、一本取られたな。乗っとくか?」
「遊びに来たわけではないのだぞ!」
ナイフを持った左手で、喉に突きつけられる。
「おいおい、それじゃ傷つかないぜ」
「そうだろうな。だが、これでいい」
「なんでだ?」
「お前が見せつけたものに答えがあった」
そうくるか!
一瞬で動こうとする彼女に追いつくように、ナイフを持ってない方を掴む。
その手は間違いなくプログライズキーを掴もうとしていた。
「ざぁんねぇん!お前の考えてることはお見通しだ!」
持っていた腕をパワーで振り払って腹を殴りつけ、ヘディングで鋭い部分を擦るようにぶつけ、えずいた時に蹴り飛ばす。
悲鳴が聞こえる間もなく放物線を描いて少し遠くに落ちた、彼女に向かってサウザーではなくザイアみたいにリラックスしながら煽る。
「あんたの発想力はいい、運動神経最高、格闘術に至っては近代兵士の母としてやはり至上!あんたが味方だったら沢山習いたいことがある!
だがな!」
挑発して言葉を続けた。
「この世界は何でもありだ!ライダーもいる魔法少女もいる侍も呪術師も何でも!そいつらにはそいつらの戦い方があるが、異種格闘技前提のこのゲームには”戦い方の優劣”もある!CQCは覚えたらかっこいいし強いが『簡単に強くなれなければ』意味はない!」
意味はない、というのは完全に出鱈目。
カードをなくして彷徨った経験がある俺にとってはCQCまで行くかはともかく、カードなしで戦える方法を覚えていて使えることのありがたさは身に沁みてる。
さっきから有る事無い事適当に言っているのは、完全に彼女に対する催促のためだ。
「さあ、どうする。諦めてお家に帰ってくれるなら俺は止めないぞ」
「……」
おい嘘だろ普通に立ってきてるぞ。
「マジかよ。結構本気で蹴飛ばしたのに……いやたまにライダーのスペックって当てにならない時があるから別におかしな話じゃないけども」
「随分と気合の入ったキックだったわ。しかし、力任せでしっかりと入れ込んでいない」
「そりゃ引き剥がすことが目的だからな」
しっかし、困ったもんだな。
ゼロワンライダーのAI補助が強いおかげで助かってはいるものの、正直このままだとジリ貧だ。しかも負ける方が俺。
相手には接近戦を仕掛けられないし、かといってライダーの装甲ってダメージは防いでくれても内側の人間に衝撃が伝わり続けると意味はないし、しかもパトリオットは弾切れしないから正直確実に勝てる算段がない。
「どうした、来ないと勝てないぞ」
構えを解かずに、互いに睨む。
「いや、そろそろ時間かな。俺はこいつの力を利用して逃げることもできるなと」
「逃げてどうする?」
「そりゃ……」
答えに困っていると、何か音がした。大きな振動を伴って。
「なるほど、逃げるのはお前のほうがいいようだ!多分そこ危ないぞ!」
空気を切り裂く音がデカい!
急いで走ってくる彼女と入れ替わるように、自分が少し前に出る。
瞬間。
「うああああーっ!?」
ひどく情けない声を出して吹っ飛ぶ。
ビルがえぐれるような一撃が飛んできて、その勢いのまま近くのビルにぶつかって倒れる。衝撃で変身解除し、挙句サウザンドライバーは壊れた。
「痛え!誰だ、人と戦ってる最中に横槍入れやがったの!」
幸いにもライダーシステムの補助によって大きな怪我はしなかったが、立ち上がる時に節々が痛むのには変わりない。
「……」
「あぁ?」
煙がゆっくり晴れると、横槍入れた失礼なやつが顔をだす。
ツノが二つ生え、褐色で、スタイルがいいメガネの女。少なくとも口は開いてないが、そもそも声をかけたところで口を聞きそうにない。
「艦娘か」
そう判断できる理由が、装備なのは明白だ。
「見たところ戦艦とお見受けするが、その少ないサラシをめくらせてくれないかな?」
眼鏡の向こうで鋭い視線が浴びせられ、砲門がこっちを向いて火を吹く。
左に飛ぼうと思った瞬間には立っていたところの近くが爆発して、またしても吹っ飛んだ。
というかここまでザ・ボスがどこに行ったのか見えてない。
「痛いな……!」
街灯にもう一度背中からぶつかって倒れて、また立ち上がる。
ファイブセブンを持って構える。が、痛みでぶれていて下手したら自分の足を撃ち抜くほど揺れた。
「随分カッコつけたのに、カッコ悪い退場になりそうだな」
とかく攻撃しなければ始まらない。
引き金を引きながら、相手に軽いダメージを与えながらも後退する。
だが、当たってる様子がない。
「うぐ……」
痛みで少し足を引きずっていた。
そういえばちゃんとした訓練をしたやつが、静止している的に当てられるのは70%前後だと聞いたな。動いているやつに当てようとしたら30か高くて40%だって。
俺はちゃんと訓練していないし、相手は前進しているが少なくとも動いてるし、何より怪我をしていてまともな姿勢を維持が不可。
この状態なら高く見積もっても20%だろう。
「……」
「まずっ……!」
2発目の砲撃が来た、が避けれない!
自分が体を引きずって体力を消耗し、その上で倒すという判断。流石に抗わないと、という思考を逆手に取られた。初歩的だが効果のあるやり方、まるで猟。
砲撃にまた吹っ飛んで、今度はコンクリートだ。俺は耐久試験でもしてるのか?
「あが、ぐ、あ」
無理に立ち上がるが、やはり痛みが悪化している。
砲撃の直撃はないとはいえ、攻勢手榴弾みたいな攻撃を何度も喰らっていい気分なやつはいない。
ただ、最悪なのはファイブセブンも壊れたことだ。握っていたが、スライドが環境活動している芸術家が拾ってきたような形になっていた。まともに引けないから捨てる他なし。
「チッ、どうやらここでお縄か?」
ふらつく。
血の匂いが充満しすぎて正直吐きそうで、それでいて敵は見逃してくれないだろう。もう死ぬしかない、みたいな状況。
そんなもんだから、相手の後ろになんか黒いフード被った眼鏡の死神がいる。眼鏡多すぎだろ。
「んだよ……」
でもその死神が、妙にはしゃいでる。
《それ使って!》
なんて書いてあるプラカードを振り回しているもので、何を言ってんだと思いながら”それ”を探そうと目を回した。
相手の艦娘は俺を気にしてる様子はない。
さてどうするか、足を動かすと________
こん。
「あ?」
何か、形のあるものが引っかかった。
つま先の感覚に頼るように、手を動かすと何かがある。
「これは」
CHANGEと書かれているカブトムシのカードと、カードを入れて動かすであろうもの。
「……なるほど?」
カードを入れる。
すると、それから長いカード状の帯が出てきた。
仮面ライダーブレイド、か!
「!」
何かを察知したのだろう相手は砲撃をこちらに3発撃つが、カード状のベルトが全て防いで本体は無事なまま自分の腹部に装着された。
「どうやら、いいカードを引いたらしいぜ。文字通りの切り札が」
プラカードの亡霊が何をしたいのかは分からないが、少なくともキングフォームにならなければ大したデメリットもないだろう。
待機音が響く、ポーズをして、構える。
「お前が何をしたいのかは知らないし、多分大和のことで色々あったことは察する。物言わぬ奴になってしまったことも、きっと悲しいことなんだろう」
相手の視線は、殺意は含んでいない。
「だけど俺はプレイヤーだし、この世界の住人だ。だからこの世界を守るために、そして、プレイヤーとして真摯に勝つつもりだ。そう簡単に負けたりは出来ないさ」
これ以上の言葉はいらない。
心の底から、やる気が出てきて体に力が入る。
「いくぞ」
なら、そのやる気を宣言して真正面からぶつかろう!
「変身!」
《TURN UP》
相手も火蓋が斬られたのを理解して、そのまま砲撃を重ねる。
だが遅い。
目の前に出てきた畳みたいな光る板が、全てを防いで近づく。
攻撃を防いだ後、板に重なって通り抜け________
仮面ライダーにしてくれた。